コマンドプロンプトとは?
コマンドプロンプトとは何かについてまず解説します。コマンドプロンプトを理解するうえで知っておきたい単語の意味についてもまとめました。また、Windowsでコマンドプロンプトを使う方法も説明しています。
コマンドプロンプトはパソコンに特定動作を行わせるためのもの
コマンドプロンプトはパソコンに特定動作を行わせるためのソフトウェアであり、Windowsパソコンに標準でインストールされています。コマンドプロンプトからコマンドを打ち込むことによって、パソコンに直接指示を出すことが可能です。
コマンドプロンプトはエンジニアなら必ずといって良いほど使うものです。また、他の職種であってもコマンドプロンプトを活用することで業務効率化を図れる可能性があります。
GUIとCUIの違い
コマンドプロンプトについて理解するにはGUIとCUIの意味を知る必要があります。
GUIは「Graphical User Interface」の略で、マウスなどによってパソコンを操作できるインターフェースを指します。たとえばブラウザを開く際は、パソコンのデスクトップにあるアイコンをクリックしますが、この際は特にコマンドなどは使わずマウス操作のみでソフトウェアを起動させておりGUIに該当します。
対してCUIは「Character User Interface」の略で、コマンドによってパソコンを操作できるインターフェースを指します。WindowsのコマンドプロンプトはCUIに該当します。開発者やエンジニアはCUIを好んで活用します。CUIは特定コマンドを覚えないといけないため最初は大変ですが、慣れてくればGUIよりも素早く操作することができるからです。
Windows10・11でコマンドプロンプトを使う方法
コマンドプロンプトを起動させるには、Windowsのスタートメニューから「Windows システムツール」をクリックしてください。次に「コマンドプロンプト」を選択することで黒い画面が立ち上がります。これがコマンドプロンプトと呼ばれるものです。
また、Windowsのタスクバーに「cmd」と入力することでも、コマンドプロンプトを開くことが可能です。どちらの方法を使っても問題はありません。今後コマンドプロンプトを使っていく方は、ショートカットをデスクトップに作成しておくと良いでしょう。
コマンドプロンプトでできること
コマンドプロンプトはパソコンにあらゆる命令を出すことができます。コマンドプロンプトでできることの中でも代表的なものを4つ紹介します。
ファイル整理
コマンドプロンプトを活用することで、パソコンのファイルを整理することが可能です。ファイルを整理する場合、フォルダを作成しその中にファイルを1つずつ移動させたり、ファイルの中身を確認し必要なファイルかどうか確認したうえで削除したりしている方がほとんどでしょう。コマンドプロンプトなら、それらの操作をコマンド入力によってすぐ行うことが可能です。
たとえば「mkdir」というコマンドでフォルダを作成したり、「more」というコマンドでファイルの中身を確認したりすることができます。パソコンのファイルの整理が面倒でできていない方は、コマンドプロンプトの使い方を覚えると良いでしょう。
プログラミング
Windowsでプログラミングを行う場合、コマンドプロンプトは必ず使うことになります。ソースコードを記述したファイルは、コマンドプロンプトによって実行します。たとえばPythonのソースコードを実行する場合「Python {ファイル名}」とコマンドを打ちます。また、C言語のようなコンパイル言語の場合、コンパイルもコマンドプロンプトによって行います。
ほかにも、ファイルのバックアップを取ったり、データベースを操作したり、ソースコードの差分を確認したりする際にもコマンドプロンプトが使われます。そのため、プログラマーを目指すならコマンドプロンプトの勉強はしておいた方が良いでしょう。
Windowsのシステム設定
Windowsのシステム設定もコマンドプロンプトによって行うことが可能です。システム設定を行う場合、複数の画面を開かないといけない場合もあり、複雑な設定を行う場合どの画面で何を設定しているか分からなくなる場合もあるでしょう。システム設定を行うコマンドを知っておけば、コマンドプロンプトだけで簡単に設定を行うことが可能です。
バッチファイルの作成
バッチファイルを作成する際もコマンドプロンプトが欠かせません。バッチファイルとは複数のコマンドが一連の処理として1行ずつ記述されてあるファイルのことであり、拡張子は「.bat」です。バッチファイルは毎日決められた時間に作動させることが可能です。たとえば、毎朝他のファイルから特定の文字列が含まれた情報を取得し、1つのファイルにまとめるといったことができます。
バッチファイルを作成することで毎日の雑務が減るメリットがあります。ただしバッチファイルを一度設定すると絶えず動き続けてしまうため、正しく動作するかしっかり確認しなくてはいけません。
コマンドプロンプトの代表的なコマンド
コマンドプロンプトには多くのコマンドがあり、それらを一度に覚えるのは大変です。そこで、コマンドプロンプト利用者が頻繁に使うコマンドを10つまとめました。ひとまずこれらのコマンドを覚えておき、それからさまざまなコマンドを勉強していくのが良いでしょう。
cd
「cd」は現在の作業フォルダを変更できるコマンドです。コマンドプロンプトでファイル操作を行う場合、「cd」によって作業フォルダを変更することが多いです。たとえば「cd 【フォルダ名】」と入力することで、そのフォルダを作業フォルダに指定することができます。
dir
「dir」は現在の作業フォルダにあるファイル・フォルダを表示できるコマンドです。「cd」と並んで多く使われるコマンドです。また「dir 【フォルダ名】」と入力することで、そのフォルダ内のファイルを表示させることができます。
copy
「copy」はファイルをコピーできるコマンドです。「copy 【コピー元】 【コピー先】」と入力することで、コピー元のファイルをコピーすることができます。
move
「move」はファイルを移動できるコマンドです。「move 【ファイル名】 【移動先パス】」と入力することで、移動先パスにファイルを移動させることができます。
del
「del」はファイルやフォルダを削除できるコマンドです。「del 【ファイル名】」と入力するとファイルを削除することができます。一度削除したファイルは元に戻せないので気をつけましょう。
mkdir
「mkdir」はフォルダを新規作成できるコマンドです。「mkdir 【フォルダ名】」と入力するとフォルダを新規作成することができます。
more
「more」はファイルの中身を表示するコマンドです。「more 【ファイル名】」と入力するとファイルの中身が表示されます。ファイルをいちいち開かなくても中身を素早く確認できます。
find
「find」は特定のファイルがあるか検索できるコマンドです。「find 【ファイル名】」と入力すると現在の作業フォルダにそのファイルがあるか検索できます。フォルダにファイルが多すぎて探しにくくなった場合に便利です。
sort
「sort」はファイルの中身をソート表示できるコマンドです。「sort 【ファイル名】」と入力すると行単位でファイルの中身を並びかえることができます。また、「sort -r 【ファイル名】」と入力すると逆順にも並びかえが可能です。
ipconfig
「ipconfig」はIPネットワーク設定を確認できるコマンドです。パソコンとルーターが正常に繋がっているか、IPアドレスはどうなっているか、などを確認したい場合に便利です。
コマンドプロンプトの勉強方法
コマンドプロンプトを習得したい場合、リファレンスを見ながら実際にコマンドを実行してみるのが良いです。手を動かすことによって記憶に定着しやすくなります。各コマンドの使い方はMicrosoft社の公式サイトにも掲載されていますし、書籍も多く販売されています。コマンドはすべて覚える必要はなく、ある程度覚えたら後は実際に開発を行いながら少しずつ覚えていくのが良いでしょう。
【参考】:Windows のコマンド | Microsoft Docs
コマンドプロンプトを使う際の注意点
コマンドプロンプトで行った処理は、取り消しが不可能な場合もあるので注意が必要です。たとえば、「del」コマンドによって削除されたファイルは復元させることができません。ファイルはゴミ箱に移動するのではなくすぐに削除されてしまうからです。
そのため、「この操作でどのような結果が発生するか」しっかり確認してからコマンドを打つことをおすすめします。処理内容がよく分からないコマンドは使うべきではないでしょう。また、重要なファイルに対して処理を行う際は、一度テストファイルやフォルダに対してコマンドを使ってみて、問題ないかどうか確認した方が良いでしょう。
コマンドプロンプトを使いこなすことで仕事ができるようになる
本記事ではコマンドプロンプトとは何かについて解説しました。コマンドプロンプトを使いこなすことで、ファイル整理など面倒な業務を効率化することができ、コア業務に集中することが可能です。
コマンドプロンプトを扱える方はそこまで多くないため、基礎を知っているだけでも他の人よりも仕事ができるようになるでしょう。コマンドプロンプトを使いこなしたい方は、まずは本記事で紹介した10つのコマンドの使い方を覚えるところから始めると良いです。本記事がコマンドプロンプトについて知見を深めたい方にとって有意義なものとなれば幸いです。
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