データベーススペシャリスト試験の勉強方法とは?転職でどう活かす
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データベーススペシャリスト試験の勉強方法とは?転職でどう活かす
アンドエンジニア編集部
2023.10.31
この記事でわかること
データベーススペシャリストはビッグデータの活用をリードできる人材として活躍が期待される
データベーススペシャリストは地道な勉強の結果が出やすい試験である
データベーススペシャリストの独学合格には、おすすめの参考書と過去問による演習が近道

データベーススペシャリストの勉強方法

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情報処理推進機構(IPA)が実施する国家試験の中でも、最難関のレベル4に相当する「データベーススペシャリスト試験(DB)」はITエンジニアにとって憧れの資格の1つです。

データベーススペシャリスト試験はITエンジニアの中でも、主にデータベースの設計者や管理責任者を対象としています。ビッグデータ解析などで注目されるデータベース分野での活躍を目指す方は、是が非でも合格しておきたい試験の1つでしょう。

そんな方のために、ここではデータベーススペシャリスト試験に関して知っておきたいこと、効果的な勉強法などについて解説します。データベーススペシャリストへのチャレンジを検討している方はぜひ参考にしてください。

【参考】:データベーススペシャリスト試験(DB)

データベーススペシャリスト試験とは?活用できる仕事や効果的な勉強方法を解説
データベースとは?今更聞けないその内容をITエンジニアとして改めて学ぶ

午前と午後で対策を分けて取り掛かろう

データベーススペシャリスト試験は、午前試験と午後試験に分けて受験します。さらに、午前試験は午前1・午前2、午後試験は午後1・午後2のそれぞれ2種類に分けられます。

午前試験は「応用情報技術者試験」とほぼ同等の内容が出題され、選択式で出題されます。午後試験は長文問題によって出題され、記述式で回答します。

このように、午前・午後とそれぞれ試験形式が異なるため、午前対策と午後対策と分けて取り組む必要があります。参考書や勉強サイトをうまく活用することで、働きながらでも合格を目指せるでしょう。

応用情報技術者試験は難しすぎる?受験のメリットや対策方法を解説
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データベーススペシャリストの試験概要

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ここでは、データベーススペシャリスト試験の実施概要や難易度についてまとめました。なお、試験の情報は日々アップデートされていますので、最新の情報はIPAの公式サイトより確認しましょう。

【参考】:データベーススペシャリスト試験 | 試験情報 | IPA

データベーススペシャリスト試験とは

データベーススペシャリスト試験(DB)は、1988年に誕生した「オンライン情報処理技術者試験」を起源として、1994年にデータベースに特化した試験区分として分割され、2009年に「データベーススペシャリスト試験(DB)」に試験名称が改称され、現在に至ります。

これはIPA(情報処理推進機構)が主催する国家試験の1つで、「データベースに関する固有技術を活用して、情報システム基盤の企画、要件定義、開発、運用・保守における中心的役割を果たし、固有技術の専門家として技術支援を行う者」が対象です。

情報処理技術者試験の中でも高度情報技術者試験に分類され、最高ランクのレベル4に位置付けられており、非常に難易度が高く「難しすぎる」と言われる試験です。

昨今、ビジネスの場でビッグデータの活用が重要になっていますが、この資格取得により、ビッグデータの活用をリードできる人材として活躍が期待されます。

データベーススペシャリスト試験は秋期(10月)の年1回開催され、合格条件は、午前試験・午後試験ともに60%以上得点することが求められます。例年、午前試験は55問(四肢一択)、午後試験は記述試験で3問選択します。

試験の実施概要

▪受験資格 受験者に関する制限は特にありません。学歴、年齢を問わずどなたでも受験可能です。

▪受験料 7,500円(税込)

▪受験日程 年1回開催、秋期試験のみで10月第2日曜日です。 申込期間は、試験日の約3ヶ月前から3週間程度でインターネット申し込みのみです。

▪合格発表 12月下旬にIPAのサイトで公表されます。合格証書は合格発表の後に簡易書留で発送されます。 成績はIPAのサイトから、受験番号とパスワードで確認ができます。

▪試験会場 全国の主要都市で開催されます。

▪試験の構成

        形式     出題数   合格ライン   時間     備考 午前1:記号選択式 30 問    60 %   50 分 概ね 18 問以上正答なら合格ライン 午前2:記号選択式 25 問    60 %   40 分 概ね 15 問以上正答なら合格ライン 午後1:記述式   3 問中2問    60 %   90 分 午後2:記述式   2 問中1問    60 %   120 分

【参考】:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 試験要綱 【参考】:令和5年度秋期情報技術者試験案内書(PDF形式)|IPA

難易度や合格率

データベーススペシャリスト試験(DB)の公表されている合格率は、例年10数%前後と比較的難易度の高い試験です。

【参考】:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 統計資料

午前問題はトータルで四択問題が55問出題され、正答率60%が合格ラインです。受験対策をしっかり行っておけば、合格点は取れるでしょう。

特に2年以内にIPAの「応用情報技術者試験(AP)」に合格した人は、データベーススペシャリストの午前1試験が免除されますので、春期試験(4月)を受験して合格を勝ち取り、秋期実施のデータベーススペシャリスト試験に臨むという手もあります。

データベーススペシャリスト試験の午後問題は記述式であり、長文読解力が要求されるため、何が求められているのかを短時間で理解する能力が必要です。長文が苦手な方は普段から長文読解問題を繰り返して解き、慣れておくことが求められます。

データベーススペシャリストの難易度は?合格率や勉強方法を解説!

合格に必要な勉強時間

受験者の知識レベルやスキルレベル、実務経験の有無によっても異なりますが、SNSやネット掲示板などでの合格者の声から類推すると、未経験者では500時間程度、3年程度のプログラマー、システムエンジニア経験者で200時間程度が目安とされています。

未経験者であれば、試験日の1年前ぐらいから勉強計画を立てて準備をしておくことをおすすめします。

午前対策

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データベーススペシャリスト試験(DB)の出題範囲は、「応用情報技術者試験(AP)」の出題範囲と被っています。午前試験の出題範囲は非常に広く、まとまった勉強時間の確保が必要ですが、多忙な方には難しいかもしれません。

そこで満遍なく勉強するのではなく、過去の出題傾向から出やすいジャンルに絞り、重点的に勉強するといったメリハリをつけた勉強法をおすすめします。

午前1試験(50分)

午前問題は、応用情報技術者試験の午前問題から抜き出した30問で構成されます。出題範囲はシラバスに記載のテクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系の全分野です。

【参考】:データベーススペシャリスト試験(レベル4)シラバス|IPA

出題形式は小問形式で、配分はテクノロジ系が約60%、残りの40%はストラテジ系とマネジメント系からの出題です。最近はセキュリティ関係の出題が増える傾向にありますので、重点的に学習しておくことをおすすめします。

合格には60%以上18問以上の正答率が必要ですが、2年以内の応用情報技術者試験に合格していると、午前1問題が免除されますので、先に応用情報技術者試験の合格を目指して勉強しておくとよいでしょう。他、高度区分試験の午前試験に合格してから2年以内の方も午前1の受験が免除されます。

応用情報技術者試験試験は春と秋の年2回受験チャンスがありますので、春期試験合格を目指して勉強し、春期試験以降はデータベーススペシャリスト試験の合格を目指すという二段構えの試験対策が有効でしょう。

【参考】:応用情報技術者試験(AP)

午前2試験(40分)

午前2試験は、午前1の出題範囲から「コンピュータ構成要素」「システム構成要素」「データベース」「セキュリティ」「システム開発技術」「ソフトウェア開発管理技術」の6分野が出題され、より内容が高度になっています。

出題範囲の80%前後(20問)は「データベース」分野から出題され、その半数近くが過去出題の問題から出題されています。このことから、午前2試験対策は以下の対策が有効です。

▪データベース分野を集中的に勉強する ▪データベース分野の過去問を反復練習する

午後対策

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午後試験は午前試験の四択問題とは異なり、長文問題による出題で、回答は記述式です。長文問題は読解力が求められ、問題の意図を理解できないと正しい解答が難しくなります。午前試験がいくら高得点でも、午後試験で60%に達していないと不合格となりますので、真剣な対策が求められます。

午後1試験(90分)

午後1試験は大問が3問出題され、そこから2問を選択して解答します。それぞれ50点満点で、合わせて100点満点です。

1.データベース設計に関する問題 2.データベースの実装に関する問題 3.SQLの問題

出題パターンは上記の通り、遭遇した問題に対し、エンジニアとして具体的に行う対応や操作を問われます。時間配分に失敗すると、結果として1問を捨てる結果になりかねませんので、過去問や模試を時間を測りながら解く練習をしておきましょう。

SQLの問題は、構文を理解できていれば解ける問題が多くありますので、SQLを徹底的に学習しておくと点を稼げるでしょう。仮にSQLで80%を正答できれば、データベースの問題では40%以上正答で午後1試験は合格点に達します。

また、他の2問にもSQLに関する部分的な問題が含まれる可能性が高いので、SQLは必須問題と考えて対策を講じておいた方がよいでしょう。午後問題は全般的に、単語の丸暗記では解けない問題が中心です。

学習や過去問解答の際には、「この場面で○○の操作を行うのはなぜか」ということを常に考える習慣を身につけると理解が増し、試験の解答に役立ちます。

SQLとは?概要・できること・プログラミング言語との違いを解説

午後2試験(120分)

データベーススペシャリスト試験の中でも最も長時間なのが、午後2試験です。大問の2問からどちらか1問を選択します。(100点満点)午後1試験のように、得意な問題で苦手な問題をカバーするという対策ができませんので、1問に全精力を傾けなければなりません。

問題文は10ページにまたがる長文のため、先に問題文を読むのではなく、先に設問に目を通してから問題文を読むと、問題文が頭に残りやすいでしょう。

この方法により、問題文と設問を行ったり来たりすることが減り、時間の短縮にもなります。

例年、「物理データベース設計」と「論理データベース設計」それぞれに関する類似問題が出題されていますので、過去問を解きながら、どちらが高得点を得やすいか知っておくと重点学習がしやすくなります。

試験時期が近づき、勉強時間が足りなくなった時には、苦手な方を捨てて得意な方に絞って徹底的に過去問の反復演習、反復学習するとよいでしょう。

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独学でおすすめの教本と勉強サイト

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データベーススペシャリストを独学で合格を目指すには、最低限参考書を利用した勉強と過去問の回答が不可欠です。ここではおすすめの参考書と、オンライン勉強サイトをそれぞれ1つずつ紹介します。

情報処理教科書 データベーススペシャリスト 2023年版

シリーズの累計売上260万部という、定番の教科書です。学習法と解答テクニックに100ページを割き、初めて学ぶ人でも学びやすい構成です。テーマごとの出題率が数字で示され、SQLの基本構文解説や長文読解のコツなどが充実しています。

過去21年分の問題も紹介されており、1冊で試験対策ができます。

▪著者:ITのプロ46、三好 康之 ▪ページ数:648ページ ▪出版社:翔泳社 ▪発売日:2023/03/20

【参考】:情報処理教科書 データベーススペシャリスト 2023年版|翔泳社の本

データベーススペシャリストに一発合格できる?おすすめの参考書8選

データベーススペシャリスト ドットコム(過去問道場)

情報処理技術者試験の過去問を反復学習できるWebサービスとして有名な「過去問道場」ですが、この中に「データベーススペシャリスト試験過去問道場」があります。データベーススペシャリスト試験の過去問が325問あり、そこからランダムに出題され完全解説が付いたWeb問題集です。

通勤や移動中などスキマ時間を利用して、スマホやタブレットで過去問演習に取り組め、学習履歴の管理もできますので、忙しい人の受験対策に最適です。

「データベーススペシャリスト試験過去問道場」は午前2問題のみを収録しているため、午前1対策は「応用情報技術者試験ドットコム」の過去問道場を利用することをおすすめします。

【参考】:データベーススペシャリスト過去問道場|データベーススペシャリスト.com 【参考】:応用情報技術者試験ドットコム

データベーススペシャリストの資格を転職でどう活かす?

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データベーススペシャリストの資格を取得することで、キャリアアップや転職において有利に働きます。では、具体的にどのようにして活用したらいいのでしょうか。

資格が役立つ例

データベーススペシャリスト試験は、情報処理技術者試験の中でも最難関のスキルレベル4に位置する資格であるため、合格=上級システムエンジニアである証明になります。仮に現役システムエンジニアがこの試験に合格すると、スキルや知識の高さを企業にアピールすることができ、上位職へのキャリアアップにつながります。

また、転職市場においてはスキルが高く、実績の多い即戦力となるエンジニアが重宝されやすい傾向があります。そのため、データベーススペシャリスト試験に合格することは優良企業に転職するための大きなアドバンテージとなるでしょう。

データベーススペシャリストの年収は高い?資格試験についても解説!

データベーススペシャリストの年収

ここでは、データベーススペシャリストの年収例として、データベースエンジニアを参考に紹介します。

データベースエンジニアの年収は「マイナビエージェント 職種図鑑」では424万円(※2023年9月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種の「IT技術スペシャリスト(特定技術(DB・NW・セキュリティ等))」を参考にすると、平均年収758万円と分かりました。

国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、データベースエンジニアは平均年収と同等ですが、スペシャリストになると年収が一気に上がりやすくなります。

また、データベーススペシャリストを含むITエンジニアは、実績の多さや資格の保有によって年収の増減が大きく変わります。データベーススペシャリスト試験に合格して、年収アップを目指しましょう。

【参考】:マイナビエージェント 職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁

データベーススペシャリスト資格をキャリアアップの足掛かりに

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ここまでデータベーススペシャリストの試験概要と出題範囲、試験対策のコツや勉強法を中心に解説しました。データベーススペシャリストは情報処理技術者試験の中では難易度が高い試験ですが、試験対策をしっかり行うことで、確実に得点できる問題も少なくありません。

地道な勉強の成果が出やすい試験ですので、難しくても諦めずに挑戦しましょう。

また、データベーススペシャリスト資格や応用情報技術者資格は人気資格の1つであり、資格手当が支給される企業もあります。そういった優良企業に転職してスペシャリストを目指すのもおすすめです。もちろん、資格を取得した後に転職を検討するのもいいでしょう。

そういった場合に重要なのは、自分の能力を最大限に活かせる企業と出会うことです。普通の転職活動ではなかなか難しい部分もあるかもしれません。

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