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クラウド化における課題とは?失敗の原因と成功するための対策を解説!
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クラウド化における課題とは?失敗の原因と成功するための対策を解説!

アンドエンジニア編集部
2022.05.04
この記事でわかること
クラウド化のデメリットや課題に対して、対応策を検討した上で適用することが大切である
クラウドサービスには、主にSaaS(サース)・PaaS(パース)・IaaS(イアース)の3種類がある
クラウド化成功の鍵は、クラウド化の設計・運用できる人材の育成と確保にある

クラウド化の課題・問題点

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DXの推進を背景に、企業の社内システムのクラウド化が大きなブームとなり、年々クラウドサービスの利用が増加しています。マイナビニュース※によると、大企業の78%、中小企業の49%が既にクラウドサービスを利用しています。

一方で、一旦はクラウド化を行いながら、オンプレミスに戻した企業も一部にあります。それは、実際にクラウド化を図ったものの、クラウド化の課題をクリアできず、メリットの享受が行えなかった事によるものと考えられます。

クラウド化は決して万能ではなく、クラウド化の課題やデメリットに対して、しっかり対応策を施した上で利用することが大切です。

この記事では、クラウド化のメリット・デメリットを踏まえ、クラウド化の課題を明らかにした上で、その解決策についても考えていきます。エンジニアとしてクラウドに関わる皆さんは、ぜひクラウド化の課題について認識を深めてください。

【参考】:中小企業のDX推進での課題とは? - MM総研が調査|マイナビニュース

【参考】:企業におけるクラウドサービスの利用動向|総務省

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クラウド化の概要とメリット

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クラウド化を進める前に、クラウド化の概要やメリットなどを正しく理解しておくことが大切です。クラウドにはいくつかの異なるサービス形態がありますので、その中から自社のニーズに合うサービスを選択することが大切です。

クラウド化とはわかりやすく言うと、「自社のサーバーや機器、ソフトウェアをクラウド環境に移行させること」です。クラウド化を行う理由としては「社内に特別な資産を持つ必要がない」「運用・保守を自社で行う必要がない」といったものが多くを占めています。

インフラの利用形態

インフラの利用形態としては、主に以下の3つがあります。 自社内でコンピューターやシステムを管理・運用する「オンプレミス」に対して、クラウド事業者がインフラを提供する「クラウドサービス」があり、さらに両方を組み合わせた「ハイブリッドクラウド」があります。

クラウドサービスの形態

一口でクラウドサービスと称しても、クラウドサービスには主にSaaS(サース)・PaaS(パース)・IaaS(イアース)の3種類があります。目的に応じて使い分ける、或いは割り切ることが求められます。

■SaaS(サース)

SaaSは(Software as a Service)の略で、クラウド環境で提供されるソフトウェアのサービスを指します。利用者はパソコンやスマホなどからそのソフトウェアを利用する形です。SaaSの例としては、Microsoft365やGmailなどのWebメールサービス、Salesforceといったものがあります。

■PaaS(パース)

PaaSは(Platform as a Service)の略で、サーバー・ストレージ・ネットワークなどのプラットフォームをクラウドサービスとして提供します。

■IaaS(イアース)

IaaSは(Infrastructure as a Service)の略です。クラウドサービスの中でも、インフラを提供する形態を指します。IaaSとPaaSは似ていますが、IaaSはハードウェア中心の提供サービスで、OSやミドルウェアなどを含めプラットフォームはユーザー側で構築しますが、PaaSよりは自由度は高まります。事例としては、AWS(Amazon Web Services)・Microsoft Azure・GCP(Google Cloud Platform)などがよく知られています。

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クラウド化のメリット

クラウドサービスはオンプレミスと比較して、さまざまなメリットを有しており、それらのメリットがクラウドの人気の理由となっています。ここではクラウド化のメリットについて確認しておきましょう。

1. 初期コストの低減

オンプレミスで必要となるサーバー・ストレージ・周辺機器などに掛かる初期費用がクラウドサービスでは不要でコスト抑制を図れます。他、サーバーなどの設置スペース確保、運用・監視要員の手配も抑えられ、結果として維持コストの低減にもつながります。また、クラウドサービスは基本的に使った分だけ支払う「従量課金制」のため、無駄が発生しません。

2.運用管理に関わるコストの抑制

クラウドサービスでは基本的に運用はサービス事業者が行うため、オンプレミス環境で行ってきた運用や保守は必要ありません。OSのバージョンアップやアップデート、バックアップなどの運用管理を全てサービス事業者側が行うため、利用者側の負担を軽減できます。

3. 安定したサービスの提供

クラウドサービスではさまざまなサービスが冗長化されており、オンプレミスと比較してダウンタイムがほとんど発生しません。

オンプレミスでは、OSのバージョンアップなどはサーバーを停止して行うケースが多くありますが、クラウドサービスではそのような心配がほぼないため、システム利用者に対して安定したサービスを提供できます。

4.規模やデータ量にフレキシブルに対応

従来のオンプレミス環境では、システム規模の拡張やデータ量増加への対応として、ハード機器の増設などが必要でした。そのための工程は煩雑で、ダウンタイムも発生するなど、非常に負荷のかかるミッションでした。クラウドサービスではこうした拡張を最小のコストと時間で対応が可能です。

5.データや情報共有による仕事の効率アップ

クラウドサービスはネットワーク環境があれば、どこからでも利用することが可能です。時間や場所を問わず、必要な情報にアクセスできるため、在宅ワークや出張先からのアクセスも可能です。そのため、データ共有や共同作業でも利用が可能です。この結果、仕事の効率アップ、情報共有といった効果も期待できます。

6. 直ちに利用開始が可能

オンプレミスではハード機器などの調達に数週間から場合によっては数カ月を要します。一方、クラウドではサービスを決めてアカウント登録をすれば、直ちに利用環境が整います。この時間短縮はクラウドサービスの大きなメリットです。

7.BCP対策に適している場合もある

BCPは(Business Continuity Planning)の略で、事業継続計画のことです。これは災害などが発生した場合に適用する計画のことで、被害を最小限に抑えて企業活動を停滞させない施策として近年重視されています。

クラウドサービスは災害などに強い堅牢なデータセンターを利用し、かつサービスの冗長化が図られています。このため、クラウド化はBCP対策に適していると言われています。

クラウド化の課題とデメリット

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DX化の推進、社内システムの見直し、BCP推進の観点などからクラウド化に取り組む企業が増える一方、思うような結果が出せずにクラウドからオンプレミスに切り替える企業も出ています。思うような結果が出せないのは何故か、何が障壁=課題となっているのかを見極めることが重要です。

クラウド化の阻害要因

企業におけるクラウドサービスの利用における課題について、総務省のレポート「クラウドサービスの効果と課題」※では、次の3点を課題例として挙げています。

①セキュリティの担保

②改修コスト・通信コストの増加

③カスタマイズ性の不足

これらをベースに掘り下げていきましょう。

【参考】: クラウドサービスの効果と課題|総務省

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クラウド化の課題の理由とその原因

クラウド化を円滑に進め、所期の目的を達成するためには、クラウド化の課題を認識した上で、有効な手立てや対策を講じることが重要です。以下、課題の理由や原因について考察していきます。

■ セキュリティの担保

クラウドサービスはインターネットを介してサーバー環境を利用しますが、セキュアな情報を扱う顧客管理システムや、機密情報への公衆網からのアクセスには情報漏洩リスクが伴います。このリスクに対するセキュリティの担保が求められます。

■ 改修コスト・通信コストの増加

社内システムをクラウドサービスに移行した際に、オンプレミス環境との違い、互換性などの問題から思うようなパフォーマンスが得られない場合があります。この結果、ソフトウェアの改修やネットワーク構成の見直しなどが発生し、結果的に改修コストや通信コストの増加を招くことがあります。

■ カスタマイズ性の不足

クラウド環境はサービス事業者のポリシーの範囲で提供されています。OSや仮想環境なども決められたものしか提供されませんので、その環境内でクラウド化を図ることになります。そのためカスタマイズ可能な範囲は限られ、思うような効果を期待できないケースもあり得ます。

■ クラウドに明るい人材の不足

クラウド化は単にオンプレミス環境からクラウド環境に移行するだけではありません。綿密な移行計画の策定・ネットワーク課題・運用課題・セキュリティ課題の解決が行える人材が必要です。また、時にはクラウドシフト(クラウド環境に合わせた業務システムの再構築)の検討が必要です。

■ 自社システムとの連携に制約

特殊な環境で動いている自社システムでは、クラウド環境への移行や連携が困難になるケースがあります。例えば、メインフレーム(汎用機)で稼働しているシステムや、受発注システムなどで接続先が多いシステムは単純移行ができず、新たにシステム開発を行う必要が生じる場合があります。

クラウド化の課題への対応策

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先ほど、クラウド化の課題について挙げましたが、これらの課題への適切な対策を講じる事で、クラウドサービスを安心して利用することができます。これからその方法について述べていきます。

セキュリティの確保対策

自社のセキュリティポリシーと照らし合わせ、それと合致するクラウドサービスを利用することです。またコストばかりにこだわり過ぎて、オプションサービスとして提供されているセキュリティサービスをスルーすることがないように留意します。

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改修コスト・通信コスト増加への対策

クラウド移行の設計が甘いと、結果的に後からシステムの改修やネットワーク構成の変更などが生じがちです。各業務システムごとにクラウド移行方式をシミュレーションし、移行メリットが得られないものはオンプレミス環境に残す、あるいはパブリッククラウドを採用するなどの方法を検討します。

カスタマイズ性不足への対策

クラウド化でも、PaaSではプラットフォームが決められており、カスタマイズが困難なケースが起こり得ます。そこで、IssSのようにOSやミドルウェアなどを自由に選択できるクラウドサービスの利用や、プライベートクラウドの採用など、業務システムごとにきめ細かく移行方式を検討します。

クラウドに明るい人材の確保対策

クラウド利用で失敗しないためには、利用計画の策定や運用設計が重要です。そのためクラウド利用の問題点の把握や計画策定、設計を行えるクラウドに明るい人材の確保が必要です。自社内で確保が難しければ、アウトソーシングの活用でも構わないので、検討段階から人材確保に努めましょう。

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クラウド移行の推進役として

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ここまでクラウド化の概要・メリット・デメリット・課題と対策について解説してきました。総務省のクラウド利用調査※でも分かるように、85.5%の企業がクラウド化の効果を評価しています。従って、まだクラウド化が進んでいない企業は積極的にクラウド化を検討すべきでしょう。

しかし、クラウド化にはデメリットや課題もあります。それらを正しく認識し、しっかりとした対策を講じて推進することが求められます。

クラウド化成功の鍵は、クラウド化の設計や運用ができる人材の育成と確保です。この記事を読まれたエンジニアの皆さんは、ぜひクラウドに明るいエンジニアを目指し、クラウド化の推進役を担ってください。

【参考】:※通信利用動向調査ー企業におけるクラウドサービスの利用動向|総務省

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