DX推進が捗らない企業が、喉から手が出るくらいに欲しいIТ人材とは
Digital talent
DX推進が捗らない企業が、喉から手が出るくらいに欲しいIТ人材とは
アンドエンジニア編集部
2024.01.25
この記事でわかること
DX推進が捗らない理由に人材不足をあげた企業は86.3%
企業が欲しい人材は、IТ、AI、データ分析スキルとビジネスマインドを兼ねそなえた人
すべてが揃っていなくてもいいが、顧客体験の視点から発想できるビジネスマインドは必須

企業のDX推進の現状

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(財)日本能率協会が2020年7月~8月に行なった調査「日本企業の経営課題2020」によると、「DXを推進中」と答えた企業は、全体の28.9%でした。(全国の企業5000社に調査票を郵送して532社が回答)

大企業の約半数がDXを推進中だが、中堅・中小企業では3割未満

同調査では7割以上の企業がまだDXに着手できていないことになりますが、これを企業規模別にみると、DXを推進中の企業は大企業(従業員3000人以上)で51.1%、中堅企業(300人以上3000人未満)で24.8%、中小企業(300人未満)で15.2%となっています。

大企業では5割以上がDXを推進中ですが、中堅以下の企業では大きく立ち遅れていることが分かります。

DXの取組事例に学ぶDX成功のポイントとITエンジニアへの期待

「取り組みを検討中」と「これから検討する」が合わせて59.8%

DXへの「取り組みを検討中」と答えた企業は28.4%、「これから検討する予定」と答えた企業は31.4%でした。

「これから検討する予定」を企業規模別に見ると、大企業が10.73%・中堅企業が35.38%・中小企業が43.2%です。特に、中堅企業・中小企業でまだ検討段階にも入っていない企業が多いことが伺えます。

DXとは?その意味と日本の現状、DX推進の障壁となる要因を分かりやすく解説!

DXの推進が捗らない理由

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経済産業省が2018年に発表した「DXレポート」では、「企業は2025年までDXを達成しないと、国際競争力を失って失墜する」と警鐘を鳴らしています(2025年の崖)。しかし、DXは期待されるほどには進捗していません。その理由はどこにあるのでしょうか。 

DX推進における課題として「人材不足」をあげた企業86.5%

上記の調査では、DXを推進する上で最も多くの企業が課題と感じているのが「人材不足」です。その次に多かったのは「DXに対するビジョンや経営戦略、ロードマップが明確に描けていない」で、77.7%でした。

以下、「具体的な事業への展開が進まない…76%」「社内関係部署の連携が十分にできていない…68.6%」「経営資源の投入が十分にできていない…67.5%」と続いています。

最大の課題である人材に加えて、戦略・具体的事業展開・社内の連携など、本質的かつ難しい課題があることが分かります。

デジタルトランスフォーメーション(DX)とは?求められる人材を解説!

デジタル化からDXへの「戦略」を相談できる人がいない

企業がDXを推進する上で課題と感じている「人材不足」と「経営戦略を描けない」には深い関係があります。経営者は「DXというものが必要らしいが、我が社では何ができるのか」という悩みを相談できる人がいません。

既存のビジネスモデルにデジタル技術を援用して効率化するデジタイゼーションなら、ITベンダーに相談することも可能です。さらに一歩進んで、デジタル技術でビジネスプロセスも変革して新しいビジネスモデルを創るデジタライゼーションも、不可能ではありません。

しかし、デジタル化による企業の変容(さま変わり)を目指すデジタルトランスフォーメーション(DX)は、簡単にアウトソーシングすることはできません。デジタライゼーションを超えたDXが何かは企業によって異なり、まさに企業理念に基づく企業戦略によって策定されなければいけないからです。

経産省も「DXレポート」で、DXには顧客や市場の「破壊的な変化」に対応するために内部エコシステム(組織・文化・従業員)の変革が不可欠だとしています。

DX推進を「検討中」や「検討する予定」の企業が多いのも無理はありません。経済産業省に催促されてもそう簡単には始められないのです。「我が社もAIを使って何かできないか」というような発想で検討会議を重ねても、なかなか具体化していきません。

ベンダーへの依存がもたらした内部蓄積の不足

2020年にデル・テクノロジーズが行なった「第2回デジタルトランスフォーメーション(DX)動向調査」によると、従業員1000人以上の企業でも「ITベンダーがいないと全く回らなくなる」が24.9%、「ITベンダーがいないと今後のITの計画が立たない」が38.8%と、ベンダーへの強い依存があることが分かりました。

部分的なデジタライゼーションなら別として、DXの推進にはノウハウが内部蓄積されず人材が育たないベンダー依存の状態では「手の付けようがない」のは仕方ありません。

DX推進のお荷物になるレガシーシステム

現在の日本で、ある程度のデジタル化がなされていない企業はありません。しかし、その既存システム(レガシーシステム)と新システムの調和は、DXを推進する上で最も厄介な問題です。

各部署が必要に応じて作ってきた「部署ごとに最適化された」既存のITシステムを統合しようとすると、各所で「ブラックボックス」が露呈し、システム同士の連携が困難になります。解決するためには膨大な人手と費用を費やさなければなりません。

このようにDXは、企業にとって始めるのが難しく、進むに困難な課題です。それを担う人材が内部にいなくては一歩も進まないと言ってもよいでしょう。

DX推進のために企業が求めるエンジニアとは

Engineer 

DXの推進では、ITスキルに加えて企業理念や自社の顧客を理解してサービスを革新行なうビジネスマインドを持ったエンジニアが求められています。

AI、データ分析の知見とビジネスマインド

ビジネスシーンに特化したSNSであるLinkedInに、次のような投稿がありました。

政府も企業も人材も「DX」 | LinkedIn

「日本IBMが中途採用するのは、顧客企業のDXを推進できる人材だ。情報システムやクラウド、人工知能(AI)などの知識を持ち、事業変革や新サービスを顧客企業と共同で考案していく。って、そんな人材日本に1000人もいるのかしら…」

企業だけでなく、コンサルティングファームや日本IBMのような大型ベンダーがDX推進のために求めているエンジニア・IТ人材は、投稿者が言うように

●システム構築ができるITエンジニア ●ディープラーニングやビッグデータを扱えるAIエンジニア ●データ分析とマーケティングに精通したデータサイエンティスト

といった人たちです。これらを兼ねそなえるのは簡単なことではありませんが、さらに言えば企業理念・企業文化(組織)・自社の顧客を理解したビジネスマインドに富む社内人材が理想的です。

レガシーシステムへの対応に寄与するエンジニア

エンジニアとしてDXの推進ですぐにでも取り組まなければいけないのは、目指す新システムとレガシーシステムの調和です。既存システムのブラックボックスをよく腑分けせずに新システムに持ち込むと、企業の信用に関わるシステムトラブルを起こすリスクを抱え込むことになります。レガシーシステムへの対応では、関連部署との連絡や調整が大事になるので、人間関係をスムーズに運ぶヒューマンスキルも求められます。

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DX推進を担うエンジニアになるには

システム構築ができる・AIに詳しい・データ分析もこなす・ビジネスマインドに富むエンジニアになれ、と言われたら誰でも途方に暮れてしまうでしょう。しかし、DX推進を1人で担う必要はありません。システム設計でもデータ分析でも、自分が得意とする分野で参画するのが現実的であり、実際のところです。ただし、その際に欠かせないのは、UI(ユーザー・インターフェイス)、UX(ユーザー・エクスピアリエンス)を顧慮するビジネスマインドです。顧客の幸せな体験と企業理念を結びつける視点を熱く持てるエンジニアでないと、DX推進の「いばらの道」を進んでいくことはできません。

もう1つ望めるなら、DX推進中に予想される経営層からの無理難題や関係部署との軋轢(あつれき)などに上手く対処できるヒューマンスキルも欲しいところです。

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