ITパスポートを取得するために必要な勉強時間
ITパスポートは、ITに関する基本的な知識が証明できる国家資格です。近年ITは急激な発展を遂げ、仕事や生活をするうえで必要不可欠な存在になりました。どの企業でもITに関する必要最低限の知識が求められるため、ITパスポート試験の学習によって知識やスキルを得ることができ、企業に必要なIT人材を目指せます。
【参考】:iパスーiパスとは
ITパスポートに合格するために必要な勉強時間は、受験する方の知識によって異なります。初心者の勉強時間の目安として、およそ100時間から150時間といわれています。1日2時間勉強をした場合、およそ3ヶ月程度で合格を目指せるでしょう。
しかし、IT知識をすでに持つ方が効率よく学習を行うと、30時間程度でも対策することが可能といわれています。ここからは、ITパスポートの勉強時間について紹介します。
文系の大学生やIT初心者の場合
文系の大学生やIT未経験者がITパスポートの勉強を行う場合、学習時間の目安はおよそ100時間から150時間とされています。1日に2時間勉強すれば、およそ3ヶ月程度でITパスポート試験に合格できる知識を身につけることができるでしょう。
これまでITに触れる機会がなかった方は、まずはITパスポートの参考書に記載されている用語の意味を覚えることから始めましょう。参考書を通して用語とITの基本的な知識を理解し、復習を繰り返すことでITパスポート試験の合格に近づきます。
情報系の大学生やIT系社会人の場合
情報系を学んでいる大学生やIT業界に所属する社会人の場合、必要な勉強時間は最短でおよそ30時間といわれています。1日に1時間程度勉強すれば、およそ1ヶ月程度でITパスポート試験に合格を目指せるでしょう。
ITに関する基礎知識がある場合は、ITパスポートで出題される問題について効率よく学習することができます。情報系を学んでいる学生はテクノロジ系の問題に取り組みやすいでしょう。
一方、IT企業での社会人経験がある方はストラテジ系やマネジメント系の問題に取り組みやすいといえます。苦手分野を中心に学習することで、短時間で合格を目指すことが可能となるでしょう。また、過去問を利用して勉強することもおすすめです。
ITエンジニアの場合
すでにITエンジニアとして働いている方の場合は、勉強時間をさらに短縮することができます。しかし、ITエンジニアの場合、ITパスポート試験よりも上位の基本情報技術者試験などの取得を目指したほうが良いでしょう。
理由として、ITエンジニアはITパスポートで勉強した知識があまり業務に役に立たない可能性があるからです。
資格取得はエンジニアのキャリアアップの際に有利に働きます。まずは現在の自分の市場価値を確かめ、将来のキャリアパスに必要な資格を確認して取得に励みましょう。
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ITパスポートとは
ITパスポートとは、独立行政法人情報処理推進機構であるIPAが主催している試験の1つです。IPAによると、ITパスポート試験は情報処理技術者試験の1つであり、情報処理の促進に関する法律に基づく国家試験です。
ITパスポートを取得することによって、今後の情報社会のために備えておくべきITの基本的な知識を習得することができます。これからIT業界へ就職や転職を考えている方にとっては、取得しておいて損はない資格といえるでしょう。
基本情報技術者試験との違い
ITパスポート試験の上位の国家資格として基本情報技術者試験が挙げられます。ITパスポートと同様、IPAが主催している情報処理技術者試験の1つです。
基本情報技術者試験は、IPAでスキルレベル2に設定されている試験であり、スキルレベル1であるITパスポート試験よりも難易度が高く、ITエンジニアにおける登竜門ともいわれています。ITエンジニアとして働くことを考えている方にはおすすめの資格です。
合格率に関しては、令和5年度10月における基本情報技術者試験は42.4%、ITパスポート試験は53.7%です。
共に合格率は50%前後を推移しており、一見すると難易度は変わらないように思えますが、試験範囲がプログラミングの問題など、ITパスポートよりも深い知識が要求されることからも、基本情報技術者試験の方が難易度は高い傾向にあります。
【参考】:基本情報技術者試験(FE) 【参考】:2.ITスキル標準とは -ものさしとしてのスキル標準 | デジタル人材の育成 | IPA 【参考】:統計情報(基本情報技術者試験) | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 【参考】:【ITパスポート試験】統計情報
ITパスポートを取得するメリット
ITパスポートに合格することで得られるメリットは多数あります。
例えば、IT企業の中には採用基準としてITパスポート取得が条件だったり、大学入試の優遇制度が受けられたりする場合もあります。さらに、ITパスポート合格に向けて学習することで、ITの基礎知識を身につけることができるため、IT技術を活用して業務をスムーズに行うことも可能です。
近年ではIT業界のみならず、他の業種でも社員教育としてIT知識を必須としているところも少なくありません。ITリテラシーが低いために、企業の重要な機密情報を外部へ漏洩させてしまうなどの事例も多くあります。このような企業活動における損害となるリスクは避けなければなりません。
以上のことからも、ITパスポートを取得し、ITにおける基本的な知識やIT技術の活用方法を身につけることは、仕事や生活などの多種多様な場面で役立てることができるといえます。
資格を活かせる職種
ITパスポートが活かせるIT職種としては、テクニカルサポートが挙げられます。テクニカルサポートとは、IT機器の操作方法がわからない方へ説明したり、故障時の対応などを担当したりします。ITに関する技術的な内容や仕組みを理解しなければなりません。
テクニカルサポートになるには資格は不要ですが、仕事を行う上ではIT知識があることが望ましいため、ITパスポートで得た知識を活かせるでしょう。
資格取得者の年収
ここでは資格取得者の参考年収として、テクニカルサポートの年収を紹介します。
「マイナビエージェント 職種図鑑」での「テクニカルサポート/ヘルプデスク」の平均年収は310万円(※2023年10月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種の「顧客サポート/ヘルプデスク」を参考にすると、平均年収390万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、テクニカルサポートは平均年収よりもやや低いことが分かります。
ITパスポートは直接年収に大きく影響する可能性は低いため、ITパスポートに合格したらそれを皮切りに上位資格を目指すことで年収アップを目指せます。また、テクニカルサポートからシステムエンジニアなどへキャリアアップをする方法もおすすめです。
【参考】:マイナビエージェント 職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
ITパスポートの試験概要と難易度
ここからは、ITパスポートの具体的な試験内容や難易度について詳しくご紹介します。事前にしっかりと対策して合格を目指しましょう。
試験概要
ITパスポートの試験概要は、試験時間が120分・問題数は100問、記述を行う問題は出題されません。しかし、計算問題が出題されるため、時間が不足する可能性もあります。そのため、1つの問題に多くの時間を割かないことが重要です。
ITパスポートの試験問題の出題形式は、CBT方式が採用されています。CBT(Computer Based Testing)とは、コンピュータを利用して実施される試験方式を指します。
受験者はコンピュータに表示された試験問題に対して、マウスとキーボードを利用して、4つの選択肢から1つを回答します。
【参考】:iパスー試験内容・出題範囲
受験資格
ITパスポート試験は特に受験するための必要な条件がありません。年齢・国籍・実務経験などに関係なく、どなたでも自由に受験することができます。試験は受験者の都合に合わせて、試験の日時や会場を選択することができます。
また、ITパスポートは月に数回試験を実施しています。公式の申し込みページより、3ヶ月先までの試験日・座席数・空席数を確認することができるため、余裕を見て申し込みをしましょう。
【参考】:iパスー試験開催状況一覧
受験料
ITパスポートの受験料は7,500円(税込)です。受領した受験料は、どのような理由があろうとも返還されないので注意してください。他の試験への充当もできません。
支払方法はクレジットカード決済、バウチャー決済、コンビニ払いから選択できます。コンビニ払いの場合、別途で払込手数料187円が必要となるので注意してください。
【参考】:iパスー受験申込手順
難易度
ITパスポートの合格点について、1,000点満点中600点以上が合格ラインです。また合格に必要な条件はもう1つあり、ITパスポート試験で出題される3つの分野別にそれぞれ30%以上を取得しなければなりません。3つの分野とは、「ストラテジ系」「マネジメント系」「テクノロジ系」です。
ストラテジ系の分野では、企業と法務や経営戦略、システム戦略に関する問題が出題されます。
マネジメント系の分野では、開発技術やプロジェクトマネジメント、サービスマネジメントに関して出題されます。
そしてテクノロジ系の分野では、基礎理論やコンピュータシステム、技術要素などのIT知識に関する問題が出題されます。
このように、3つの分野で合格ラインの点数を取得する必要があり、難易度が高く感じますが、令和5年10月のITパスポート試験の合格率は53.7%と発表されているので、この数字からも比較的取得しやすい資格と言えます。
【参考】:【ITパスポート試験】統計情報
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ITパスポートを最短で取得する方法
ここでは、ITパスポートを最短で取得するための方法を紹介します。IT知識の有無に関わらず、勉強の流れは基本的に同様です。
参考書や学習サイトを活用する
まず参考書やオンラインの勉強サイトを利用して、試験に出題されている問題の概要を把握しましょう。初めて見た用語は1つずつ覚えていくことが重要です。ITパスポート試験では、用語に関する問題が多数出題されます。そのため、用語を知らなければ問題を解くことができません。
過去問を解いて問題に慣れる
参考書や勉強サイトで学習した後は、過去問などを用いて実際の問題に取り組みましょう。解くことができなかった箇所は、復習を繰り返し行い知識を定着させることが大切です。また、過去問を利用するとITパスポートの出題形式に慣れることができます。
ITパスポート試験では、過去問と同様の問題や似た問題が多く出題されます。過去問で合格点を安定して取れるようになり次第、実際の試験に臨みましょう。
【参考】:【ITパスポート試験】過去問題(問題冊子・解答例)
効率良く勉強して短期間でITパスポート試験に合格しよう
これまでにITパスポート試験の詳細や勉強方法、ITパスポート試験に合格するメリットについて紹介しました。ITパスポートはIPAが主催している国家試験の1つであり、取得することでITリテラシーを高めることができ、業務や日常生活でのSNS活用などに役立つでしょう。
ITパスポート試験に合格するための勉強時間は、経歴や職種によって異なります。一般的な勉強時間は100時間から150時間とされていますが、IT知識を持つ方は持つ方は勉強時間を短縮できるでしょう。
ITパスポートはIT系の資格のなかでレベル1に分類する国家資格であり、用語をしっかり覚えて問題演習を繰り返せば、そこまで難しい試験ではありません。
さらに上位資格に挑戦しやすくなることで、キャリアアップも目指せます。初心者からの転職の場合は、研修制度が充実している企業を選ぶことで、働きながらのスキルアップが可能です。しかし、そんな優良企業をどうやって探し出せばいいのか困る人も多いでしょう。
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