AIプログラマーとは、AIシステムのアプリケーション開発を担当するエンジニアのことです。AIシステムに必要なアプリケーションを、要件に合わせて開発します。
開発で用いるプログラミング言語は主にPython、C、C++ですが、なかでも特に多用されるのがPythonです。ここでは、そんなAIプログラマーと、近年脚光を浴びているAIの実態について紹介していきます。
説明不要かもしれませんが、そもそもAIとは人工知能のことです。具体的には、人間が行うような知的な行為を、コンピューターに機械的に実行させる技術や研究分野のことを指します。
人間の介在なしに機械的に実行することができれば人間の負担が減り、従来経験則に任せていた領域も科学的に最適な結果を導くことが可能になります。
また、人工知能の学習方法により、機械学習と深層学習があります。機械学習(Machine Learning)は、学習方法を定義し機械的に学習させることを目的として、過去の蓄積データから将来を予測をするための技法を指します。
深層学習(Deep Learning)とは、人間の脳神経であるニューロンをヒントにモデル化されたニューラルネットワークを用いた技術です。
AIエンジニアとは、AI関連の技術職全体を指します。AIエンジニアは、システム設計・開発・構築を担当する機械学習・深層学習エンジニアと、システム利用側のデータ分析者・統計の専門家であるデータサイエンティストに分けられます。
これに対してAIプログラマーは、AIエンジニアの開発工程を担当するプログラミング担当者を指します。
AIプログラマーの仕事は、主にシステム要件に適合するプログラムの開発となります。システムに関連してサービスの学習を担当したり、モデルの作成・開発から運用まで全工程を担当することもあります。同様に稼働後のソフトウェアメンテナンス作業も重要な役割となります。
AIプログラマーは、AIシステムに関するアプリケーション開発を担当します。そのためプログラム開発や学習アルゴリズムの設計の知識が求められます。AIの開発コードは独自に作成することもありますが、すでに用意されているモジュールを活用することも数多くあり、GitHubという開発プラットフォームを利用することが多いです。
GitHubのAI関連蓄積モジュールの大半がPythonで提供されていることもあり、Pythonの知識が特に求められます。加えて、アルゴリズム設計にはプログラミング言語の理解の他、高度な数学や統計理論を多用するので一定の経験が求められるでしょう。
Pythonは独学で学ぶ他、PythonプログラミングやAIプログラミング講座として各スクールで提供されているので、スキルアップに活用しましょう。
■G検定・E資格:日本ディープラーニング協会 人工知能全般の能力を証明するために、まずは日本ディープラーニング協会の検定を紹介します。G検定はジェネラリスト向けの検定となります。ディープラーニングの基礎知識を有し適切な活用方針を決定して、事業活用する能力や知識があることを証明します。 E資格はエンジニア向けとなります。具体的にはディープラーニングの理論を理解し、適切な手法を選択して実装する能力や知識を有しているエンジニアレベルにあるか検定します。 参考:一般社団法人 日本ディープラーニング協会のG検定、E資格
■Python 3 エンジニア認定データ分析試験 次に、分析計アプリケーションのプログラミング能力を証明する資格をご紹介します。開発言語であるPythonの認定試験であるPython 3 エンジニア認定データ分析試験です。 Python 3 エンジニア認定データ分析試験は、Phythonの言語能力のみならず、確立や統計の数学技術とライブラリーを用いた分析実践能力が試されます。人工知能療育でのプログラミング能力や技術水準を確認するために挑戦してみましょう。 参考:Python 3 エンジニア認定データ分析試験
■統計質保証推進協会の統計検定 最後に、統計自体の能力を証明するために、統計質保証推進協会の統計検定をお勧めします。この資格はデータに基づいて客観的に事象を判断し、科学的に問題を解決する能力が備わっているかが認定ポイントとなります。 参考:一般財団法人 統計質保証推進協会の統計検定
■まとめ 実務経験に加えて上記資格を取得できれば、対外的に人工知能に関する数学的要素からプログラム能力およびその活用力において、自分のスキルを証明することが可能となります。
人工知能の活用領域が増えると開発機会が増加し、AIプログラマーのニーズが高まるでしょう。ここでは気になる年収や今後のキャリアパスについて触れていきます。
AIプログラマーもITシステムのプログラマーと同様に、プログラム開発工程に携わることに違いはありません。しかし、使用するプログラミング言語によって、年収が異なります。
求人サイトの募集状況によると、AIプログラミングの主要な言語であるPythonの求人は、約650万円前後となっています。一方で、Perlでは約630万円、汎用的なC言語では約600万円、Javaでは約500万円という状況です。
求人相場全体としては500万円から800万円となっています。そのため、需要の高いPythonの習熟度向上により更なる年収アップが期待され、より専門性を高めることにより1,000万円を超えるケースもあるようです。
AIプログラマーはプログラミングの他、AIシステムに関連するサービスの学習を担当したり、モデルの作成・開発から運用まで全工程を担当したりすることもあります。そのため、AIシステム全般を担当するAIエンジニアや、機械学習を専門とする機械学習エンジニアが、次のキャリアアップの候補と言えます。
AIプログラマーは人工知能の活用時代において、重要な役割を持ちます。特に、人工知能に欠かせない統計解析をベースとしたプログラミングに長けているので、市場拡大に比例して需要が見込まれるでしょう。
富士キメラ総研による「2020 人工知能ビジネス総調査」では、今後5年間の需要予測や市場規模について、予測値をを公表しています。富士キメラ総研の試算によると、2025年には2019年の2倍の市場規模が予測されています。
富士キメラ総研は2016年と2018年にも同様の予測値を公表しています。2016年および2018年も同様の試算を公表していましたが、当時は2020年から2030年までの10年で約2倍の市場規模を予測していました。
2020年の最新予測値では以前の予測を上回り、2025年までの約5年間で倍増する予測となっています。したがって、市場規模は爆発的に拡大しており、AIプログラマーの需要も高まると考えるのが妥当でしょう。 参考:株式会社 富士キメラ総研 2020 人工知能ビジネス総調査
2015年の野村総合研究所とオックスフォード大学の共同研究において、今後AIに奪われる仕事と今後も人間が担当する仕事についての研究成果が発表されました。それによると、職業分類においてタスク型と言われる電話応対や帳簿整理等のオペレーター業務は、AIに置き換え可能と判断されています。
様々な業務がAIに置き換えられるならば、「プログラミングやプログラマーも不要になるのでは?」と心配になる方もいるでしょう。しかし実際は、ソフトウェアの企画やメンテナンス作業は人間の判断力が求められる領域となるので、置き換えは簡単にされないと判断できます。
特にAI関連技術者は人工知能の仕組み自体を検討するものなので、その仕事は簡単にAIに置き換えされず、今後も需要拡大が期待できるでしょう。 参考:野村総合研究所 共同研究レポート
AIは今後適応領域が更に拡大していくので、AIシステムのアプリケーション開発を担当するAIプログラマーの需要が高まるでしょう。同様に、AIシステムの開発やソフトウェアのメンテナンス作業は今後も高い需要が期待できます。
更にスキルアップをすることで専門性が高まりAIプログラマーの専門家としての活躍や、AIエンジニアへの選択肢が広がるでしょう。
アンドエンジニアへの取材依頼、情報提供などはこちらから
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