参考書を活用してデータベーススペシャリスト試験合格を目指そう
データベーススペシャリストは情報処理推進機構(IPA)運営の国家試験の中で、最難関と言われる「データベーススペシャリスト試験(DB)」に合格した方に与えられる称号で、ITエンジニアなら誰もが憧れる資格の1つです。
ここでは「データベーススペシャリスト試験」の合格を目指している方へ向けて、おすすめしたい最新の参考書と問題集を紹介していきます。「データベーススペシャリスト試験」の受験をお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。
【参考】:データベーススペシャリスト試験
データベーススペシャリスト試験とは
データベーススペシャリスト(DB)はIPA(情報処理推進機構)が運営する国家資格の1つで、「データベースに関する固有技術を活用し、情報システム基盤の企画や要件定義、開発、運用・保守に至る範囲で中心的役割を果たせる、固有技術の専門家として技術支援を行う者」をその対象者像としています。
データベーススペシャリスト(DB)は情報処理技術者試験の中では高度情報技術者試験に分類され、最高ランクのレベル4と難易度が高い試験です。
DX推進という国家的な課題の下、ビジネス現場ではビッグデータの活用が重要なテーマとなっています。データベーススペシャリスト資格取得者は、ビッグデータの整備と活用をリードできる人材として、その活躍が期待されます。
【参考】:「データベーススペシャリスト試験(レベル4)」シラバス(Ver.4.1)|IPA
データベーススペシャリスト試験は独学でも合格できる?
データベーススペシャリスト試験の合格率は、13%~17%前後を推移しています。比較的難易度が高めとも言われる「応用情報技術者試験(レベル3)」の合格率が20~27%前後であることから考えても、難易度が高いことがわかります。
しかし、独学でも十分合格は可能です。その理由として、特に午前問題は過去問からの出題が多めであることが挙げられます。また、午後問題についても市販の参考書が数多く発売されているので、対策もしやすくなっています。
【参考】:統計資料(令和6年度)(応用情報技術者試験、高度試験、情報処理安全確保支援士試験)|IPA
データベーススペシャリスト試験に合格するための勉強時間
一般的に、データベーススペシャリスト試験の合格に必要な勉強時間は、約200時間程度と言われています。毎日1時間の勉強時間を確保したとしても、約6~7か月かかる計算です。
もしも、データベースに関する事前知識がない場合は、さらに時間が必要になるかもしれません。最短で合格を目指すためには、過去問や市販の参考書をうまく使用して、効率的な勉強方法を取り入れることが重要です。
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データベーススペシャリストの試験概要
データベーススペシャリストは情報処理技術者試験の中でも最高難度と言われ、合格率は例年15%前後の狭き門です。実務経験者でも試験対策を怠れば合格は容易ではありませんので、しっかり勉強することをおすすめします。
まずは、データベーススペシャリストの試験の概要について把握しておきましょう。
試験の実施要領
ここでは、データベーススペシャリスト試験の実施要領についてまとめてみました。
▪受験資格 学歴、年齢を問わず誰もが受験可能です。
▪受験日程 年に1回開催され、例年10月第2日曜日に試験が行われます。申し込みは、試験日のおおよそ3ヶ月前から3週間前程度となっており、インターネットから申し込みます。
▪免除制度 過去2年以内に「応用情報技術者試験(AP)」に合格していると、午前Ⅰ試験が免除されます。
▪受験料 7,500円(税込)
▪合格発表 12月下旬頃にIPAのサイトで公表されます。合格証書は合格発表の約2週間後から簡易書留で発送されます。
▪試験会場 全国主要62都市に設けられた会場で開催されます。
▪試験の構成
形式 出題数 合格ライン 時間 備考
午前Ⅰ:記号選択式 30問 60 % 50 分 概ね18問以上正答なら合格ライン
午前Ⅱ:記号選択式 25問 60 % 40 分 概ね15問以上正答なら合格ライン
午後Ⅰ:記述式 3問中2問 60 % 90 分
午後Ⅱ:記述式 2問中1問 60 % 120 分
【参考】:令和6年度秋期試験について(受験申込み)|IPA 【参考】:データベーススペシャリスト試験|IPA 【参考】:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 試験要綱Ver.5.3
午前試験の概要
午前試験Ⅰ(50分)は全30問多肢選択式、午前試験Ⅱ(40分)は全25問の多肢選択式で出題されます。午前試験Ⅰは、同日開催の「応用情報技術者試験(AP)」午前試験から抜粋された30問で、テクノロジ・マネジメント・ストラテジ系の全分野から出題されます。
「応用情報技術者試験(AP)」に過去2年以内に合格している方は午前Ⅰ試験が免除されますので、予め「応用情報技術者(AP)」を取得しておくのも1つの手です。
午前試験Ⅱは、午前試験Ⅰの出題範囲の内、「コンピュータ構成要素」「システム構成要素」「データベース」「セキュリティ」「システム開発技術」「ソフトウェア開発管理技術」の6分野に絞って出題され、より高度な内容になっています。
出題範囲の80%前後(25問中20問)は「データベース」分野から出題されますが、その半数近くが過去問から出題されていますので、午前試験Ⅱ対策は過去問(少なくとも5年間)の反復が有効です。
【参考】:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 試験要綱Ver.5.3
午後試験の概要
午後試験Ⅰ(90分)は記述式で3問中2問選択、午後試験Ⅱ(120分)は記述式で、2問中1問選択となっています。
午後試験Ⅰ、午後試験Ⅱともに「データベースの企画・要件定義・開発」「データベースシステムの運用・保守」「データベース技術」から出題されます。
出題範囲が広いですが、データベースに関する知識や技術の基本をしっかり押さえておけば、合格は難しくはありません。過去問をしっかり反復し、参考書を活用して対策をしておくとよいでしょう。また、長文読解力が求められますので、文章を読むのが苦手な方は別途対策が必要です。
【参考】:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 試験要綱Ver.5.3
データベーススペシャリスト試験対策におすすめの最新参考書8選
データベーススペシャリストに独学を中心とした勉強で合格を目指すには、参考書と過去問を利用した勉強が不可欠です。データベーススペシャリストの参考書や問題集は多く出版されていますので、各書を比較して自身に合ったものを選ぶ必要があります。
ここではおすすめの参考書と問題集、オンライン勉強サイトを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
徹底攻略 データベーススペシャリスト教科書 令和6年度
合格するために必要な知識を基礎から丁寧に解説しています。また、例題が随所に設けられ、効率的に学ぶことができます。
さらに、印刷が可能な過去問題&解説がPDFでも提供される他、本書の電子版や単語帳Webアプリなどの付録も付いており、外出時や移動中などスキマ時間に学べるのもおすすめのポイントです。
▪著者:株式会社わくわくスタディワールド 瀬戸美月 ▪ページ数:768ページ ▪出版社:インプレス ▪発売日:2024/3/22
【参考】:徹底攻略 データベーススペシャリスト教科書 令和6年度
2023-2024 データベーススペシャリスト「専門知識+午後問題」の重点対策
午後Ⅱ試験対策に重点を置きつつ、午前II試験に必要となる専門知識、午後問題の解法テクニックが盛り込まれるなど、効率的な試験対策ができる教本です。午前Ⅱ試験対策の「Webキーワード集」が購読特典として付いており、スキマ時間の活用ができます。
▪著者:山本森樹
▪ページ数:671ページ
▪出版社:アイテック
▪発売日:2023/05/02
【参考】:2023-2024 データベーススペシャリスト「専門知識+午後問題」の重点対策
情報処理教科書 データベーススペシャリスト 2024年版
データベーススペシャリストの教科書とも言われるほどの定番書であり、シリーズの累計売上275万部を誇っています。学習法と解答テクニックに100ページを割き、初めて学ぶ人でも学びやすい構成となっています。テーマごとの出題率が数字で示され、SQLの基本構文解説や長文読解のコツなどが充実しています。
過去22年分の問題も載っており、これ1冊で試験対策ができます。
▪著者:ITのプロ46、三好 康之 著 ▪ページ数:672ページ ▪出版社:翔泳社 ▪発売日:2024/03/22
【参考】:情報処理教科書 データベーススペシャリスト 2024年版
2024-2025 データベーススペシャリスト 総仕上げ問題集
まず知識を確認、過去問理解、本試験を想定した実力診断の3ステップ学習で実力が身についていきます。過去10期分の本試験を収録し、正解だけではなく、間違いの選択肢についても確認ができるなど丁寧な解説が特徴です。
また、学習に役立つWebコンテンツやダウンロードコンテンツも用意されるなど、充実した問題集といえます。
▪著者:アイテックIT人材教育研究部
▪ページ数:740ページ
▪出版社:アイテック
▪発売日:2024/04/09
【参考】:2024-2025 データベーススペシャリスト 総仕上げ問題集
2024年度版 ALL IN ONE パーフェクトマスター データベーススペシャリスト
午前II・午後I・午後II試験を徹底分析し、正解の導き方のテクニックを解説した、攻略本とも言えるオールインワンの参考書です。問題文の中に散りばめられているヒントを解説し、問題文の問いかけを効率的に理解するポイントを紹介していますので、自然に攻略法が身につきます。
▪著者:TAC情報処理講座 ▪ページ数:604ページ ▪出版社:TAC出版 ▪発売日:2024/02/20
【参考】:2024年度版 ALL IN ONE パーフェクトマスター データベーススペシャリスト
情報処理教科書 高度試験午前Ⅰ・Ⅱ 2025年版
データベーススペシャリスト試験は、午後対策が重要と言われていますが、午前試験を疎かにすると、午後問題で合格点を取っても不合格となります。そこで午前試験の対策も徹底しておきたい方に、本書はおすすめできます。
今後出題されやすい問題を厳選しているため、効率的に勉強を進められます。購入者特典として本書掲載の全500問を収めたWebアプリが利用できますので、スキマ時間の有効活用が行なえます。
▪著者:松原 敬二 ▪ページ数:664ページ ▪出版社:翔泳社 ▪発売日:2024/09/25
2025年度版 ALL IN ONE パーフェクト・マスター 共通午前Ⅰ
午前Ⅰ対策の基礎知識が身につくテキストと問題集です。知識編と問題編から構成されており、知識編では頻出キーワードが簡潔に解説されているほか、問題編でも再出題の可能性が高い過去問題を厳選して掲載してあります。午前試験Ⅰも外したくないが、勉強に時間を掛けたくない人におすすめします。
▪著者:TAC株式会社(情報処理講座) 編著 ▪ページ数:480ページ ▪出版社:TAC出版 ▪発売日:2024/08/20
【参考】:2025年度版 ALL IN ONE パーフェクト・マスター 共通午前Ⅰ
スッキリわかるSQL入門 第4版 ドリル256問付き!
午後Ⅰの選択問題ではSQLが必ず出題されます。それほど難しい問題は出題されませんので、SQLの基礎知識を押さえておくと確実に得点できます。本書はその名の通り、特訓ドリルが豊富に収録されています。
また、SQLの実行環境を用意しなくとも、Web上でシミュレートできる環境が付録として用意されていますので、実際に手を動かしながら体得できます。試験でもSQLを強みにしたい方には最適の1冊です。
▪著者:中山 清喬/飯田 理恵子 著、株式会社フレアリンク 監修 ▪ページ数:528ページ ▪出版社:インプレス ▪発売日:2024/02/05
【参考】:スッキリわかるSQL入門 第4版 ドリル256問付き!
スキマ時間を活用するなら学習サイトもおすすめ
通勤や移動中などのスキマ時間を利用して、スマホやタブレットで過去問演習に取り組みたい方には、無料で利用できる学習サイトもおすすめです。
過去問道場は、情報処理技術者試験の過去問を反復学習できるWebサービスとして有名です。この中にある「データベーススペシャリスト試験過去問道場」には、データベーススペシャリスト試験の過去問が325問あり、そこからランダムに出題されます。
解説も付いている上に学習履歴の管理もできるので、忙しい方の受験対策に最適です。
【参考】:データベーススペシャリスト過去問道場|データベーススペシャリスト.com
データベーススペシャリストの試験対策で体系的な知識が身につく
資格試験を受けることのメリットの1つは、受験に向けて勉強を進める中でその分野の知識やスキルが体系的に効率よく身についていくことです。データベーススペシャリスト試験の場合は、データベースを扱うための高度な知識が身につきます。
特に参考書は知識を体系的に身につけるのに有効とされています。参考書の内容自体が体系立って構成されており、前の章を見返すなどして各要素の相互関係を確認しやすいためです。
実務に活かすには、知識を体系的に理解できているかが非常に重要です。転職などの際にも、それは強みとなるでしょう。自身の今の知識で、あるいはこれからスキルアップすることでどのようなキャリアを実現できそうか、転職エージェントに相談するのもおすすめです。
エンジニア転職のご相談はぜひ
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データベースを扱えるITエンジニアの需要は高い
現代では業界を問わず各企業において「データの有効活用」が積極的に行われています。ビッグデータの存在が色濃くなっていることなどもあり、データドリブンな経営を行うことが企業の競争力を高めることに繋がっています。
データの収集と分析のためにはデータベースが欠かせません。そのため、データベースに関する知識とスキルを持っているITエンジニアは、多くの企業で重宝されると考えられます。
合格すればキャリアアップ・年収アップに繋がる
クラウドサービスの普及などにより各企業における専任のデータベースエンジニアは減少傾向にあることから、「データベーススペシャリストは役に立たない」などと言われることもあります。しかし、前述のようにデータベースを扱うスキル自体の需要は高いです。
データベーススペシャリスト資格の取得で高度な知識・技術を持っていることを証明できれば、キャリアアップや年収アップに期待できます。
データベースエンジニアの年収は「マイナビエージェント職業別年収ランキング/職種図鑑」での平均年収は424万円(※2024年10月執筆時点)で、国税庁2020年発表の民間給与実態統計調査における民間企業平均年収は433万円なので、一般平均年収よりもやや低めであることが分かります。
しかし、「スペシャリスト」という立ち位置で見ると、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」ではIT技術スペシャリスト(DB・NW・セキュリティ等)の平均年収は758.2万円と分かりました。
つまり、「スペシャリスト」を名乗ることができれば、大幅な年収アップも実現可能だと言えます。
【参考】:マイナビエージェント職業別年収ランキング/職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
データベーススペシャリスト資格をキャリアアップの足掛かりに
本記事では、データベーススペシャリストの合格に向けて、独学におすすめの参考書厳選8選について紹介しました。データベーススペシャリストは情報処理技術者試験の中でも最難関と言われる試験ですが、受験勉強と試験対策をしっかり行えば、独学による合格も夢ではありません。
データベーススペシャリストの出題問題自体は、しっかり勉強をしておけば必ず解ける問題が中心です。この記事を参考にして、ぜひデータベーススペシャリストに合格し、さらなる活躍やキャリアアップを目指してください。
そこでぜひご活用いただきたいのがマイナビIT エージェントです。
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・資格やプログラミングの勉強をしているけれど、企業が求めるレベルに達しているのかわからない ・スキルアップをして市場価値を上げていける企業の選び方を知りたい ・数多くあるITエンジニアの職種の中で、自分に向いている仕事は何か知りたい
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