IaaSとPaaSの違いを知り、クラウドに強いエンジニアになろう!
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IaaSとPaaSの違いを知り、クラウドに強いエンジニアになろう!
アンドエンジニア編集部
2021.12.04
この記事でわかること
IaaSはサーバやデバイスなどのITインフラを提供するクラウドサービスである。
PaaSはOSやミドルウェア、データベースなどのプラットフォームを提供するクラウドサービスである。
IaaSとPaaSはそれぞれに特徴、メリット・デメリットがあるので、それらを踏まえて最適な方式を選択すべきである。

IaaSとPaaSの違い

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クラウドサービスがスタートして10年余りですが、今では誰もが知るサービスとなりました。エンジニアの皆さんもクラウド選定やクラウド移行に関わる仕事をする方も少なくないでしょう。 そこで、IaaSやPaaSといった用語を頻繁に目にするかと思いますが、IaaSやPaaSについて詳しく説明できる人、違いを理解している人は意外に少ないようです。 エンジニアの皆さんがクラウドに対する理解を深められるよう、IaaSやPaaSの違い、メリット・デメリットに加えてサービス例などについて解説をしていきます。

IaaSとは

IaaSは(Infrastructure as a Service)の略称で、「イァース」または「アイアース」と呼ばれています。IaaSはコンピュータシステムの構築や稼動に必要な基盤(仮想マシン・デバイス・ネットワークなどのITインフラ)を、クラウドサービスとしてインターネット経由で提供します。

IaaSは以前、HaaS(Hardware as a Service)と呼ばれた時期もありましたが、より大きな概念となって現在はIaaSと呼ばれるようになっています。

PaaSとは

PaaSは(Platform as a Service)の略称で、「パース」と呼ばれています。 PaaSはプログラムやソフトウェアを稼働させるための仮想マシン(サーバ)や、データを保管するためのストレージ、データベースや開発ツールなどのミドルウェアなどのプラットフォームをクラウドサービスとして、インターネット経由で提供します。

SaaSとは

クラウドサービスとしては前記のIaaSとPaaSに加え、SaaSがよく知られています。SaaSは(Software as a Service)の略称で、「サース」と呼ばれています。SaaSはクラウド上に用意されたソフトウェアを、インターネット経由でどこからでも利用できるサービスです。 SaaSの具体例としては、GoogleのGmaiやGoogle Drive、Microsoft Office365、Zoomなど、誰もがよく利用しているサービスが知られています。

IaaSとPaaSはここが違う!

IaaSとPaaSはベーシックなクラウドサービスです。提供するサービスは類似していますが、エンジニア視点で見てみるとかなり異なります。 VM(仮想マシン)やサーバなど、システムの稼働に必要な基本的なITインフラだけを提供するサービスがIaaSであり、IaaSに加えてミドルウェアや開発ツール、データベースなどの開発・稼働環境までを提供するのがPaaSです。

IaaSはインフラだけの提供であるため、システムの開発や稼働環境にするためには、OSやデータベースなどのプラットフォームを別途用意しなければなりません。OSのインストールや各種設定、セキュリティ対策などもすべて利用者側が行う必要があります。 そのためIaaSはPaaSと比べて、より専門知識が求められ、利用者側としてはハードルが高くなりますが、逆にあらかじめプラットフォームが用意されたPaaSよりは利用者側の自由度が高くなります

IaaSのメリットとデメリット

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ここではIaaSのメリットとデメリットを挙げていきますので、IaaSに対する理解を深めてください。

IaaSのメリット

IaaS導入の主なメリットは以下の3つです。

1.プラットフォームの自由度が高い IaaSはプラットフォーム構築の自由度が高く、OS・ミドルウェア・データベース・開発ツールなど自社のニーズにあった環境を作れます。

2.サービスの柔軟性を確保できる サーバやストレージのスペックが自由に選択できます。またデータ量や処理量に応じて、スケールアップやスケールダウンなどが柔軟に対応できる点がメリットです。

3.オンプレと比較してコスト削減ができる 自社でサーバを導入する場合は比べて、設置環境の確保や、障害対応やメンテナンスの費用などが低く抑えられ、コスト削減が可能です。またIT投資の可視化になり、なかなか把握しづらい費用対効果を明確にすることができます。

IaaSのデメリット

IaaS導入の主なデメリットは以下の2つです。

1.プラットフォーム構築の専門知識が必要 IaaSではシステム開発やシステム稼働に必要な環境を利用者側が用意し、整える必要があります。このため、プラットフォーム設計や構築に関する専門知識が求められる点がデメリットの1つです。

2.構築したプラットフォームの運用、管理が必要 IaaSでは、プラットフォーム構築後の運用やOS、ミドルウェアのバージョン管理などすべてを自前で行う必要があります。このためシステム管理や運用に関するスキルが求められます

IaaSの代表的サービス一覧

IaaSの代表的なサービス例としては、次のようなサービスが提供されています。

Amazon EC2(アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社)

Azure Virtual Machines(日本マイクロソフト株式会社)

Google Compute Engine(グーグル合同会社)

さくらのクラウド(さくらインターネット株式会社)

ニフクラ(富士通クラウドテクノロジーズ株式会社)

PaaSのメリットとデメリット

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ここからPaaSのメリットとデメリットを挙げていきますので、PaaSに対する理解を深めてください。

PaaSのメリット

PaaS導入の主なメリットは以下の2つです。

1.開発環境を直ちに得られる PaaSはシステム開発やシステム稼働のためのプラットフォーム構築が不要です。ネットワーク環境があれば、どこからでも開発環境にアクセスすることができ、直ちに開発作業に着手できます。また、テレワークなどでも開発作業を進められるため、自由な働き方に対応しやすいのもメリットです。

2.システム開発コストの削減になる PaaSでは一般的に必要となるサーバの確保やOS、開発ツールのインストールや設定などの環境構築が不要です。そのためシステム開発の期間短縮、システム開発の全体コストの削減が可能となります。

PaaSのデメリット

PaaS導入の主なデメリットは以下の2つです。

1.開発環境の自由度が低い 一部の特殊な言語やミドルウェアの利用が制限されるなど、PaaSはIaaS比べて自由度が低い場合があります。そのため、オンプレミス環境からの単純移行が難しいといったケースも発生します。従って、PaaS導入の際は、制約や制限について留意することが求められます。

2.セキュリティ事故などに特に注意する必要がある IaaSとも共通するデメリットですが、自社システム側のセキュリティ脆弱性によってクラウド事業者や他の利用者に損害を及ぼした場合は、重大な損害賠償請求を受ける可能性がありますので、セキュリティの確保には十分な注意が必要です。

PaaSの代表的サービス一覧

PaaSの代表的なサービスとしては以下のようなサービスがあります。

AWS Elastic Beanstalk(アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社)

Azure App Service(日本マイクロソフト株式会社)

Google App Engine (GCP)(グーグル合同会社)

Salesforce Platform(株式会社セールスフォース・ドットコム)

NEC Cloud PaaS(NEC)

IaaSとPaaSの違いを理解して正しい選択を

 

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コスト削減やBCP(事業継続計画)、DX推進などで注目が集まっているクラウドサービスの中から、今回は混同しやすいIaaSとPaaSについて、その違い、メリット・デメリット、代表的なサービス例などを紹介してきました。

クラウドサービスは、企業として何を目指すのか、どんな効果を得るのか、きちんと方針や目標設定をし、関係者のコンセンサスを得て進めるべきです。ブームだからと飛びつくと失敗したり、期待した効果を得られなかったりするケースもあります。

IaaSとPaasのメリットとデメリットを踏まえ、どちらが最適な方式なのかを十分に検討してから導入することが大切です。

クラウド選定の際にエンジニアの皆さんは、「どっちがいいか」と迷ったら利用者の立場、経営者の立場に立って最適な方式を提案できるよう努めてください。それがエンジニアとしての評価につながっていきます。

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