WebデザイナーにJavaScriptのスキルは必要?
Webデザイナーを目指す方の中には、WebデザイナーになるのにJavaScriptのスキルは必須なのか悩む人がいます。結論を言えば必須ではありませんが、必要なスキルです。Webデザイナーは、Webサイトの「見た目」や「使いやすさ」などを考慮しながらデザインします。
JavaScriptはWebサイトに動きを付けたり、インタラクティブな機能を付加したりするプログラム言語ですので、より魅力的なWebサイトを開発する上で、JavaScriptは重要な言語です。
この記事では、Webデザイナーの仕事や役割、JavaScriptを習得するメリットとデメリット、JavaScriptの習得法などについて解説しますので、Webデザイナーを目指す方、JavaScriptの習得を検討している方はぜひ参考にしてください。
【参考】:JavaScript | MDN
Webデザイナーの仕事
Webデザイナーは別名「Webクリエイター」とも呼ばれることがあり、主にクライアントからのWebサービス開発の依頼を受けて、Webデザインを行い、その制作に関わります。Webデザイナーの仕事は以下の通りです。
中には、責任範囲がデザインだけというWebデザイナーもいますが、エンジニアやプログラマーにWebサイトの仕様説明や指示を出す際にも、JavaScriptの言語スキルは必要です。
1.Webサイトの構成やレイアウト決定 クライアントと取り決めたWebサイトのコンセプトや目的に沿って、画面のレイアウトや色彩、フォントなどのデザイン要素を決めます。
2.Webサイトのデザイン構築 PhotoshopやIllustratorなどの画像編集ソフトを用いて、Webサイトの画像やアイコンなどの素材を作成します。
3.Webサイトのコーディング HTMLやCSSなどを用いて、デザインした画面をWebブラウザで表示するためのコーディングを行います。
4.Webサイトの機能改善、品質管理、維持管理など WebデザイナーはWebサイトに関わる機能改善や品質管理、維持管理の仕事も行います。具体的には次のような仕事をします。
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Webデザイナーの年収
Webデザイナーの年収は「マイナビエージェント職種別平均年収ランキング(デザイナー:WEB/モバイル)」での平均年収は441万円(※2024年2月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のSE・プログラマ(ソフトウェア製品の開発・実装)を参考にすると、平均年収568万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、平均年収よりもやや高いことがわかります。
Webデザイナーのキャリアパスは大変多く、Webディレクターやシステムエンジニア、プロジェクトマネージャーなどがあり、キャリアアップによってさまざまな活躍機会や高年収が期待できます。
【参考】:マイナビエージェント職種別平均年収ランキング ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
JavaScriptを学ぶデメリットとメリット
JavaScriptを利用することで、より動きのある魅力的なWebサイトを構築できます。Webデザイナーにとって、JavaScriptのスキルを身に付けることには多くのメリットがありそうですが、デメリットもあります。ここでは、デメリットとメリットについて見てみましょう。
JavaScriptのデメリット
JavaScriptのデメリットとしては以下の4つが挙げられます。JavaScriptのデメリットを理解した上で習得を目指しましょう。
1.学習コストが高い JavaScriptは文法や構文が他のプログラミング言語と異なる部分が多く、また、多くの機能や仕様が追加されているため、学習するには時間や労力がかかります。
2.ブラウザによって動作が異なる可能性がある JavaScriptはWebブラウザで実行される言語ですが、ブラウザによってはJavaScriptのサポート状況や実装方法が異なる場合があります。そのため、同じコードでもブラウザによっては正しく動作しないか、期待した結果にならないことがあります。
3.セキュリティやパフォーマンスに注意が必要 JavaScriptはWebサイトに動きやインタラクションを加えることができますが、その反面、悪意のあるコードや不正な操作によって、ユーザの個人情報が損なわれる可能性があります。 また、JavaScriptはWebブラウザのメモリやCPUを消費するため、コードの最適化や効率化が必要です。
4.バージョンや仕様の変更に対応する必要がある JavaScriptは常に進化している言語ですが、そのために新しいバージョンや仕様が定められることがあります。 その場合、古いコードや機能が非推奨になったり、互換性がなくなったりする可能性があります。JavaScriptの最新の動向や変更点に常に注意する必要があります。
JavaScriptのメリット
次にWebデザイナーがJavaScriptのスキルを身に付けるメリットを見ていきましょう。JavaScriptが扱えると、Webデザイナーにとっても多くのメリットがあることが分かるでしょう。
1. インタラクティブなWebページの作成 JavaScriptを使うことで、ユーザとのインタラクションを実現できます。アニメーションや動的な要素を追加できるため、より魅力的なWebサイトを作成できます。
2. ユーザーエクスペリエンスの向上 JavaScriptを活用することで、ユーザがサイトをスムーズに操作できるようになります。ページの読み込み速度の改善やエラーメッセージの表示なども可能で、ユーザはストレスなくWebの利用ができ、ユーザ満足度の向上にも役立ちます。
3. サーバとの通信による機能アップ JavaScriptは非同期処理をサポートしており、ユーザがページを操作している最中でも、サーバとのデータ通信が行えます。例えば、フォームの送信やAPIからのデータ取得などが非同期で行われ、ユーザエクスペリエンスが向上します。
4. フロントエンドフレームワークの利用 JavaScriptにはReactやVue.jsといった優れたフロントエンドフレームワークがあり、これらを扱えるようになることで、Webアプリケーションの開発力が向上します。ReactはFacebookやInstagram、Netflixなどのサービスで利用されています。Vue.jsはGoogleやZoom、Noteなどの開発に使われています。
【参考】:React 【参考】:Vue.js - The Progressive JavaScript Framework | Vue.js
5.活躍機会が広がる WebデザイナーがJavaScriptのスキルを身に付けると、モバイルアプリの開発、サーバサイドの開発など、さまざまなプロジェクトへの参加が可能になり、活躍機会が広がります。また、システムエンジニアやプロジェクトマネージャーなどへのキャリアアップの可能性も高まります。
未経験者がJavaScriptを習得するには
ここではWebデザイナーを目指す未経験者の方が、JavaScriptを習得する方法について紹介します。ぜひ参考にしてください。
JavaScript関連資格の取得を目指す
JavaScriptを独学で習得するのは簡単ではありません。目的もなくただ参考書を読むだけではスキルは身に付きません。また、社会人の方はスクールに通う時間を捻出するのは難しいでしょう。そこで、ここでは独習を前提にJavaScript関連の資格取得を目標にして学ぶ方法を紹介します。
以下に挙げるのはJavaScriptを含むWebデザイナー、Webエンジニアに有用な資格です。
■ Webクリエイター能力認定試験 サーティファイが運営している資格認定で、初級・中級レベルの2つの試験区分があります。
エキスパート(初級・中級レベル)では、HTML5・CSS・JavaScriptを中心とした実技問題と知識問題が出題されます。
スタンダード(初級レベル)では、HTML5・CSSを中心とした実技問題があります。全国の会場で随時実施されていますので、受験はしやすい試験です。
【参考】:Webクリエイター能力認定試験|資格検定のサーティファイ
■ HTML5プロフェッショナル認定試験 エルピーアイジャパン(LPI-Japan)によって実施されている国際認定試験です。HTML5・CSS3・JavaScriptなどの最新のマークアップに関する技術力や知識が問われます。レベル1(初級・中級レベル)とレベル2(中級・上級レベル)の2つの試験区分があります。
JavaScriptはレベル2で出題されます。難易度はWebクリエイター能力認定試験よりも高いと言われています。
【参考】:Web資格なら「HTML5プロフェッショナル認定試験」公式サイト
JavaScriptの学習教材
JavaScriptの資格試験に挑戦する前に、JavaScriptの学習が必要です。そこで、JavaScriptエンジニアを目指す未経験者が挫折しにくく、楽しく学べる学習教材を3冊、無料でJavaScriptが学べる学習サイトを1つ紹介します。
■ 1冊ですべて身につくJavaScript入門講座 初心者向けとして作られた参考書で、JavaScriptを学び始める人や、以前に学習を試みて挫折した人に適しています。丁寧な解説が特徴で、最新の技術もカバーしています。トピックの幅広さ: アニメーションやイベント、Webページ作成など、プログラミングの基本から実装方法まで学べます。
▪著者:Mana ▪出版社: SBクリエイティブ ▪ページ数:344ページ ▪発売日:2023/03/01 【参考】: 1冊ですべて身につくJavaScript入門講座
■ リバーシを作りながら学ぶJavaScript AIの基本 対戦プログラムの開発に挑戦! JavaScriptの入門書です。Webブラウザー上で遊べるゲームの「リバーシ」を実際に作りながら、プログラミングの初歩から実践までを楽しく学べます。基本的な言語構文と繰り返し処理、非同期処理、イベント受け付け、canvasによる描画などを学べます。
▪著者:クロノス・クラウン、柳井政和 ▪出版社: 秀和システム ▪ページ数:304ページ ▪発売日:2024/02/20 【参考】:リバーシを作りながら学ぶJavaScript AIの基本 対戦プログラムの開発に挑戦!
■ これからのJavaScriptの教科書 実践的なJavaScriptの入門書です。ES2023までの標準仕様を網羅し、Web開発に欠かせない機能を重点的に解説しています。JavaScriptプログラミングの基本から高度な機能、DOM操作、非同期処理、Node.jsなどをカバーしています。
わかりやすいサンプルコードを多数掲載しており、手を動かしながら学べる内容となっています。
▪著者:狩野 祐東 ▪出版社: SBクリエイティブ ▪ページ数:624ページ ▪発売日:2024/4/27 【参考】:これからのJavaScriptの教科書
■ 無料の学習サイト:Progateを利用する Progateはさまざまな言語を学べる学習サイトです。JavaScriptコースは、フロントエンド言語であるJavaScriptの入門コースで、最新バージョンのES6(ECMAScript 2015)を中心に、基本的な文法、変数・定数の使い方、条件分岐などを学べます。
また、HTML/CSSやjQuery、RubyやRuby on Railsなど、Webサイト制作に必要なスキルを学べる他のコースが提供されていますので、利用をおすすめします。
【参考】:Progate | JavaScript | プログラミングの入門なら基礎から学べるProgate
研修が手厚い企業に転職する
JavaScriptの習得には研修に手厚い企業に入って学ぶという方法があります。求人情報に「未経験者歓迎」としている企業が少なからずあり、ITエンジニア不足の解決策として、自社で育てる企業が増えています。このような企業では研修が手厚く、従業員のスキルアップに熱心であると考えられます。
また、こうした資格手当制度を導入し、資格取得奨励金や資格手当が充実している可能性がありますので、狙ってみると良いでしょう。研修が手厚い企業への転職を希望する方は、有力な転職エージェントの活用をおすすめします。
エンジニア転職のご相談はぜひ
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JavaScriptが使えるWebデザイナーを目指そう
ここまでWebデザイナーにJavaScriptのスキルは必要かというテーマで、 Webデザイナーの仕事内容や年収、JavaScriptスキルを得るデメリットとメリット、JavaScriptの資格取得法などについて紹介しました。また、研修に手厚い企業に入社し、就職先でJavaScriptを学ぶ方法も紹介しました。
しかしWebデザイナーやWebエンジニアの膨大な求人情報から、希望条件に合う求人、研修や資格手当などの制度が整った企業を見つけ、企業研究をしたり、企業にアプローチしたりするなどの転職活動を独力で進めるのには大変なエネルギーが必要です。
そこで利用を推奨するのがマイナビIT エージェントです。
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