まずは自分に必要な資格を知る
転職を検討されているエンジニアの皆さんにとって「転職を有利に進めるためにはどの資格を取得すれば良いのか」は気になるところでしょう。
将来有望な人気職種などでは、新たな資格の取得が求められることがあります。たとえば、クラウドサービスを利用する企業が急増している状況では、AWS認定資格を取得していると転職活動で有利に働くこともあるでしょう。
この記事では、「あなたが目指しているITエンジニア職種にマッチし、自らのスキルを活かせる資格の取得」という視点から考察をしていきます。転職活動の参考にしてみてください。
【参考】:ITエンジニアの種類を紹介!仕事内容は?資格は?年収は?|マイナビエージェント
中途の転職は実力重視だが、保有資格が有利に働くこともある
資格取得に関して「転職ではメリットがない」、「資格はいらない」と考えるエンジニアは少なくありません。一方、スキルの有無について判定が難しいからこそ、資格の取得が必要と考えるエンジニアもいます。果たして、どちらの主張が正しいのでしょうか?
資格取得がIT系転職でどういった効果があるのかを見ていきましょう。
IT系企業への転職では資格よりも即戦力を期待する?
ITエンジニアの新卒採用では、社内での育成を前提として、将来性の視点から応募者を見る傾向があります。一方、新卒採用と比較して、即戦力期待で採用する中途採用では、実績や実力を重視する傾向があります。
とは言っても、保有資格は客観的なスキル証明であることから、保有資格に対して加点することは大いにあり得ます。また取得している資格次第では、それが採用に直結することすらありますので、可能であれば資格は極力取得しておくことをおすすめします。
IT系転職での資格取得のメリット
中途転職者を採用する企業側としては、資格を取ることが目的化している方を積極的に採用することは少ないでしょう。あくまでも実力重視であることに変わりはありませんが、保有資格は評価基準の1つにはなります。
また、ITエンジニア自身にとっても資格取得には大きなメリットがあります。ここでは、ITエンジニアが転職前に資格取得をしておくメリットについて紹介しましょう。
保有するスキルの証明になる
資格の保有は、その資格に見合うだけの必要な知識を有していることの証明になり、転職の際には1つのアピールポイントになります。
例えば、IT系資格では人気の高い国家試験、「基本情報技術者試験」に合格していれば、プログラミングスキル、システム開発スキル、プロジェクトマネジメントなど、システムエンジニアとして必要な知識を習得している証明になります。
採用する側とすれば、基本情報技術者試験に合格していることである程度応募者のスキルが判断できるため、面談ではより具体的な質問ややり取りが可能となります。
年収アップや昇進昇格につながる
IT系企業では社員に資格取得を奨励する企業が増えています。なぜなら、システム開発受注の際に社員の保有スキルが自社のアドバンテージになるからです。中には企業ホームページに社員の保有スキルを公表しているところもあるほどです。
また資格取得に対して、資格手当や報奨金を支給する企業も増えています。中には資格取得を昇進昇格の条件にしている企業すらあるほどです。このように資格取得が年収アップや昇進につながるのは見過ごせないメリットです。
採用試験で資格が有利に働くことがある
中途採用では実力重視と述べましたが、採用時にスキルテストを行う企業は約半数程度と言われています。また技術面接といって、面接時に実務知識に関する確認やテストを行う企業もあります。しかし、受験者のテストの結果が伯仲している場合には、保有資格によって加点することがあります。
他、面接試験で「あなたは〇〇資格を保有されていますが、資格を取得した目的は何ですか?」といった形で、保有資格に関する質問を受けるケースがあります。このように、資格保有が絶対的に有利というわけではありませんが、採用試験によっては資格が有利に働くことがあるため持っておいて損はないでしょう。
【参考】:ITエンジニアの平均年収 ランキング!1~5位を発表|マイナビAGENT
転職時に有利な資格とは
ここまで述べたようにIT系の経験者転職においても、アピールできる資格の取得は意味があります。では、実際にどんな資格が転職に有利なのでしょうか?
自ら目指す職種と無関係の資格や、初心者レベルの資格ばかりを取得してもあまり意味はありません。
転職先で就く予定の職種に必要な資格の取得に絞るべきです。資格には国家資格と民間資格がありますので、システムエンジニアへの転職を目指す方を例に、おすすめの資格をご紹介します。
【参考】:わかりやすいIT・エンジニア職種図鑑|マイナビエージェント
システムエンジニアに役立つ国家資格
システムエンジニア転職で受験をオススメしたいのは、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が主催する「情報処理技術者試験」があります。「情報処理技術者試験」にはレベルがあり、以下のような試験があります。
・「基本情報技術者試験(FE)」(初心者向け) ・「応用情報技術者試験(AP)」(中級者向け) ・「システムアーキテクト試験(SA)」(上級者向け)
▮基本情報技術者試験(FE)
基本情報技術者試験は、IT系エンジニアの登竜門的な試験で、ITに関する最も基本的な知識・技能が問われます。
【参考】:基本情報技術者試験(FE)
▮応用情報技術者試験(AP)
基本情報技術者試験の上位となる試験です。出題範囲は広く、IT技術以外に管理や経営などの分野に及びます。合格することで、幅広い知識と応用力を身に付けたエンジニアとしてのスキル証明になります。
【参考】:応用情報技術者試験(AP)
▮システムアーキテクト試験(SA)
基本情報技術者試験の最上位となる試験です。システム開発ではプロジェクトマネジメントや要件定義など上流工程を担当するエンジニアを対象としています。
【参考】:システムアーキテクト試験(SA)
▮ネットワークスペシャリスト試験(NW)
ネットワークの要件定義から構築・運用、保守に関する知識、ネットワークのアプリケーション技術を含め、ネットワークに関する多様な知識が求められる試験です。フルスタックエンジニアを目指す人も受験しておきたい試験の1つです。
【参考】:ネットワークスペシャリスト試験(NW)
システムエンジニアに役立つ民間資格
IT資格の民間資格にも、スキル証明となる評価の高い資格がいくつかあります。以下に挙げる民間資格は転職に際して役に立つ資格ですので資格取得の参考にしてみてください。
▮MCP(マイクロソフト認定技術資格制度)
Microsoftのさまざまな製品に関する技術的知識や、実務能力を評価認定する資格です。
【参考】:マイクロソフト認定資格( Microsoft Certifications Program )
▮オラクルマスター(ORACLE MASTER)
オラクル社の「Oracle Database」を用いたデータベース運用・管理・構築などに関する知識が問われる資格です。
【参考】:ORACLE MASTER
▮Linux技術者認定試験(LinuC)
「Linuxシステム」やクラウドシステムの構築・運用に関するスキルの他、アプリケーション開発に携わるIT技術者としてのスキル証明となる資格です。特にインフラ系エンジニアは取得しておきたい資格の一つです。
【参考】:Linux技術者認定資格 LinuC(リナック)とは
▮シスコ技術者認定
Cisco Systems(シスコシステムズ)社のネットワーク製品を扱う知識とスキル、ネットワークシステムの導入・設定・運用など、ネットワークエンジニアに必要な知識とスキルを証明する資格です。
【参考】:シスコ技術者認定
▮AWS認定資格
世界最大のクラウドサービスAWS(Amazon Web Services)に関する認定資格です。多くのシステムがクラウド利用となっている今日、AWS認定資格を取得したい受験者が急増しています。
【参考】:AWS認定資格
資格を取得することで転職が有利になる職種
一部のIT職種への転職では、資格取得が大変有利になることがあります。「システムエンジニアに役立つ民間資格」と一部被りますが、以下、一例を挙げておきます。
インフラエンジニア
インフラエンジニアは客先やデータセンターに派遣され、インフラ監視や障害復旧などを行う場合があります。インフラエンジニアの関連資格として、LinuCやシスコ技術者認定試験などの資格があります。これらの資格を予め取得していると転職時に有利になることがあります。
【参考】:Linux技術者認定資格 LinuC(リナック)とは
【参考】:シスコ技術者認定試験
クラウドエンジニア
エンジニアとしてある程度の経験を積んだ方がクラウドエンジニアとして転職する際に有利な資格としては、「AWS認定資格」や「Google Cloud認定資格」、「Microsoft 認定資格」があります。全てを取得する必要はありませんので、転職希望先のニーズに合う資格を取得しましょう。
【参考】:AWS 認定資格
【参考】:Google Cloud認定資格
【参考】:Microsoft 認定資格
【参考】:マイナビIT エージェント
転職先選びがITエンジニア転職成功の鍵
ここまで、ITエンジニアの資格をテーマに転職を成功させるための方法について解説をしてきました。
ITエンジニア経験者と言えど、転職は決して生易しいものではありませんが、資格を取得することで転職活動が有利に進むことがあります。スキルや保有資格を活かして転職するノウハウ、募集企業とのコネクション、情報量を多く持っておくことが転職に成功するための鍵となります。
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