自然言語処理の入門知識を習得しよう!仕組みや学習方法を解説
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自然言語処理の入門知識を習得しよう!仕組みや学習方法を解説
アンドエンジニア編集部
2023.12.23
この記事でわかること
自然言語処理はAI技術の1つで、人間の自然言語を処理する技術である
自然言語処理では、形態素解析・構文解析・意味解析・文脈解析などの手法を用いて文章を解析する
自然言語処理はAIチャットボット、テキストマイニング、検索エンジンなどに幅広く活用されている

「自然言語処理」入門

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自然言語処理(NLP/Natural Language Processing)とはAI技術の1つの分野で、コンピュータによって、人間が普段の会話や文章作成で使う自然言語を処理する技術のことです。

近年、チャットボットなどの自然言語処理を活用したAI技術の進歩と普及が著しく、自然言語処理の入門知識はAIを活用するエンジニアにも今後ますます求められるでしょう。

この記事では、自然言語処理を学びたいと考えている方のために、自然言語処理の入門知識や活用事例、学習方法について解説していきます。

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自然言語処理を学んでAIエンジニアを目指そう

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自然言語処理は、機械学習モデルやディープラーニングなどと組み合わせることで人間の言語を処理することができ、様々な分野で言語データを理解して活用するために使用されています。

AI技術の発展において、膨大な量のテキストデータを効果的に分析したり、情報を抽出して有益な情報を得たりするためにも自然言語処理の理解は重要です。自然言語処理を学んでAIエンジニアとしての基礎を身につけましょう。

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自然言語処理の入門知識

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ここではまず、自然言語処理が注目されている理由や、その仕組みについて説明します。また、自然言語処理でよく使用されるプログラミング言語であるPythonや、自然言語処理を役立てられる職種の年収などの基礎的なことについて解説します。

自然言語処理とは

自然言語処理は、コンピュータが人間が使う言葉を理解し、処理することです。自然言語処理を使用することで大量のテキストデータから情報を抽出し、有益な情報を得ることができます。

また、文章の要約・翻訳や、質問への回答、ソフトウェアのプログラミングなど、人間が言語を使って行う活動や作業をコンピュータで行い、作業の効率化や品質向上を期待することができます。

自然言語処理とは?注目される理由やできることをわかりやすく解説

自然言語処理が注目される理由とは

IT化が進む社会で、SNSの利用やチャットAIなど、テキストデータの活用が進んでいることから、膨大なテキストデータを活用するために自然言語処理が注目されています。

近年は、ディープラーニングの発展によって様々な大規模言語モデルが登場し、自然言語処理により膨大な文章を学習して処理を行うことができるようになっています。

また、自然言語処理をテキストデータ処理だけでなく静止画・動画・音声などの編集や処理に活用する技術も登場し、多様な作業をさらに効率化することが期待されています。

自然言語処理の仕組みとは

自然言語処理を行うために、まずは人間が使う言葉を機械が理解できる形式に変換するための機械可読目録と、自然言語の使用例や構文・単語の使い方を大量に記録したコーパスが必要です。

自然言語処理は、機械可読目録とコーパスを用いて、形態素解析・構文解析・意味解析・文脈解析などの処理を行います。

これらの解析を行うことで、コンピュータが自然言語を理解し、文章の意味を解釈することができるのです。

■形態素解析 形態素解析エンジンを使って文章を最小の単位である単語に分割します。 形態素とは意味を持つ最小限の文字のまとまりを意味し、形態素解析によって形態素を品詞などに細かく分解します。

例えば、「今日はいい天気ですね」という文章であれば、「今日/は/いい/天気/です/ね」と分解することができます。

■構文解析 単語同士の関係性を解析し、文章の構成において要素同士がどのような関係にあるのかを明らかにします。 どの単語がどの単語に係るのかを解析する依存構造解析や、隣接する単語の関係を元に文章の構造を解析する句構造解析などの解析手法が用いられます。

■意味解析 構文解析だけでは十分でない場合、文章の意味を特定するために辞書やコーパスを参照して単語の意味や関係を解析します。複数の解釈を持つ可能性がある文章も、辞書を活用して最適な解釈を選択します。

■文脈解析 文章のまとまりとしての文脈を理解するために、前後の文章に対して構文解析や意味解析を行い、文章同士の関係を明らかにします。

文章同士の関係性を正しく解析するには様々な言語知識が必要とされ、機械学習やニューラルネットワークの領域も関わってきます。

Pythonが主に使用される

自然言語処理には、処理を行うためのプログラミング言語としてPythonが多く活用されています。

Pythonは自然言語処理や機械学習のためのライブラリが豊富で、例えば、NLTK(Natural Language Toolkit)、spaCy、gensimなどのライブラリが利用できます。これらのライブラリを活用することで、自然言語処理の基本から高度な処理までを行うことができます。

また、Pythonではデータサイエンスや機械学習のコミュニティが活発で、自然言語処理に関する新しいアルゴリズムや手法に関する情報が入手しやすいことも、主に利用される理由として挙げられます。

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自然言語処理を役立てられる職種の年収

自然言語処理のスキルを役立てられる代表的な職種に、AIエンジニアがあります。ここでは、AIエンジニアの年収がどれくらいか見てみましょう。

AIエンジニアに近いと考えられるシステムエンジニアの年収は「マイナビエージェント職種図鑑」での平均年収は431万円(※2023年11月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のIT技術スペシャリスト(特定技術(DB・NW・セキュリティ等))を参考にすると、平均年収593万円と分かりました。

国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、AIエンジニアは一般平均年収と同程度からやや高めであることが分かります。

AIエンジニアには、PythonやRなどのプログラミング言語のスキルや、データ収集・分析スキルが必要です。自然言語処理・機械学習・ディープラーニングなどの専門的な知識が豊富で、高度な活用が可能なAIエンジニアはより高収入になる傾向があります。

【参考】:マイナビエージェント職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁

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自然言語処理の活用事例とは

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自然言語処理を使用することでどのようなことができるのでしょうか。代表的な例としてAIチャットボット・テキストマイニング・検索エンジンでの活用などが挙げられます。

AIチャットボット

AIチャットボットは、ユーザの問いかけに自動的に応答するツールです。顧客対応の自動化や社内ヘルプデスクの業務効率化などに活用されています。

自然言語処理はAIチャットボットが言語データを解析し、適切な回答を生成するために重要な役割を果たしています。問い合わせ文からAIが学習することで、複雑な質問や会話にも対応できるようになります。

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テキストマイニング

テキストマイニングは、大量のテキストデータから有益なデータを抽出するものです。自然言語処理を用いてテキストマイニングを行うことで膨大なテキストデータを効果的に分析できます。

テキストマイニングを使ったビッグデータの解析により、企業の製品やサービスの改善に活かしたり、意思決定や経営戦略の策定にも貢献したりすることができます。

SNSやWebサービスの普及により様々なテキストデータが集まりやすくなっている近年、テキストマイニングは顧客や社会の動向をとらえた企業の活動に不可欠な技術であると言えます。

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検索エンジン

自然言語処理は検索エンジンでも活用されています。近年では、Googleが最新の自然言語処理を使ったBERTを発表するなどして注目を集めています。

検索エンジンで自然言語処理による解析を使うことで、単語の表面的な意味だけでなく、文脈などに基づいたより有益な検索結果を提供することが可能となります。

自然言語処理の学習方法とは

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AIエンジニアや収集したデータを活用するデータサイエンティストには、自然言語処理の理解が必要です。ここでは、自然言語処理の学習方法や、自然言語処理の入門学習を終えた後でさらにスキルアップする方法について解説します。

自然言語処理の入門サイトで学習する

自然言語処理の学習方法として、まずはWeb上の様々な学習サイトで基礎を学ぶことをおすすめします。特に入門知識を効率的に学ぶには、オンライン学習サイトを活用するとよいでしょう。

学習サイトの教材には自然言語処理やAI技術に関する情報を体系的にまとめたものや、動画や音声で分かりやすく解説しているものも多くあります。自分の理解度に合った教材を探して、学習の入り口として活用しましょう。

書籍で学習する

自然言語処理の基礎を固めるためには、書籍を繰り返し読んで理解を深めることも役に立ちます。ここでは、自然言語処理の入門書としておすすめの書籍を2冊ご紹介します。

■【文書分類からはじめる自然言語処理入門 -基本からBERTまで-(エンジニア入門シリーズ109) 】 自然言語処理の入門書として、Pythonを使って基本から学べる参考書です。具体的なプログラム例を通じて、基礎的な自然言語処理の概念を理解できるように書かれています。

また、文書分類の基礎的な手法や概念だけでなく、分散表現、系列ラベリング問題、BERTなど、幅広いトピックを網羅しており、自然言語処理の基礎から応用までを網羅的に学ぶことができます。

▪著者:新納 浩幸氏(茨城大学)・古宮 嘉那子氏(東京農工大学) ▪ページ数:206ページ ▪出版社:科学情報出版株式会社 ▪発売日:2022/07/20 【参考】:文書分類からはじめる自然言語処理入門-基本からBERTまで-

■【BERTによる自然言語処理入門 Transformersを使った実践プログラミング】 Googleが2018年末に発表した自然言語処理モデルであるBERTに焦点を当てて解説した書籍です。前半では自然言語処理や機械学習についても解説されています。

特に自然言語処理において頻繁に使用される深層学習ライブラリであるTransformersとPyTorch Lightningについて、基礎から丁寧に解説されています。

▪著者:ストックマーク株式会社 編・近江 崇宏 著・金田 健太郎 著・森長 誠 著・江間見 亜利 著 ▪ページ数:200ページ ▪出版社:オーム社 ▪発売日:2021/06/28 【参考】:BERTによる自然言語処理入門 Transformersを使った実践プログラミング

自然言語処理入門を終えてさらにスキルアップするには

自然言語処理は急速に進化しており、その進歩についていくためには、入門学習を終えても最新の技術やツールについて理解を深める必要があります。

自然言語処理の専門家や、データを分析・活用して企業活動を改善させるAIエンジニアやデータサイエンティストの需要はこれからさらに高まっていくと考えられます。

多くのビジネスの分野でも活用される自然言語処理の入門知識を学んだら、その知識を活用してさらなるスキルアップを目指せる会社に転職を考えるのも良いでしょう。

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自然言語処理の入門知識を習得してAIエンジニアを目指そう

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ここまで自然言語処理の入門知識や活用事例、学習方法について解説してきました。AIエンジニアを目指す方は、近年のAIチャットボットや検索エンジンの進歩を支え、これからもさらに注目される自然言語処理について学習を深めましょう。

自然言語処理の入門知識を身に着けたら、その知識を活かして実際にAIエンジニアとして活躍できる会社に転職し、高度なAI専門スキルを持つプロフェッショナルを目指すキャリアパスも描けるでしょう。

しかし、1人で転職活動を行うのは大変です。自分が希望するキャリアを実現できる会社を探し、面談や自己PRも上手に行わなくてはなりません。

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