データベースエンジニアはきついって本当?その理由とは
データベースエンジニアは、ITエンジニアの中でもITインフラの根幹を担う、専門性の高い職種です。SEやインフラエンジニアなど他のエンジニアから、データベースエンジニアへの転職を考える方もいるのではないでしょうか。
しかし、データベースエンジニアはきついという意見も見受けられます。他の職種のエンジニアでも、職種の内容や特徴によってきついと感じることがあるものですが、データベースエンジニアは一体どのような点がきついのでしょうか。
データベースエンジニアにはきついこともあるが、やりがいもある
データベースエンジニアは、開発プロジェクトの中でも重要なデータベースを扱うという責任を持ち、高度なデータベースのスキルも必要とされる難しい仕事であることは確かで、それがきついというのも頷けます。
しかし、その一方でやりがいも十分あり、専門性が高くなれば年収のアップも見込める職種です。この記事では、データベースエンジニアの仕事内容や年収を説明し、具体的にきついと言われる理由について解説します。
そして、データベースエンジニアとして働くやりがいや、どのような人がデータベースエンジニアとして活躍できるのかについても説明していきます。
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そもそもデータベースエンジニアとは?
データベースエンジニアは、あらゆるシステムやソフトウェアにとってなくてはならないデータベースを扱うエンジニアです。ここでは、その仕事内容や将来性、年収などについて説明します。
データベースエンジニアの仕事内容
データベースエンジニアは、データベースの専門家です。Microsoft SQL ServerやOracle Databaseなどのデータベースソフトウェアを使用してデータベースの設計・開発や、運用・管理を行います。
1.データベースを設計・開発する 開発するシステムが要求するデータベースの設計や開発を行います。データベースは顧客の業務内容や環境に即したデータを扱うため、顧客企業の詳しい業務フローを確認し、時には業界の専門用語や専門知識についても理解を深めながら、必要なテーブルや項目(カラム)などを洗い出して行きます。
システムに必要なデータ要件が揃ったら、データの定義表を作成して重複チェックなどデータベースの正規化を行い、ER図(エンティティ・リレーションシップ図)を作成して、データベースを構築します。
2.データベースを運用・管理する 開発したデータベースが正しく動くように運用・管理します。データベースのアクセス権限の管理や、定期的なデータのバックアップ、データベースの最適化や効率化などが主な仕事です。
データベースへの不正侵入やデータ窃取を防ぐためのセキュリティ対策もデータベースエンジニアの重要な役割です。
データベースエンジニアの将来性
インターネットサービスの普及や、AI・IoTなどのIT技術の発展が進む中で、ビッグデータの活用が盛んになり、そのデータを格納するためのデータベースは、今後ますます重要性を増すと考えられます。
社会全体としてデジタル人材の不足が懸念されている背景もあり、データベースエンジニアは将来性のある職種であると言えます。
これからのデータベースエンジニアは、従来のデータベーススキルに加えて、クラウドやビッグデータ、ディープラーニングなどの技術に対応できるように幅を広げることで、さらに重宝されるでしょう。
データベースエンジニアの年収
データベースエンジニアの年収は「マイナビエージェント職業別年収ランキング/職種図鑑」での平均年収は424万円、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のIT技術スペシャリスト(特定技術(DB・NW・セキュリティ等))を参考にすると、平均年収758万円と分かりました。
国税庁2020年発表の民間給与実態統計調査における民間企業平均年収は433万円なのでデータベースエンジニアは一般平均年収と同等か、やや高めであることが分かります。
データベースエンジニアは、他のデータベースエンジニアよりも多くのデータベース製品を扱えたり、AI開発などデータベース以外の幅広いスキルや知識も身につけることで、より高収入となる傾向があります。
【参考】:マイナビエージェント職業別年収ランキング/職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
データベースエンジニアがきついと言われる理由
データベースエンジニアがきついと言われるのは一体何故なのでしょうか。ここでは、その理由を具体的に見ていきましょう。
責任の重い役割である
データベースは企業の貴重な財産とも言える顧客情報や企業機密などのデータを格納するものです。データベース設計の不備のためにシステムがダウンしたり、データの不整合や損失が発生すると、企業は大きな損失を被ります。また、個人情報の流出などがあれば、企業にとって重大なインシデントとなります。
そのため、データベースエンジニアはデータベースの設計から運用まで常に慎重さと正確さが必要であり、セキュリティ対策も考慮しなければならない責任の重い仕事です。これが人によっては大きなプレッシャーになり、きついと感じられる理由でしょう。
大切な仕事なのに注目を浴びにくい
データベースエンジニアは問題なく稼働することが前提と考えられがちで、その正常稼働を担うデータベースエンジニアの仕事は、システム開発担当エンジニアに比べると成果が見えにくく、縁の下の力持ちといったようなポジションです。
地道にデータベースを設計・構築し、稼働が始まれば正常な稼働のためにログ監視業務やメンテナンスを行うなど、周囲に気づかれにくい大切な仕事を行います。そのため、いわゆる裏方の仕事に魅力を感じない人にとってはきつい仕事と言えるかもしれません。
データベースエンジニアはチームに1人であることが多い
データベースエンジニアは、プロジェクトの中でデータベースの専門家として1人でデータベース関連の業務に携わることがほとんどです。そのため、データベースに関連するタスクが重なると激務となり、残業が多くなる場合もあります。
また、周りがシステム開発メンバーばかりで、データベース担当が1人という環境では孤独に感じることもあるでしょうし、リーダーもデータベースに詳しくなく、データベースに関して相談できる相手がいないというケースもあることから、データベースエンジニアはきついと言われることがあるようです。
データベースエンジニアとして働くやりがい
データベースエンジニアとして働く中には、きついことばかりではなく、それらを上回るようなデータベースエンジニアならではのやりがいもあります。
チームの主要メンバーとして活躍できる
データベースエンジニアは、システムの根幹を担うデータベースの設計・開発を行うため、プロジェクトの当初からシステムの設計に深い関わりを持つことになります。そのため、開発のメンバーとのやりとりも多く、場合によっては必要なデータの洗い出しのため顧客へのヒアリングも行うこともあります。
このように、データベースエンジニアはチームの主要メンバーとして動くやりがいを感じられるでしょう。
重要な仕事や規模の大きな仕事に関わりやすい
データベースエンジニアは規模の大きい案件に関わることもあります。時には、政府関連団体の機密情報を扱う案件や、銀行や証券会社のように重要かつ膨大なデータ処理を行うデータベースを担当する案件もあるでしょう。
責任は重大ですが、その分やりがいも大きく、仕事を通して社会的な貢献を果たす達成感を得ることもできます。
良いデータベースを作れば効率化や企業の業績アップに繋がりやすい
データベースには、顧客情報や、企業の運用に伴って蓄積される営業データなど、活用することにより企業の業務改善に役立ったり、企業の利益に繋がったりするデータが格納されます。
そのため、自分が行うデータベースの運用管理が、企業にとって貴重な財産であるデータを積み上げていると感じられることが、大きなやりがいの1つでもあります。
業務の幅が広く新しいIT技術にもアプローチできる
データベースエンジニアは、常に進歩する最新のデータベース製品や、新しい運用方法を身につけていくことができます。
また、データベースに関連するIT技術として、ビッグデータを活用したデータサイエンスや、あらゆるモノがインターネットにつながるIoTなどが発展を続けています。
最新IT技術に興味があり、向上心に溢れる人であれば、このような最新のIT技術に触れやすいデータベースエンジニアにやりがいを感じることでしょう。
データベースエンジニアとして活躍できる人とは
どのような人がデータベースエンジニアに向いているのでしょうか。データベースエンジニアに興味があるけれど、自分に合う職種かどうかの判断に迷う人のために、データベースエンジニアとして活躍できる人の特徴について解説します。
長期的計画を立てて将来を見据えた仕事ができる人
データベースエンジニアには、システムが正常に運用するよう、正確で緻密なデータベース設計が求められます。
また、データベース構築の際に、システムが稼働を開始した後でデータの不整合を起こすリスクがないかをあらかじめ想定する先見性も必要とされます。
そのため、綿密で長期的な計画を立ててプロジェクトを進めることができ、先々に考えられるトラブルを予見したり、将来を見据えた仕事ができる人は、データベースエンジニアに向いていると言えます。
問題解決能力が高い人
データベースエンジニアの業務は、日々、問題解決を求められる仕事でもあります。システムとデータベースの連携がうまくいかなかったり、データ処理が遅いなど、多くの課題と向き合うことが必要になります。
その問題解決には、データの流れを追ったりデータベースの設計を再確認したりするなど、地道で根気がいる調査が必要な場合も多いです。そのため、問題解決能力が高い人や、問題解決に楽しさを感じられる人はデータベースエンジニアに向いているでしょう。
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勉強が好きで向上心がある人
IT技術は日々進歩を続けており、データベースが管理・蓄積するデータは、IT技術とは切り離せない関係を持っています。データベースだけでなく、IT技術の進歩に興味があり、知識をインプットすることを楽しめる向上心がある人は、データベースエンジニアに向いています。
データベースエンジニアとしてスキルアップを目指すため、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)主催の「データベーススペシャリスト試験」や、日本オラクル社主催の「オラクルマスター(ORACLE MASTER)」などの資格試験も多数あり、やる気次第でどこまでも高みを目指していける職種でもあります。
【参考】:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:制度の概要:データベーススペシャリスト試験 【参考】:ORACLE MASTER Portal - be an ORACLE MASTER - | オラクル認定資格制度 | Oracle University
データベースエンジニアとしてプロフェッショナルな仕事を目指そう
ここまで、データベースエンジニアの仕事内容や、きついと言われる、データベースエンジニアとして働くやりがいや向いている人の特徴について説明してきました。データベースエンジニアは高い技術力で社会的にも責任ある役割を担い、大きなやりがいを感じられる仕事であることがお分かりいただけたと思います。
しかし、データベースエンジニアに転職することを考える場合、1人での転職活動は難しいケースも多いです。希望する働き方ができるデータベースエンジニアの求人を探して、自分のエンジニアとしてのスキルを面談で上手にアピールする必要があります。
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