Windows10サポート終了リスクとは?効果的な対策と注意点を解説!
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Windows10サポート終了リスクとは?効果的な対策と注意点を解説!
アンドエンジニア編集部
2022.04.24
この記事でわかること
Windows10は、すべてのバージョンがWindows10のサポート終了日まで使えるわけではない。
Windows10はサポート終了後、さまざまなリスクに見舞われる可能性があり、使い続けるという選択肢はない。
Windows10のサポート終了は、これまでのやり方を大きく見直すチャンスと受け止めるべき。

Windows10のサポート終了とは?

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2021年10月5日にWindows 10の後継となる「Windows11」がマイクロソフトからリリースされましたが、依然としてWindowsOSの主力はWindows10です。しかし一方で、Windows10のサポート終了日は2025年10月14日とマイクロソフトは公表しています。

「まだ3年半近くサポートが残っているから慌てる必要はない」、「また延長サポートをするのではないか」と考えた方もいるでしょう。しかし、期限まで使えるWindows10には条件があり、全てのWindows10が期限まで使い続けることができるわけではありません。

また、企業で使われているパソコンでは、企業独自のシステムやアプリケーションがインストールされているケースがあり、残された3年余りの期間内で、Windows11への移行計画を立て、計画的に移行を進めていく必要があります。

この記事では、Windows10サポート終了後どうなるのか、サポート終了による問題点や課題とその対応方法について解説していきます。Windows10を利用中の方、職場や客先のWindows11移行の仕事に関わる可能性がある方も必見です。

【参考】:3月Windowsシェア動向、Windows 11が鈍化しWindows 10 20H2が増加| マイナビニュース

そもそもサポート終了とは?

一般の方の中には「これまでマイクロソフトからサポートを受けた記憶がないから、別にサポートがなくても困らない」と考える方もいます。クライアントの中には「アップグレードはお金が掛かるから、わが社はWindows10のままで構わない」と言う企業があるかもしれません。

そうした考えがあるのは、サポートの意味を理解していないからです。サポートは保守と同じです。マイクロソフトの責任の下、WindowsOSの機能改善や、不具合の修正、セキュリティの脆弱性対応などをしてくれるのがサポートです

サポート終了後も、そのOSを利用することは可能ですが、生じる問題はすべて自己責任です。また自己責任だけで済めばまだしも、問題が発生すると第三者に類を及ぼすことがあります。この問題については後ほど詳しく触れます。

サポート終了日は2025年10月14日で合っている?

マイクロソフト社はWindows10のサポート終了日を2025年10月14日と公式発表しています。しかし、それには前提条件があり、Windows10の最新バージョンであることが求められます

つまり、バージョンアップを意図的に止めている、或いは怠っていた場合には既にサポートが終了しているケースもあります。詳しくは以下の記事※にバージョンごとのサポート終了日が一覧で載っていますので参照してください。この問題と確認方法についても後ほど詳しく解説します。

【参考】:※Windows 10 Home and Pro - Microsoft Lifecycle | Microsoft Docs

Windows10サポート終了の影響やリスク

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Windows10サポートが終了したら、どんな影響があるのか、どんなリスクがあるのかについて確認しておきましょう。主にエンジニア業務の視点で見ていきます。

Windows10のバージョンによってはサポート対象外となる

Windows10の最新バージョンは2021年11月16日にリリースされた『Version 21H2』です。このバージョン以降の最新バージョンが2025年10月14日までサポート対象ということです

現在最新の『Version 21H2』のサポート終了日は2023年6月13日ですので、今後Windows10の新しいバージョンが適用されると考えられます。では、今利用しているWindows10のバージョンを確認するには、次の方法を試してみるとよいでしょう。

手順1:「スタートボタン」をクリックします。 手順2:「設定」をクリックします。 手順3:「システム」をクリックします。 手順4:画面左下の「バージョン情報」をクリックします。 手順5:Windows10のバージョンやスペックが表示されます。

ここで「21H2」となっていれば最新バージョンです。

【参考】:サポートが終了するWindows 10の自動アップグレード開始|マイナビニュース

Windows10の古いバージョンがもたらすリスク

Windows10のバージョンアップは「Windows Update」によって行われ、初期値としては「自動更新」になっています。つまり、ここを意図的に「無効」にしていない限りは最新バージョン「21H2」となっているはずです。しかし、ここを「無効」にしている企業は少なからずあります。

それは、Windowsのバージョンアップによって業務システムに不具合が生じる可能性を否定できないからです。基本的にはシステム部門がバージョンアップの可否判断を行いますが、この管理方法に穴があると、同一企業内で旧バージョンと新バージョンの混在が起きることがあり得ます。

その結果、同じWindows10でありながらサポート対象外のPCが存在し、セキュリティリスクを招くこともあります。このようなサポート対象外のパソコンはコンピューターウィルスに感染し、個人情報や機密情報を抜き取られるなどのリスクがあるので注意が必要です。

他、Windows10のサポート終了後にWindows11へのアップデートをできるか否かについて関心がある方もいるでしょう。アップデートは可能ですが、この場合は何かトラブルが生じてもマイクロソフト社には一切責任がありませんので、すべて自己責任と認識しておいてください。

Windows11への移行計画を立てる

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マイクロソフトのサポート終了後もWindows10を使い続けるという選択肢は基本的にありません。なぜならセキュリティリスクを招けば、自己責任では片付けられないからです。ではサポート終了に対してどうすれば良いのでしょう?

サポート終了への対応として、Windowsを使い続けるにはWindows11に移行するしかありませんが、そのためには移行計画を立てる必要があります。

移行に際しては乗り越えるべき壁がいくつかありますので、それらを明らかにし、予算と人材の確保を行い、移行プロジェクトを発足させる必要があります。ここではWindows11への移行に伴う課題や進め方について明らかにしていきます。

【参考】:マイクロソフト社内のWindows 11の展開

移行計画策定のポイント

基本的にWindows10とWindows11は高い互換性を有しており、Windows10で動作した市販のソフトやアプリケーションがWindows11で動作しないという事はありません。とはいえ、企業独自のシステムやアプリケーションが正しく動作するという保証はありません。

また、WindowsXPやWindows7から利用してきたアプリなどはWindows11への移行に伴って改廃を検討すべきものがあります。

他に忘れてはならないのは、Windows11のスペック要件はWindows10よりも厳しいという点です。そのため、パソコンの機種そのものを新たに購入して、リプレイスする必要があるということです。

これらの課題を明らかにし、移行方針、移行に必要な費用、スケジュール、移行方法、人員体制などを網羅した移行計画書を策定し、経営サイドの承認を得ることが求められます。

【参考】:Windows 11 の仕様、機能、コンピューターの要件を確認する

これまでの運用を見直すチャンス

Windows11への移行を逆にチャンスととらえ、これまでの運用を見直す機会にするのも良いでしょう。オンプレミスが中心の企業であれば、クラウドに移行することで管理の手間やコストを削減できる可能性があります。MicrosoftのAzureを利用することで大きなメリットが得られるかもしれません。

今、どの企業もDXやセキュリティ強化や災害対策に対して高い関心を持っています。あなたがITベンダーの立場であれば、大きなビジネスチャンスになる可能性もあります。

クラウド利用によって、これらの課題を解決できる可能性が高まりますので、この機会にぜひクラウドサービスについても研究してみてください。

【参考】:Microsoft Azure

IaaSとPaaSの違いを知り、クラウドに強いエンジニアになろう!
DXの取組事例に学ぶDX成功のポイントとITエンジニアへの期待
Azure入門|学習前に知っておきたい!無料枠のフル活用メソッド

Windows11への移行で注意すべきポイント

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Windows10のサポート終了に伴い、その対応方法を誤ると業務に支障を来たしたり、社内の反発を招いたりすることがあります。ここではWindows11への移行を成功させるためのポイントについて紹介します。

経営サイドやユーザーの理解と協力を得る

経営サイドやユーザーは自身にメリットがない作業に対してはネガティブな見方をしがちです。仕方なくやるという意識が蔓延すると、モチベーションが低下し、移行そのものに影響することが考えられます。

Windows10のサポートが終了するから仕方なくやるのではなく、Windows11への移行によってこんなメリットがあるという事を示し、理解と協力を得ることがWindows11移行を成功させる秘訣だと認識しましょう。

例えば、Windows11への移行を機にクラウド化を図るとすれば、セキュリティ向上、システム停止リスクの回避、情報共有の増進、働き方の多様化、保有資産コストの低減などがメリットとして考えられますので、組織をあげて、そうしたメリットの享受に向けて移行を円滑に進めましょう。

テスト評価を行う部門を設ける

よく、「全社一斉移行」といった勇ましい掛け声で、移行を一斉に行うケースが見受けられますが、移行に失敗するとリカバリーが大変です。組織で移行を行う場合は、テストや評価を行う部門などを設けて、しっかり検証やテストを行ってから、全社への展開を進めましょう。

またテストは基幹システムから各種アプリケーション、ネットワークなど全ての分野を対象に行います。

運用テストってどんなテスト?目的や内容、注意すべきポイントとは?

無償アップグレードにこだわらない

マイクロソフト社はWindows11への無償アップグレードについては期限を明示していません。これまでの例からリリースから1年後、すなわち2022年10月5日という可能性がありますが、マイクロソフトが意図したほどWindows11への移行が進んでいないこともあり、期限は伸びる可能性もあります。

それよりも、業務に支障を来たさない完璧な移行をはかることが重要です。また、法人の場合はマイクロソフト社に交渉することで、期限を過ぎても無償アップグレードできる場合がありますので、マイクロソフト社の法人窓口やパートナー企業と相談してみてください。

Windows10サポート終了をチャンスに変える

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ここまでWindows10のサポート終了に伴う影響やその対応について解説しました。OSのアップグレードは得るものがなく、面倒な作業だと敬遠されますが、視点を変えるとさまざまなメリットが想定できます。この機会をチャンスとしてとらえ、ぜひ皆さん自身にとって生かしてください。

自身でWindows11を試してみることも必要ですが、Windowsの管理サービスである「ActiveDirectory」やクラウドサービスの「Microsoft Azure」について学んでみると、一気に視野が広がり、エンジニアとしてもスキルアップができますので、おすすめしておきます。

【参考】:Microsoft Azure

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