Go言語とは?
ITエンジニアの間でもまださほどなじみのないGo言語ですが、Go言語は今脚光を浴びているプログラミング言語の1つです。
Go(ゴー)言語は、別名「golang」とも呼ばれる比較的新しいプログラミング言語です。Go言語は2009年にのGoogleがリリースしたオープンソースのプログラミング言語で、シンプルさ・信頼性・効率性を特徴としています。
リリースされた当初は、Linux OS・Mac OS版のみでしたが、2013年3月リリースのバージョン1.0からはWindows対応となっています。これから新たなプログラミング言語を学ぼうと考えているエンジニアの皆さんに向けて、その選択肢の1つとしてGo言語の特徴や将来性を中心に解説をしていきます。
Go言語は人気上昇中
プログラミング言語の人気ランキングを定期的に公表しているオランダの「TIOBE Index」では、2016年のプログラミング言語大賞にGoogleのGo言語が選ばれています。また、2021年7月のTIOBE Programming Community IndexによるとGo言語は13位にランクインしており、まだ歴史の浅い言語としては高い支持を集めていると言っても過言ではありません。
Go言語の公式サイトにあるマスコットキャラクター「Gopher」の絵
Go言語が使われている場面
Go言語は非常に汎用性に優れたプログラミング言語です。例えば、PHPならWebサービスの開発、Swiftはスマホアプリ、組込みシステムの開発にはC言語、というようにそれぞれの得意分野がありますが、Go言語はあらゆる場面で開発に利用される汎用的なプログラミング言語である点が強みです。以下に、その一例を挙げてみましょう。
▮ Webサービスの構築
Go言語はパソコンやスマホ上での操作に対応する、動画再生やデータの保存などの処理をサーバー上で行えるプログラミング言語です。また、Go言語はWebサービスやWebサーバーの構築が可能で、事例としてはYouTubeサーバーなどがあります。
▮ 幅広いアプリケーションの開発
マルチプラットフォームに対応するGo言語は、Windows・MacOS・Linux・Android・iOSなどのメジャーなOSに対応します。Go言語がよく利用されるWebアプリケーション以外には、スマホアプリの開発も可能です。フリマアプリで人気の「メルカリ」でも一部でGo言語が使用されています。
▮ ロボットやドローンなどの開発
Go言語で書かれたロボティクス開発、IoTフレームワークの「Gobot」を利用すると、ロボットやドローンなどの高度な組込みIoTシステムの開発が可能です。「Gobot」にはネットワークで複数のデバイス間における相互通信機能があり、遠隔地からデバイスの操作をしたり、センサーが反応した際に他のデバイスと連携させたりすることができます。
Go言語の特徴やメリット
元々はGoogle社内用のソフトウェア開発を目的に開発されたGo言語は、オープンソースのプログラミング言語の1つです。
Go言語は大変シンプルで分かりやすい言語ですが、CやJavaと同じく、コンパイル言語で、実行スピードが速いのも特徴です。ここではG言語についての理解を深めるために、メリット・デメリットについて見ていきましょう。
Go言語のメリット
■初心者にも分かりやすい Go言語は大変シンプルな言語で、文法も分かりやすく作られており、初心者にも理解しやすいでしょう。特にJavaやCと構文が似ているので、どちらかを習得している人はすぐになじめます。
■処理スピードが速い Go言語はコンパイル言語で、あらかじめ機械語に変換されたプログラムを実行するため、他のプログラミング言語と比較して処理を高速に行うことができます。
■コーディングミスの削減ができる Go言語は大変シンプルな言語仕様であるため、少ないコードでのコーディングが可能であり、コーディングのミスが発生しにくくなっています。
■豊富なライブラリを活用できる Go言語には豊富なライブラリが用意されており、それらを活用することで開発の効率を高めることができます。
■並行処理が可能 Go言語は並行処理が得意な言語です。そのため、並行処理が苦手とされるPHPなどで開発されたWebサービスのリプレイスにGo言語が利用される機会が増えてきているようです。
■安全性が高い Go言語は安全性の高さもメリットの1つです。Go言語にはPythonと同じく、ガベージコレクションが備わっており、不要になったメモリを自動的に解放してくれるため、メモリ不足などの障害を防ぐことができます。
Go言語のデメリット
■他の言語にあるものがない さまざまなメリットが存在するGo言語ですが、反対にデメリットも存在します。デメリットとしては、シンプルさを追求した言語であるために拡張性に欠けている、他の言語ではできることができない、といった点が挙げられます。
例えば、「継承」ができない、「3項(条件)演算子」がない、「generics」がないなど、他の言語にはあるものがGo言語には存在しません。そのため、他の言語に習熟している方には物足りなさを感じるケースもありますが、これらはシンプルを基本とするGo言語が意図的にそぎ落としたと受け止めるべきでしょう。
Go言語の習得をおすすめする人
ここまでGo言語の特徴などを解説してきました。Go言語はC言語やJavaとよく似ているため、これらを習得したプログラマの方にはシンプルで分かりやすいですが、全くの初心者の方にはあまりおすすめはできません。
それは、Go言語がまだ新しいプログラミング言語であることから、IT業界ではまだJava・Python・C言語ほどの求人がないからです。むしろ、C言語やJavaエンジニアが対応言語を増やし、スキルアップを図る目的で習得する第2言語としておすすめします。これからプログラミング言語を学ぶという初心者の方には、以下の言語がおすすめです。
■Ruby:Webサービス系に強く、参考テキストなども豊富で学びやすい
■Python:AIや機械学習に向いており、求人も多く年収も高い
■PHP:Webサービス系ではメジャーの言語で、求人も多い
■JavaScript:フロントエンドエンジニアを目指す方にはHTMLやCSSと同様に必須の言語
Go言語の難易度
ここまで述べた通り、Go言語はシンプルで文法も分かりやすく、学習の難易度は低いと言えます。C言語やJavaなどと構文も似ており、これらの言語経験者なら習得することは容易です。
またGoはコンパイル言語であり、プログラム実行オブジェクトの作成にはコンパイルの実行が必要です。コンパイルというひと手間が入りますが、逆にコンパイルでエラーチェックがされるため、コンパイルを何度も実行することで、自然に学べる点も特徴の1つです。
トライ&エラーを繰り返しながら学びたい、実践派の人にも向いている言語だと言えます。
Go言語超入門
Goを勉強してみようと思った方に、おすすめの講座を紹介しておきましょう。
【たった1時間で学べる】Go言語のプログラミング初心者向けの超入門講座【文字書き起こし、ソースコードも完全無料!】
こちらはチュートリアル形式で、基本から懇切丁寧に教えてもらえますので、多少なりともプログラミング言語を習った方であれば、すぐに感触をつかめるでしょう。
逆に、この動画を観て難しいと感じた初心者の方は、先ずは得意言語を1つ決めて、そちらを徹底的に勉強した方がよいかもしれません。
Go言語の将来性
Go言語エンジニアの需要はあるのか、将来はあるのか、不安が尽きないでしょう。せっかく努力してGo言語を習得しても、需要がなければ勉強する意欲も薄れてしまいます。ここでは、Go言語の需要や将来性について探ってみます。
Go言語の需要
求人情報における給与(年収)は需要に比例します。
『2020年版プログラミング言語別給与ランキング』で、Go言語は堂々の第2位にランクインし、求人年収平均額:463万 ~ 792万円と下限値で前年より20万円弱上がっています。
求人件数も2019年の557件から932件と大きく伸びており、旺盛な需要があることが分かります。Go言語はGoogle自身が『YouTube』をGo言語で開発しており、その実績が評価され、サーバー開発でGo言語を利用する企業が増加していることも需要拡大の大きな要因です。
Go言語に関する資格
Go言語は急速に認知されつつありますが、まだ歴史が浅いこともあり、認定試験の類はまだありません。そこで、自習もしくは、オンライン講座などを利用してその習得に努め、実際にGo言語によるプログラム開発の経験を積むことが必要です。
世の中にまだGo言語に関する認定試験、認定資格が存在しない以上、そのスキルを公的に証明するものがありませんので、経歴書等に学習歴、開発歴などを書けるようにしておけば良いでしょう。
C言語・Javaなどの資格があれば、さらに有利になります。
Go言語エンジニアの将来性
今後、Webサービスはコンテンツ勝負と併せて、レスポンスの競争に入ります。5Gの普及により、ネットワークはさらに太く、速くなりますが、一方でサーバーサイドの処理遅延がレスポンスのボトルネックとして顕在化していきます。回線を5Gに変えたのにレスポンスが上がらないというユーザーの声が寄せられると、企業は処理速度の改善を迫られます。
その解決策として、Go言語に注目が集まるのです。従来PHPで構築していたWebサービスを並列処理や高速処理に長けたGo言語で再構築する動きが始まっています。
そうした事から、Go言語エンジニアの需要が高まっていることが分かります。Web業界での活躍を目指すエンジニアの皆さんは、この機会にぜひGo言語の習得にチャレンジしてみましょう。
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