Pythonでできることとは?
Pythonとは、1991年にグイド・ヴァンロッサムによって開発された、オープンソースとして提供されているプログラミング言語です。Pythonを利用してできることは多岐に渡ります。ここでは、Pythonというプログラミング言語を利用してできることについて詳しくご紹介します。
AIの開発
Pythonでは、人工知能や機械学習などの開発を効率的に開発することができます。今後、AIはさらに普及していくことが予想されています。そのため、Pythonは将来性が高い言語とも言えます。AIの導入が進んだことにより、AIによって支配されてしまう市場が出現しました。例えば、運輸業や製造業などの分野では、AIを用いて業務を代替することが大きく進んでいます。
AIは「画像解析」「音声解析」「自然言語処理」などに強みをもっています。事象の解析を行い、理解を深めて発展させる能力があると言えるでしょう。人間が手作業などで負担がかかっていた業務は、今後もAIによって代替していくことが予想されます。したがって、Pythonは最先端技術であるAIを開発できる言語ということで有名です。
自動データ処理・分析
Pythonを利用すれば、これまで手作業でやっていたデータ処理や分析などを自動化することが可能です。自動化させることで、業務効率の向上が期待できます。自動化できる例として、インターネット上にあるデータの自動通知や、条件に一致するものだけをファイルにすることなどが挙げられます。自動化できることで毎日の定型業務など時間をかけずに業務を実施することが可能です。よって、Pythonを用いた自動化スキルは業務効率に大きな影響を与えると言えるでしょう。
ブロックチェーン技術の開発
Pythonはブロックチェーン技術の開発も得意としています。ブロックチェーン技術の仕組みは複雑ですが、根幹はPythonによって作られていることも多いです。Pythonの習得は他の言語と比較すると容易であるため、ブロックチェーン技術の開発におけるハードルを下げてくれるでしょう。
Webアプリの開発
Pythonでは、Webアプリの開発もできます。Pythonを利用して作成されたWebアプリとして「Dropbox」「Pinterest」「Instagram」などが挙げられます。これらのWebアプリは海外で注目を浴びていましたが、近年では日本でも人気が急上昇しています。また、Pythonでは仕事を効率化させるWebアプリだけではなく、ブラウザ上で動くゲーム製作を行うことも可能です。
スマホアプリの開発
Pythonでは、Android限定ではありますが「kivy」というフレームワークを使用してスマホアプリの開発も行うことができます。機械学習について勉強する上でも「kivy」というフレームワークに触れることがあるため、途中からスマホアプリの開発に転換することもできるでしょう。
インターネット上の情報収集
Pythonの特長として、スクレイピング技術が挙げられます。スクレイピング技術とは、Webサイトから情報を抽出する技術を指します。また、Webサイト上の画像データも自動でデータ収集することが可能です。これまで手作業でWebサイトから情報収集を行っていた業務を自動で収集できるため、時間やコストの削減が期待できます。
組み込みアプリの開発
Pythonは、機械に同梱してプログラムを動かす組み込み系アプリの開発でも使われることもあります。「Raspberry Pi」という子供向け学習用途として作成されたミニパソコンなどが有名です。また、PythonはC言語やC++と親和性が高く、Pythonでこれらの言語の関数などを呼び出すことができます。
Pythonが苦手なこと・できないこと
PythonではAIやブロックチェーン技術の開発など、最先端技術の開発などに使用されていることから需要や将来性が高いことが理解できたでしょう。ここでは、逆にPythonが苦手なこと・できないことをご紹介します。
Pythonにもデメリットがあるため、Pythonが苦手なことやできないことも存在します。例えば、「アプリ開発」「ゲーム開発」「Webデザイン」にPythonは向いていないと言われます。Pythonでできることにアプリ開発やゲーム開発を紹介しました。しかし、Pythonはこれらの開発は得意ではありません。理由は、Pythonには処理速度が遅いという特徴があるためです。また、WebデザインにはPythonを利用することはできないため、注意が必要です。スマホ開発やアプリ開発を行いたい場合は「Swift」「Java」「Kotlin」、ゲーム開発を行いたい場合は「C#」「Unity」などのプログラミング言語を使用することがおすすめです。
Pythonのメリット
ここからは、Pythonのプログラミング言語としてのメリットをご紹介します。
ソースコードがシンプル
Pythonの特徴として、ソースコードがシンプルであることが挙げられます。また、コーディングを行う際にもシンプルに記述することが重要です。「The Zen of Python」というPythonの基本的なプログラミングルールには、「Beautiful is better than ugly」「Simple is better than complex」と記載されています。
以上から、Pythonはシンプルさと分かりやすさを重視しているプログラミング言語と言えます。また、コーディングする方にもシンプルさは求められるでしょう。
豊富なライブラリ
Pythonは標準的なライブラリも充実していますが、外部ライブラリも豊富です。例えば、AIに関連する機能の多くは外部ライブラリで提供されています。また、「TensorFlow」「Chainer」などの有名なライブラリも外部ライブラリです。
Pythonのライブラリは、計算や統計処理に対応するライブラリが豊富です。他にも「画像処理」「音声処理」「動画処理」「自然言語処理」「データベース」などのライブラリも多数扱っています。また、Web開発を行うためのフレームワークなどもあるため、さまざまな用途に対応していると言えるでしょう。
可読性が高い
Pythonは、ソースコードが読みやすいという可読性が高い言語としても有名です。これまでにも説明しましたが、Pythonはシンプルさを重視した言語であるため、必要最低限の文法しか用意されていないことが特徴です。よってPythonは、読みやすさ・書きやすさに優れています。
また、Pythonにはオフサイドルールがあります。オフサイドルールとは、処理のブロックごとに字下げすることで範囲を指定することです。つまり、1つのまとまっているアイデアは同じだけの字下げで記述しなければなりません。Pythonのルールにより、プログラマーの書き方のクセを抑えることができます。多くの人数でコーディングを行う場合やメンテナンスを行う場合も、開発や保守がしやすいと言えるでしょう。
汎用性が高い
Pythonを利用することでさまざまなできることがあります。代表例を挙げると、動画サイトや写真加工サイトなどです。また、AI・ブロックチェーンなどにも使用されています。さらに、Pythonはデータサイエンスに優れているという特徴もあり、非常に汎用性が高いプログラミング言語です。1つの言語でさまざまな開発をおこなうことができるのは、大きなメリットと言えるでしょう。
OSに依存しない
「Windows」「Linux」「MacOS」などの主要なOSであれば、Pythonを用いて記述したソースコードはそのまま使用することができます。記述したソースコードを、書き換えが不要で他の環境でも使用できるのは、エンジニアなどの開発者にとってメリットと言えるでしょう。
オープンソースである
Pythonはオープンソースのプログラミング言語です。そのため、開発に必要な環境を無料で手に入れることができます。また、開発した製作物の配布や商用利用なども自由に行うことが可能です。PCとインターネット環境があれば、誰でもPythonを用いて開発を進めることができると言えるでしょう。
Python初心者でも作れるもの
Pyhonには豊富なライブラリやフレームワークがあり、それらを活用することで効率的にプログラムを開発できます。ライブラリやフレームワークを使えば初心者でも取り組みやすい、比較的簡単なプログラムを3つ紹介します。
クローリング・スクレイピングプログラム
クローリングとは、インターネット上の任意のWebサイトから情報を収集することです。クローリングプログラムを使えば、Webサイトのテキストや画像など一連の情報を自動で集めることができます。
スクレイピングもクローリングと似ていますが、収集した情報の中から必要なデータを抽出しファイルに出力するところまでを含みます。ただし、スクレイピングが禁止されているWebサイトもあるので注意が必要です。
クローリングやスクレイピングのプログラムを作れるライブラリとして、「Beautiful Soup」「Scrapy」「Selenium」「Requests」などがあります。
【参考】:Beautiful Soup Documentation 【参考】:Scrapy 【参考】:Selenium 【参考】:Requests:
Excelの自動化プログラム
Excelに元々搭載されているVBAという機能を使用しての自動化も可能ですが、Pythonで自動化プログラムを作れば、VBAよりも機能や効率の良いものにすることができます。
具体的な機能としては、グラフの自動作成や自動計算などがあります。Webサイトでスクレイピングした情報を基にグラフを作成するなど、Web上のデータとの連携も可能です。また、Excelを開かずにプログラムを実行するといったVBAにはできないこともできます。
Excel自動化プログラムに用いられるライブラリには、「OpenPyXL」「Pandas」「xlwings」などがあります。
【参考】:openPyXl 【参考】:pandas 【参考】:xlwings- 翔べ!Excel
簡単なアプリ
Todoアプリなどの構造がシンプルなWebアプリケーションの作成は、プログラミングをする上で良い勉強になります。フレームワークの使い方だけでなくデータベースなどの勉強にもなります。
「Flask」や「Django」などのフレームワークを使えば、比較的少ないコードでWebアプリケーションを開発することが可能です。「Flask」はシンプルで使いやすく、「Django」は機能が豊富で充実しています。
【参考】:Welcome to Flask 【参考】:Django
Pythonはできることが多い汎用性の高いプログラミング言語である!
これまでに、Pythonでできること・できないこと・Pythonのメリットについて詳しく解説しました。Pythonでできることは多岐に渡り、最先端技術であるAIやブロックチェーン技術の開発からWebアプリやスマホアプリの開発まで行えます。
Pythonのデメリットは処理速度が遅いことであるため、ゲーム開発やアプリ開発には不向きとも言えます。一方、Pythonのメリットは「コードがシンプル」「ライブラリが豊富」「可読性が高い」「汎用性が高い」「OSに依存しない」「オープンソースである」などさまざまです。
ライブラリも豊富な言語で、互換性がある派生した言語も多いので汎用性の高い言語と言われています。アカデミックな分野だけではなく、AIやブロックチェーン技術などの最先端技術の開発などにも用いられています。今後もPythonの人気は続くと予想されるでしょう。
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