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ITパスポートを取得するメリットはある?
ITエンジニアの方であれば、ITパスポートについて知っている方や実際に資格を取得した方もいるでしょう。ITパスポートはITの基礎知識を証明する試験ですが、ITエンジニアをはじめ多くの企業に勤める方が受験する資格でもあります。
エンジニア以外でも比較的合格しやすいIT資格であるため、取得するメリットや「無駄なのでは?」と必要性について懐疑的に思う方もいるかも知れません。
この記事では、ITパスポートの資格取得を検討されている方や、取得はしたが資格をどう活かせば良いのか分からないという方へ向けて、メリット・必要性・試験概要などについて解説します。
【参考】:ITパスポート試験-情報処理推進機構
ITパスポートの必要性
ITパスポートを取得する上で、基本的にデメリットである部分はありませんが、一部では資格取得の必要性に疑問を持つ声があります。確かに、IT業界でエンジニアが転職する際に、保有資格がITパスポートだけだと高いITスキルをアピールするという点では、少し難しい場合があるかも知れません。
IT企業への就職や転職の際には、実績や経験でITスキルを判断されることもありますが、保有している資格によって企業への印象が変わることもあります。履歴書に「ITパスポート保有」と記入しても評価には結びつきにくいかも知れません。
ITパスポートの資格を取得した後は、上位資格の取得を目指すことをおすすめします。ITパスポートを通過点として捉え、基本情報技術者・応用情報技術者、または他の高度情報資格の取得を目指しましょう。
【参考】:基本情報技術者試験(FE) 【参考】:応用情報技術者試験(AP)
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そもそもITパスポートとは
ここでは、ITパスポートの概要について説明します。MOSとの違い・難易度・出題範囲・受験をおすすめする人の特徴などをまとめました。
ITパスポートは人気の国家資格試験?
ITパスポートは2009年に試験が開始された国家資格であり、令和4年3月度の実施分における応募者の勤務先別人数では、IT系企業が32,684人、非IT系企業が151,615人、学生が51,604人でした。非IT系企業からの受験者がIT系を上回っていることからも、あらゆる人が受験している資格であることがわかります。
なお、これは昨今のDX化の流れが大きく影響している可能性があります。
【参考】:ITパスポート応募者数累計記事
ITパスポートと初級シスアドの違い
現在はすでに廃止されている試験ですが、初級システムアドミニストレータ試験(初級シスアド)は、ITパスポートが誕生した2009年より以前にあった資格です。ITパスポートは情報処理技術者試験の中では入門編として位置付けられており、初級シスアドの後継資格と言われています。
初級シスアドはユーザ側のシステム推進リーダーを対象者としていましたが、内容が基本情報技術者の内容と重なっており、どちらかと言えば基本情報技術者試験へのステップになる位置にありました。
これは主催者側の意図とは異なるものでした。そのため、初級シスアドはITを利用するユーザ側の試験であるITパスポートと、ITを利用し管理する基本情報技術者に分けられ、消えていったと言われています。
ITパスポートとMOSはどちらが良い?
ITパスポートとMOS(Microsoft Office Specialist)はどちらも人気の高い資格ですが、どちらを選択すれば良いのか迷う人もいるでしょう。両者を端的に説明すると、ITパスポートはIT全般に関する資格で、対象者はエンジニア系、ITサポート系が主です。
MOSはOffice製品の取り扱い資格で、対象はオフィスワーカー、ITサポート系です。
【参考】:MOS公式サイト-マイクロソフト オフィス スペシャリスト
試験概要
ITパスポートの受験資格や受験方法などの概要について、以下にまとめました。
・受験資格:なし(年齢、経験、国籍不問) ・試験時間:120分 ・問題数 :100問 ・受験方法:CBT方式(4肢択一) ・受験料 :7,500円(税込) ・開催場所:47都道府県(毎月開催)
上記の通り、ITパスポートを受験するために必要な条件はないため、年齢や国籍関係なく誰でも受験可能です。試験はすべての都道府県で毎月実施されているので、受験者の都合に合わせて試験日時や会場を選択できます。
【参考】:ITパスポート試験:試験内容・出題範囲
出題内容
ITパスポートの出題範囲は、ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系の3分野に分けられています。
より細かくまとめると、以下の通りです。
【ストラテジ系】(経営全般:35問程度) ・企業と法務:企業活動、法務 ・経営戦略:経営戦略マネジメント、技術戦略マネジメント、ビジネスインダストリ ・システム戦略:システム戦略、システム企画
【マネジメント系】(IT管理:20問程度) ・開発技術:システム開発技術、ソフトウェア開発管理技術 ・プロジェクトマネジメント:プロジェクトマネジメント ・サービスマネジメント:サービスマネジメント、システム監査
【テクノロジ系】(IT技術:45問程度) ・基礎理論:基礎理論、アルゴリズムとプログラミング ・コンピュータシステム:コンピュータ構成要素、システム構成要素、ソフトウェア、ハードウェア ・技術要素:情報デザイン、情報メディア、データベース、ネットワーク、セキュリティ
【参考】:ITパスポート試験:試験内容・出題範囲
難易度
令和5年12月度のITパスポートの合格率は49.2%です。試験年度によって合格率が異なりますが、概ね50%以上を推移しています。情報処理推進機構(IPA)が主催するIT資格の中では、最も合格率が高い資格試験です。
半数以上の合格率であるため、一般的に見ても高い合格率と言えますが、出題範囲が広く、IT以外の問題も出題されるため、計画的に学習を進め合格に向けて努力することが大切です。
【参考】:ITパスポート試験結果-令和5年12月度
受験をおすすめする人の特徴
ITパスポートの受験をおすすめする人は、ITパスポートを取得することでメリットを得る人です。ITパスポートの資格を取得してメリットを得られる人は、以下の通りです。
1.IT知識が乏しく業務が効率的に進まないと感じる人 2.ITに関わる取引先との商談や社内会議に関わる人 3.資格取得で手当がもらえるなど、処遇が良くなる人 4.新たにリスクマネジメント部門や監査部門に配属された人 5.非IT系出身だが、IT系部門のマネージャーを任された人
上記以外に、ITエンジニアの方でも1から体系的にITの基本を学びたいという人には最適です。なお、ITコンサルタントやプロジェクトマネージャーといったITの専門家や管理職の方がITパスポート資格を取得しても、得るものは少ないでしょう。
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ITパスポートを取得するメリット7つ
ここでは、ITパスポートを取得する上で得られるメリットを具体的に紹介します。
国家資格のため認知度が高い
ITパスポートはITの基礎知識があることを公的に証明できるため、就職や転職の際にITの基礎知識をアピールするのに効果的です。また、取得したITパスポートの資格は一生保証されます。
ITの基本的な知識が身に付く
企業のIT化が急速に進んでおり、ITパスポート取得で得た知識を仕事に活かせる機会が増えています。ITパスポート試験では、コンピュータの仕組みやAI技術の基本的な考え方、データベースやネットワークに関する基礎知識など、ITにおける基礎知識を網羅することができます。
ITエンジニアはもちろん、現在は一般企業に勤めるITを扱う全ての人材が学んでおきたいIT知識の習得が可能です。
ビジネス知識も同時に学べる
ITパスポート試験における試験要綱やシラバスには、IT知識のほかに、ビジネス知識に関することも含まれています。シラバス(ストラテジ系)より一部抜粋すると、以下のようなものがあります。
・企業活動や経営管理に関する基本的な考え方 ・ITを活用した業務改善や問題解決の手法 ・財務諸表や損益分岐点など、会計と財務の基本的な考え方
こういった知識はITを利用する場面以外にも仕事で役立てることができるため、IT・ビジネスの知識両方を学べるのは大きなメリットになります。
【参考】:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 試験要綱
上位資格取得への第一歩となる
IT系の公的資格は数多くあります。ITパスポートはスキルレベル1に該当する試験であり、資格を取得することでスキルレベル2〜4など、上位資格を目指す上でITの基礎知識を身に付けることに役立ちます。
資格取得に補助金や手当が支給されることがある
大学や専門学校ではITパスポートの資格取得を推奨しているところがあり、学費の一部免除といった優遇措置を受けられます。企業でもITパスポート資格取得に対して手当などを出す企業もあります。
また、学生においては資格取得により単位を取得できることもあるため、取得して損はないでしょう。
ITコンプライアンスを強化できる
ITパスポート試験に向けて学習を進めることで、ITリテラシーを高めることができます。ITリテラシーとは、情報に関する理解やそれを扱う能力のことです。
DX推奨の背景により、あらゆる企業がITの導入を図り、業務効率化を目指しています。このような急速なITの普及により、ITリテラシーの重要さが顕著に出てきています。ITリテラシーの強化によって情報セキュリティやコンプライアンス意識が高まるため、企業にとっては大きなメリットになるでしょう。
就職や転職に活かせる
ITを扱う企業は無数にあり、IT職種以外でもIT知識やスキルを持つ人材は重宝されます。ITパスポートなどの客観的にスキルを証明できるものがあれば、そういった人材を欲する企業へのアピールポイントになります。
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ITパスポート取得で年収は上がる?
資格を取得することで手当が出る場合もありますが、ITパスポートを取得することで年収アップに繋がるのでしょうか?以降で詳しく説明します。
ITパスポート資格だけでは年収は上がらない
ITパスポートは大学で言えば一般教養に該当し、ITの基礎知識を証明する資格です。そのため、ITパスポート自体に特別なステイタスがあるわけではなく、ITパスポートの取得が直接年収アップに繋がるとは考えにくいでしょう。
しかし、ITパスポートをITエンジニアの登竜門と考えれば、ITパスポートが将来の年収アップへの足掛かりになる可能性もあります。
ITパスポート資格で手当が付く例も
一部の企業では、資格取得に対して受験料負担の名目で一時金や手当を出すところもあります。企業によっては、ITパスポートを(公的)資格取得のファースト・ステップと考え、一時金や手当を支給するところもあります。
このような制度によって社員のモチベーションが高まり、会社全体のレベルアップに繋がります。
ITパスポートを保有するITエンジニアの年収
ITパスポートを活用できる職種には、プログラマーやシステムエンジニアなどがあります。ここでは、システムエンジニアの年収を参考に紹介します。
「マイナビエージェント 職種図鑑」でのシステムエンジニアの平均年収は431万円(※2024年1月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のSE・プログラマ(ソフトウェア製品の開発・実装)を参考にすると、平均年収568万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、システムエンジニアは一般平均年収と比較して、やや高めの年収を目指せることが分かります。
システムエンジニアはスキルや実績を積むことで、年収が上がりやすい職種です。ITパスポートをステップアップの1つとして捉え、取得を皮切りに上位資格へチャレンジしていくことで、スキルアップはもちろん、年収アップに繋がることもあります。
【参考】:マイナビエージェント 職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
ITパスポートは将来のスキルアップへの足掛かり
ITエンジニアとして、ITパスポート資格とどう向き合えば良いのか、どう活用するのかという疑問について回答します。
資格取得はキャリアアップにつながる
ITパスポートではITの知識に加え、マネジメント・経営・法務などの知識が求められます。IT以外の知識を身に付けることで、ITエンジニアとしてのスキルの幅が広がります。
経営・法律・コンプライアンス・セキュリティなどの知識を学ぶことで、初級エンジニアから中級エンジニア、プロジェクトのサブマネージャーへと活躍の範囲を広げることに繋がるでしょう。
ITエンジニアの方は既にITパスポートに相当するスキルを有している方も多いですが、IT以外のスキルを身に付けられるITパスポートは、ITエンジニアの方にもおすすめできる資格の1つと言えるでしょう。
ITパスポートを活かせる職種
ITパスポートを有効活用できる職種を紹介します。ITパスポート取得によって幅広いITの基礎知識を身に付けることができ、IT業界で有効活用できます。以下で代表的な職種を紹介します。
1.テクニカルサポート テクニカルサポートの仕事には、IT機器の操作方法がわからない方への説明や、故障の際の対応などがあります。ITに関する技術的な内容や仕組みを理解し、ユーザからの問い合わせに対応することが重要です。
2.事務職 事務職の仕事は、書類作成、データ入力、電話対応、来客対応などです。また、事務職の中でも営業に特化した営業事務や、経理事務、学校事務などさらに細かい種類があります。事務職ではパソコンを使うことが多いため、基本的なITリテラシーを有していることが求められます。
3.IT企業の営業職 営業職の中でもIT企業の営業職では、販売の対象となる製品がソフトウェアやITサービスなどになります。そのため、ITに関する知識がないと顧客に最適な提案ができません。ITパスポートを取得することでITの基礎知識はもちろん、経営、リスクマネジメント、財務などの知識も身に付けることができます。
IT系資格の土台となる
ITエンジニアにとっては、ITパスポートの取得はゴールではなく、スタートラインです。資格取得によって次の資格取得へのステップとなります。ITパスポートを取得したら、次は基本情報技術者試験を目指しましょう。
難易度はITパスポートより上がりますが、出題範囲はITパスポートで学んだことが活かせる内容が多くあります。
【参考】:基本情報技術者試験(FE)
ITパスポートを取得してスキルアップを目指そう
ITパスポートを取得するメリットは多くあり、非IT系企業に努める方はもちろん、ITエンジニアの方にもおすすめできる資格です。ITパスポートはITの基礎知識だけでなく、マネジメントや経営といった幅広い知識を身に付けることができます。
マネジメントや経営に関する知識を身に付けることで、キャリアアップや他の職種にキャリアチェンジする際に役に立つでしょう。なお、キャリアアップやキャリアチェンジの際は自分の経験やスキルに合った企業を選ぶことも大切です。
しかし、数多くの企業から自分に合った企業を選ぶには困難なこともあるでしょう。
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