
ChatGPTとは

ChatGPT(チャットジーピーティー)は、米国OpenAIが2022年11月30日(現地時間)に公開した新たなチャットボットの名称です。ChatGPTはAIを搭載した大規模言語モデルGPT-3ファミリーを基に、教師あり学習、強化学習の両方の手法によって転移学習されています。
ChatGPTの特徴としては、まるで実際の人間と会話しているような、リアルな会話文を生成できる点です。他には、Excelなどの関数記述、プログラミング言語の記述、小説やブログ記事の作成などが行え、AIのポテンシャルを感じさせるコンテンツに注目が集まっています。
Microsoft社の共同創業者、ビル・ゲイツ氏はこれらのAIを「現時点で最重要なイノベーション」と述べており、ChatGPTに対する期待の大きさが分かります。その期待通り、ChatGPTは発表からわずか2カ月後の2023年1月末時点で、世界のユーザー数が1億人に到達して話題となりました。
さらにMicrosoft社は2023年1月、ChatGPTを開発したOpenAIに対する数十億ドル規模の投資を発表し、この分野で先行するGoogleへの対抗心を露わにしています。
【参考】:ChatGPT: Optimizing Language Models for Dialogue 【参考】:ChatGPT Users Topped 100 Million in January. Investors Are Betting Big on AI. | Barron's 【参考】:Microsoft announces new investment in ChatGPT-makerOpenAI 【参考】:ビル・ゲイツ氏、ChatGPTなどのAIは「現時点で最重要なイノベーション」 | マイナビニュース
ChatGPTの概要と仕組み

では実際にChatGPTは何ができるのでしょうか?ここでは、ChatGPTの特徴やできることを中心にChatGPTの概要をまとめてみました。
日本語が扱える無料のサービス
ChatGPTはOpenAIが無料で提供する多言語に対応したサービスです。またChatGPTのサイトは英語版ですが、多言語に対応しており、日本語での質問には日本語で回答してくれます。
ChatGPTができること
ChatGPTは、言語理解や文章生成などの自然言語処理技術を利用して、様々なタスクに取り組むことができます。以下はChatGPTができることの例です。
1.質問応答:ユーザからの質問に対して回答を提供することができます。 2.対話システム:人工知能による対話を提供し、ユーザとコミュニケーションを行うことができます。 3.要約生成:長文から重要な情報を抽出して、要約文を生成することができます。 4.翻訳:様々な言語間で自動翻訳を行うことができます。 5.文章生成:与えられたテキストから、新しい文章を生成することができます。例えば、作詞をしたり、小説を書いたりすることができます。 6.プログラミング:プログラムの仕様が明らかであれば、プログラミングができます。
以上のようなタスクに対して、ChatGPTは人工知能による自然言語処理技術を用いて、高精度な処理を行えます。他、誤った回答をしてユーザから誤りを指摘されると再学習する機能が備わっています。

ChatGPTの仕組み
ChatGPTは「Large Language Models」というアルゴリズムによって動いています。アルゴリズムに大量のテキストデータを学習させ、あたかも人が書いたような自然な文章を生成できる自然言語処理機能がChatGPTの仕組みです。
【参考】:ChatGPT Wrote This Article About Large Language Models
ChatGPTの始め方
ChatGPTを始めるには、どのような手続きが必要なのでしょうか。ここではChatGPTへのアカウント登録の手順を紹介します。
■ ChatGPTのログインページにアクセスする ChatGPTのログインページにアクセスし、[Sign up](サインアップ)をクリック、「Create your account」下のEmail address欄にメールアドレスを入力します。続いてPasswordを求められますので、ChatGPT用のパスワードを英数混合8文字以上で設定してください。
【参考】:ChatGPTログインページ
■ 個人情報を登録する OpenAIから登録したメールアドレスに「Verify your email address」というタイトルでメールが届きます。メール中にある[Verify email address]のボタンをクリックすると「Tell us about you」の画面が表示されますので、「First name」と「Last name」を入力します。
次に携帯電話番号入力の画面に遷移します。先頭に+81(日本の国番号)が入っていますので、携帯番号の先頭の「0」を除いて以降の番号を入力してください。認証コード(数字6桁)が携帯にショートメールで届きますので、この認証コードを入力するとChaGPTのメイン画面が表示されます。
■ ChatGPTを実際に試す ChaGPTのメイン画面が表示されたら、最下段にChatのテキスト入力欄がありますので、試しに「こんにちは、初めまして!」と入力してみましょう。日本語で入力すると、日本語と認識して日本語でレスポンスがあります。
「こんにちは!初めまして!私はChatGPTといいます。何かお手伝いできることがあれば、遠慮なくお聞きください。」というメッセージが返ってきました。
これでCahatGPTのアカウント登録が完了し、ChaGPTの利用が可能になりました。
ChatGPTの問題点

以上、ChatGPTの概要や登録方法、利用方法について紹介しましたが、実際に使ってみると便利な反面、様々な懸念事項が思い浮かんできます。以下、想定される問題点を挙げます。
現段階では誤った回答が多い
例えば、「○○市で最も大きな商業施設はどこですか?」という質問を投げると、全く別の地域の商業施設を紹介してくるケースがありました。他にも、「○○駅周辺のおすすめのレストランは?」と尋ねると、実際に存在しない店舗の名前を回答したケースがあります。
まだ学習途上ということもありますが、ファクトチェックを前提に利用する必要があります。そのため、ネット上には「ChatGPTは使えない」という意見もありますが、まだ成長途上であり、長い目で見るべきかもしれません。
ChatGPTは間違いを指摘すると、素直に謝罪し、改めて回答をしようとします。それでも間違っている時には、具体的に指摘し、学習させることで正しい回答をするようになります。
2021年までの学習しかできていない
ChatGPTは機械学習によって知識を蓄えていますが、2023年2月時点では2022年の学習をしていませんので、「2022年の大谷ホームラン数は?」という質問に対して「私は2021年9月までの情報しか持ち合わせておらず、将来の出来事を予測することはできません。」という回答が返ってきました。(2023年2月現在)
このタイムラグは現時点のChatGPTの弱点であり、利用シーンによっては問題と感じられるでしょう。

学問の領域を侵食する可能性がある
ChatGPTは質問に対して、かなり完成度の高い回答を示すことが可能です。学生が小論文や学校の宿題の回答でChatGPTを利用するケースが想定されますが、教育機関は何らかの対策を講じないと学問が成り立たなくなる可能性があります。
ライターや作詞家などの職を奪う可能性がある
ChatGPTはテーマやパラメーターを与えると、いとも簡単に作詞や作文をしてくれます。実用性の面ではまだ学習が必要ですが、ChatGPTがプロ並みのスキルを得た場合にはライターや作詞家など人間の仕事を奪う可能性を否定できません。
また、ChatGPTが創作した文章の著作権は誰に帰属するのか、といった法制度面の課題も残ります。
MicrosoftがChatGPTベースの新たなサービスを展開

Microsoftは2023年2月7日の公式ブログで、新たなAIとチャット、コンテンツの生成機能などを内蔵した新BingとブラウザのEdgeを発表しました。新BingにはMicrosoftがChatGPTのエンジンをベースに開発したプロメテウスと呼ばれるモデルが搭載されています。
新BingではChatGPTと似たチャットボット機能に加えて検索機能が加わり、より詳細に、より正確に情報を得られる仕組みになっています。
新サービスに登録するには、BingのWebサイトにアクセスし、[試してみる]をクリックすると新Bingの登録画面に遷移します。現在数百万人が順番待ちになっており、直ちに利用することはできません。利用可能になると、登録したメールアドレスに通知が届きます。
【参考】:AI を活用した新しい Microsoft Bing と Edge で検索を再発明|The Official Microsoft Blog 【参考】:Bing
ChatGPTによってプログラミングの仕事が変わる

ここまで、ChatGPTの概要や仕組み、利用方法などについて解説しました。ChatGPTはプログラミング機能が優れています。
実際にChatGPTに直接質問したところ、Python・Java・JavaScript・C++・C#・PHP・Ruby・Swiftの他、Go・R言語など、21種類以上の言語を扱えることが分かりました。他にHTMLやCMSにも対応できます。
これらのプログラミング機能を利用することで、CHatGPTはプログラミングの学習、作成したソースコードのレビュー、リファクタリング(改善)、コメントの作成、問題点の切り分けなどをしてくれます。
こうした利用方法によってプログラミングの生産性はかなり向上するでしょう。ChatGPTに興味を持たれた方は、この記事を参考にぜひ試してみてください。



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