ディープラーニングとは?機械学習との違いもわかりやすく解説
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ディープラーニングとは?機械学習との違いもわかりやすく解説
アンドエンジニア編集部
2024.02.02
この記事でわかること
ディープラーニングはAIを構成する機械学習の一部である
ディープラーニングは多くの層が重なったニューラルネットワークを用いた機械学習技術のこと
ディープラーニングを習得するには書籍で概略をつかみ、G検定やE資格の取得を目指すとよい

ディープラーニング(深層学習)とは

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エンジニアの皆さんは、AIと機械学習やディープラーニングが切っても切れない関係にあることはご存じだと思います。しかし、機械学習とディープラーニングの関係についてはよく分からない人もいるでしょう。

AIは人が機械に教え込むことで進化してきましたが、ディープラーニング(深層学習)は機械自身が自ら学習をすることでAIを進化させています。つまり、ディープラーニングはAIを人間の脳に近づける上で大きな役割を果たしているのです。

この記事では、AIの進化の鍵を握るディープラーニング(深層学習)についてわかりやすく解説していきます。エンジニアとして最低限押さえておきたい内容に絞っていますので、ぜひ最後までお読みください。

AIの三大分類とは

機械学習とディープラーニングの関係を理解するには、まずはこれらとAIとの関係について理解しておく必要があります。AI(人工知能)を構成している要素に機械学習がありますが、この機械学習の中の手法としてディプラーニングがあるのです。

つまり、ディープラーニングは機械学習の1つの要素と言えます。以上のことから、『AI > 機械学習 > ディープラーニング』はAIの三大分類とも言われているのです。

AI(人工知能)

AI(人工知能)に関する明確な定義は定まっていませんが、AIは「Artificial Intelligence」の略で、人の知覚や知性などを人工的に再現したものがAIと言われています。

一般社団法人「 人工知能学会」は、「AIは知的な機械、特に知的なコンピュータプログラムを作る科学と技術である」と紹介しており、これが日本におけるAIの定義と見られています。iPhoneやAbdroidスマホに搭載されている音声アシスタントもAIの1つと言えます。

【参考】:一般社団法人「 人工知能学会」

【参考】:AIエンジニアとは?仕事内容と求められるスキル・知識について|マイナビAGENT

機械学習

機械学習とは、学習する機械を意味します。英語では機械学習を「Machine Learning」と表現しており、機械学習は与えられたデータから反復学習をして、その学習結果をモデル化(法則化)していくことです。

これは単なる丸暗記とは異なり、ある事象のパターンや特徴をつかむという点が学習のポイントです。特徴とは、「クセ」や「傾向」のことであり、その特徴から何らかの法則を見出していくのが機械学習です。この法則は予測や判断という形で利用されます。

ほか、機械学習では学習のアルゴリズム「教師あり」、「教師なし」、「強化学習」の3つに分類されます。

機械学習エンジニアとは?仕事の内容や将来性について解説!

ディープラーニング(深層学習) 

ディープラーニング「Deep Learning」は深層学習と訳されていますが、あくまでも機械学習の1つの手法です。機械学習では、大量のデータを学習しながら、そこに特徴を発見し、その特徴から何らかの法則を見つけ出します。

ディープラーニングとは多層となったディープ(深い)ニューラルネットワーク(脳の神経回路の一部を模した数理モデル)を用いた機械学習技術を指します。

例えば、画像認識や画像解析においては、形や色以外といった要素以外に明暗、色相などの画像を構成する要素があります。それらの特徴を「特徴量」として数値化を行って、最初に読み込んだ画像と、数値から再現した画像を限りなく一致させるための規則性を見出すための学習を行うのです。

顔認証システムはまさにこのディープラーニング技術に基づいて作られています。

機械学習とディープラーニングとの大きな違い 

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ここまで、機械学習やディープラーニングについてざっくり説明しましたが、理解はできたでしょうか?

機械学習はデータの特徴を示しますが、その特徴に基づいて判断するのは人間です。一方のディープラーニングではコンピューター自身がデータの特徴を判断します。つまり見出した特徴を判断するのが人なのか、機械なのかが機械学習とディープラーニングの大きな違いだと言えます。

結果を早く出せる機械学習

機械学習は「読み込んだデータを分析する技術」と言えます。機械学習はディープラーニングと比較して、必要とする計算能力は少なく、また学習のスピードが速いため、結果を早く出せることが多いです。そのため、予測結果や傾向分析結果などを早く求めたいプロジェクトで多く使われています。

結果を出すのに時間が掛かるディープラーニング

ディープラーニングは、機械学習と比較してアルゴリズムの学習に時間を要しますが、機械学習では解決が難しいようなプロジェクトで採用される傾向があります。例としては画像認識、手書き文字判別、音声認識などのプロジェクトに適しています。

またディープラーニングでは、その学習に大量のデータが必要となるため、データの確保にも時間を要します。大量のデータを読み込み、複雑な処理を行うため、高性能のコンピュータも必要です。時間やコストに余裕がないプロジェクトではハードルが高くなります。

ディープラーニングの活用分野

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ディープラーニング(深層学習)にはディープラーニングの特徴を発揮できる得意分野があります。ここではディープラーニングがどのような分野で活用されているのかを見ていきましょう。

ディープラーニングでできること

ディープラーニングが得意とする分野は大きく「画像認識」、「音声認識」、「自然言語処理」、「異常検知」の4つの分野に分かれます。それぞれ簡単に紹介していきましょう。

1.画像認識分野

画像認識では、対象画像の特徴を判断し、被写体や生物などを正確に認識できます。画像認識技術は飛躍的に高まっており、人間の能力を上回るケースもあります。​AIによる画像認識の実用化は急速に進んでおり、空港や施設での顔認証、入館セキュリティチェック、犯罪者発見などで活用されています。

2.音声認識分野

音声認識では、音声から文字起こしをしたり、音声をテキストデータに変換したりする技術です。また人の声を認識してコンピューターが応答をしたり、音声から本人特定をしたりすることも可能となっています。

AIアシスタント機能を有するスマホやスマートスピーカーにもこの音声認識技術が搭載されています。この技術を利用した、会議などの議事録自動作成システムも開発されています。​

3.自然言語処理分野

人が日常やり取りしている言葉、すなわち自然言語を処理、分析する技術です。人が発する言葉を理解して、要約をすることも可能です。外国語の会話を日本語に自動翻訳する仕組みなどもこの技術が用いられています。

4.異常検知分野

ディープラーニングの異常検知機能では、まだ顕在化していない僅かな異常を検知してアラームを発して、今後起きうる大きな問題やトラブルを未然に防ぐことができます。

この機能を応用したのが、マーケティング分野での実用例として、消費者の嗜好や傾向などを分析するレコメンデーションです。他には自動車の自動運転技術としても応用されています。

ディープラーニングに関するおすすめの入門書と資格

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ディープラーニング分野での活躍を目指すには、まずは分かりやすい書籍などで概要をつかみ、次にディープラーニング関連資格の取得を目指して本格的に学習することをおすすめします。

初心者向けおすすめの本

ここまで読んで、AIやディープラーニングに興味を持たれた方は、書籍でさらに体系的に学ぶことをお勧めします。ここではAIやディープラーニングに関する入門書を紹介します。

■ 人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの

あらゆる人を対象としたAIや機械学習、ディープラーニングの入門書です。予備知識のない方でもすらすら読める本です。

▪著者:松尾 豊 ▪ページ数:264ページ ▪出版社:KADOKAWA ▪発売日:2015/03/09

【参考】:人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの

■ ディープラーニング活用の教科書

ディープラーニングの実際の活用事例を集めた書籍です。事例ごとに課題や解決策、苦心した点などを解説しています。ディープラーニングのビジネス活用がテーマですが、エンジニアの方もイメージをつかむのにおすすめの本です。

▪著者:日本ディープラーニング協会(監修)日経クロストレンド(編集) ▪ページ数:292ページ ▪出版社:日経BP ▪発売日:2018/10/29 【参考】:ディープラーニング活用の教科書

ディープラーニングに関する資格試験

ディープラーニングの分野で活躍を目指すには、そのスキル証明となる資格があると有利です。ここではディープラーニングに関する資格試験を2つ紹介します。

【参考】:AI資格7選!試験概要や仕事内容を徹底分析【2021年更新版】|マイナビAGENT

■ G検定(ジェネラリスト検定)

日本ディープラーニング協会(JDLA)主催の検定資格です。G検定はビジネス寄りの資格で、エンジニアよりはビジネスマン向きの内容になっています。想定する対象者は「ディープラーニングの活用人材」ですが、AIや機械学習、ディープラーニングを体系的に学びたいエンジニアの方にもおすすめします。

【参考】:G検定とは|日本ディープラーニング協会

■ E資格

同じく日本ディープラーニング協会(JDLA)主催のディープラーニング関連資格です。AIエンジニアのスキル認定をする資格でエンジニア寄りの内容です。対象者を一言で述べると「ディープラーニングを実装する人材」です。

【参考】:E資格とは|日本ディープラーニング協会

AIエンジニアを目指してみよう

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ここまで、ディープラーニングの基礎について、AIや機械学習も交えて解説してきましたが、いかがでしたか。

AIは今もっとも注目されている分野であり、ディープラーニングはその中核技術として期待されています。AIの発達によって、一部のエンジニア職を含め、人の仕事は次第にAIに置き換わっていくかもしれません。しかし、まだまだAIを必要とする分野は無数にあります。

AIに興味を抱いた方はぜひ機械学習とディープラーニングのスキルの習得に努めてください。その際は併せて、AI分野で最も利用されている言語、Pythonのスキルアップにも関心を向けてみましょう。皆さんの健闘を期待しています。

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