アンドエンジニアのYouTube版『アンドエンジニアチャンネル』では、AI時代で生き残ることができるエンジニアについて対談動画を公開しています。興味のある方はぜひ下記よりご覧ください!
AIエンジニアとデータサイエンティスト
AIエンジニアは主に機械学習エンジニアを指します。機械学習エンジニアとは、機械学習のアルゴリズムを開発したり実装したりするエンジニアです。データサイエンティストも広い意味ではAIエンジニアの1職種ですが、機械学習エンジニアとは異なる面が少なからずあります。
AIエンジニアを目指す方の中には、将来目標として機械学習エンジニアか、データサイエンティストかの選択で迷っている方が少なくないかもしれません。
この記事では、AIエンジニア(機械学習エンジニア)とデータサイエンティストとの違いを明らかにし、どちらを目指すべきかの判断材料を提供していきます。特に、未経験からAIエンジニアを目指す方の参考になれば幸いです。
AIエンジニアとデータサイエンティストは異なる職種
データサイエンティストは広義ではAIエンジニアの1職種ですが、その役割はAIエンジニアとは大きく異なっています。AIエンジニアは一般的には機械学習エンジニアと同義です。AIエンジニアはAIの開発が主な役割ですが、データサイエンティストはAI技術を活用してデータの分析と活用を行います。
職種選択で迷っている人は、「AI技術の開発を行いたいのか」「AI技術を活用したいのか」の視点で考えてみると目標を定めやすいかもしれません。
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AIエンジニアとデータサイエンティストの違い
AIエンジニアは主に機械学習を用いてAIを作るのが仕事ですが、データサイエンティストは主にAIを活用する立場です。それぞれ立ち位置は異なりますが、必要とされるスキルは共通するものが多くあります。
そのため、AIエンジニアを目指して勉強中の方は、興味や適性次第ではデータサイエンティストを目指すことも可能です。ここでは、仕事内容、必要なスキル、年収などからAIエンジニアとデータサイエンティストの違いを見ていきましょう。
仕事内容の違い
AIエンジニアとデータサイエンティストの仕事内容の違いについて確認しておきましょう。
■ AIエンジニアの仕事 AIエンジニアの仕事は、システムエンジニア(SE)の仕事とよく似ており、クライアントの要望に基づいてAI開発に関する企画・要件定義・基本設計など上流工程を担当します。さらに、AI開発に必要なデータ収集・モデルの構築・AIの学習・テストと評価などを行います。
■ データサイエンティストの仕事 データサイエンティストの仕事はコンサルタントに似ており、最初にクライアントが抱える課題を見つけ、目標設定を行います。その課題解決に向けて、必要なデータを収集し、AI技術を駆使して大規模データの分析を行い、そこから解決策を見出します。
そのため、AIに関する知識・技術に加え、経営や戦略などに関する知識が求められます。データサイエンティストとよく似た職種で、データアナリストがありますが、データアナリストはクライアント寄りの職種で、分析データのビジネスへの活用がメインの職種です。
他にはデータエンジニアという職種がありますが、データエンジニアはデータ分析に必要なデータ環境を用意することが主な役割です。
【参考】:データサイエンティスト - 職業詳細 | 厚生労働省
必要なスキルの違い
AIエンジニアとデータサイエンティストの仕事が大きく異なっていることが分かりましたが、仕事の特性が異なる以上、求められるスキルも異なってきます。ここでは、求められるスキルの違いについて見ていきましょう。
■ 共通して求められるスキル 両者に共通して必要とされるスキルは、Pythonなどのプログラミングスキル、データベースに関するスキルです。
「プログラミングスキル」 AIエンジニア、データサイエンティストともにプログラミングスキルが欠かせません。機械学習やAIの開発で最も利用されるプログラミング言語はPythonですが、データ分析でもPythonを頻繁に利用します。Pythonにはデータ分析、解析に関するライブラリが豊富にあるからです。
「データベースに関するスキル」 AIエンジニアの主な仕事である機械学習や深層学習では、大量のデータをAIに与えて反復学習させますが、データサイエンティストもAIを用いてビッグデータを分析し、データから最適解を求めます。
そのため、いずれのエンジニアにもデータベースの操作や運用に関するスキルが必要なのです。
具体的にはDBMS(データベース管理システム)に関するスキルと、データベース言語「SQL」に関する知識が必要です。
■ AIエンジニアに求められるスキル AIエンジニアはLinuxOSを利用した開発や、環境構築に関する知識が求められます。最近では、クラウド上のLinuxサーバーを利用した開発が一般化していますので、クラウドに関する知識も必要です。他、機械学習には機械学習のライブラリをよく利用しますので、ライブラリを扱えるスキルも求められます。
■ データサイエンティストに求められるスキル データサイエンティストはAIを活用して、ビッグデータの分析を行い、その分析結果に基づいてクライアントに提案や報告を行います。また、コンサルタントと同様に経営や戦略面での現状分析と解決策の提示なども行います。
以上のことから、レポーティングスキル、提案スキル、ビッグデータ解析やBIツールに関する知識が求められます。データサイエンティストはAIによって代替される職種との意見もありますが、高い問題解決能力や提案力が求められるデータサイエンティストがAIに代替される可能性は極めて低いと考えられます。
年収の違い
AIエンジニア(機械学習エンジニア)に比較的近しいシステムエンジニア(制御・組み込み)の年収は「マイナビエージェント 職種図鑑」では455万円(※2023年5月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のSE・プログラマ(ソフトウェア製品の開発・実装)を参考にすると、平均年収568万円と分かりました。
一方、データサイエンティストに近しいITコンサルタントの年収は「マイナビエージェント 職種図鑑」では512万円(※2023年5月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のコンサルタントを参考にすると、平均年収928万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円ですので、AIエンジニアもデータサイエンティストの職種も一般平均年収よりも、やや高めであることが分かります。
総合的に見て、データサイエンティストの年収はAIエンジニアよりは高いと推察できますが、AIの進展や普及次第では、AIエンジニアの年収が今後大きく伸びる可能性も想定されます。
【参考】:マイナビエージェント職種図鑑(システムエンジニア(制御・組み込み)) ※【平均年収 調査対象者】2019年12月~2020年5月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:マイナビエージェント職種図鑑(ITコンサルタント) ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
データサイエンティストを目指す人もまずはAIエンジニアになろう
AIエンジニアとデータサイエンティストの違いについては理解できたでしょうか。データサイエンティストを目指す方は、まずはAIエンジニア経験を積むことをおすすめします。
なぜ先にAIエンジニアを目指すのか
データサイエンティストは、ITコンサルタントに近いAIエンジニアです。ITコンサルタントはある程度システムエンジニアを経験した方のキャリアパスとして位置づけられ、SEからキャリアアップする方もおり、データサイエンティストもAIエンジニアの経験を積んだ後に目指すのが自然です。
どうすればAIエンジニアになれるのか
AIエンジニアはさまざまなスキルが求められます。特に未経験者の方がいきなりAIエンジニアを目指すのは簡単なことではありません。次の5つのステップを一段ずつ上がっていくことをおすすめします。
■ AI開発の基礎レベルを身に付ける まずはPythonのプログラミングスキル、データベース言語SQLのスキルを身に付けましょう。プログラマーはシステムエンジニアの登竜門とも言われます。AIエンジニアを目指す方もプログラミングスキルをしっかり身に付けておきましょう。
■ AI開発の環境構築のスキルを身に付ける AIの開発は開発環境を準備、整備するところから始まります。Pythonの開発環境構築、DBMS「データベース管理システム」の導入は必要スキルとして身に付けておきましょう。DBMSについては無償で利用できるMyDQLをおすすめします。
■ AI開発のスキルを身に付ける PythonやSQLの練習問題を解きながら、AI開発のスキルを身に付けていきましょう。最初は感覚がつかめなくとも、いくつもの練習問題を解くうちに次第にAI開発について理解できるようになります。
【参考】:プログラミング言語 Python 総合情報サイト | python.jp 【参考】:MySQL
■ AIエンジニアに役立つ資格を取得する AIエンジニアにおすすめの資格としては、「Python 3 エンジニア認定基礎試験」があります。こちらの資格を取得できたら、次は「Python 3 エンジニア認定データ分析試験」に挑戦しましょう。他、スキル証明となる「G検定」と「E資格」もおすすめします。
【参考】:Python 3 エンジニア認定基礎試験 【参考】:Python3 エンジニア認定データ分析試験 【参考】:G検定とは|日本ディープラーニング協会 【参考】:E資格とは|日本ディープラーニング協会
■ AIエンジニアとして転職する
AIエンジニアを目指してスキルを磨いたら、AIエンジニアを求める企業に転職しましょう。勤務先にAI開発部門がある方は、自社内でのキャリアアップを目指せますが、そうではない方は転職がAIエンジニアへの早道です。
初めての方にとって転職活動はかなりの負担を伴いますので、転職エージェントの活用をおすすめします。
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データサイエンティストを見据えてAIエンジニアを目指そう
本記事では「AIエンジニアとデータサイエンティスト」をテーマに、それぞれの職種の違い、求められるスキルの違い、年収の違いや、AIエンジニアを目指す方法について解説しました。
AIエンジニアとして採用し、育ててくれる企業、データサイエンティストにキャリアアップさせてくれる企業への転職が夢を叶えるための近道だと分かりました。
しかし、今の仕事を続けながら、勉強や資格試験に取り組み、AIエンジニアとして採用し、育成してくれる企業、自分の能力を引き出してくれる企業を探しだすのは容易なことではありません。
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