Pythonのメソッド一覧
Pythonの特徴として、文法がシンプルであることから、 プログラミング初心者や未経験の方でもWebアプリ・Webサービスの開発を短期間でできることが挙げられます。そのため、近年注目を浴びているプログラミング言語の1つといえるでしょう。
また、Pythonのメソッドの種類には「インスタンスメソッド」「クラスメソッド」「スタティックメソッド」があります。ここでは、それぞれのメソッドの概要について詳しく紹介します。
インスタンスメソッド
Pythonにおけるインスタンスメソッドは、インスタンス化してから呼び出す必要があります。インスタンス化とは、オブジェクト指向型のプログラミングにおいて、クラスを基とした実際の値のデータを生成することです。またインスタンスメソッドは、一般的なメソッドのことを指します。
第一引数には、クラスのインスタンス自身を表す要素が必要です。引数名には特定の決まりはありませんが、暗黙のルールとして「self」を利用する場合が多いです。例えば、インスタンスメソッドは、「〇〇〇.×××」のようにインスタンス変数にアクセスすることもできます。
クラスメソッド
Pythonにおけるクラスメソッドは、クラスをインスタンス化しなくても呼び出すことができます。また、インスタンスからでも呼び出すことも可能です。メソッドに対して「@classmethod」を付けることで、クラスメソッドを実装することができます。第一引数にはクラス自身を表す要素が必要で、インスタンスメソッドと同様に、引数名には決まりはありませんが「cls」を利用することが多いです。
スタティックメソッド
Pythonにおけるスタティックメソッドは、インスタンス化する必要なく、呼び出すことができます。また、インスタンスからでも呼び出すこともできます。さらに、クラスをインスタンス化する必要なく、呼び出すことも可能なメソッドです。「self」や「cls」などのインスタンスやクラスを表す変数は不要です。メソッドに対して「@staticmethod」を付けることで、スタティックメソッドを実装することができます。
Pythonの基礎知識
近年ではPythonは、AI・ブロックチェーン技術などの最先端IT技術に使用されることも多く、非常に需要が高く、将来性もあるプログラミング言語です。そのため、Pythonを学習する方も増加傾向にあります。TIOBE Softwareは、2021年1月に1年間で最も注目を集めたプログラミング言語を並べた「プログラミング言語オブ・ザ・イヤー(2020年度)」において、「Python」が1位と発表しました。
しかし、Pythonのクラスやメソッドについて理解できていない方や、オブジェクト指向の意味を把握していない方も少なくありません。ここでは、Pythonの基礎知識として、クラス・メソッド・コンストラクタ・インスタンス・継承について詳しく紹介します。 (参考:https://www.tiobe.com/tiobe-index/)
クラスとは
クラスとは、オブジェクトを生成する上で使用される「型」を指します。なお、Pythonにおけるオブジェクトとは「データを抽象的に表現したもの」とされています。クラスからインスタンスを生成することで処理が実行可能です。クラスは、「class」のキーワードの後ろに任意のクラス名を記載して、メソッド・変数を記述していくことで作成することができます。
下記がクラスの一例です。
class classTest():
pass
上記は処理が行われない空のクラスを指します。処理内容が記述されていないため、実行したとしても何も処理は実施されません。実際には、クラスの中にメソッドを記述することで処理を行います。
メソッドとは
メソッドとは、処理のまとまりに対して名前を付けたものを指します。メソッドは、クラスと同様で「def」のキーワードの後ろに任意のメソッド名を記載して、引数を与えることで作成が可能です。なお、引数とは処理を行う際に必要不可欠なメソッドやクラスに引き渡す値を指します。
下記は、クラスの中で「Hello World!」を表示させるメソッドを入力した一例です。
class classTest():
def test(self):
print("Hello World!")
上記では「test」というメソッドを作成しています。「test」メソッドを呼び出せば、「Hello World!」を表示させることが可能です。また、複数の処理内容を記述することでさまざまな処理を実行させることもできます。
コンストラクタとは
コンストラクタとは、インスタンスを生成したときに自動的に呼び出されるメソッドを指します。クラスの初期設定などを行う際に使用されるメソッドです。コンストラクタに使用される引数はインスタンスを生成する際に必要となる値となります。
インスタンスとは
インスタンスとは、クラスを基として生成した実体のことを指します。「クラスは設計図、インスタンスは設計図より作成された成果物」と例えられることも多いです。実際の処理では、インスタンスを生成させることで、クラス内の処理が実行できるようになります。
下記は、実際のソースコードの一例です。
`(self, x, y):
self.x = x
self.y = y
def Sum(self):
self.Sum = self.x + self.y
return self.Sum
ins = Test(5, 6)
print(ins.Sum())`````class Test:
def
したがって、Pythonではクラスを基としてインスタンスを生成して、メソッドを呼び出しています。型と実体に分類して処理を実行する言語を「オブジェクト指向型言語」と呼びます。オブジェクト指向は、C言語などのように手続きの手順を記述せず、クラスから作成されたオブジェクトの操作としてコーディングを行っていきます。オブジェクト指向型言語の例として、Java・PHP・JavaScript・C++・Swiftなどが挙げられます。
継承とは
コーディングを行っていると、「既存のクラスとほとんど変更点がないけれど、少しだけ変更を加えて新しいクラスを作成したい」という場面に出くわすこともあるでしょう。継承はこの場合に活用すると便利です。継承とは指定した既存のクラスから、メソッドを追加したり削除したりして一部のみを上書きして、新しいクラスを定義することを指します。この際の上書きのことを「オーバーライド」と呼びます。継承を活用すれば、比較的シンプルにコーディングすることができるようになります。
メソッド一覧を取得する方法
クラスの中に多くのメソッドを記載してしまい、煩雑となってしまった場合には下記を実行するとメソッド一覧の取得が可能です。
instance = Test(6,7)
for method in dir(instance):
if callable(getattr(instance, str(method))):
print(method)
以下が実行結果の一例となります。
``
Sum
Pythonのメソッドについて理解を深めて適切なコーディングをしよう!
これまでに、Pythonのメソッド一覧・Pythonの基礎知識・Pythonのメソッド一覧を取得する方法について解説しました。Pythonのメソッドには、「インスタンスメソッド」「クラスメソッド」「スタティックメソッド」の3種類があります。クラスの中に多くのメソッドを記載してしまい、煩雑となってしまった場合には、メソッド一覧を取得する方法もあります。
Pythonはシンプルな文法で需要や将来性もあるため、初心者や未経験の方でも学習を始める方が多いプログラミング言語の1つです。Pythonはオブジェクト指向型言語であり、型と実体に分類して処理を実行させます。他のオブジェクト指向型言語の例として、Java・PHP・JavaScript・C++・Swiftなどが挙げられます。これからPythonを学習する方は、オブジェクト指向・メソッドやクラスなどの基礎知識を押さえることが大切です。
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