AIはどうやって勉強すれば良い?
AIへの注目は近年ますます高まっており、社会人の中にもこれからAIを学んで自らのキャリアに活かそうとする方が増えています。
しかし、AI関連のスキルの勉強方法が分からない、という方は多いと予想されます。なぜならAIが注目され始めたのは最近のことなので、まだ勉強方法が広まっていないためです。
例えばAIを理解するのに何を勉強すれば良いのか、プログラミング言語は何を選択すれば良いか、などご存知ない方は多いのではないでしょうか。
AIの勉強はまず機械学習アルゴリズムから
一口にAIと言っても、自然言語処理・音声認識・画像認識など幅広いですが、どの分野に参入する場合においても、まずは機械学習アルゴリズムを覚えるところから始めることをおすすめします。
機械学習とはコンピュータに大量のデータを学習させる手法のことです。最近話題の将棋AIやチャットボット、生成系AIなどにも、機械学習の技術が導入されています。
機械学習を行うアルゴリズムにはいくつかの種類があります。これらのアルゴリズムを自分で実装してみて、AI開発の楽しさを実感できるようになるところから始めることをおすすめします。
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AIに関する基礎知識をおさらい
具体的な勉強方法に入る前に、AIに関する基礎知識について解説します。そもそもAIとは何かや、AIが注目されている理由、AIエンジニアの年収についてまとめました。
そもそもAIとは?
AIとは「Artificial Intelligence」の略で日本語で人工知能を表します。人工知能とは、人間のような振る舞いをするコンピュータ、あるいはそのようなコンピュータを開発する研究分野を指します。
AIと機械学習はよく混同されますが、機械学習はAIに内包される技術の1つです。また、ディープラーニング(深層学習)とは、機械学習の中でも多数のニューラルネットワークを用いるものを指します。
AIが注目されている理由
昨今AIが注目されてきた理由は、技術の進歩によってAIが活躍できる環境が整ってきたためです。
コンピュータは年々性能が向上しており、大規模なデータも処理できるようになりました。加えて、SNSやスマホの普及によってネット上に情報が多くなったため、機械学習を行うための大量のデータを取得しやすくなりました。
AIエンジニアの年収について
マイナビにおいてAIエンジニアの平均年収データがまだないため、代わりにAIエンジニアと親和性の高いデータベースエンジニアの平均年収を紹介します。
データベースエンジニアの年収は「マイナビエージェント 職種図鑑」での平均年収は424万円(※2024年9月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のIT技術スペシャリスト(特定技術(DB・NW・セキュリティ等))を参考にすると、平均年収758万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、データベースエンジニアは一般平均年収よりも下回ることもあれば、大幅に上回ることもあり、バラつきがあることが分かります。
しかし、AIは成長分野であり、AIエンジニアを好待遇で採用する企業も多いので、データベースエンジニアと比べても給与条件が良い可能性は高いです。また、今後AI導入がより広まっていけば、AIエンジニアの需要が伸び、平均年収もさらに高まっていくことが予想されます。
【参考】:マイナビエージェント 職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
AI勉強・習得のロードマップ
続いて、AI勉強・習得のロードマップについて解説します。機械学習アルゴリズムを覚えるところから始めることはすでに述べましたが、そのためにAI初心者がどのような手順で勉強をすれば良いのか、各手順のポイントは何か、などについてまとめました。
AIで何がしたいかを決める
まず、AIで何がしたいのかを決める必要があります。何がしたいかを決めずに漠然と勉強していると、モチベーションが高まらず途中で挫折してしまう可能性があります。AI関連の本を読み、具体的に何ができるのか知ることから始めましょう。
Pythonの基礎を学ぶ
PythonはAI開発で使われる言語の中でも特におすすめです。なぜなら、Pythonは汎用性が高くWebアプリ開発などにも使えるうえに、文法も比較的シンプルで初心者でも理解しやすいからです。学習サイトや参考書などでPythonの文法基礎を学ぶと良いでしょう。
PythonのAIライブラリを学ぶ
PythonでAI開発を行うには、AIライブラリの使い方を学ぶ必要があります。AIライブラリには次のようなものがあります。
- NumPy:複雑な数値計算を行う
- pandas:データ分析を行う
- scikit-learn:機械学習アルゴリズムを実装する
【参考】:NumPy 【参考】:pandas 【参考】:scikit-learn
数学の基礎知識を学ぶ
Pythonと平行して数学の基礎知識も学ぶと良いでしょう。数学ができなくても、簡単なAIなら開発ならAIライブラリを使って開発できますが、高度なモデルを実装したい場合には数学知識が必要になります。ひとまず高校レベルでも良いので、微分積分や線形代数といった数学を学びましょう。
機械学習アルゴリズムを実装する
PythonのAIライブラリを駆使して、k近傍法や重回帰分析などの代表的な機械学習アルゴリズムの実装を行ってみましょう。実際に手を動かして実装した方が、記憶に残りやすいですし、AI開発の楽しさも実感しやすいです。
実装しながら、それぞれのアルゴリズムの特徴や使う場面などについて学んでいくと良いでしょう。
AIの勉強に役立つ書籍3選
独学でAIを勉強する方法としては学習サイトや参考書の活用が挙げられますが、特に参考書は専門性の高い知識を体系的に身に付けるのにおすすめです。学習サイトを利用する場合にも、ぜひ書籍も併用して知識を深めましょう。ここではおすすめの書籍を3つ紹介します。
AIビジネスチャンス 技術動向と事例に学ぶ新たな価値を生成する攻めの戦略(できるビジネス)
AIについて学ぶ際に、まず大切となるのがAIが社会の中でどのように活用されているかを知ることです。本書は、そのような動向を把握するのに役立つ1冊です。描いているキャリアプランに関わらず、本格的な勉強を始める前に読んでおくことでAI分野の概観が掴めるでしょう。
機械学習や大規模言語モデル、文章や画像の生成といったAIを支える技術の基本知識と、AIをビジネスに活用するためのノウハウ、活用事例、今後の展望などビジネス視点での内容が豊富な図解と共に解説されています。
▪著者:荻野調/小泉信也/久保田隆至/大塚貴行 著、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 監修 ▪ページ数:256ページ ▪出版社:インプレスブックス ▪発売日:2024/07/18 【参考】:AIビジネスチャンス 技術動向と事例に学ぶ新たな価値を生成する攻めの戦略(できるビジネス)
人工知能入門 -初歩からGPT/画像生成AIまで-
本書は、RNN、CNN、attention、Transformer、GAN、GPTといったAI関連の技術について初心者向けにやさしく解説している入門書です。特にデータサイエンスの分野を目指す方にはおすすめです。
日常生活でもなじみのある応用例を交えて、実用的な知識と技能が身に付くように記述されているので、全く知識のない人が読んでも理解しやすいです。また、実際にPythonを使ったデータ分析や画像生成AIの実装を行うこともできます。
▪著者:豊田秀樹 ▪ページ数:328ページ ▪出版社:東京図書 ▪発売日:2023/12/09 【参考】:人工知能入門 -初歩からGPT/画像生成AIまで-
実務で役立つPython機械学習入門 課題解決のためのデータ分析の基礎
こちらは、実際に手を動かしながらより実践的な学習ができる1冊です。現実的な場面を想定した「課題」に対し、機械学習で解決する方法を解説するという構成で、どのように機械学習アルゴリズムを選定し、プロジェクトを進めていくかを学ぶことができます。
機械学習アルゴリズムを身近なビジネス課題の実例を通じて学べるので、理解もしやすく、実際の業務やプロジェクトに役立つノウハウを体系的に身に付けることができます。
▪著者:池田 雄太郎/田尻 俊宗/新保 雄大 ▪ページ数:304ページ ▪出版社:翔泳社 ▪発売日:2023/11/16 【参考】:実務で役立つPython機械学習入門 課題解決のためのデータ分析の基礎
AIの知識・スキルを活かせるキャリアパス
これからAIについて勉強したいと考えている方は、AIに関する知識・スキルをどのようにキャリアに活かしていきたいと考えているでしょうか。AIの知識・スキルを活かせるキャリアパスは豊富にあります。ここでは、代表的な3つの職種を紹介します。
機械学習エンジニア
AIエンジニアの中でも、AIの開発に欠かせない機械学習を担うエンジニアのことを機械学習エンジニアと言います。機械学習エンジニアは、システムやサービスに必要な機械学習のアルゴリズムを構築して、コンピュータにデータの学習方法を教えます。
AIはさまざまな業界で使われるようになっており、それぞれの領域に合わせたAIモデルを作る必要があります。機械学習エンジニアはそのモデルを作成するエンジニアであり、AIを実用化させるために開発を行います。
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データサイエンティスト
データサイエンティストも、AIエンジニアの一種です。大量のデータを分析し、ビジネス課題の解決に役立つ情報を導き出します。データの分析にはAIの技術を用いることが多くなっており、その活用の仕方を考案するのがデータサイエンティストの重要な役割の1つです。
技術の進歩により近年では高度で複雑なデータ分析が可能になっていますが、有意義な分析を行うためにはデータサイエンティストの持つ統計学的な知識やプログラミングスキル、コンサルティングスキルが欠かせません。
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AIプランナー
AIプランナーとは、企業の課題解決のためにAIを活用したプロジェクトを企画・実行する専門家です。上記2つの技術職とはまた違った角度からAIに携わる職種で、経営者的な視点が強く求められます。
ビジネス課題をヒアリングし、解決方法を考え、AIエンジニアなどと連携を取りながらプロジェクトをマネジメントするというのがAIプランナーの大まかな仕事の流れで、多くの企業でAI活用が進む中、注目を集めている職種です。
AIの知識・スキルを活かして転職するためのポイント
最後に、AIの知識・スキルを活かして転職するためのポイントを解説します。将来AI分野で活躍したい方は参考にしてください。
AI関連の資格を取得する
AIのスキルがあることを分かりやすく証明するためにも、AI関連の資格を取得することをおすすめします。資格があれば具体的にどのようなスキルがあるのか、採用担当者に理解されやすいです。
代表的なAI関連の資格には、「G検定」などがあります。G検定はディープラーニングに関する知識やスキルを問う試験で、合格することでAIやディープラーニングに関する幅広い知識・スキルを証明できます。
同じく日本ディープラーニング協会が主催するもので、エンジニア向けの「E資格」もあります。G検定に向けての平均勉強時間が40時間前後と言われている一方で、E資格は100~200時間程度と難易度は上がりますが、AIエンジニアを目指す方は勉強時間を確保して挑戦してみると良いでしょう。
転職エージェントを活用する
AI関連の求人は現状そこまで多くはないため、求人を探すのに苦労することも多いでしょう。また、一口にAIエンジニア、AIの専門家といっても仕事内容はさまざまですので、求人の詳細をよく確認したうえで転職する必要があります。
自分の希望通りの求人を探したいなら、転職エージェントを活用することをおすすめします。転職エージェントに登録すれば、担当者が自分に合った求人をピックアップして紹介してくれます。
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AIの勉強は手順に基づいて無理なく行うことが大切
本記事ではAIの勉強方法について解説しました。AIを理解するには、Pythonや数学の知識が必要になります。AIの勉強は手順に基づいて無理なく行うことが大切です。
AIエンジニアの市場価値は今後高まることが予想されるため、AI技術に興味があるのであればAIエンジニアを目指すのはおすすめできます。ただし、AIエンジニアに転職するのは容易ではありません。AIエンジニアには多くの技術が求められますし、まだ求人数もそこまで多くはないためです。
AIエンジニアに転職するには、勉強して得たスキルを選考の場でアピールし、企業に貢献できる人材であることを示す必要があります。しかし、転職活動に慣れていない方は、面接対策をどのように進めていけば良いのか分からない場合が多いのではないでしょうか。
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