Anaconda(アナコンダ)とは?Pythonの効果的な開発環境を解説!
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Anacondaとは?
AnacondaとはPythonの実行環境で、データサイエンスに必要とされる各種ツールやライブラリを提供するプラットフォームです。Anacondaには数値計算やデータ解析に必要なライブラリがセットで組み込まれており、とても利便性が高いです。Anacondaの利用者は1,500万人以上とも言われています。
AnacondaはGUI・CUIそれぞれ提供されています。GUIはAnaconda Navigatorでインストール管理・起動管理ができます。CUIはcondaツールを用いて行います。
Anacondaのメリット
Anacondaは1,500以上のパッケージが含まれるディストリビューションとなります。250を超えるデータサイエンスや機械学習のパッケージは自動的にインストールされ、利用者はインストール後すぐに開発作業を開始できるというメリットがあります。
また、Anacondaはあらかじめデータサイエンスや機械学習のライブラリやソフトウェアパッケージを同梱し、依存関係をチェックしてくれます。そのためインストール作業並びにバージョン管理を簡素化できるというメリットもあります。
Anacondaのインストール方法を紹介
ここではAnacondaのインストール方法を紹介しています。Anacondaには有料版と無料版があり、 無料版はIndividual Editionです。ご注意ください。
【参考】:Individual Edition
Anacondaインストールの手順
Anacondaをインストールする方法と、他のアプリケーションをインストールする方法に大きな違いはありません。具体的な手順について簡単に紹介していますので参考にしてください。
・最初にAnacondaをダウンロードします。この際、自身の使用環境に合ったものを選択してください。 ・ダイアログボックスが表示されたら「Next」・「I Agree」をクリックします。 ・Anacondaを使用するユーザーが自身のみか他のユーザーも含むか選択します。 ・インストールするディレクトリを設定します。 ・PATHの設定を行うか選択したら「Install」をクリックします。 ・インストールが完了したら「Next」をクリックしていきます。 ・最後に「Finish」をクリックしてAnacondaのインストールは完了です。
【参考】: Windows版Anacondaのインストール
Anaconda最新版は?
Anacondaは2022年1月時点で以下のバージョンが最新版となります。
・Windows Python3.9用 64ビット版・32ビット版
・MacOS Python3.9用 64ビット版(GUI・CUIインストーラ)
・Linux Python3.9用 64ビット版(x86・Power・AWS Gravitor2・IBM Z)
【参考】:ANACONDAインストーラー
Anacondaの使い方を紹介
Anacondaのインストール方法について紹介しましたので、ここではインストールしたAnacondaの使い方を簡単に紹介していきます。
Anacondaには仮想環境が必要
Anacondaは、特定のパッケージやライブラリをインストールしておく仮想環境と呼ばれるものを作成することができます。特に複数のパッケージやライブラリを使用する場合、仮想環境の作成が必要です。
この理由として、パッケージやライブラリによって対応しているpythonのバージョンが異なるという点が挙げられます。仮想環境はpythonのバージョンごとに作成します。
Anacondaで仮想環境を作成する
Anacondaにおいて、仮想環境を作成するには「conda create -n 仮想環境名」というコマンドを入力します。前述の通り仮想環境はpythonのバージョンごとに作成する必要があります。そのため複数の仮想環境を作成する際は仮想環境名の後に「スペース」と「インストールするパッケージやライブラリの名前」を入力しましょう。
Anacondaで作成した仮想環境の有効化を行う
仮想環境は作成しただけでは使用することができません。Anacondaで作成した仮想環境を使用するには有効化する必要があります。仮想環境有効化の際に使用するコマンドは「conda activate 仮想環境名」です。仮想環境を有効化したら「python」と入力しpythonを起動します。pythonを終了する際は「quit()」というコマンドを入力します。
Anacondaでライブラリをインストールする
Anacondaで作成した仮想環境に入ったら、その状態でライブラリをインストールすることができます。ライブラリのインストールに使用するのは「conda install」というコマンドです。
Anacondaで作成した仮想環境の無効化を行う
Anacondaでは「conda deactive」というコマンドを入力することで使用中の仮想環境を無効化することができます。
Anacondaで作成した仮想環境を削除する
使用が終了した仮想環境や不要になった仮想環境の削除はコマンドを入力することで簡単に行えます。入力するコマンドは「conda remove -n 仮想環境名 –all」です。
Anacondaにあるライブラリなどを紹介
ここではAnacondaにあるライブラリやAnacondaが使いやすくなるアプリケーションについて紹介していきます。
Anacondaで利用可能なデータサイエンスライブラリ
今回はデータサイエンスで使用するライブラリについて目的別にいくつか紹介します。Anacondaではここで紹介しているライブラリをはじめ、7,500以上の公開ライブラリが利用可能です。データサイエンスでは通常次のライブラリを用いるケースが多いです。
・数学・科学技術計算用 - NumPy:多次元配列オブジェクトを実装し多数の演算関数を提供します。 - SciPy:NumPyをベースにした科学計算ライブラリです。 - Pandas:数表や時系列データに強みを持つデータ操作解析ライブラリです。
・データの可視化用 - Matplotlib:NumPyをベースにしたグラフ描画ライブラリです。 - seaborn:Matplotlibを用いた可視化ライブラリです。 - Altair:簡単な文法で視覚効果を高めた可視化ライブラリです。
・機械学習・深層学習用 - scikit-learn :分類・回帰・クラスタリングによる機械学習ライブラリです。 - TensorFlow:Googleが開発した機械学習・深層学習・数値解析ライブラリです。 - PyTorch:Facebookが開発した機械学習ライブラリ、深層学習へ適用拡大されています。
【参考】:データサイエンスツールキット
Anacondaが使いやすくなるアプリケーション
Anaconda Navigatorとはアプリケーションのインストール管理や起動管理を行ってくれるGUIアプリケーションです。Anaconda NavigatorはAnacondaディストリビューションをインストールすると利用可能になります。
Anaconda Navigatorでは予め次の代表的なアプリケーションが利用可能な状態となっています。
・JupyterLab Jupyter Notebookの後継となるウェブベース統合開発環境(IDE)
・Jupyter Notebook PythonやR言語の開発で用いるウェブベース統合開発環境(IDE)
・Spyder データサイエンス用統合開発環境(IDE)
・PyCharm Python用統合開発環境(IDE)
・VSCode マイクロソフト製コードエディタ
・Glueviz Python用データ可視化ツール
・Orange 3 App 対話型データ可視化ツールとビジュアルプログラミングによるデータマイニング
・RStudio PythonやR言語の開発で用いる統合開発環境(IDE)
・Anaconda Prompt(Windows用) Anaconda同梱のWindowsコマンドプロンプト
・Anaconda PowerShell(Windows用) Anaconda対応のWindows PowerShell
このように代表的な統合開発環境(IDE)のみならず、VSCodeやPowerShell等も利用可能ですので、Windowsユーザでも違和感なく開発を進められます。
【参考】:Anaconda Navigator
Anacondaを利用して効率的にPython開発を進めましょう
Anacondaはデータサイエンスに必要なライブラリを統合管理できるオープンソースのディストリビューションです。同様にインストール管理ソフトウェアとソフトウェア公開サービスを兼ねていますので、Pythonライブラリやツールのインストール管理ならびに実行管理を統合的に行うことができます。
特に機械学習を中心とするデータサイエンス分野では必需品となります。Anacondaを導入しPythonの開発やデータ分析などを効率的に行ってみてはいかがでしょうか。
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