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情報システムとは?ITエンジニアとして必要な基本知識を解説!
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情報システムとは?ITエンジニアとして必要な基本知識を解説!

アンドエンジニア編集部
2022.10.24
この記事でわかること
情報システムとは、情報の記録や処理、伝達などを行う仕組みのこと
情報システムは「アプリケーション」、「プラットホーム」、「インフラ」の3つの要素から構成される
情報システムの開発は、「要件定義」「設計」「プログラミング」「テスト」「リリースと運用保守」の5つの工程からなる

情報システムとは

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「情報システム」と聞くと、エンジニアの皆さんは何を思い浮かべますか?「情シス」と呼ばれているクライアントのシステム部門を思い浮かべる人がいるかもしれません。分かっている方でも、いざ説明をしようとすると、言葉に詰まってしまうかもしれません。

「情報とは?システムとは?情報システムとは何か?」、普通に使われる言葉でありながら、正確に答えるのは意外に難しい言葉です。ここでは、情報システムに関わる職種を目指す初心者の方に向けて、「情報システム」に関する基本をやさしく解説していきます。

情報とは

よく「データ処理」や「情報処理」という言葉を耳にしますが、データと情報との違いはなんでしょうか?データは数字や文字などで表される事実や事象を示すものであり、情報とは、人の行動や判断につながる意味を持ったデータのことです。

たとえば、「20歳から30歳」というのは単なるデータですが、「来店客の8割が20歳から30歳」というデータは情報になります。それは後者のデータから、「来店客の年代層を対象とする品揃えにする」という戦略を導き出すことができるからです。

システムとは

簡単に言うとシステムとは「インプットをアウトプットに変換するための仕組み」のことです。例えば、会社は「人・モノ・カネ」をインプットに、アウトプットとして「利益」を生み出す仕組みを持つ組織です。

天気予報においては、インプットは気圧や気温、湿度などであり、アウトプットは天気の予報です。つまり天気予報もシステムの1つです。

そもそも情報システムとは

ここまで、「情報」と「システム」について解説しました。続いて情報システムの定義について見ていきましょう。

「情報システム」とは、情報の記録や処理、伝達などを行う仕組みのことです。情報システムの代表的な事例としては、「人事システム」「経理システム」「受発注システム」「売上管理システム」など、どこの企業や組織にもあり、稼働しています。

ITと情報システムの関係

「IT」と「情報システム」を同一のものと見る人が少なくありませんので、その違いを説明しておきましょう。「IT」とは(Information Technology)の略で、「情報技術」のことです。情報の入手、加工や編集、保存や伝達、それら一連の処理を電子的に行う技術のことです。

それらを実現するために、コンピューターとネットワークなどのインフラに加え、ハードウェア技術、ハードウェアを思い通りに動かし、管理するためのソフトウェア技術などが「IT」には含まれています。これら「IT」を使い、ビジネスの効率化や生活向上を図る仕組みが「情報システム」です。すなわち、「情報システム」を実現するための技術が「IT」なのです。

身近な情報システムの事例

情報化社会と言われて久しいですが、特にこの数年は情報システム化が著しいと感じます。私たちの身近にある情報システム、情報処理システムなどの利用例、活用例を挙げてみましょう。

ネットショッピング、スマホによるバーコード決済、マイナンバー、ATM、チケット予約など誰もが日常的に利用しており、ないと困るものばかりです。

情報システムの2つの種類

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「情報システム」とは、情報の記録や処理、伝達などを行う仕組みであると説明しましたが、企業の「情報システム」は大別すると2つに分けられます。二つ目は以上、情報システムには「基幹系システム」と「情報系システム」の2種類があります。

基幹系システム

一つ目は「基幹系システム」と呼ばれ、事業活動そのものに関わるシステムを指します。たとえば、売上管理システム、受発注在庫管理システム、物流システムなどです。それぞれ日々の営業活動、事業活動に関わるデータ処理やそれらの記録が行われています。

また「基幹系システム」は顧客との接点となるサービスとも密接に関係し、「基幹系システム」が停止すると、事業ばかりか顧客に対しても大きな影響を及ぼします。

情報系システム

「情報系システム」と呼ばれ、すべての従業員が利用するメールシステム、スケジューラー、グループウェア、Web会議など事務の効率化や社内外とのコミュニケーション、情報共有などを図るためのシステムです。

円滑な業務遂行に必要なシステムが多い反面、万が一システムダウンがあっても、代替手段を講じることが可能ですので、短時間の停止であれば事業活動に深刻な影響を及ぼすことは少ないでしょう。

基幹系システムと情報系システムは分ける

「情報システム」には大別して「基幹系システム」と「情報系システム」の2種類がありますが、この2つは分けて開発・導入・運用をすることが求められます。サーバーやネットワーク構成は十分に考慮し、外部からの不正アクセスや障害などの影響を最小限に抑えなければなりません。

情報システムを構成する3つの要素

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「情報システム」は「アプリケーション」、「プラットホーム」、「インフラ」の3つの要素から構成されており、情報システムにはどの要素も欠かせません。それぞれの要素について、詳しく見ていきましょう。

アプリケーション

アプリケーションとは、ユーザーの利用目的や業務に応じて作成されたプログラムのことです。ユーザーはパソコンやスマートフォンやインターネットを通して、さまざまなサービスを利用していますが、実際にそのサービスを動かしているのはWebアプリケーション、モバイルアプリケーションなどです。

企業などの組織で利用しているWebアプリケーションとしては、Webブラウザ上で動作するグループウェア、メールやカレンダー、ドキュメントツール、人事勤怠、顧客管理、各種申請ツールなどがあります。

モバイルアプリケーションでは、銀行アプリ、スマホ決済、、ポイントアプリ、株取引アプリ、SNSアプリ、ヘルスケアアプリなど無数にあり、企業内での活用例も増えています。

プラットフォーム

プラットフォーム(platform)とは「アプリケーション」を動作させるための環境のことで、WindowsやmacOS、AndroidなどのOS、ミドルウェアなどが該当します。OSはソフトウェアとハードウェアを仲介する役割を担い、アプリケーションの正確な運用と制御において中心的な存在です。OSにはWindowsのように有償のOSもあれば、Linuxのようにオープンソースで無償のOSもあります。

ミドルウェアはアプリケーションとOSの間に位置するソフトウェアの一種で、アプリケーションが要求する機能を提供します。たとえば、データベースサーバーで利用されるMySQLやOracleDB、Webサーバーで利用されるApacheなどがあります。

MySQLとは?特徴から使い方・学習方法まで詳しく解説!

ITインフラストラクチャー

インフラストラクチャー(infrastructure)は、ITインフラとも呼ばれており、ITを活用するための基盤となる施設やハードウェアとソフトウェアなどが含まれます。

ハードウェアにはサーバー、ストレージ、ルーターやハブなどのネットワーク機器、通信回線、電源装置など情報システムで利用するすべてのものが含まれます。ソフトウェアとはPCやサーバーを稼働させるために必要なOSやソフトウェアなどです。

またITインフラストラクチャーには従来型インフラストラクチャーと言われる企業内に設けられた「オンプレミス」と、最近主流になっている「クラウド・インフラストラクチャー」、或いはそれらを組み合わせた「ハイブリッド・クラウド」があります。

情報システムの開発工程

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情報システムの開発では、大きく分けて5つの工程があります。またそれぞれの工程では役割分担があり、担当するエンジニアが異なります。

情報システムの開発工程は、顧客の要望を明らかにする「要件定義」、要件に従って情報システムを設計する「設計工程」、設計書に従ってプログラミングを行う「プログラミング工程」、システムの正常稼働を確認する「テスト工程」、そして実際にシステムを本番移行し、運用する「リリースと運用保守工程」があります。

1.要件定義工程

情報システムの作成依頼者であるユーザーから、「どのようなニーズがあり、どのようなシステムを必要としてるのか?」についてをヒアリングを行い、開発する情報システムの機能、仕様などについて方向性を決めます。

この工程は、上流工程とも言われ、システムエンジニアの中でも主に上級エンジニアが担当します。ヒアリングは経営者やユーザー部門と対面で行うこともあり、コミュニケーション能力や経営知識、業務知識などが求められます。

要件定義書と要求仕様書の違いを解説!誰が作りどう進める?

2.システム設計工程

要件定義によって明らかになったニーズや機能要件に従って、システムの機能や仕様を決める工程です。システム設計にはユーザー視点に基づく概要設計として「外部設計」、システムに実装する詳細機能などを設計する「内部設計」の2つがあり、システムエンジニアが担当します。

3.プログラミング工程

システム設計工程で作成された「内部設計」に関するドキュメントをもとにして、プログラミング言語を用いてプログラムの作成を行います。

プログラミングが終了すると、プログラム単位で行う単体テストを行い、内部設計通りに動作しているか、エラーやバグ(不具合)がないかを確認し、必要に応じて修正を行います。主にプログラマーが行いますが、テスターやデバッガーと言われる専門のエンジニアが行う企業もあります。

システム開発の工程の「単体テスト」と「結合テスト」の違いを徹底解説!

4.システムテスト工程

単体テストが完了していることを確認したら、続いてサブシステム単位で行う結合テスト、システム全体を通して行う「総合テスト」があります。

さらに、要件定義の際に示されたユーザーが要求した機能や仕様通りの仕上がりになっているかを確認する「システムテスト」を行い、最後に本番稼働環境で全体の動作などを確認する「運用テスト」を行ってから情報システムはリリースされます。

要件定義を行った上級のシステムエンジニアから、内部設計までを担当したシステムエンジニアなどが関わる工程です。

運用テストってどんなテスト?目的や内容、注意すべきポイントとは?

5.リリースと運用保守

情報システムの開発が完了し、リリースされて本番に移行した後は、「運用保守工程」に入ります。運用保守は主にインフラエンジニアが担当し、システムの稼働確認、トラブル対応やアップデート作業などを行います。

このフェイズではシステムエンジニアからインフラエンジニアに対して引継ぎが行われます。運用引継ぎにはさまざまなドキュメントが必要であり、コミュニケーション能力に加え、ドキュメント作成能力も求められます。

情報システムの代表的な開発手法

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情報システムの開発手法には何種類かありますが、ここでは代表的な開発手法として「ウォーターフォール開発モデル」と「アジャイル開発モデル」について解説します。

ウォーターフォール開発

滝が流れるように、上流工程から下流工程へと順番にシステム開発を行う方式がウォーターフォール開発です。プロジェクトの種類によって例外はありますが、基本的に先ほど紹介した大きな5つの工程で進められます。

それらの各工程を順におこなっていくウォーターフォールモデルは、当初計画した工程計画に従って、システム開発を進めるため、進捗状況の把握がしやすく、品質の担保がしやすいメリットがあります。

一方ではそれぞれの工程が完了するまては次の工程に移らないため、時間的な無駄が発生することがあり、スピードを要求されるような情報システムの開発には向いていません。

アジャイル開発

アジャイル(Agile)は「素早い」という意味ですが、その名の通りスピード重視の開発手法です。アジャイル開発では情報システムを小さな単位に分けて、その単位ごとに実装とテストを繰り返しながら進めます。

このアジャイル開発方式では、作りながら評価、修正を行うため、スピーディーに開発が行え、また軌道修正がしやすい点はメリットですが、全体の進捗管理がしにくい点、開発の方向性を定めにくいのがデメリットです。

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情報システムに関わるエンジニアの仕事はやりがいがある

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ここまで、エンジニアとして知っておきたい、押さえておきたい「情報システム」の基礎を中心に解説をしてきました。情報システムは企業においてはビジネスを支える役目を担い、一般の人々にとっては生活を豊かに、便利にしてくれる欠かせない道具です。

そんな情報システムの開発に携われるエンジニア職は、期待が大きくやりがいのある職種です。情報システムの開発と運用には、システムエンジニアやプログラマー以外にも、インフラエンジニア、データベースエンジニアなどあらゆる職種のITエンジニアが関わります。

将来、情報システムに対して、どのような立場で関わるのか、しっかり目標を見据えて、情報システムに関わっていかれることを願っています。

【参考】:わかりやすい業種・職種別職種図鑑|マイナビAGENT

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