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ChatGPTとBing AIの違いは?実際の回答を比較して解説
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ChatGPTとBing AIの違いは?実際の回答を比較して解説

アンドエンジニア編集部
2024.02.21
この記事でわかること
ChatGPTは、GPT-3.5とGPT-4を大規模言語モデルに用いるAI生成のチャットシステムです
新しいBingは、Edgeで動作するGPT-4搭載のAIベース検索エンジンです
生成系AIの利用や検索エンジンとしての融合などに違いがあり、使用状況に応じた活用がおすすめです

ChatGPTとBingの違い

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2022年11月のChatGPTプロトタイプの登場以来、生成系AIシステムの活用が進んでいます。ここでは、AIチャットシステムであるOpenAIの「ChatGPT」とMicrosoftの「新しいBing」を比較し、違いを確認していきます。

ChatGPTの概要

ChatGPTとは、OpenAIが公開したチャットシステムです。2022年11月にプロトタイプが公開されてから、あっという間にアクティブユーザ数が1億人を突破しました。自然言語に対応しますので、英語でも日本語でも言語から判断し適切な回答が得られます。

2023年3月15日には最新版のGPT-4がリリースされ、活用の場面が急増しています。

【参考】:OpenAI 【参考】:OpenAI ChatGPT 【参考】:ChatGPT — Release Notes

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Bingの概要

Bingは、マイクロソフトが提供する検索エンジンです。マイクロソフト社は以前からOpenAIに投資を行っています。そして2023年2月7日、AIベースの検索エンジンを発表しました。それは「新しいBing」と名付けられ、3月には検索用にカスタマイズしたGPT-4が搭載されていることを明かしています。

【参考】:Microsoft Bing 【参考】:Bing: 新しいBingの紹介 【参考】:Microsoft: 新しいBingの紹介

新しいBingのリリース!AIを活用した検索サービスの登場

AIチャットとは

AIチャットとは、ユーザの問いかけに文章で応えてくれるAIベースのチャットシステムです。ここで用いられるAIシステムは、自然言語処理が可能ですので、日本語で問いかけると日本語で回答してくれます。生成系AIとも呼ばれており、学習済みのデータから高度な文章を作成することも可能です。

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GPT-4とは

GPTとは、OpenAIが開発した大規模言語モデルで構築した生成システムを指します。2022年11月30日にリリースしたChatGPTプロトタイプでは、GPT-3ファミリーのGPT-3.5を用いていました。

GPT-4は、その最新版です。GPT-4は2023年3月14日にリリースされ、従来よりも高速なテキスト処理が可能で細かい指示に対応することができます。そのため、より人間に近い回答を生成することが可能になりました。

【参考】:OpenAI 【参考】:OpenAI: Introducing ChatGPT 【参考】:ChatGPT — Release Notes

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利用料金は?

ChatGPTは、GPT-3.5については無料で提供します。最新版のGPT-4を利用するには、現状では月額20USドルのChatGPT Plusに登録するか、APIウェイティングリストに登録する必要があります。ChatGPT APIも有償のサービスですが、無料利用枠がトライアルとして設定されています。

新しいBingはGPT-4をエンジンに搭載しています。追加料金なしでサインインにより利用することができます。両社のプランは使用料金を直接利用者に求めるのか、広告収入から得るのかで料金回収モデルに違いがみられます。

【参考】:OpenAI GPT-4 【参考】:GPT-4 API waitlist 【参考】:Introducing ChatGPT Plus 【参考】:OpenAI Pricing 【参考】:Bing 新しいBing

使用できるブラウザやアプリ

ChatGPTは、FirefoxやChrome・Edgeなどお使いの任意のブラウザで利用することができます。新しいBingはMicrosoft Edgeならびにモバイル版Microsoft Edgeで利用可能です。BingはEdgeと密に連携するために、このような違いがみられます。

また、スマホアプリでもChatGPTとBing AIの両方がリリースされているため、それぞれスマホにインストールするだけで利用できます。

【参考】:「ChatGPT」をApp Storeで 【参考】:ChatGPT - Google Play のアプリ

【参考】:「Bing: Chat with AI & GPT-4」をApp Storeで 【参考】:Bing: AI&GPT-4とチャット - Google Play のアプリ

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ChatGPTのメリット・デメリット

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ここからは、ChatGPTとBing AIの違いをよりわかりやすくするために、それぞれの強みや弱みを比較していきます。まずは、ChatGPTにおけるメリット・デメリットを紹介します。

ChatGPTのメリット

ChatGPTから得られる回答は、まるで人間と会話をしているかのような自然な文章が特徴的です。多様な話題や文脈にも対応できるため、対話生成力が優れています。ただ質問に回答するだけでなく、ディスカッションを行うこともできるため、活用方法の幅が広いことも大きなメリットであるといえます。

ChatGPTのデメリット

ChatGPTのデメリットは、得られる情報が最新のものではないことです。2024年1月時点では、GPT-3.5は2022年1月までの情報を学習しており、GPT-4は2023年4月までの情報を学習しています。そのため、最新の情報を含んだ回答が欲しい場合は、ChatGPTの利用は不向きかもしれません。

GPT-3.5は元々2021年9月までの情報しか得られなかったので、これからさらにアップデートを繰り返すことで情報が更新されることが期待されます。

ChatGPTの問題点は?注意が必要なポイントを具体的に解説

Bing AIのメリット・デメリット

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続いて、Bing AIのメリット・デメリットをそれぞれ紹介します。前述したChatGPTとどういう違いがあるのかを比較しましょう。

Bing AIのメリット

BingAIの強みといえば、標準でGPT-4が搭載されている点が挙げられるでしょう。また、独自の学習データを用いて検索エンジンを併用するため、常に最新の情報が含まれた回答を得ることができます。AIチャットを利用する上では、回答の正確性が高ければ高いほど、サービス価値は高いといえるでしょう。

Bing AIのデメリット

Bing AIは最新の情報を得られる反面、対話においては自然さがあまりなく、どこかAIっぽさを感じる部分があります。ChatGPTのような前後の会話の流れを活かした対話を得意としないため、自然な対話を望む場合は物足りなさを感じるかもしれません。

最新の情報を知りたい場合はBingAI、ディスカッションを行いたい場合はChatGPTなど、利用目的に合わせた使い方をするのがおすすめです。

ChatGPTとBingで実際の回答を比較する

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ChatGPTとBingでは、共通の部分と独自性がある部分が見られます。ここでは、実際に無料版のChatGPTとBingで回答を比較していきます。図解できるものについては、左をChatGPT、右をBingで表示し、違いを比較していきます。

利用するには

利用するにはChatGPTへのログイン、あるいはBingへのサインインが必要です。「新しい Bing」は、以前は順番待ちリストへの登録が必要でしたが、現在はサインインのみで利用できるようになっています。

利用するには次の図のように、それぞれのサイトにログイン・サインインし、チャットを開始することができます(①②③④)。

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 【図】:AIチャットを開始する

【参考】:OpenAI ChatGPT 【参考】:Bing 新しいBing

図で見るBingの特徴

Bingでは、会話のスタイルが3通りあります。次の図をご覧ください。

バランススタイルでは、中立性を保ちながら生成AIを活用します(①)。創造的スタイルでは、生成AIを最大限活用します(②)。厳密スタイルでは、出典情報に基づき回答を導きます(③)。

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 【図】:Bingの会話のスタイル

バランススタイルは「青」、創造的スタイルは「赤」、厳密なスタイルは「緑」でそれぞれ色分け表示されます。ChatGPTの場合は単一の回答となりますので、この機能は用途に応じて使い分け可能ですので利用価値が高いでしょう。

過去のことを質問する

ここでは、30年前の出来事を聞いてみます。「1993年Jリーグ開幕戦の最初のゴールはどの選手ですか?対戦したチーム名と試合結果も教えてください。」に対する回答を、次の図にまとめます。

ChatGPTの場合は、誤った回答が生成されました(①)。おそらく、日本語のデータが正しく分析できていない可能性があります。

Bingでは、バランススタイルの場合、スコアと結果が正しく回答されましたが、最初の得点者が不正確です(②)。厳密なスタイルでは、最初の得点者が不明ということで、誤りのない回答が得られました(③)。

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 【図】:過去のことを質問する(ChatGPT)
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 【図】:過去のことを質問する(Bingバランス)
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 【図】:過去のことを質問する(Bing厳密)

ちなみに最初の得点者はヴェルディ川崎のヘニー・マイヤー選手でした。質問の指示(プロンプト)の問題かも知れませんが、正しい回答が得られませんでした。このような回答はプロンプトで与える条件や、指示によって左右されますが、およその傾向はつかめたと思います。

直近の出来事を質問する

ここでは、直近の出来事を質問してみます。「2023年はJリーグの30周年です。5月に発表されたベストイレブンとMVPを教えてください。」に対して、次の図のように回答が得られました。

ChatGPTの場合は、2022年1月までの情報しかないとギブアップメッセージが表示されます(①)。

Bingの場合は、バランススタイルでは、ファン投票か予想のような公式発表と異なるメンバーが表示されます(②)。厳密なスタイルでは、事実と合致した回答が得られます(③)。

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 【図】:直近の出来事を質問する(ChatGPT)
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 【図】:直近の出来事を質問する(Bingバランス)
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2 【図】:直近の出来事を質問する(Bing厳密)

出典情報を確認する

質問のついでに出典情報を確認してみます。「日本のJリーグクラブでACLで最多の優勝を誇るチームはどのチームですか?その回答の出典も合わせて教えてください。」の質問に対して、次の図のように、回答が得られました。

ChatGPTでは、直近の情報が加味されていませんが正確な回答が得られました(①)。

Bingの場合は、バランススタイルでは日本語要約の問題なのか若干不正確な情報です(②)。厳密なスタイルでは最も正しい回答が得られました(③)。

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 【図】:出典情報を確認する(ChatGPT)
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 【図】:出典情報を確認する(Bingバランス)
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 【図】:出典情報を確認する(Bing厳密)

なお、Bingでは特に指示しなくても出典情報が文中と文末に記載されています。

将来の予測を行う

AIの発想力・想像力が試される部分として、将来の予測を行ってみます。「サッカー日本代表は、2050年にワールドカップ優勝を目標としています。それは実現可能ですか?その根拠とともに教えてください。」の質問に対して、次の回答が得られました。

ChatGPTでは次の図のように、相当な分量の文章が回答として得られました(①)。さすがに、生成系AIだけあります。

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 【図】:ChatGPTで将来の予測を行う

Bingでも、創造的スタイルで質問してみたところ、次の図のように回答が得られました。Bingの場合は、あくまでも出典情報に基づいて将来予測をしているようです。なお、厳密なスタイルでは将来の予測は困難とのことで、必要最低限の回答のみだったことをお伝えしておきます。

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 【図】:Bingで将来の予測を行う
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 【図】:Bingで将来の予測を行う(続き)

AI自身のことを尋ねる

AIチャットシステムは、AI自身の事をどのように考えているでしょうか。ここでは、「最後にあなた自身の2050年の目標を聞かせてください。」と質問し、次の図のように回答が得られました。

ChatGPTでは、無機質な回答が得られました(①)。感情や個別の目標は持っていないとのことです。Bingはバリエーションが豊富です。

創造的スタイルでは、人間と会話しているかと思うほど流暢で人間味あふれる回答です(②)。厳密なスタイルでは、ChatGPTに近い回答で回答の幅が確保されています(③)。

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 【図】:AI自身のことを尋ねる(ChatGPT)
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 【図】:AI自身のことを尋ねる(Bing創造的)
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 【図】:AI自身のことを尋ねる(Bing厳密)

ChatGPTとBingの違いは使用方法に活かされる

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この記事では、ChatGPTとBingの違いについて、実際に比較してみました。アイデア創出の場合は、生成系AIの強みであるChatGPTやBing創造的スタイルの使用が有効です。文書整理や過去の事柄を整理するには、Bingの厳密なスタイルが事実に基づいているので、適しています。

このような回答の違いは、用途に応じて使い分けをするなど運用上の工夫で、さらに生産向上に役立てられるでしょう。

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