G検定の勉強法とは

AI技術の急速な進化は、私たちの生活やビジネスに大きな影響を与えており、AIに関する知識を持つ人材の需要が急増しています。その能力を証明する資格として、「G検定」が注目されています。
G検定の資格を取得することで、AIに関する一定の理解があることを証明できます。G検定はAIに関わるビジネスパーソンから、AIに興味を持つすべての方におすすめの資格です。
この記事では、G検定に合格するための基本知識や勉強法について解説するので、AIに関わる企業への転職を目指す方はぜひ参考にしてください。
G検定とは何か
G検定(ジェネラリスト検定)とは、日本ディープラーニング協会(JDLA)が主催する、AIの基礎知識や活用事例に関する知識を問う試験です。ディープラーニングに関する基礎知識の他、適切な活用方法や方針を定めて事業に活用する能力や知識を証明します。
ディープラーニング検定は「G検定」と「E資格」の2種類があります。両者の違いは、G検定が主に事業などへの活用を図るジェネラリスト向けであるのに対し、E資格はディープラーニングの実装を行うエンジニア向けの資格である点です。
G検定の目的は、ディープラーニングをはじめとするAIに関する様々な技術的な手法や、ビジネス活用のための基礎知識を習得することと、AIを事業に活用するためのリテラシーを身につけることにあります。
【参考】:G検定とは - 一般社団法人日本ディープラーニング協会【公式】 【参考】:E資格とは |一般社団法人日本ディープラーニング協会【公式】


ぜひ『マイナビIT エージェント』をご活用ください!
試験概要
ここで、G検定の試験概要について確認しておきましょう。ここにまとめた内容は2025年3月時点の情報なので、受験する際には公式サイトで、最新情報を確認するようにしてください。
▪試験概要:多肢選択式・220問程度 ▪試験範囲:シラバスの範囲から出題 ・人工知能とは ・人工知能をめぐる動向 ・機械学習の概要 ・ディープラーニングの概要 ・ディープラーニングの要素技術 ・ディープラーニングの応用例 ・AIの社会実装に向けて ・AIに必要な数理・統計知識 ・AIに関する法律と契約 ・AI倫理・AIガバナンス ▪試験日程:通常年6回(以下2025年) ・第1回 2025年1月11日(土)13:00〜15:00 ・第2回 2025年3月7日 (金)16:00〜18:00 2025年3月8日 (土)13:00〜15:00 ・第3回 2025年5月10日(土)13:00〜 ・第4回 2025年7月4日 (金)16:00〜 2025年7月5日 (土)13:00〜 ・第5回 2025年9月6日 (土)13:00〜 ・第6回 2025年11月7日 (金)16:00〜 2025年11月8日(土)13:00〜 ▪試験時間:120分 ▪受験方式:オンライン受験 ▪受験資格:制限なし ▪受験費用:一般/13,200円(税込)、学生/5,500円(税込) ※受験日から2年以内は半額(一般/6,600円、学生/2,750円)
【参考】:G検定試験出題範囲(シラバス 2024) 【参考】:G検定申し込み方法(個人)【公式】


受験前に知っておきたいこと

G検定の受験に際しては、勉強以外にも様々な準備や予備知識が必要です。ここでは、受験する上で知っておきたいこととして、G検定の申し込み方法、受験までの流れ、合格率や難易度などについて解説します。

申し込み方法
G検定の試験概要が分かったところで、続いて試験を個人で申し込みをする方法について紹介します。
1.JDLA受験アカウントの新規登録 G検定やE資格を初めて受験する人は、JDLA受験アカウントの取得が必要です。以下のサイトにアクセスして利用規約に同意した後に、アカウント作成に必要な個人情報やパスワードなどの登録を行ってください。
【参考】:JDLAアカウント | JDLA Internet-Based Testing
2.受験チケットの購入 G検定の受験申込を行う際には、予め受験チケットを購入しておく必要があります。受験チケットはいつでも購入でき、購入日より1年間有効です。チケットの支払い方法は、クレジットカード決済、コンビニ決済のいずれかです。
【参考】:JDLA 受験チケット購入サイト
3.G検定の受験予約 JDLAの受験アカウントを取得し、受験チケットを購入したら、試験日程を確認した上で、取得済みのアカウントとパスワードを用いてG検定の受験申し込みを行います。試験の内容などは受験ページ(マイページ)で確認できます。
受験料は13,200円(一般)ですが、学生は5,500円(税込)、前回試験から2年以内の人は半額の6,600円(税込)になります。
【参考】:G検定(ジェネラリスト検定)受験日程予約サイト 【参考】:G検定(ジェネラリスト検定)受験サイト

申し込み後の流れ
ここまでG検定試験の申し込み方法について解説しました。受験申し込みが済んだ後の流れについて確認しておきましょう。
1.案内メールが届く 受験申込が済むと、マイページのアドレスや注意事項がメールで届きます。試験はオンラインで自宅のパソコンなどを用いて行うため、その推奨環境を確認します。利用するブラウザの種類やバージョン、モニターの解像度、ネットワーク回線などの注意事項が記されているので、必ず目を通して準備しましょう。
2.リマインドメールが届く G検定の試験日が近づくと、受験日時や、受験サイトのURL、受験に関する注意事項、合格通知の方法などが記されたリマインドメールが届くので必ず確認しましょう。
3.合否通知メール 合否は試験実施日から2〜3週間後にメールで通知されます。メールには合否や合格証発行(PDF)、合格認証ロゴ(ダウンロード)、「合格者コミュニティ(CDLE)」への招待などが記されています。
【参考】: よくある質問 - 一般社団法人日本ディープラーニング協会【公式】 【参考】: G検定受験チュートリアル(動作確認:サンプル試験) 【参考】: JDLA G検定受験サイト 受験当日の操作マニュアル
G検定の難易度
G検定の合格率は65%〜75%程度と高く、難易度はさほど高くありませんが、受験対策や勉強を怠ると合格は難しいでしょう。合格ラインは公開されていませんが、30%前後の方が不合格であるため、経験者でもしっかりとした対策は必要だと言えるでしょう。
【参考】: 【「2024年 第6回 G検定(ジェネラリスト検定)」開催結果】|【公式】

合格に必要な勉強時間
G検定に合格した人の学習時間はどの程度なのでしょうか。JDLAのG検定合格者アンケート(2024年2回目実施)によると、最も多いのが39%の「30〜50時間」、「15〜30時間」が21.7%、「50〜70時間」が15.39%でした。
合格者の76%は、15時間〜70時間程度は勉強していたことになります。差はありますが、AIや深層学習などの知識を持たない初心者の方は、70時間程度は勉強した方が良いでしょう。
【参考】: G検定合格者に聞きました
G検定はカンニングをしても良い?
G検定は自宅からオンラインで受験でき、試験監督やWebカメラによる監視がありません。そのため、カンニングは可能ですが、不正な手段で合格しても実力が伴わなければ意味がありません。
就職や転職でスキルを証明したいのであれば、正攻法でしっかりと学習しましょう。


エンジニア転職のご相談はぜひ
『マイナビITエージェント』へ!
G検定合格者の年収

G検定合格者の多くの方が目指すと思われる、システムエンジニアの年収を見てみましょう。
「マイナビエージェント 職種図鑑」によると、システムエンジニアの平均年収は431万円(※2025年3月執筆時点)です。また、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」における「エンジニア/プログラマ」を参考にすると、592万円でした。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、システムエンジニアは国内の平均年収と同等か、それより高い年収が得られるとみられます。
JDLAによると、G検定はAIやディープラーニングを活⽤するためのリテラシー習得を目的としており、合格者の半数近くが現役エンジニアが占めています。エンジニアはソフトウェアを作成しますが、作成においては活用する側の視点が重要です。
さらに、活用スキルはプロジェクトリーダーやITコンサルタントなど、システム開発の上流側の職種で特に求められるので、キャリアアップや年収アップを目指す人に役立ちます。
【参考】:マイナビエージェント 職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
G検定に合格するための勉強方法

ここでは、G検定合格のための学習ロードマップを、初心者向けと経験者向けに分けて解説します。これらのロードマップはあくまで一例ですので、自身の学習スタイルやスケジュールに合わせて調整しましょう。

初心者向けの学習ロードマップ
まずはAIやディープラーニングの知識が全くない、あるいはほとんどない方を対象としたロードマップの例です。おおよそ2ヶ月間、100時間程度の学習時間を想定しています。
1.全体像の把握(1週間) G検定の公式サイトや参考書で、試験範囲や出題傾向を把握し、「AI」「機械学習」「ディープラーニング」といった用語の基本的な意味を理解します。AIの歴史や社会における活用事例など、背景知識を学びます。
2.教材選定と基礎学習(2週間) 初心者向けの参考書やオンライン講座を選び、学習を開始します。まずは、AIの基礎概念や機械学習の仕組み、ディープラーニングの概要など、基本的な知識を体系的に習得します。JDLA推奨のテキストを使用したり、勉強サイトの確認テストなどを活用したりなど、理解度を確認しながら進めましょう。
【参考】:G検定について(試験概要・学習方法・試験対策・合格者体験談) - 一般社団法人日本ディープラーニング協会【公式】 【参考】: 深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト)公式テキスト 第3版|翔泳社 【参考】: G検定対策・勉強アプリ スキマ時間でG検定対策の勉強ができる | スキルアップNeXt
3.実践問題演習(2週間) 過去問や模擬試験に取り組み、実践的な問題解決能力を養います。間違えた箇所は復習して理解を深めます。問題集を繰り返し解くことで、出題傾向や時間配分に慣れます。JDLA推奨の模試や問題集を活用することもおすすめです。
【参考】: 徹底攻略ディープラーニングG検定ジェネラリスト問題集 第3版|インプレス 【参考】: ディープラーニングG検定(ジェネラリスト) 法律・倫理テキスト|技術評論社
4.苦手分野の克服と総復習(1週間) 過去問題集や模擬試験の結果から、自分の苦手分野を特定して重点的に学習し、試験直前は全体の復習を行って知識の定着を図ります。
【参考】: 【全200問の模擬試験付き】G検定に合格するための集中講義!人工知能(AI)について体系的に学ぶ(初心者向け)
5. 試験対策(1週間) 試験時間内に全問解答できるよう、時間配分の練習をします。また、JDLAの公式サイトやJDLAの案内メールなどを確認し、オンライン受験の操作方法を確認しておきます。
経験者向けの学習ロードマップ
続いて、現役エンジニアの方、AIやディープラーニングに関する知識や実務経験がある方を対象としたロードマップ例を紹介します。自身のスキルや経験を勘案して、自身に合ったロードマップを作成してください。ここでは1ヶ月半、50時間程度の勉強時間をモデルにしています。
1.試験範囲の確認と現状把握(1週間) 公式サイトやシラバスで試験範囲を確認し、過去問題集や模擬試験を解いて自分の得意分野と苦手分野を把握します。
【参考】: スッキリわかるディープラーニングG検定(ジェネラリスト) テキスト&問題演習 第2版|TAC出版ナビ
2.苦手分野の重点学習(2週間) 苦手分野の参考書やオンライン講座を選び、集中的に学習します。最新の技術動向や事例についても、情報収集を行い、知識をアップデートします。
【参考】: 【全840問】G検定対策 模擬演習試験!重要度の高い問題を厳選(最新シラバス対応)【模擬試験4回分】
3.実践問題演習と知識の整理(2週間) 過去問題集や模擬試験を繰り返し解き、実践的な問題解決能力を磨きます。知識の抜け漏れがないか確認して復習します。自分の言葉で知識を整理し、人に説明できるレベルまで理解を深めます。
4.総復習と試験対策(1週間) 全体の復習を行い、知識の定着を図ります。また試験時間内に全問解答できるよう、時間配分の練習もします。オンライン受験の操作方法も確認しておきましょう。
G検定を通してビジネス視点が持てるエンジニアを目指そう

ここまで、G検定の概要や受験前に知っておきたいこと、年収、勉強法などについて解説しました。G検定は、AIやディープラーニングの活⽤リテラシー習得を目的とした検定資格であり、事業者側のみならず、AI開発サイドにおいても重要な資格です。
また、このような資格は就職や転職を有利に進める上でも役立ちますが、具体的にどのような企業で活用できるのか迷います。特に初めて転職する場合は、自分に合う企業やスキルを活かせる企業の選び方に苦戦するかもしれません。
そこでぜひご活用いただきたいのがマイナビIT エージェントです。
マイナビIT エージェントは、IT・Webエンジニア向けの無料の転職⽀援サービスです。
IT・Webエンジニアの転職事情に詳しいキャリアアドバイザーが、あなたのご経験やスキルをお伺いし、転職活動のプランをご提案致します。
アドバイザーは企業側の人事担当者と直接連携を取れますので、求人票に載っていない企業情報も確認することができます。残業時間や給与面など、働き方などをしっかり確認の上で応募企業を選んでいくのが良いでしょう。
・資格やプログラミングの勉強をしているけれど、企業が求めるレベルに達しているのかわからない ・スキルアップをして市場価値を上げていける企業の選び方を知りたい ・数多くあるITエンジニアの職種の中で、自分に向いている仕事は何か知りたい
こうした悩みを抱えていらっしゃる方は、まずは無料登録でキャリアカウンセリングをおすすめ致します。
マイナビエージェントに無料登録して
転職サポートを受ける
編集部オススメコンテンツ
アンドエンジニアへの取材依頼、情報提供などはこちらから