ChatGPTでできることは? 何ができるか、できないことも併せ全12編を解説
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ChatGPTでできることは? 何ができるか、できないことも併せ全12編を解説
アンドエンジニア編集部
2023.12.13
この記事でわかること
ChatGPTでは、会話や翻訳、例文作成、プログラミング、表の作成、サンプルデータ作成など様々なタスクを行える
ChatGPTは、誤回答、専門的なアドバイスができない、創造的な発想ができないなど、できないこともある
ChatGPTを使う場合には、得られた回答の正確性や、望ましくない表現が含まれないかなどを確認する必要がある

ChatGPTでできることできないこととは

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最近、会話型AIの代表的なサービスとしてChatGPTが注目を浴びています。すでに使ってみて、その受け答えの自然さや便利さに驚いている方も多いでしょう。

ChatGPTは自然言語処理AIであり、情報検索や要約、質問応答、言語翻訳など、主に文章の処理に関わる多くのことができます。使い方によっては、ビジネスにおいても役立てられるような回答を得ることも可能です。

一方で、ChatGPTにはいくつかの制約が存在します。例えば、正確性や信頼性には注意が必要であり、また、法的判断や医療診断などの専門的な領域では回答してもらえない場合もあります。

この記事では、ChatGPTをもっと活用したい方のために、ChatGPTでできること6選、できないこと6選を紹介していきます。ChatGPTができることだけでなく、できないことも知っておくことで、ChatGPTからより適切な回答を効率的に得るための手助けとなるでしょう。

自然言語処理とは?注目される理由やできることをわかりやすく解説

ChatGPTとは何か

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まずは、ChatGPTの基本的な情報について説明しておきましょう。

ChatGPTは、OpenAIによって開発された、大規模言語モデル(Large Language Model)と呼ばれる自然言語処理モデルを用いた会話型AIサービスです。ユーザが質問を入力すると、人間らしい自然な文章で回答を返します。

SNSなどでは、その応答の自然さや、できることの多彩さが話題となり、より品質の高い回答を得られる方法や面白い使い方が多く紹介されています。

ChatGPTの始め方ですが、公式サイトにアクセスしてOpenAIのアカウント登録を行うことで、誰でも基本無料で使用できます。メールアドレスか、Google・Microsoft・Appleなどのアカウントがあれば始めることができます。

【参考】:Introducing ChatGPT

ChatGPTとは?今話題のAIチャットボットの概要や仕組みを解説!
ChatGPTの使い方とは?実際に使用するまでの流れを解説!

ChatGPTでできること6選

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それでは、ChatGPTができることは多くありますが、ここでは、厳選して代表的な6つの例を見ていきます。自然な会話ができるだけでなく、翻訳や例文の生成など、様々なタスクをこなしてくれるため、うまく活用することで仕事に役立てることもできるでしょう。

ChatGPTの活用方法!エンジニアの業務に活かせるか利用してみた

ChatGPTと会話することができる

ChatGPTは、人間のような自然な会話が可能です。プログラミングに基づいて事前に用意された回答を返す従来型のチャットAIでは、回答が用意されていない場合には不自然な回答になることがありました。

しかし、ChatGPTは与えられた質問に対して最適な単語を予測して回答することで、人間らしい自然な受け答えが可能です。

ビジネスライクな会話だけでなく、日常の雑談のような話題に応答したり、相談に対してアドバイスをしてくれたりと、非常に柔軟で多様な応答で会話を成り立たせ、必要な情報を提供してくれます。

下図では例として、定年退職した叔父へのプレゼントにどのようなものをあげたら良いか聞いてみました。

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【図】ChatGPTに叔父へのプレゼントの相談をした場合の回答

単純にプレゼントの候補として考えられるものを挙げるだけでなく、ChatGPTの方からユーザに問いかけることで、さらに具体的なアイデアの提供を提案しています。このように、ChatGPTは、実際に人間が受け答えしているような回答を返してくれます。

他にも、仕事でもっと成績を上げたいという相談をしたり、今日あった嬉しいことを聞いてもらったりと、話しかける内容に応じて自然な回答を返してくれます。ChatGPTとの会話を楽しむだけでも、あっという間に時間が過ぎてしまうでしょう。

ChatGPTで翻訳ができる

現在、ChatGPTは100以上の言語を翻訳することができ、開発が進むにつれて順次増えています。特に英語においては高い翻訳精度が評価されていますが、今後の開発において他の言語における翻訳の精度もさらに向上すると見られています。

下図は、ChatGPTに日本語から他の言語に翻訳を依頼した結果です。

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【図】ChatGPTに日本語から他の言語に翻訳を依頼した場合の回答

対応している言語であれば、例のようにまとめて聞いても答えてくれます。もちろん、もっと長い文章の翻訳を行うこともできます。

ChatGPTで例文が生成できる

ChatGPTに例文作成を依頼することもできます。たとえば、ビジネスメールの例文などを作成することが可能です。

ビジネスで必要な文章を作成する時、何もないところから書き始めると、文章の構成や、ビジネス文書として適切な表現を考えながら書き進める必要があるため、思っていた以上に労力と時間がかかる場合があります。

そこで、ChatGPTにある程度のひな形を作成してもらうことで、効率良く文章を作成することが可能です。

例えば、自社の製品を使っているお客様に意見や感想を求めるメールの例文の作成を依頼すると、次のようになりました。

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【図】お客様へのアンケートメールの例文作成を依頼した場合の回答

メールの件名や文章の構成だけでなく、お客様へ問いかけたい内容の案なども含まれる例文を提示してくれました。

使える文章はそのまま使っても良いですし、必要に応じて書き換えて、実際に送る文面を完成させることができます。

ChatGPTでは、このように文章を生成するだけでなく、既存の文章を校正したり、条件を指定して書き直したりすることもできます。また、ビジネス文書だけでなく、基本的な設定やテーマを示して、小説や詩を書いて欲しいという依頼にも応じてくれます。

ChatGPTでプログラムが書ける

ChatGPTは、PHPやJava、Pythonなど、複数のプログラミング言語のコーディングを自動で行なってくれます。言語を指定し、行いたい処理の内容を伝えて依頼すると、ChatGPTが作成したコードを提示してくれます。

以下は、JavaScriptを使って、簡単な足し算プログラムを作成するように指示した例です。

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【図】JavaScriptで簡単な足し算プログラムを作成を依頼した場合の回答

ChatGPTが作成してくれたプログラムを実際にブラウザ上で動かしてみると、問題なく動作することがわかります。

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【図】ChatGPTが作成したJavaScriptを動かす

長いコードや複雑なコードの場合はうまく動かずエラーになることもありますが、その場合には生じたエラーの内容や状況を伝えると、コードの修正案を提示してくれるため、何度もやりとりを繰り返して、より実用性のあるコードを作成することができます。

また、エンジニアが作成したプログラムをChatGPTに入力してコードレビューを依頼すると、問題点や改善方法を指摘し、正しいコードを提示してくれるなど、コーディングの効率化や品質向上の大きな助けとなります。

ChatGPTでデータ整理ができる

ChatGPTは、与えたデータやメモを元に情報をまとめてくれます。整理して欲しいデータを入力し、情報を整理する軸や方法を指定して依頼しましょう。

例として、ある1日に行ったことと食べたもののメモから、時系列の行動表をつくってもらいました。

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【図】メモを元に表の作成を依頼した場合の回答

ChatGPTでサンプルデータを作れる

ChatGPTは、さまざまな分野でサンプルデータを作成することができます。例えば、与えられた条件に基づいて、マーケティングのための顧客データなど、必要なサンプルデータを生成することができます。

ここでは、ChatGPTに、データが必要とするプロパティを指示して仮想の社員データを出力してもらいます。

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【図】サンプルデータの生成を依頼した場合の回答

仮想のサンプルデータは、プログラムのテストやデータ解析など様々な場面で必要になりますが、用意するとなると、なかなか大変なものです。

ChatGPTで用途に必要なサンプルデータを生成することで、効率的な開発や分析に役立てることができ、テストや分析の手間を軽減することができるでしょう。

ChatGPTでできないこと6選

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多くのことができるChatGPTですが、できないことや、向いていないこともあります。できないことも理解しておくことで、よりChatGPTを活用できます。

ChatGPTは誤回答することがある

ChatGPTは誤った回答をすることがあります。特に専門分野や最新の情報に関しては正確性が低くなる傾向があります。気をつけるべきなのは、あたかも正しい情報であるかのように、誤った回答をしてくるということです。

ここでは例として、「泣かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」という句について問いかけました。 気が熟すのをじっくり待って江戸幕府を開いた徳川家康の、忍耐強い性格を表した句であることは、多くの人がご存知でしょう。

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【図】歴史上の人物に関して質問した場合の回答

正解とは全く異なる回答が返ってきました。このように、誤回答であってもそれらしい説明が添えてあり、知らない人であればそのまま受け入れかねない説得力があります。

ChatGPTを利用するときは、このように誤回答をする場合があることに十分注意する必要があります。

ChatGPTは掛け算ができないことがある

意外に思われるかもしれませんが、ChatGPTは計算が苦手です。人間が筆算でもそれほど無理なく解ける程度の掛け算でも、計算を間違えることがあります。

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【図】掛け算を依頼した場合の回答

「23884円 × 826枚 =」の式は間違いありませんが、正解は19,728,184円で、ChatGPTの返した回答は不正解です。

自然な受け答えや、様々なタスクをこなす高性能さから、計算も簡単に行ってくれると思って依頼すると、誤った計算結果をそれらしく伝えられることがあります。現時点では、このような計算にChatGPTは使えないと言えるでしょう。

ChatGPTは発想力や想像力が必要な回答が苦手

ChatGPTは高い言語処理能力を持つモデルですが、発想力や想像力が必要な回答は苦手です。 たとえば、なぞなぞを問いかけると、人間にとっては簡単な問題でも、正確な回答をすることが難しい場合があります。

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【図】なぞなぞを出した場合の回答

正解は、「カバ」ですが、ChatGPTには正解を出すことができませんでした。

人間にとっては、少し発想を転換すれば簡単に答えられる問題でも、ChatGPTは正しい解答を出すことが難しいことがあります。ChatGPTは過去のデータをもとに学習しているため、クリエイティブな思考や柔軟な発想を必要とする回答は不得意であると言えます。

ChatGPTに決断をゆだねることはできない

仕事でも日常生活でもそうですが、日々は決断の連続です。例えば仕事上で重要な決断をしなければならない時、優秀なChatGPTに状況を説明して、最も良い決断を依頼したくなることもあるかもしれません。

しかし、ChatGPTは人間の代わりに決断を下すことはしてくれません。

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【図】代わりに決断をするよう依頼した場合の回答

決めてください、と明確に命令を行いましたが、決断するためのアイデアを提示するのみで、最終的な決定は自分で行うようにという回答でした。

ChatGPTに病気の診断や法的相談はできない

ChatGPTは、病気の診断や法的相談などの専門的な質問について、詳しくは回答してくれません。一般的な情報やアドバイスを提供してくれることはありますが、具体的で詳細な内容になると、医師や弁護士などの専門家に相談するように回答が返ってきます。

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【図】症状から何の病気か聞いた場合の回答

ChatGPTは最新の情報を回答できない

ChatGPTの情報は2021年9月までの範囲に限定されています(2023年6月執筆現在)。これはChatGPTが訓練データとして2021年9月までの情報のみを利用しているためです。

そのため、2021年9月以降の情報を尋ねると、回答を断られるか、誤った回答を提示してきます。

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【図】2023年6月時点での情報を聞いた場合の回答

【参考】:What is ChatGPT? | OpenAI Help Center

ChatGPTを使う際の注意点とは

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ChatGPTは非常に便利な会話型AIですが、使い方を間違えると、ユーザに不利益をもたらす危険性も持っています。ここでは、ChatGPTを使う際に気をつけるべきことを挙げていきます。

回答の正確性を自分で確認する

ChatGPTは過去のデータを学習していますが、ここまでの例で挙げたように、その学習データには誤りや限定された情報が含まれている可能性があります。そのため、ユーザ自身で別の情報源も活用して、回答の正確性を確認することは非常に重要です。

調べたい対象に関する公式ホームページや、専門家が執筆した記事、信頼性のあるニュースソースなど、正確で信頼性の高い情報源の情報を確認し、ChatGPTの回答の裏付けを行った上で活用しましょう。

機密情報や個人情報を入力しない

ChatGPTに質問する際には、機密情報や個人情報を入力しないことが非常に重要です。ChatGPTは一時的な対話のためのツールであるため、情報を記憶したり保持したりする機能はありませんが、個人情報の漏洩や機密情報の入力はリスクを伴います。

仕事で使用する際にも、会社の機密情報や顧客情報、各種サービスのIDやパスワードなどの入力は行わないようにしましょう。

回答内容に望ましくない表現がないかチェックする

ChatGPTの回答を活用するときには、回答に偏見や差別などのバイアスが含まれないことを確認する必要があります。ChatGPTは過去のデータを学習しているため、学習データに存在するバイアスや偏見を反映する可能性があるためです。

ChatGPTから得られた回答を、そのままメールで取引先に回答したり、社内文書にコピー&ペーストしたりする前に必ず、差別的な言葉遣いや侮辱的、あるいは失礼にあたる表現が含まれていないかを十分チェックしましょう。

ChatGPTでできることできないことを理解して一層活用しよう

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ここまで、ChatGPTでできることを6つ、できないことを6つ紹介し、使用する場合の注意事項についても解説しました。ChatGPTは便利で優秀である反面、正確性や信頼性には注意が必要であり、専門的な領域や最新情報については回答できない制約もあることがお分かりいただけたと思います。

ChatGPTでより適切な回答を得るためには、ChatGPTに様々な質問を行って、その精度を確かめながら質問を改善していくことが必要です。

その試行錯誤の中で、できることとできないことを理解しておくことによって、誤った回答や品質の低い回答を減らすことができます。ChatGPTの特徴をよく知って、一層効果的に活用していきましょう。

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