データベース関連の資格取得
データベースエンジニアを目指す方は、どのようにすればデータベースエンジニアになれるのか気になるところでしょう。実務経験を積むことも必要ですが、経験を積む機会が少ない方、転職を考えている方、キャリアアップを目指す方には、データベース関連の資格取得をおすすめします。
データベースエンジニアは経験に加えて、データベースに関する深い知識が求められます。その知識の証、スキル証明となる資格の取得がデータベースエンジニアへの近道です。
ここでは、データベースエンジニアを目指す上で役立つ、データベース関連資格5選と、おすすめのIT関連資格4選をご紹介します。ぜひ、資格取得に努めて、データベースエンジニアとしての夢を実現させてください。
そもそもデータベースとは
すでに一般用語となったデータベース(Data Base)ですが、本来の意味は「データの基礎」や「データの土台」です。データベースは活用の面から定義すると、蓄積して再利用できるようにしたデータの集合体のことです。
再利用するためには、データは見つけやすく並んでいる必要があります。そういう意味では、電話帳もデータベースの1種と言えます。
IT分野では、商用で利用されているもの、規模の大きなものをデータベースと呼びます。データベースを図形で表す際には、ドラム缶の形を描きます。またデータベースは「DB」と省略して表記することがあります。
データベースエンジニアの年収
データベースエンジニアの年収は「マイナビエージェント 職種図鑑」での平均年収は424万円(※2023年4月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のIT技術スペシャリスト(特定技術(DB・NW・セキュリティ等)を参考にすると、平均年収758万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、データベースエンジニアの平均年収はマイナビの調査では一般平均年収よりもやや低め、経産省の調査ではやや高めであることが分かります。
「IT技術スペシャリスト」はITエンジニアの中でも特に高い専門知識・スキルを持っている人のことで、年収も一般のエンジニアより高い傾向があるため、マイナビの調査との間に数値の差が出たと思われます。
言い方を変えれば、ITエンジニアはスキルレベルに応じて年収もアップするということです。データベースエンジニアも例外ではありません。資格取得はスキルを磨く上でも有効な手段なので、資格が年収アップにつながると言うことができます。
【参考】:マイナビエージェント 職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
データベースエンジニアが資格を取得するメリット
データベース関連の資格を取得することで、データベースエンジニアとしての自身の価値を高めることができます。前述したように、資格取得は転職やキャリアアップに有効な手段であり、スキルアップや年収アップにつながります。
資格取得に向けて勉強をする中で体系的な知識・スキルが身に付き、より精度の高い専門性を実現できる上、資格はスキル証明となるので、身に付けたスキルを第三者へアピールする材料となります。
また、AIの開発やビッグデータの活用が進む中、データベースを扱える人材の需要が高まっています。将来性を高めるという観点でも、資格取得には大きなメリットがあります。
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データベース化のメリット
データベースは実際にどのように活用されているのでしょうか。単なるデータをデータベース化するとどのようなメリットがあるのか、挙げてみましょう。
1.データの共有ができる
データベースは同時に複数の人がアクセスし、同時に利用することが可能です。これにより、情報を共有しやすくなります。また同時にデータの入力や更新が行えるため、仕事や作業の効率化を図れます。
2.データの分析が簡単に行える
データベースにはデータの分類など、属性を付加することができます。それにより、属性で該当のデータを抽出したり、簡単に分析したりすることができます。
例えば、顧客データと購買データを1つのデータベースにすることで、販売している特定の商品が、性別ごと、年齢ごとにどれだけ販売できたのかが簡単に分かり、その分析データを発注や陳列、商品開発などに利用できます。
3.データの一元管理が行える
データベース化をする前の段階では、個々のデータは紙の台帳や、Excelなどを利用して個々人が転記や入力をして管理していました。これらの分散したデータを集約し、データベース化して集中管理することで、データの管理面で無駄がなくなり、データの一元管理が可能になります。
4.データの再利用ができる
収集したデータをデータベース化することで、簡単にデータの編集が行え、データの再利用が可能になります。
たとえば、顧客情報データベースを構築すれば、そこから年齢や地域などの属性情報を元にしてDMラベルを作成したり、メール配信を行ったりすることが簡単に行え、何度でもデータの再利用ができます。
おすすめのデータベース関連資格5選
データベースエンジニアを目指すには、データベースに関連する資格の取得をおすすめします。データベースに関する知識を体系的に学ぶには、データベース関連の資格試験に挑戦するのが早道です。以下、データベース関連資格5選について、それぞれ見ていきましょう。
データベーススペシャリスト試験(DB)
データベーススペシャリストは、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が主催する比較的難易度の高い国家資格です。
IPAの情報処理技術者試験ではスキルレベル1~4が設定されていますが、データベーススペシャリスト試験は最も高いスキルレベル4に該当します。実務経験がない方が座学だけで合格するには相当の勉強が必要でしょう。
データベーススペシャリスト資格は特定のDBMSには依存しておらず、汎用性の高い資格です。各データベースに共通する理論、データベースの設計に関する出題が中心です。
ORACLE MASTER(オラクルマスター)試験
ORACLE MASTERは民間資格ですが、世界的に知られた権威ある国際資格です。BronzeからPlatinumまで4段階のレベルがあり、それぞれの実力に応じたレベルにチャレンジできます。主にORACLEの製品を扱うエンジニアは、ORACLE MASTERの取得をおすすめします。
【参考】:ORACLE MASTER Portal - be an ORACLE MASTER - | オラクル認定資格制度 | Oracle University 【参考】:認定資格一覧 | オラクル認定資格制度 | Oracle University
OSS-DB技術者認定試験
OSS-DBはLPI-Japan運営の民間資格です。オープンソース・データベース(OSS-DB)に関するIT技術者認定資格で、商用データベースとの連携に優れ、企業システムでも多く活用されている「PostgreSQL9.0以上」を基準のRDBMSとしています。
レベルは基礎知識を問うシルバーと、実践向きのゴールドの2種類があります。PostgreSQLを利用している人、扱う予定の方は受験をおすすめします。
【参考】:OSS-DB技術者認定試験
Microsoft Certified: Azure Database Administrator Associate
Microsoftが提供するクラウドサービス「Microsoft Azure Data Services」と「Microsoft SQL Server」上で構築されたデータベース、ハイブリッド環境下のデータベースに関する実装や管理の知識、スキルが問われる試験です。
他、T-SQL(主にMicrosoft SQL Serverで利用されるSQL拡張言語 )の使用法についても問われます。
【参考】:Microsoft 認定 Azure Database Administrator Associate | Microsoft Learn
MySQL Certification
世界的に広く利用されいる、オープンソースのRDBMS、MySQLに関する認定資格資格です。MySQLは現在、オラクル社によって開発、ディストリビューション、サポートが行われています。MySQL Certificationの取得により、MySQL資格のスキル証明となります。
【参考】:MySQL | MySQL Certification
データベースエンジニアにおすすめのIT関連資格4選
データベースエンジニアは、データベース以外にITに関する広範な知識が求められます。仕事の幅を広げ、キャリアアップや年収アップを目指す上で、IT関連資格を習得することは大いに役立ちます。
また、資格取得により他者との差別化を図っておくことも、転職には有利です。そこで、データベースエンジニアに役立つ資格4選について見ていきましょう。
基本情報処理技術者(FE)
ITエンジニアの登竜門的な位置づけの国家試験です。初心者でも比較的取りやすい資格ですが、知名度が高く、高評価を受けやすい資格です。まだIT系資格を取得していない方は、まずは基本情報技術者から挑戦してみることをおすすめします。
既に取得済の方、上流工程を経験しているエンジニアの方であれば、上位資格である応用情報技術者(AP)に挑戦しましょう。
【参考】:基本情報技術者試験(FE)|IPA 【参考】:応用情報技術者(AP)|IPA
AWS認定ソリューションアーキテクト
AWS認定ソリューションアーキテクトはAmazon提供のAWSクラウド活用に関する認定資格です。AWSクラウドを構成するコンピューティングやネットワーキング、ストレージやデータベースの知識が問われます。
現在、多くの企業で自社のデータベースをクラウド化する傾向が強まっており、データベースエンジニアはクラウド対応スキルが求められています。
民間資格ですが、AWS認定ソリューションアーキテクトは社会的に評価の高い資格です。クラウドに関わる可能性が高いエンジニアにはおすすめしたい資格です。
【参考】:AWS Certified Solutions Architect | Associate 認定
CCNA
CCNAはネットワーク関連の最大手、Cisco社が運営する資格で、主にネットワークに関する問題が出題される初級レベルの資格試験です。
インフラエンジニアを目指す人の定番資格と目されていますが、データベースエンジニアはインフラエンジニアとの関わりが多く、CCNAの資格取得により、より仕事の幅を広げられるとともに、転職時にはアピール度が上がります。
【参考】:CCNA - Training & Certifications | Cisco
G検定
G検定は日本ディープラーニング協会主催の検定資格です。主にAIやディープラーニング(深層学習)に関する知識が問われます。
データベースエンジニアのキャリアパスにはデータサイエンティストやAIエンジニアがあります。また、AI分野ではビッグデータに関する知識が必須になっており、データベースエンジニアの協力が必要になっています。
G検定にはAIエンジニア向けのE資格がありますので、データベースエンジニアからAIエンジニアへの転職を検討中の方は、E資格合格を目指すとよいでしょう。
【参考】:G検定とは |日本ディープラーニング協会 【参考】:E資格とは - 一般社団法人日本ディープラーニング協会【公式】
このように、各資格にはそれぞれ特徴があります。取得を目指す資格は、将来のキャリアプランも考慮したうえで選びましょう。また、資格を取得した後は、それをキャリアに最大限活かすために転職エージェントのサポートを受けることをおすすめします。
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ここまで、データベースエンジニアを目指す上で役立つ、おすすめの資格を中心に紹介しました。既に資格を取得した方もいるかもしれませんが、関連資格はいくつあっても邪魔にはならず、さまざまな局面で役に立ちます。特に転職やキャリアアップの大きな力となります。
また資格手当を支給する企業も増えており、収入アップも期待できます。仕事を優先しながら、スキマの時間を資格取得の勉強に生かし、キャリアアップやキャリアチェンジを実現しましょう。
しかし、転職活動において、数ある企業の中から自分にマッチする企業を見つけるのは意外に難しいものです。そこでぜひご活用いただきたいのがマイナビIT エージェントです。
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