ネットワークエンジニアにプログラミングは必要?
ネットワークエンジニアはネットワークインフラの専門化です。基本的にはデータセンターなどの施設でルーターやネットワークスイッチ、LANケーブルなどを用いて機器同士を接続して通信できるようにしたり、ネットワーク機器の設定を行ったりといった物理的な作業を中心に行います。
プログラマーのような開発系のエンジニアではないため、プログラミングを行う機会はなく、学ぶ必要もないと思う方も多いのではないでしょうか。
しかし、誰もが避けて通る道こそ差別化できるチャンスでもあります。今回は、ネットワークエンジニアがプログラミングを身に付けるメリットについて紹介していきますので、参考にしてください。
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ネットワークエンジニアがプログラミングを学ぶべき理由
ネットワークエンジニアの仕事内容は基本的に機器の設置・配線・設定投入など物理的な作業が多いです。上流工程になるとネットワークの設計も行いますが、プログラミングの必要性は少ないと言えるでしょう。
プログラミングを学んだところで、「活用する場所がないのでは意味がない」と思うかもしれません。ここでは、プログラミングを学ぶべき理由についていくつか紹介します。
ネットワーク仮想化技術の発達
従来のネットワークエンジニアは物理的な作業が中心でしたが、SDN(Software Defined Networking)と呼ばれるネットワーク仮想化の技術が発達して変化が訪れています。
SDNではネットワーク機器の設置や配線といった物理的な作業が不要になり、構築や設定投入も手作業ではなくIaC(Infrastructure as Code)というプログラミングによる自動化・効率化ができるようになります。
従来の物理的な作業ではプログラミングは必須ではなかったのですが、SDNを扱うプロジェクトではプログラミングができないと生産性を高めることができず、評価されにくくなってしまうでしょう。
技術トレンドの変化に対応するためには、そのトレンドに合わせたスキルを身に付けた方が良く、プログラミングもその1つと言えます。
クラウドサービスのシェア拡大
技術トレンドの変化という意味では、クラウドのシェア拡大も無視できない要因です。
クラウドは従来のオンプレミスと呼ばれる物理的な施設や機器を扱う方式と異なり、AmazonやGoogleなどの企業が管理するクラウド環境を借りることでインターネットを通じてネットワークを含めたインフラの構築・運用が可能になります。
クラウドもSDNと同様にIaCなどのプログラミングによる自動化・効率化が可能であり、ネットワークエンジニアであってもプログラミング技術を求められる機会が多くなるでしょう。
国内外を問わずクラウド市場は今後も更に拡大すると予測されており、ネットワークエンジニアがクラウドに関わる機会も増えていくと考えられます。
ネットワークエンジニアの年収
ネットワークエンジニアの年収は身に付けた技術や実務経験、所属する企業やポジション等によって大きく変化します。キャリアアップを考えるなら、しっかりとスキルを身に着けていくことが重要でしょう。ここでは、一般的なネットワークエンジニアの平均年収を紹介します。
一般的なネットワークエンジニアの平均年収は「マイナビエージェント職種図鑑」によると380万円(※2024年8月執筆時点)です。また、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」における「エンジニア/プログラマ」を参考にすると、592万円とされています。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円ですので、ネットワークエンジニアの平均年収は平均を下回っていますが、プログラミングなどの付加価値の高いスキルを身につけて実務経験を積んでいくことで、高い年収を目指せます。
プログラミングを身に付けるだけが高度なネットワークエンジニアになる方法ではありませんが、少なくとも他のエンジニアと差別化をはかる必要があり、プログラミングは差別化の手段の1つとして有効です。
【参考】:マイナビエージェント職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
ネットワークエンジニアにおすすめのプログラミング言語とは?
ネットワークエンジニアがプログラミングを学ぶ場合、相性の良い言語はあるのでしょうか。ここではネットワークプログラミングの観点から、ネットワークエンジニアが学ぶべき言語について紹介します。
ネットワークプログラミングとは
結論から言うと、ネットワークエンジニアもプログラミングができるに越したことはなく、プログラマーもネットワークを学ぶに越したことはありません。
というのも、実はコンピュータ同士のデータ通信を行うソフトウェアの開発にはプログラミングが使われており、これを「ネットワークプログラミング」と言います。ネットワークプログラミングの分野では、サーバとクライアントという2つの領域があります。
■クライアント側のネットワークプログラミング クライアントはサーバに対してリクエストと呼ばれる要求を送信します。たとえば、ブラウザでウェブサイトを開きたい場合、ブラウザはクライアントで、送信先はWebサーバになります。このとき、クライアント側ではWebサーバにデータを表示するリクエストを送信します。
■サーバ側のネットワークプログラミング サーバはクライアントのリクエストに対してレスポンスを返す役割があります。たとえば、先程の例でブラウザからデータを見せてほしいとリクエストを受け取ったら、WebサーバはクライアントのIPアドレスやポート番号に対してリクエストのあったデータを返します。
こうしたサーバとクライアントの間で行われる処理にプログラミング言語が使われるので、ネットワークエンジニアがプログラミングを学ぶ価値はありますし、プログラマーがネットワークを学ぶことにも意味があると言えます。
ネットワークエンジニアと相性良いプログラミング言語
ネットワークエンジニアが学ぶのに適したプログラミング言語はあるのでしょうか。ここではネットワークプログラミングで人気のある言語を4つ紹介します。
■Python シンプルで読みやすい構文が特徴で、インフラ系のエンジニアでも学びやすい言語です。また、ネットワーク操作を簡単に扱えるソケットモジュールなどライブラリが豊富にあります。
■Java シェアが高く、多くのネットワークアプリケーションやエンタープライズレベルのシステムで使用されています。ネットワーク関連のAPIも充実しています。
■C/C++ 高いパフォーマンスと低レベルのネットワークアクセスが必要な場合に選ばれます。オペレーティングシステムや組み込みシステムの開発にもよく使用され、リアルタイムシステムでの使用が多いです。
■Go 並行処理とネットワーク処理に強く、シンプルで効率的なプログラムを書くことが可能です。特に分散システムやマイクロサービスアーキテクチャ向けのアプリケーションに適しています。
どの言語を学ぶべきか迷ったら、まずは各言語の初歩的なプログラミングを体験してみましょう。
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