ChatGPTを活用すればプログラミングの学習も可能
ChatGPTは、OpenAIからリリースされている会話形式の言語モデルです。ChatGPTは、ユーザーの質問やチャットに対して、まるで人間と話しているような自然な文章で回答をしてくれます。
そんな特徴を持つChatGPTですが、プログラミングの知識も持っており、プログラミング学習にも役立てることができます。本記事では、ChatGPTを活用したプログラミングの学習方法や使い方の例を、図を用いながら詳しく解説します。
プログラミングを仕事や勉強で使っている人や、これから学習を始めたい人は、是非参考にしてください。
【参考】:ChatGPT 公式
プログラミングの学習に役立つChatGPTの使い方
プログラミングの学習と一言でいえど、具体的にどんなことができるのか気になるかと思います。
実は、OpenAIのサイトからChatGPTの使用例のページを確認すると、プログラミングに役立ちそうな使用例を見ることができます。
例えば、簡単なSQLのクエリの生成や、コードの説明やプログラミング言語同士の翻訳などができます。その他にも、プログラミングの学習をする上で役に立つ機能が沢山あります。
ここからはプログラミング学習に役立つChatGPTの使い方をいくつかご紹介します。実際に使用した例も、図解で紹介していますので是非参考にしてください。
【参考】:OpenAI ChatGPTの使用例
言語の特徴や概要を学習する
プログラミング言語を初めて学習する時に、言語を開発している団体などの公式サイトからドキュメントを読むことがあると思います。しかし、ドキュメントは量が膨大だったり、英語で記述されている場合があったりするので、非常に読みにくいといった課題があります。
そこで、ChatGPTの出番です。ChatGPTで学習したい言語の特徴や概要を説明してもらえば、分かりやすい日本語でその言語の概要などを理解できます。
例えば、下図はPythonの言語について説明を求めた例です。ChatGPTは、自然な文章で回答をすぐに作成してくれました。このように、言語に関する基礎知識を理解したい時には、ChatGPTで質問してみてはいかがでしょうか。
【参考】:ChatGPTの使用例 Q&A
サンプルコードを記述してもらう
ChatGPTでは、サンプルコードを記述してもらうことも可能です。本記事では実際にChatGPTにサンプルコードを記述してもらいました。
まずは、下図のように「JavaScriptで簡単なサンプルコードを記述してください。」とChatGPTに指示をしてみます。すると、その指示に沿ったサンプルコードを提供してくれました。
簡単なプログラムを読んで学習を進めたいときは、このようにChatGPTを活用してみましょう。また、さらに複雑なコードを記述してもらいたい場合には、より具体的に指示を出すとコードを記述してくれるでしょう。
コードの内容を解説してもらう
プログラミング言語は、その言語ごとに独特の文法や関数、書き方のルールなどがあります。そのため、初めてプログラミング言語を学習する際は、いきなりコードを見ても理解するのに時間がかかりがちです。
通常であれば、ドキュメントを参照したり参考書から調べたりしながら意味合いを調べますが、ChatGPTを利用すればコードの内容を瞬時に解析して解説してくれます。
ChatGPTを利用して大まかにコードの意味合いを理解してから、本やドキュメントで知識を補完していくとスムーズに学習を進めることができます。
本記事では、例としてChatGPTにコードの解説をしてもらいました。下図のように、コードの解説を促すと、ChatGPTは即座にコードの解説をしてくれます。
このように、上手にChatGPTを利用することで、より効率的にプログラミング言語の学習ができるでしょう。
【参考】:ChatGPTの使用例 コードの説明
自作したコードの修正をしてもらう
自分でコードを作成した場合、文法のミスなどによって思い通りにコードが動かないことがあります。本来であれば、デバッグをしながらバグやエラーの箇所を特定して修正をしていきますが、このような時もChatGPTを利用すれば効率的に作業ができます。
ChatGPTのサイトの使用例のページを見ると、PythonのコードをChatGPTに記載し、バグの修正を行っています。下図のように、バグを見つけて修正するように指示を出すと、修正されたコードが返ってきます。
ご自身の環境で動作確認やコードの確認をする必要はありますが、学習中に上手くいかなくて困っている時は、ChatGPTを活用してみましょう。
【参考】:ChatGPTの使用例 Python のバグ修正ツール
SQLクエリを作成する
ChatGPTを利用すれば、自然言語をSQLのクエリに変換することも可能です。指示を正確に出す必要がありますが、条件を正しく提示すればSQLが返ってきますので、非常に便利です。
下図は、ChatGPTで日本語をSQLのクエリに変換している例です。下図のように、テーブルの情報と条件を与えると、クエリに変換されます。
【参考】:ChatGPTの使用例 SQLへの変換
プログラミング言語を別の言語に翻訳する
すでに何かしらのプログラミング言語を学習している人が、さらに新しい言語を学習したい場合にもChatGPTが役に立ちます。
例えば、JavaScriptからPythonに変換したい場合、JavaScriptのコードをChatGPTに入力します。このコードをPythonへ変換することを併せて指示すれば、Pythonのコードに変換してくれます。
新しい言語の習得においてコードの書き方を学習したいときや、言語の特徴を知りたいときに役に立つでしょう。
【参考】:ChatGPTの使用例 JavaScriptからPythonへ
ChatGPTをプログラミングに活用するためのコツ
以上のように、ChatGPTを使えばプログラミングの知識補完のみならず、プログラム生成やコードの修正を効率的に行うことができます。ただし、正確な回答を導き出すためには、わかりやすいプロンプトになるよう、指示や質問の仕方を工夫する必要があります。
ChatGPTをプログラミングに活用する際に意識したいポイントを解説しますので、これをもとにChatGPTとのやり取りに慣れていきましょう。
簡潔で具体的な指示を出す
プロンプトを入力する際は、ChatGPTが理解しやすいように簡潔で具体的な内容にする必要があります。曖昧な表現や冗長な表現、抽象的な表現は、誤った回答や希望しない回答を導き出す原因になります。
使用するプログラミング言語を指定したり、具体的に何をどうして欲しいのか明確に示したりすることが大切です。また、丁寧で具体的な表現は心がけつつも、文章は長くなりすぎないように端的で短い文章を意識しましょう。
段階的にやり取りを行う
一度のプロンプトで多くの情報を盛り込んでしまうと、ChatGPTが指示を上手く理解してくれない可能性が高まります。そのため、ChatGPTにやって欲しいことをいくつかのフェーズに分けたり、大まかなタスクを達成してから細部を詰めていったりすることをおすすめします。
例えば、ChatGPTが生成したコードの一部に誤りがあった場合、その後に続くすべてのコードにおいて見直しが必要になることもあります。一度に多くのコードを生成してもらおうとすると、こうした問題が生じた際に修正が大変になります。段階的に少しずつ組み立てていった方が、確実で効率的です。
ChatGPTでは過去のやり取りを踏まえて回答を導き出すことも可能です。簡単な短いやり取りを段階的に繰り返して認識のずれやミスを防ぐことが、ChatGPTを扱うコツです。
関連する情報も提供する
より複雑な作業を指示する場合は、関連する情報も一緒に提供してあげると回答の精度を高めることができます。
コード生成を指示する場合は、使用しているプログラミングツールや開発環境、使用したいライブラリ、前提条件、さらに具体例や参照したいデータなどを必要に応じて提示すると良いでしょう。
なお、関連情報を添付する際はプロンプトの簡潔さ・明確さを保つために、指示文とは別に箇条書きで記載するといった工夫が必要です。また、「他に必要な情報があれば聞いてください」といった一文を添えることで、ChatGPT側からの情報提供のリクエストを受け付けることもできます。
ChatGPTを使う際の注意点
プログラミングを学習するうえで非常に便利なChatGPTですが、いくつか注意しなくてはならないこともあります。なぜなら、ChatGPTはインターネットの情報から学習を重ねた言語モデルのため、必ずしもその情報が正しいとは限らないからです。
その他にも、ChatGPTを利用するうえで気を付けるべきことがあります。ここからは、ChatGPTをプログラミングの学習に取り入れる上での注意点をご紹介します。
プログラミングの学習にとどまらず、非常に重要なことですので、こちらも是非参考にしてください。
ChatGPTの情報が正しいか必ず確認する
先程も少し触れましたが、ChatGPTはインターネットから学習して回答を作成しています。そのため、必ず正確な情報を提供してくれるとは限りません。
また、最新の情報を提供している保証もありませんので、プログラミングの学習に活用する場合は、必ずその情報が正しいかどうか確認して下さい。
ChatGPTは補助的な意味合いで使用し、学習した知識が正しいかどうか確かめる時は、公式のドキュメントや参考書で確認する、といった方法をおすすめします。
コードを書く練習も併せて行う
プログラマーを目指している場合や、自分でアプリケーションを作りたい人は、自分でコードを書く練習もしましょう。
ChatGPTにコードを作成してもらうだけでは、文法の理解などはできても自分で一からコードを書く力はなかなか身に付きません。コードの記述もある程度練習して、そのプログラミング言語になれる時間も確保しましょう。
ChatGPTを上手に活用してプログラミング学習をしよう
ChatGPTは、プログラミング学習に非常に役立つことがお分かりいただけたかと思います。SQLを記述してもらったり、コードを解析してもらうことで、プログラミングの学習をより効率的に行うことができます。
しかし、その一方で情報の正確さなどは自分で必ず確かめる必要があります。特にプログラミング言語はバージョンアップなどの事情で、関数やルールが変更する可能性があります。
プログラミングの学習をする際には、必ずChatGPTの知識が正しいかなどをチェックするようにしましょう。
ChatGPTを上手に活用すれば、プログラミングの学習をしたことがない人でも、より簡単に学習を進めることができます。これからプログラミングを学習してみたいと考えている人は、是非ChatGPTも併せて活用してみてください。
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