
AWSとは?勉強する必要がある理由

まずはAWSの基礎知識について解説します。そもそもクラウドサービスとは何かという点から説明します。AWSについてあまり詳しくない方やエンジニア経験の浅い方は、こちらから読み進めてください。
【参考】:AWS公式ページ
クラウドサービスとは?
クラウドサービスとはネットワーク経由で提供されるサービスのことを指します。クラウド(Cloud)は日本語で「雲」という意味です。
なぜ雲なのかは明らかになっていませんが、サーバーといった物理的な機器を意識せずに使え、サービスが雲の中に隠れているようなイメージであることから名付けられたという説があります。
また、クラウドサービスには大きく分けてSaaS、PaaS、IaaSの3種類があります。SaaSとはアプリケーションのみを提供する、一般的なクラウドサービスのことであり、メールソフトやストレージサービスなどがSaaSに該当します。
PaaSはアプリケーションを構築できる環境を提供するサービスであり、SaaSと異なりシステム開発者が主に使います。
IaaSはサーバーなどのインフラを全て提供するサービスであり、Google Compute EngineやAmazon Elastic Compute CloudがIaaSに該当します。
クラウドサービスが普及した理由
クラウドサービスが普及した理由は、主にコストが削減できることです。クラウドサービスが普及する前は、自社でサーバーを導入して管理していましたが、自社で管理するとサーバーの購入費もかかり、設置するスペースも確保しないといけません。
何より毎月かかる維持費が高く、個人で開発を行う方にとって負担となります。
一方クラウドサービスを使う場合は、自社でサーバーを用意する必要がありません。インターネットに接続する環境さえあれば、サーバーといったの必要なサービスを活用することができます。

AWSとは?
AWSとは「Amazon Web Services」の略であり、Amazonが提供するクラウドサービスを指します。2006年に販売が開始され、現在もっとも知名度のあるクラウドサービスです。AWSは200種類以上のサービスをネットワーク経由で提供しており、主なサービスは仮想サーバーやストレージ、データベースです。
AWSが人気の理由に、導入コストを抑えられる点にあります。AWSは利用量によって料金が変わる従量課金制のシステムを取っており、利用量が少ない内は低価格で利用できます。そのため個人での開発に多く活用されています。


AWSのメリット・デメリット
AWSはクラウドサービスを代表する製品ですが、メリットばかりではありません。ここでは、AWSのメリットとデメリットについて説明します。
■メリット AWSに限らずクラウドサービスのメリットは、オンプレミスのシステムと比べてコストを安く抑えられることです。オンプレミスでは、社内に物理的なサーバーを置いて管理するため、専用のスペースや継続的なメンテナンスが必要です。
しかし、AWSならクラウド上でシステムを構築できるため、社内にサーバー用スペースを確保したり、メンテナンスをする必要がありません。
また、AWSの最大の魅力はサービス数の多さです。世界中に提供されているサービス数は200以上あり、企業それぞれの目的に合ったサービスを見つけることができます。
■デメリット AWSのデメリットは、サービスによっては従量課金制のためランニングコストがかかる点と、機密情報を扱う企業はクラウドサービス自体を使えない点です。運用方法によってはかえってコストが高くなる場合もあるため、あらかじめ料金をシミュレーションしましょう。
また、AWS自体のセキュリティレベルは非常に高く安全と言われていますが、クラウド上に機密情報を保存する場合は十分に注意する必要があります。
AWSを勉強する前に身につけるべき知識

AWSを勉強する前に身につけたい知識について解説します。これらの知識がないと、AWS関連の本を読んでも理解が難しく挫折しやすいため、まずは基礎知識を押さえることが肝心です。
クラウドサービスについて
AWSについて勉強する前に、クラウドサービス全般についての知識が必要です。クラウドサービスとは何か、クラウドサービスの活用事例などの基礎知識を身につけましょう。クラウドサービスについて深く理解することで、そもそもAWSを使うべきかどうかを判断できるようになります。
クラウドサービスとは、ローカルの環境で利用していたデータ・ソフトウェア・システムなどをネットワーク上で利用できるようにしたものです。インターネットに接続できる環境さえあれば、ユーザーはいつでもどこでも多くのサービスを利用できます。
クラウドサービスには他にもAzureやGCPなどの種類があり、活用内容によってはAWS以外のサービスの方が向いている場合があります。まずはクラウドサービスについて書籍などを使用して勉強しましょう。

インフラ周りの基礎知識
インフラ周りの基礎知識について知っておくと、AWSを勉強する上で理解がスムーズになります。ITにおけるインフラとは、システムやサービスを利用するための基盤となるPC・サーバーなどのハードウェアや、ネットワークの土台となるインターネット・LAN・データベース・OSなどのソフトウェアのことです。
特に、ネットワークの設計・構築方法や、サーバ・ミドルウェアに関する知識を備えておくと良いでしょう。これらの知識は、AWSを活用したアプリケーション開発においても役立ちます。

初心者におすすめのAWSの勉強方法

初心者におすすめのAWSの勉強方法をまとめました。AWSの学習コンテンツやトレーニング方法を紹介します。この中から自分に適した方法を探し、AWSの勉強を始めてください。
本で学ぶ
AWSは人気の高いサービスのため、関連書籍が多く販売されています。AWSの本はAWSやサーバーに関する基礎知識についてまんべんなく解説されています。まずはAWS関連の本を1冊購入するのがおすすめです。
勉強会に参加する
AWSの勉強会に参加するのもおすすめです。勉強会は主に東京や大阪で実施されており、自由に参加できるものが多いです。また、勉強会の中にはAmazonが主催しているものもあり、Amazonの公式勉強会なら正しい情報を得ることが可能です。
さらに、Amazonの勉強会では個別相談会も実施されてます。AWSの活用方法について個人的に相談したい場合は、個別相談会も利用しましょう。
資格取得を目指す
「AWS認定資格」というAmazonの公式認定資格があるので、資格の取得を目指すのも良い勉強法です。資格を取得すると、AWSの知識を持っていることを転職時にアピールできます。
また、公式資格のためAWSの最新スキルに関する問題も出題されます。AWSの基礎知識をすでに持っている方も、資格勉強を通じて知識をアップデートできるのでおすすめです。

オンライン学習サイトを利用する
オンライン学習サイトには、AWSについて解説しているものが多数あります。動画で説明しているサイトもあり、動画はスマホでも閲覧できるため、通勤時などの隙間時間に勉強できます。本を開くのが面倒という方は、オンライン学習サイトを使う方法も良いでしょう。
AWS公式のハンズオンを受ける
ハンズオンとは、AWSの各種サービスの利用方法が学べるAWS公式講座のことです。ハンズオンでは実際にサービスを立ち上げて操作できるため、手を動かしながら学ぶことができます。初心者向けのハンズオンも多数用意されており、AWSアカウントの作成方法といった導入部分も丁寧に解説されています。
なお、勉強用アカウントで使うサービスは一定期間無料で利用できますが、期限が過ぎると料金がかかる場合があります。期限内での利用を検討している場合には、サービスの停止・削除を忘れないようにしましょう。
【参考】:ハンズオン資料 | AWS クラウドサービス活用資料集
AWS公式のAWSサービス別資料を読む
AWSの多数のサービスついての違いや特徴を理解するには、「AWSサービス別資料」がおすすめです。AWSサービス別資料の内容はAWSで開催しているウェブセミナーのアーカイブとなっており、AWS公式の勉強会資料のようなものです。
各サービスの要点がまとめられており、複雑なサービスについても理解しやすい内容となっています。専門用語もわかりやすく記載されているため、初心者の方でも読みやすいでしょう。
【参考】:サービス別資料 | AWS クラウドサービス活用資料集
AWS学習におすすめの本

最後に、AWS学習におすすめの本を3つ紹介します。以下で紹介する3つの本は初心者向けに分かりやすく解説されており、読者からの評価も高いです。AWSの本選びに迷っている方はこの中から選ぶことをおすすめします。
ゼロからわかるAmazon Web Services超入門 はじめてのクラウド
本書はAWSの代表的な入門書です。200種類以上あるAWSのサービスから、よく使うものに絞って解説しています。そのためAWSの基本を素早く理解することが可能です。本を読むのが苦手な方でも読みやすいボリュームです。
▪著者:大澤文孝
▪ページ数:312ページ
▪出版社:技術評論社
▪発売日:2019/06/26
【参考】:ゼロからわかる Amazon Web Services超入門 はじめてのクラウド:書籍案内|技術評論社
Amazon Web Services 基礎からのネットワーク&サーバ構築
本書は「AWSを使ってネットワーク周辺の勉強を行う」をコンセプトにした1冊です。AWSに関することだけでなく、インフラについて総合的に学べます。
サーバーやネットワークの基礎知識について、多くのページを割いて書かれています。あくまで基礎知識を得る本なので上級者には物足りないですが、初心者には大変おすすめです。
▪著者:大澤 文孝、玉川 憲、片山 暁雄、今井 雄太
▪ページ数:216ページ
▪出版社:日経BP
▪発売日:2020/02/10
【参考】:Amazon Web Services 基礎からのネットワーク&サーバー構築 改訂3版|日経の本 日経BP
図解即戦力 Amazon Web Servicesのしくみと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書
本書はAWSの仕組みについて分かりやすく図で解説された1冊です。また、AWS関連の用語についても丁寧に解説されており、疑問点を解決しながら読み進めることができます。
エンジニアでなくても理解できるレベルで噛み砕いて解説されています。AWSのサーバー、ストレージ、ネットワークなどの各サービスについても、初心者向けに紹介されています。
▪著者:小笠原種高
▪ページ数:240ページ
▪出版社:技術評論社
▪発売日:2019/11/07
【参考】:図解即戦力 Amazon Web Servicesのしくみと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書:書籍案内|技術評論社
AWSの勉強は自分に合った方法を選ぼう!

本記事ではAWSの勉強方法について解説しました。AWSとは何かや、AWS学習におすすめの本がお分かり頂けたかと思います。自社サーバーを導入する企業は昨今減ってきており、今後はクラウドサービスが主流になると言われています。
AWSはクラウドサービスの中でも料金面・サービス面に優れており、支持者が多いため、AWSを勉強して知識を深めましょう。エンジニアの方はぜひ自分に合った勉強方法を探し、AWSをマスターしてください。
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