Azure入門|学習前に知っておきたい!無料枠のフル活用メソッド
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Azure入門|学習前に知っておきたい!無料枠のフル活用メソッド
アンドエンジニア編集部
2021.12.17
この記事でわかること
Microsoft Azureは、世界3大クラウド・コンピューティングサービスの1つ
Azureの利用はWindowsユーザーが特に大きな恩恵を受けられる
Azureは無料アカウントによって、最大1年間のお試しができる

Azureとは

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Windowsで知られるマイクロソフト社が提供するMicrosoft Azureは、世界3大クラウド・コンピューティングサービスの1つです。AzureはAWSに続き、2010年よりサービスが開始され、現在ではAmazon AWSに次ぐシェアを占めています。 「Azure」は英語の「青空」や「空色」を意味し、アジュールと発音します。仕事で利用しているエンジニアの方もいるかと思いますが、Azureは実は個人利用も可能です。後ほど、実質無料でAzureを利用する方法も紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

クラウドエンジニアを目指す方必見!Azureを分かりやすく紹介!

Azureはどんなサービスを提供しているのか

AzureはAWSと並ぶクラウドサービスであり、そのサービスはAWSと非常に似ています。もちろん、Azureの強みがあることでAzureが利用されていますが、Azureのサービスは基本的にAWSや他のクラウドサービスとほぼ同じです。 では、どんなサービスを提供しているのでしょうか?クラウドを初めて学ぶ方は、ここでクラウドサービスについて理解しておきましょう。クラウドサービスは、そのサービス形態から以下の4つに分類されています。

■IaaS(イァース)

「Infrastructure as a Service」の略称です。サーバをはじめストレージやネットワーク機器などのインフラをインターネットを介して利用するサービスです。システムを動かすのに必要なミドルウェア・開発ツール・アプリケーション・データベースなどは利用者が手配します。 住宅に例えると、IaaSは屋根・柱・壁だけの住宅のイメージです。

■PaaS (パース)

「Platform as a Service」の略称です。IaaSとよく似ていますが、PaaSはIaaSに加えて、ミドルウェア・開発言語・開発ツール・データベースなどが提供されるサービスです。 PaaSを住宅に例えると、人が住むのに必要な内装・電気・ガス・水道などが設置された住宅をイメージしてください。

■SaaS(サース

 「Software as a Service」の略称です。その名の通り、ソフトウェアの利用サービスで、インターネットを介して提供されます。ユーザー側でソフトウェアを管理する必要がないのも特徴のひとつです。Azureの代表的なSaaSとしては、Office365があります。皆さんがよく利用しているGmailやZoomなどもSaaSの1つです。

■HaaS(ハース

「Hardware as a Service」の略語です。IaaSの1つの形態とも言われ、IaaSとして提供されているケースもあります。主にOSを除いたハードウェアの提供に限定したサービス、ストレージサービスなどがHaaSと言われています。

Azureの強みはなにか

AWSとAzureはよく比較されます。どちらもほぼ同等のサービスを提供しており、利用者は選択に悩みます。では、Azureはどんなユーザーに向いているのでしょうか?

Azureは当初、Windowsシステムをオンプレミス(自社内)で利用する企業をメインターゲットとして取り込んでいました。Windows系で構築したシステムはAzureとの親和性が高く、ほぼ手を入れずにクラウド化が可能だったためです。 そして、今はオンプレミスのWindows系ライセンス( Windows Server、SQL Serverなど)がAzureでも利用可能となっており、ソフトウェアライセンスの大幅なコスト削減を可能としています。

このように、WindowsユーザーにとってはAzure側に大きなアドバンテージがあるのが強みと言えます。

他、AzureはWindows系に限らず、LinuxのVM(仮想マシン)も作成が可能なため、業務系はWindows、Web系はLinuxといったユーザー環境にも対応できます。

Azureを利用するメリット

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Azureの強みについては前述の通りですが、続いてAzureを利用するメリットについて見ていきましょう。

初期コストの低減が可能

これはクラウドサービス全般に共通するメリットですが、システム導入に関わる初期コストの低減が可能であり、かつシステム稼働までの期間短縮による工数削減を図ることができます。また多くのサービスは利用料金が従量課金となっており、余分な費用が発生しないのもAzureのメリットと言えます。

さらに、Windowsユーザーは既にあるサーバライセンスやデータベースライセンスを利用できるため、ライセンス費用の削減も図れるのは大きなメリットです。

運用・保守コストの低減が可能

オンプレミス(自社環境)のシステム環境では、運用管理・機器の保守・データのバックアップなどをすべて自前で行うため、運用コストや保守コストは大きな悩みの種でした。Azureではそれらはマイクロソフト側が従来よりも低いコストですべて行ってくれるため、システムの運用や維持コストまで削減が可能であり、手間とコストの両面からメリットを得られます。

既存の運用や仕組みをそのまま継承できる

マイクロソフトのサービスを多く利用している企業は、ActiveDirectory・OneDrive・Office 365などAzureとの親和性が高い仕組みが中心のため、クラウド移行・データ連携・統合がしやすいメリットがあります。運用面やユーザーの利用環境を大きく変更せずに移行できる点はAzureならではのメリットです。また、クラウド移行によってテレワークやモバイルの活用が行いやすくなる点も見逃せません。

Azureのデメリット

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クラウドサービスを利用する場合、そのメリットにばかり目が向かいがちですが、デメリットもあります。デメリットを理解し、デメリットの最小化を講じた上で利用することが求められます。

ネットワークがネックになることも

Azureに限った問題ではありませんが、クラウドサービスを利用する上でネックとなるのはネットワーク障害です。大手のキャリアでさえ、広域障害が発生することがあります。ネットワークが利用できないと、クラウドサービスは全く利用できなくなります。

特に受発注や決済などのシステムが利用できなくなると、顧客に対して重大な迷惑を及ぼし、企業活動にも大きな損失を招きます。クラウドサービス利用に当たっては、ネットワークの冗長化を講じておく必要があります。

Azure特有の弱点がある

クラウドサービスではVM(仮想マシン)と呼ばれるサーバを利用しますが、AWSと比較してAzureはVMの起動速度が遅いという弱点があります。一般的には、AWSと比較してAzureのVMは起動に約3倍の時間を要すると言われています。 VMの再起動を夜間のバックアップ時に行うのであれば、特に問題とはなりませんが、気軽にサービスを利用したい場合などは起動時間の遅さが問題になることがあります。

Azureをもっとよく知る

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ここまででAzureに興味が湧いたエンジニアの皆さんに、さらにAzureについて知る方法を解説します。Azureに強いエンジニアになることで、さらにエンジニアとしてのスキルに磨きを掛けられますので、ぜひAzureについて詳しくなってください。

Microsoft Learnを利用する

Microsoft Learn」という、マイクロソフト社が提供する無料の学習サイトを利用して学べます。「Microsoft Learn」ではAzureに限らず、さまざまなマイクロソフトのサービスについて、その概要や使い方についてハンズオン形式で学べるようになっています

製品やサービスごとに何百ものハンズオンコンテンツ、入門動画などがあり、年々コンテンツが追加されています。 ここを利用することで、サーバ構築手順やAzureのネットワーク構築、Azure上でのシステム開発の方法なども学べます。

参照:Microsoft Learn

Azure入門書で概要を知る

Azureサービスの全体像がよく分かる入門書です。Azureについて何も知らないという人が最初に読む入門書としておすすめします。

Azureテクノロジ入門 2019

▪発行日:2018年11月15日 ▪著者名:佐藤 直生、久森 達郎、真壁 徹、安納 順一、松崎 剛、高添 修 ▪発行元:日経BP ▪ページ数: 260ページ(B5変版) ▪価格:2,750円(税込)

Azureの資格取得で学ぶ

ただ記事や本を読むだけでは飽きてしまう、何か資格を取りたいという方におすすめの方法です。

合格対策 Microsoft認定 AZ-900:Microsoft Azure Fundamentals テキスト&問題集

▪発行日:2020年3月上旬 ▪著者名:吉田 薫 ▪発行元:リックテレコム ▪ページ数: 168ページ(A5版) ▪価格:2,420円(税込)

Azureの無料アカウントで個人利用する

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クラウドサービスと聞くと、企業で利用するものだと思う方もいますが、実は個人で利用することも可能です。Azureに関する知識を身に付けるには、実際に触ってみるのが近道でしょう。ここでは、Azureを無料で個人利用する方法について解説します。

Azureの無料アカウントとは

Azureには無料アカウントが用意されており、このアカウントを利用して無料でAzureを利用することができます。なぜなら、無料アカウントを作成すると、200ドル(約23,000円)分のクレジットがユーザーに付与されるためです。このクレジットはほとんどのAzureサービスで利用することができ、使用期限は付与されてから30日間となります。 つまり、最初の30日間は実質無料でほぼすべてのAzureサービスを体感できるということです。

また、無料アカウントを作成すると、Azureの人気サービスを12か月間無料で利用でき、その他 25 以上のサービスを無期限かつ無料で利用できるキャンペーンも実施しています。

ここで注意点ですが、アカウント作成から30日が経過しても、引き続き12か月間の無料キャンペーンを利用したい場合は、アカウントを従量課金制にアップグレードする必要があります。30日間が経過するか、付与されたクレジットを使い切ると、Azure側から従量課金制に移行するかどうかを確認する通知が届きます。このタイミングで従量課金制にアップグレードすれば、引き続き無料でサービスを利用することが可能です。

ただし、12か月間無料のサービスと、常に無料で利用できるサービスには利用上限が設けられているものもあります。利用上限を超えた場合は超過分の料金が発生してしまうため、利用したいサービスの無料利用分をしっかり確認することが大切です。 それぞれの無料利用分については、こちらに掲載されている一覧表をご確認ください。

【参照】:Azure の無料アカウントを使ってクラウドで構築

無料アカウントの利用方法としては、30日間で無料サービス一覧表に記載されていないサービスを触れ、従量課金制に移行して引き続き学習するパターンがオススメです。

無料アカウントの作成

では実際に無料アカウントを作ってみましょう。登録にはクレジットカードが必要になりますので、お手元にご用意ください。

(1)先ほどのマイクロソフトの公式サイトAzureの無料アカウントを使ってクラウドで構築にアクセスし、[無料ではじめる]のボタンをクリックします。

(2)Microsoftアカウント、もしくはGitHubアカウントでサインアップします。どちらもない、もしくはGitHubアカウントのみ持っている方はここでMicrosoftアカウントを作成します。

(3)続いて必要な情報を入力し、本人確認を行います。Microsoftアカウントでログインした方は、すでに「国」「名」「姓」「電子メールアドレス」「電話番号」が表示されています。 「名の読み方」と「姓の読み方」を入力します。電話番号認証がありますので、登録されている電話が固定電話の場合は、電話番号に携帯番号を入力し、[テキストメッセージを送信する]をクリックします。

(4)携帯電話にSMSで確認コードが送られてくるので、確認コードのボックス欄に送られた[コード]を入力し、[コードの確認]のボタンをクリックします。

(5)同意事項のチェックボックスにチェックを入れ、[次へ]ボタンをクリックすると、クレジットの詳細情報や郵便番号、住所の入力を行います。入力後、[サインアップ]をクリックします。これでサインアップに成功すると[ポータルに移動]でAzureへの登録とログイン完了です。

※クレジットカードを登録すると、Azureから1ドルの請求がくる場合があります。これは登録したクレジットカードが有効であるかどうか、Azure側が確認するためのものです。しかし、これはあくまで一時的なものであり、有効性が確認できれば請求は取り消されますのでご安心ください。

クラウドエンジニアへの道

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ここまで、Azureの概要・メリット・デメリット・Azureの学び方・Azure無料アカウントなどについて解説しました。

クラウドサービスやクラウド技術は、大変なスピードで日々刷新されています。また、企業のクラウド利用も急速に増加しています。こうしたことからクラウドエンジニアに対する期待が高まり、クラウドエンジニアの需要が増えています。 AWSの認定資格を持つクラウドエンジニアは多くいますが、Azureに詳しいエンジニアはそう多くはありません。ここまで読まれたエンジニアの皆さんは、ぜひAzureについての知識や使いこなせる技術を体得して、活躍できる・必要とされるクラウドエンジニアを目指してください。

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