「ITエンジニアを辞めたい…」と感じたときにすべきこととは
技術革新の最前線に立ち、IT業界を牽引する存在であるITエンジニアは、多くの人が憧れる職種です。企業のDX化が急がれる中、ITエンジニアは高い需要があり、給与やキャリアの成長が見込まれる職種でもあります。
一方で、仕事内容や待遇に疑問を感じ、「辞めたい」「転職したい」と考える方が多いのも事実です。「ITエンジニアを辞めたい」と感じた際、後悔しない選択をするには何をすべきなのでしょうか。
まずは「辞めたい理由」と「辞めた後のこと」を確認しよう
「ITエンジニアを辞めたい」と感じたら、辞めたい理由と辞めた後のことをしっかり確認することが大切です。仕事がきつい、大きな失敗をした、上司に叱られたなどの経験をすると、衝動的に仕事を辞めたいと思うかもしれません。
しかし、一時的な感情にまかせて行動してしまえば、せっかくのキャリアが中断されてしまったり、経済的な困難を招いたりする恐れがあります。そのため、まずは冷静になって辞めたい理由を明確にし、辞めた後の生活についても具体的にイメージしておきましょう。
「ITエンジニアを辞めたい…」と感じる主な理由
ITエンジニアを辞めたいと感じる主な理由を5つ紹介します。理由を明確にすることで、本当にやめるべきかの判断もしやすくなるので、ぜひ参考にしてください。
残業が多く自分の時間が持てない
ITエンジニアが関わるプロジェクトには、厳しい納期が設定されることがあります。そのため、作業が遅れて納期に間に合わないときは、残業が発生したり休日出勤を強いられたりするかもしれません。
また、ITシステムの障害や問題が発生した場合は、時間や曜日にかかわらず、素早い対応を求められることもあるでしょう。さらに、 ITエンジニアは常に新しい技術やツールに対応しなければならず、自分の時間が持てないと悩む方が少なくありません。
自分のスキルに合った仕事内容ではない
ITエンジニアと一口に言っても、実に多種多様な業種があります。自分のスキルに合った仕事を任せてもらえなければ、「思ったような成果が出ない」「仕事が楽しくない」と感じることも多くなるでしょう。
例えば、システムエンジニアとしての経験を活かしてシステムの設計や実装を行いたいのに、実際はプログラミングだけを任されるなど、せっかくのスキルを活かせないと感じた場合は、仕事を辞めたくなるかもしれません。
給料が仕事内容に見合っていない
例えば、システムエンジニアの年収を見てみると、「マイナビエージェント職種図鑑」での平均年収は431万円(※2024年5月執筆時点)でした。
また、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」からSE・プログラマ(顧客向けシステムの開発・実装)を参考にすると、平均年収593万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、システムエンジニアは企業や業種によって年収にばらつきがあるものの、平均程度〜やや高めの範囲にあると考えられます。
とはいえ、ITエンジニアは神経を使う職種であり、前述のように納期前には残業や休日出勤で対応しなければならないこともあります。また、常に新しいスキルを身につける必要もあるため、「給料が仕事内容に見合っていない」と不満に感じる方もいます。
【参考】:マイナビエージェント 職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
今の職場ではキャリアアップが望めない
経験を重ねるうちに、少しずつ大きな仕事を任せてもらえるようになるのが一般的です。また、責任ある役職に昇進することで給料もアップし、仕事へのモチベーションも高まっていくでしょう。
しかし、会社の業績が悪化していたり、評価基準が曖昧だったりする場合は、キャリアアップが望めない可能性があります。どれだけ仕事を頑張っても将来が不安定な状態では、仕事に対するやる気も削がれてしまいます。
人間関係でトラブルを抱えている
人間関係のトラブルも、「仕事を辞めたい」と感じる大きな理由になります。上司からのハラスメントはもちろん、同僚間の嫉妬や敵対心もトラブルの原因です。さらに、「女性だから」「男性だから」という差別に対し、ストレスを感じることも少なくありません。
また、1日中パソコンに向き合っていると思われがちなITエンジニアですが、職種によっては外部の人間と接する機会が多い方もいます。そのため、会社内だけでなく、会社外の人間関係に疲れてしまうことも考えられます。
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ITエンジニアを辞めるメリットとデメリット
ITエンジニアを辞めるにあたっては、具体的にどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。両者を比較してメリットの方が多いようであれば、「辞めてよかった」と前向きな気持ちで次に進めるでしょう。
主なメリットとデメリットをそれぞれ紹介します。
ITエンジニアを辞めるデメリット
ITエンジニアを辞めるデメリットには、主に以下のようなことが挙げられます。
・これまで培ってきた経験が無駄になる ・キャリアが中断するため市場価値が低くなる ・スキルのアップデートができないため、復帰は難しくなる ・転職先によっては年収が少なくなる可能性がある
ITエンジニアとして培ってきた経験が、無駄になることが大きなデメリットです。他の職種に転職してしまえば、せっかくの高度なスキルを放棄することになってしまいます。
また、1度キャリアを中断してしまうとスキルのアップデートができなくなるため、ITエンジニアへの再復帰は難しくなるかもしれません。さらに、転職先によっては、今よりも年収が少なくなる可能性もあります。
ITエンジニアを辞めるメリット
ITエンジニアを辞めるメリットとしては、主に以下のようなことが考えられます。
・長時間労働や休日出勤がなくなり、ワークライフバランスが改善する ・納期や高難度の欲求などのストレスから解放される ・別の職種に転職することで新たな経験値が得られる ・人間関係がリセットできる
残業や休日出勤など激務をこなしていた方は、ITエンジニアを辞めることで自由な時間が確保できるようになり、ワークライフバランスが改善する可能性があります。仕事のプレッシャーからも解放され、より健康的な生活を送れるようになるかもしれません。
また、別の職種にチャレンジすれば、また新たな気持ちで仕事に向き合えます。異なる業界や文化を知ることは、将来の成長にも繋がります。
ITエンジニアを辞める前に確認したい3つのポイント
ITエンジニアを辞めたい理由や、メリット・デメリットを明確にしても、「本当に辞めていいのか」「もったいないのではないか」と判断がつかないこともあるでしょう。そこで、ここではITエンジニアを辞める判断基準となる、確認ポイントを3つ紹介します。
職場が嫌なのか、職種が嫌なのか
「辞めたいのは今の職場なのか、それともITエンジニアという職種なのか」といった点は、非常に重要な確認ポイントです。職場に主な原因があり辞めたいと感じているのであれば、他社へ転職することで問題は解決できる可能性が高いでしょう。
一方、「パソコンに向かう仕事自体が辛い」「ITエンジニアには向いてない」など、職種自体に不満を感じる方は、できるだけ早く他の職種に転職した方が、将来的なメリットは大きくなると言えます。
自分が本当にやりたいことは何か
ITエンジニアを辞めて他の職種に転職したとしても、本当にやりたいことでなければ、またすぐに「辞めたい」と感じてしまうかもしれません。そのため、まず自分は何をしているときが1番楽しいのかを、改めて考えてみることが大切です。
ただし、そのような希望を叶えるためには、自分のやりたい仕事ができる転職先に出会う必要があります。今の職場を辞める前に、条件や環境をしっかりリサーチしておかなければなりません。
働きながら新たな活躍の場を探す際は、自分のスキルにあった企業を探してくれる転職エージェントの活用をおすすめします。転職エージェントを利用することで、より効率的に理想の転職先を見つけられるでしょう。
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新しい仕事を1から覚える覚悟はあるか
ITエンジニアを辞めるということは、身につけたスキルを手離して、新たなスキルを身につけるということです。異業種に転職すれば、当然ながらまた1から仕事を覚えなくてはなりません。
30代や40代などある程度キャリアを積んだ方でも、異業種に転職すれば自分より歳下の上司の元で働かなくてはならないこともあります。
自分のスキルとキャリアを放棄し、新人と同じ環境で1から仕事を覚える覚悟はあるのかどうか、今1度考えてみることが大切です。
ITエンジニアを辞めた後の転職を成功させる方法
ITエンジニアを辞めると決意した人が、その後の転職を成功させる方法を紹介します。後悔のない転職をするために、ぜひチェックしておきましょう。
退職までのスケジューリングを行う
ITエンジニアは常にプロジェクトを抱えていることも多く、なかなか転職のタイミングが掴めない方も多いでしょう。そのため、できるだけ早い段階で退職までのスケジューリングを行う必要があります。
プロジェクトの進行中や繁忙期は避けて、引継ぎの時間もしっかり確保することが重要です。また、就業規則では退職を申請する時期について明記されていることもあるので、トラブルを避けるためにもしっかり確認しておきましょう。
資格やキャリアの棚卸しをする
「学生時代を含めてどういった資格を取得してきたか」「ITエンジニアとしてどのような仕事に何年携わってきたか」など、これまでの経験をしっかり振り返って整理します。
改めてキャリアをまとめることで、自分では気づかなかった強みが発見できるかもしれません。また、自分の強みを明確にすれば、面接の際も自信を持ってアピールできるでしょう。
経験が活かせる職種を選ぶ
例えば、「プログラミングのスキルを活かして、プログラミングスクールの講師になる」「クライアントとのコミュニケーション経験を活かして、営業職に転職する」など、ITエンジニアの経験を活かして、異業種に挑戦してみるのも良いでしょう。
ITエンジニアを辞めたとしても、これまでの経験が活かせる職種を選ぶことで、より早く仕事に馴染める可能性があります。
ITエンジニアを辞めたいときは理由を明確にしよう
ITエンジニアは将来性のある人気の職種ですが、仕事を辞めたいと感じる人がいるのも事実です。しかし、実際は職場に問題があることも多いため、まずは辞めたい理由を明確にすることが大切です。
その結果、今の職場にいる以上問題が解決しないと判断できた場合は、思い切って転職を視野に入れて行動しましょう。
ただし、ITエンジニアが転職を成功させるためには、企業を徹底的にリサーチして、自分に合った職場を見つけなければならず、ハードルの高さから転職を諦めている方がいるかもしれません。
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