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pipとは?Pythonのライブラリ管理方法を分かりやすく解説!
Python library

pipとは?Pythonのライブラリ管理方法を分かりやすく解説!

アンドエンジニア編集部
2021.10.05
この記事でわかること
pipとは、パッケージソフトウェアをインストール・管理するためのPythonの標準パッケージ管理システムを指します
pipはPythonで標準利用されており、Python用リポジトリであるPyPIやGiHubを用いてパッケージ管理します
pipは初心者でも分かりやすいコマンド体系のため、汎用ライブラリを用いる場合におすすめです

Pythonのpipとは?

package manager

Pythonのpipとは、"Pip Installs Packages"・"Pip Installs Python"の略から名付けられたPythonの標準パッケージ管理システムを指します。パッケージ管理システムとは、パッケージソフトウェアをインストール・管理するためのソフトウェアです。

Pythonではパッケージの多くがPython Package Index(PyPI)に登録されています。pipは、PyPIのパッケージをインストール・管理します。 参考:Python モジュールのインストール 参考:pip documentation

pipでできること

pipでできることは、パッケージ管理における以下の主要な処理を行うことです。

パッケージの検索  PyPIやGitHub等のPython用ソフトウェア公開サービスからパッケージを検索・表示します。 ・パッケージのインストール  PyPIやGitHub等のPython用ソフトウェア公開サービスからパッケージをインストールします。  ダウンロードのみを行い、インストールしない指定もできます。 ・パッケージのアップグレード  インストール済みパッケージのバージョンアップを行います。 ・パッケージのアンインストール  インストール済みパッケージをアンインストールします。 ・パッケージの表示  インストール済みパッケージの表示や、古いパッケージを表示します。  パッケージの詳細表示も可能です。

具体的なpipの使い方は以降で説明します。

PyPIとは?

PyPIは Python Package Indexの略です。Python Software Foundation(PSF)によるPython用リポジトリで、ソフトウェア公開サービスを指します。PyPIに登録されているPythonの各ソフトウェアやライブラリは 、pipを用いてインストールすることができます。 参考:PyPI

使用方法は簡単で、以下のようにパッケージ名を指定するだけです。 “$ python -m pip install パッケージ名” 参考:Python Docs Python モジュールのインストール

その他のパッケージマネージャは?

pipの他に有名なパッケージ管理システムのパッケージマネージャとして、Anacondaの「conda」を紹介します。AnacondaとはPythonの実行環境で、データサイエンスに必要とされる各種ツールやライブラリを提供するプラットフォームです。

Anacondaには数値計算やデータ解析に必要なライブラリがセットで組み込まれており、大変便利です。Anacondaにソフトウェアを取込む場合は、conda ツールを用いて追加することができます。condaはAnacondaをインストールすると同梱されるツールで、パッケージのインストール・管理を行います。

詳しくは、以下のサイトにAnacondaのインストール方法が記載されていますのでご確認ください。Anacondaの無償版はIndividual Editionですが、商用利用時には有償版が必要です。 参考:日本Pythonユーザ会 Python環境構築ガイド Anacondaのインストール 参考:ANACONDA Individual Edition

pipとcondaの違い

pipとcondaの違いは、PyPIとAnacondaのそれぞれに付随したインストール・管理ツールであることです。PyPIとAnacondaはPython用ソフトウェア公開サービス(リポジトリ)です。現状それぞれソフトウェア管理の形態が異なりますので、併用することが難しいです。

いずれかを選択する際の判断基準は、データサイエンスや機械学習用途に用いるのがAnaconda汎用用途あるいは初心者の利用PyPIを利用するのが良いでしょう。pipとcondaは選択したリポジトリに対応させて使用します。

pipの使い方

usage

pipの使い方は、”python -m pip …”としてpythonコマンドを用いる方法pipコマンドを直接用いる方法の2つがあります。どちらも動作に違いがありませんが、日本Pythonユーザ会では、初心者はpythonコマンドを用いることを推奨していますので、pythonコマンドの用法に慣れるのが良いでしょう。

pipでバージョンの確認方法

以下の用法でバージョンの確認と指定が可能です。なおLinux、MacOSの場合の”python -m pip”コマンドは、Windowsでは”py -m pip”コマンドで実行します。そのため以降の説明を置き換えてご確認ください。

Python自体のバージョン確認 用法:$ python --version (Windowsでは、C:> py --version) ・pipのバージョン確認 用法:$ python -m pip --version (Windowsでは、C:> py -m pip --version)

pipでパッケージをインストールする方法

以下の用法でパッケージのインストールができます。

パッケージのインストール(PyPIをリポジトリとして使用する場合) 用法:$ python -m pip install パッケージ名 ・パッケージのインストール(GiHubをリポジトリとして使用する場合) 用法:$ python -m pip install git+https://github.com/pypa/パッケージ名.git@main

pipでパッケージインストール時にバージョン指定する方法

以下の用法で、パッケージインストール時にバージョンを指定することができます。

パッケージのインストール時にバージョン指定する 用法:$ python -m pip パッケージ名==X.Y.Z ・パッケージのインストール時にオプション変更する 用法:$ python -m pip install オプション パッケージ名 インストールのオプションは多岐に渡ります。詳しくは以下のリンクをご確認ください。 参考:pip install

pipでパッケージインストール時にPythonのバージョンを指定する方法

以下の用法で、パッケージインストール時Pythonのバージョンを指定することができます。

LinuxやMacOSの場合のバージョン指定方法 用法:$ pythonバージョン -m pip install パッケージ名 使用例:  $ python3 -m pip install パッケージ名 ・Windowsの場合のバージョン指定方法 用法:$ py -バージョン -m pip install パッケージ名 使用例:  $ py -3 -m pip install パッケージ名

ここではバージョン指定時にpython3を指定しましたが、3.8や3.9等のより詳細な指定が可能です。

pipでインストール済みパッケージの表示をする方法

以下の用法でインストール済みパッケージの表示を行います。 ・インストール済みパッケージのバージョンを表示する 用法:$ python -m pip list    $ python -m pip freeze listとfreezeの違いは出力形式の違いです。freezeはパッケージ一括インストール時にも用います。 ・インストール済みパッケージの情報を表示する 用法:$ python -m pip show パッケージ名    $ python -m pip show --verbose パッケージ名 このように“--verbose”を指定することで、より詳細な情報が表示できます。

pipでパッケージのアンインストールとアップグレードの方法

以下の用法で、パッケージのアンインストールとアップグレードが可能です。なお、アップデート(update)作業はアップグレード指示(--upgrade)をinstallに続いて指定入力します。

パッケージのアップグレード 用法:$ python -m pip install --upgrade パッケージ名 ・パッケージのアンインストール 用法:$ python -m pip uninstall パッケージ名

pipが使えない場合は?

pipが使えない場合やエラーとなる場合は、概ね以下の3通りのことが考えられます。下記の症状に該当するかどうか確認をしてみてください。

インターネット接続の確認 pipはインターネット接続により、リポジトリからパッケージをダウンロード・インストールします。オフィスからの接続ではトラフィック制限により、リポジトリ等へのアクセスを遮断している場合もあります。そのため、別のネットワーク環境から動作確認することをおすすめします。

pipのバージョンが対応していない pipでインストールをする場合、pip自体を最新にすることで提供サービスがカバーされることがあります。インストールに先行してpipをアップグレードすることをおすすめします。

システム管理者権限の確認 pipのパッケージダウンロード・インストールはシステム管理者の権限が必要です。権限がない一般ユーザの場合はフォルダ・ディレクトリやファイルのパーミッションでエラーが発生します。

さらに「コマンドが見つかりません」のエラーの場合は、pythonの実行パスが正しく設定されていない事が考えられます。PATH環境変数を確認してパス設定を正しく行うことをおすすめします。なおpipはPython 3.4から同梱されていますが、それ以前のバージョンではpipを個別インストールする必要がありますので合わせてご確認ください。

pip自体のアップグレードは?

pip自体のアップグレードは、パッケージのアップグレードと同等です。”python -m pip install --upgrade pip” で最新の状態を維持しておきましょう。これにより、パッケージ管理で生じるエラー発生リスクを低減することができます。

pipを用いてPythonの豊富なライブラリパッケージを活用しましょう

optimization

Pythonは豊富なパッケージが特徴で、開発生産性の高さから人気があります。pipPythonの標準パッケージ管理システムです。pipを用いて多岐に渡り公開されているライブラリを活用し、より効率的にシステム開発を行うことをおすすめします。

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