AWS認定のアソシエイトは難易度が高い?
AWSによるAWSクラウドサービスの公式資格として、AWS認定試験が提供されています。
AWS認定試験は、AWSクラウドサービスに関連するスキルを認定するものです。AWS認定は、役割や専門分野に応じて設定した試験区分に合格する必要があります。
【参考】:AWS AWS認定
ここでは、AWS認定試験の種類を紹介します。また、アソシエイトレベルの難易度についても解説します。
アソシエイトは中級レベルの難易度
AWS認定では、認定レベルに応じて想定スキルを能力認定の基準として設定しています。以下では、それぞれのレベルの対象者と難易度をまとめました。
「基礎レベル(Foundational)」 AWSクラウドのコアサービスが説明できることを基準としています。およそ6ヶ月程度の経験者を対象としているため、難易度は低めです。情報処理推進機構(IPA)が実施している国家試験ではIT利用者向けの資格「ITパスポート試験」に相当する難易度となります。
「アソシエイトレベル(Associate)」 AWSを使用したシステムやアプリケーションの構築、ならびにデプロイする知識があることを基準としています。およそ1年程度の経験者を対象としているため、難易度は中級レベルです。情報処理推進機構(IPA)が実施している情報処理技術者試験の「基本情報技術者試験(FE)」より若干難易度は低めの設定となっています。
「プロフェッショナル認定(Professional)」 AWSサービス全般について、最新サービスをカバーした設計を行う知識を基準としています。およそ2年程度の経験者を対象としているため、難易度は高めです。
「専門知識認定(Specialty)」 より高い専門性が求められます。難易度は「プロフェッショナル認定」同様に高いと判断できます。情報処理推進機構(IPA)が実施している情報処理技術者試験では、「基本情報技術者試験(FE)」から「応用情報技術者試験(AP)」の範囲に位置づけられる難易度と考えて良いでしょう。
上記の通り、基礎レベルの上位試験であるアソシエイトは中級レベルの難易度です。知識やスキルを活かしてさらなる活躍が期待でき、キャリアアップにも有効でしょう。
レベル別に分けられる資格の種類一覧
前述の通り、AWS認定は難易度別に4つのレベルに分類されています。各認定レベルで提供される資格の種類は以下の通りです。
「基礎レベルの認定(Foundational)」 AWS 認定 クラウドプラクティショナー
「アソシエイトレベルの認定(Associate)」 AWS 認定 ソリューションアーキテクト – アソシエイト AWS 認定 デベロッパー – アソシエイト AWS 認定 SysOps アドミニストレーター – アソシエイト AWS 認定 データエンジニア – アソシエイト
「プロフェッショナル認定(Professional)」 AWS 認定 ソリューションアーキテクト – プロフェッショナル AWS 認定 DevOps エンジニア – プロフェッショナル
「専門知識認定(Specialty)」 AWS 認定 高度なネットワーキング – 専門知識 AWS 認定 データアナリティクス – 専門知識 AWS 認定 セキュリティ – 専門知識 AWS 認定 機械学習 – 専門知識 AWS 認定 データベース – 専門知識 AWS認定 データ分析 – 専門知識
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AWS認定の受験方法やメリット
ここでは、AWS認定資格の受験方法やメリット、資格を活かせる職種とその年収について解説します。
AWS認定の受験方法
AWS認定を受験するには以下のステップによって行います。
①AWS認定アカウントを作成する まずは以下の公式サイトより、AWS認定アカウントを作成します。
②試験の申し込みをする AWS認定アカウントにログインして「試験の登録」をクリックします。
AWS認定は、ピアソンVUEにより実施されています。AWS認定ではオンラインでの試験監督が選択可能となっており、自宅やオフィス等で試験を受けることが可能です。全てのAWS認定試験がオンライン試験監督で受験でき、日本語で試験監督の対応を受けることができます。
【参考】:ピアソンVUE AWS 認定
③テストセンターと日程を選択する 試験会場となるテストセンターを3つまで選択し、各テストセンターの受験可能日程を選択します。あとは、受験時間を決め、支払いを行えば予約は完了です。
試験日の予約またはキャンセルなどは、試験日の24時間前であれば受付可能です。
AWSの認定資格取得のメリット
資格取得のメリットは、クラウドサービス事業者最大手のAWSの公式資格取得者としてお墨付きが得られることです。これによりクラウド運用の設計や開発の機会が増え、クラウドサービスの専門家としてプロジェクトを推進することが期待されます。
資格取得により社内で人材育成を牽引するリーダーとしての活躍が期待できることや、対外的なアピールが可能となるでしょう。同様に資格取得の学習を通じ試験範囲を理解することで、AWSクラウドサービスの操作方法を習得し実践に活用できるメリットがあります。
資格を活かせる職種
アソシエイトレベルを含むAWS認定資格を活かせる職種には、AWSエンジニアが挙げられます。AWSエンジニアに必要な知識やスキルは、以下の通りです。
・サーバ、ネットワークの知識 ・セキュリティの知識 ・AWSの知識
これらの知識やスキルはAWS認定資格を学習するうえで身につけることができます。さらに資格を取得することでスキル証明となり、AWSエンジニアとしての信頼性も高まるでしょう。
資格取得者の年収
AWS認定資格を取得することで、年収にどういった影響が出るのでしょうか?考察のために、まずはAWSエンジニアの年収を見ていきましょう。今回は、参考例としてAWSエンジニアを含むサーバーエンジニアをピックアップしました。
「マイナビエージェント 職種図鑑」でのサーバーエンジニアの平均年収は429万円(※2023年12月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種の「エンジニア/プログラマ」を参考にすると、平均年収592万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、AWSエンジニアを含むサーバーエンジニアは一般平均年収と同等かやや高めであることが分かります。
AWS認定資格のアソシエイトレベルに合格したら、上位資格であるプロフェッショナルレベルを目指すことで、資格手当のアップやキャリアアップの際に有効です。資格取得は年収アップに欠かせないステップであるため、積極的にチャレンジしましょう。
【参考】:マイナビエージェント 職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2019年12月~2020年5月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
AWS認定でアソシエイトを目指すには?
ここでは、AWS認定におけるアソシエイトレベルの4つの試験についてそれぞれ紹介します。また、おすすめの勉強方法やアソシエイトに合格した後の次のステップについても解説します。
AWS認定 ソリューションアーキテクト– アソシエイト(SAA)
AWSでは、アーキテクト向け資格として「AWS認定 ソリューションアーキテクト– アソシエイト(SAA)」の認定を実施しています。
この試験では、AWSで提供されているサービスを構成するコンピューティング・ネットワーキング・ストレージ・データベースの知識を有します。AWSで必要なデプロイや管理の他、安全性や信頼性を意識した構成能力が必要です。
「AWS 認定 ソリューションアーキテクト– アソシエイト」の試験ガイドでは、以下の分野を試験範囲としています。
分野 1:セキュアなアーキテクチャの設計 30% 分野 2:弾力性に優れたアーキテクチャの設計 26% 分野 3:⾼パフォーマンスなアーキテクチャの設計 24% 分野 4:コストを最適化したアーキテクチャの設計 20%
【参考】:AWS Certified Solutions Architect – Associate 認定 【参考】:AWS-Certified-Solutions-Architect-Associate_Exam-Guide.pdf
AWS認定 デベロッパー – アソシエイト(DVA)
開発担当者向け資格としては、「AWS認定 デベロッパー – アソシエイト」が用意されています。アプリケーション開発・デプロイ・開発プロセスの理解等が試されます。
「AWS 認定デベロッパー – アソシエイト」の試験ガイドでは、以下の分野を試験範囲としています。
分野 1:AWSのサービスによる開発 32% 分野 2:セキュリティ 26% 分野 3:デプロイ 24% 分野 4:トラブルシューティングと最適化 18%
【参考】:AWS Certified Developer - Associate 認定 【参考】:AWS-Certified-Developer-Associate_Exam-Guide.pdf
AWS認定 SysOps アドミニストレーター – アソシエイト(SOA)
AWSでは運用者向け資格として、「AWS認定 SysOps アドミニストレーター – アソシエイト」を用意しています。アカウント管理やセキュリティの運用能力が求められます。
「AWS 認定 SysOps アドミニストレーター – アソシエイト」の試験ガイドでは、以下の分野を試験範囲としています。
分野 1:モニタリング、ロギング、および修復 20% 分野 2:信頼性と事業の継続性 16% 分野 3:デプロイ、プロビジョニング、およびオートメーション 18% 分野 4:セキュリティとコンプライアンス 16% 分野 5:ネットワークとコンテンツ配信 18% 分野 6:コストとパフォーマンスの最適化 12%
【参考】:AWS Certified SysOps Administrator - Associate 認定 【参考】:AWS-Certified-SysOps-Administrator-AssociateExam-GuideC01.pdf
設問は計65問出題され、72%以上のスコアで合格となります。各出題分野で苦手な項目を学習し、取りこぼしのないよう準備を進めましょう。
AWS認定 データエンジニア – アソシエイト(DEA)
2023年11月27日〜2024年1月12日まで、新しいAWS認定試験として「AWS認定 データエンジニア – アソシエイト」のベータ試験が実施されます。
クラウドデータ関連の職種またはオンプレミスのデータ関連の職種で2〜3年の実務経験があり、データエンジニアやデータアナリスト、データアーキテクト、ビジネスインテリジェンスエンジニアなどが対象者です。
「AWS認定 データエンジニア – アソシエイト」の試験ガイドでは、以下の分野を試験範囲としています。
分野 1:データの取り込みと変換 34% 分野 2:データストアの管理 26% 分野 3:データ運用とサポート 22% 分野 4:データのセキュリティとガバナンス 18%
【参考】:AWS Certified Data Engineer - Associate 認定 | AWS 認定 【参考】:AWS-Certified-Data-Engineer-Associate_Exam-Guide.pdf
おすすめの勉強方法
AWS認定でアソシエイトに合格された方は、概ね20時間から50時間程度の試験対策勉強をしています。アソシエイトの受験料金は、税別15,000円(150 USD)です。
勉強方法は、該当するAWS認定試験の試験ガイドならびにサンプル問題を認定試験サイトよりダウンロードする方法がおすすめです。関連トレーニングコースのテキストと合わせて受験対策を進めていきます。また、AWS模擬試験は有効な学習方法ですので事前にスキルを確認しましょう。
トレーニングコースとしては「AWS Technical Essentials」が共通トレーニングとなります。これに加えて、ソリューションアーキテクト・デベロッパー・SysOps アドミニストレータ・データエンジニア固有のコースが提供されています。同様に、各分類に応じたAWSホワイトペーパーが提供されていますので、該当部分を事前学習するのが良いでしょう。
試験参考書やWeb問題集もAWS認定試験向けに数多くあり、自身の進め方に合う方法を選択可能です。加えて、AWSによる模擬試験が提供されていますから、不慣れな方は模擬試験で体験してみるのも良いでしょう。アソシエイト向け模擬試験は税別2,000円で受験可能です。
アソシエイトの次のステップは?
アーキテクト向け資格の「AWS 認定 ソリューションアーキテクト試験」のレベルは、アソシエイトレベルとプロフェッショナルがあります。プロフェッショナルでは、上記に加えて、可用性・耐障害性・信頼性を考慮したアプリケーションの設計能力が求められます。
また、AWSサービスの連携・プロジェクト管理・OSの知識からビジネス目標まで幅広い範囲から出題されます。
同様に運用者向け資格の「AWS 認定 SysOps アドミニストレーター – アソシエイト」や開発者向け資格の「AWS 認定 デベロッパー – アソシエイト」に合格した後は、上位の「AWS 認定 DevOps エンジニア – プロフェッショナル」に挑戦しましょう。
ここでは、継続的デリバリー・セキュリティコントロール・モニタリング・高可用性システムの実装等高度な開発運用能力が問われます。
AWS認定の「プロフェッショナル認定」や「専門知識認定」が取得できれば、クラウドサービスの専門家として対外的なアピールが期待できます。アソシエイトに合格したら、さらに上位資格を目指し学習を継続しましょう。
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