Webエンジニアの仕事とは?
Webエンジニアはきついとの声もありますが、その仕事内容や役割にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、Webエンジニアの仕事内容について解説します。
Webエンジニアの仕事は、主にWebシステムの開発における一連の作業です。具体的には、システム要件の定義・設計・開発・テスト・保守などがあります。また、Webエンジニアは「フロントエンドエンジニア」や「バックエンドエンジニア」などに分けられます。
フロントエンドエンジニアとは、ユーザの目に直接触れる「UI」に関わる業務を担当します。例えば、画面上のデザイン・レイアウト・動きなどを考慮した開発が求められます。また、WebデザイナーやWebディレクターと協力して開発することも多いです。
バックエンドエンジニアは、サーバやデータベースの開発といったユーザの目には見えないシステムの「中身」を担当します。また、構築したサーバや開発したプログラムの保守や運用といった業務を担当することもあります。
Webエンジニアの年収
ここでは、Webエンジニアの一種であるフロントエンドエンジニアの年収を参考に見ていきます。
Webエンジニアに含まれるフロントエンドエンジニアの年収は「マイナビエージェント職業別年収ランキング/職種図鑑」での平均年収は385万(※2023年1月執筆時点)円、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種の「エンジニア/プログラマ」を参考にすると、平均年収592万円と分かりました。
国税庁2020年発表の民間給与実態統計調査における民間企業平均年収は433万円なので、Webエンジニアは一般平均年収よりも、やや低めであることが分かります。
年収を上げるには、管理職であるプロジェクトマネージャーに転職する・より条件が良い企業へ転職するなどの方法があります。なお、いずれの場合も開発スキルの向上や市場にマッチした能力を身に付けることが大切です。
【参考】:マイナビエージェント職業別年収ランキング/職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】 2015年〜2016年末までの間にマイナビエージェントにご登録頂いた20代・30代の方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
Webエンジニアがきついと言われる理由
Webエンジニアが「きつい」と言われるのには、理由があります。理由を知った上で、自分がWebエンジニアに向いているのかどうかを再度確認しましょう。
学び続ける必要がある
Webエンジニアは、入社後も学び続ける必要があります。その理由は、Web系の技術は流行り廃りが激しく、10年前に使われていた技術が今ではもう使われていないということがあり得るからです。
例えば、昔はC言語がWeb系分野で多く使われていましたが、今ではPythonやPHPなどのスクリプト言語が主流となっています。また、スマホアプリ分野でも以前はJavaやObjective-Cが中心でしたが、今はKotlinやSwiftを使う企業もあります。
このように、Web系は新しい技術やスキルが求められる傾向にあるため、Webエンジニアは最新スキルを常に学び続ける必要があります。
企業によっては長時間労働が発生する
Webエンジニアは企業によっては、長時間労働が発生するケースもあります。仕様変更が何度も発生したり、突然のトラブルに見舞われたりすると、夜遅くまで残業する日もあります。
例えば、新しいアプリをリリースしたものの致命的なバグが見つかり、すぐに修正対応をしなくてはいけない場合などは残業して対応することもあります。Webエンジニアとして働くなら、長時間労働に耐えられる体力が必要となるでしょう。
ただし、近年は働き方改革の影響もあり、労働時間の削減に努めている企業も増えています。
アジャイル開発に慣れるのが大変
Web系企業では、アジャイル開発という手法を取ることが多いです。アジャイル開発とは企画→設計→開発→テストと順番に行うのではなく、企画からテストまでを一気に行い改善点を考えた後、再び設計からやり直すというやり方です。
アジャイル開発は、ユーザのフィードバックを反映しやすいなどのメリットがあり、Web開発と相性が良いとされています。しかし、アジャイル開発に慣れないうちは開発作業が大変です。納期までの短い期間の中で何度も開発を繰り返すのは、ストレスが溜まるという方もいるでしょう。
アジャイル開発に慣れることができずに、Webエンジニアを辞めたいと思ってしまう人もいます。もちろんWeb系の中でもアジャイル開発を導入していない企業もあるため、転職前に企業の開発手法を調べることが大切です。
1人で多くのタスクをこなす必要がある
Web系企業では、1人で多くのことを任される場合もあります。Web系企業の中には新しい企業も多くあり、新しい企業では従業員数が少ないことがあるためです。例えばスタートアップ企業の場合、1人でサービスの開発をまるごと担当するケースもあります。
そのため、結果的に労働時間が増えてしまうこともあります。1人が多くのことを任せられるのは、Web系企業ならではと言えるでしょう。
ユーザからのフィードバックに対応する必要がある
Web系企業では、ユーザからのフィードバックに対応する必要があります。「こうして欲しい」という意見を反映しないと、ユーザが離れていってしまうからです。そのため、1度リリースしたものの修正が多く発生するケースもあります。
例えば新しいサービスを追加した場合、TwitterなどのSNSではすぐにユーザが感想を書き込むことがあります。あまりにも評判が悪いサービスの場合、すぐにサービス内容を修正しなくてはならないこともあるでしょう。このように、ユーザからのフィードバックに対応しないといけないのも、Web系企業ならではです。
業務が属人化することがある
属人化とは、特定の人にしかできない業務がある状態を指します。Webエンジニアにおいても属人化がみられることがあり、特定の人の業務量が過剰になるといった問題点があります。
属人化の主な原因としては、Web開発のスキルや得意分野にばらつきがあることが挙げられます。また、Webエンジニアの数が不足している企業では一人で担当する業務の幅が広いため、さらに業務量が増える恐れがあります。
Webエンジニアに向いている人
Webエンジニアがきついと言われる理由を解説しましたが、全ての人がそう感じている訳ではありません。Webエンジニアの仕事が楽しいと思っている人、Webエンジニアとしてやりがいをもって働く人も多くいます。
ここでは、Webエンジニアに向いている人の特徴を紹介します。どういった人ならWebエンジニアとして楽しく働けるのかを解説します。
プログラミングが好き
Webエンジニアに向いている1番の条件は、プログラミングが好きであることです。Webエンジニアは1日中開発をしているので、プログラミングが好きでないと続けることが難しいでしょう。
また、プログラミングが好きでないと、最先端のスキルを身につける意欲もなかなか湧きません。プログラミングが好き、というのはWebエンジニアとして働く上で、最も大切なことと言えます。
柔軟性がある
柔軟性がある人も、Webエンジニアに向いています。Web系企業ではサービス内容を急に変更するケースが多く、Webエンジニアはそれに柔軟に対応しないといけません。
例えば、スケジュールが急に変わり、1ヶ月後にリリースしなければいけない場合は、上手くリスケして対応できる人が望ましいでしょう。柔軟性があることも、Web系企業で働く上で有利になります。
論理的思考力がある
論理的思考力があることも、Webエンジニアとして働く条件の1つです。物事を道筋立てて考える力がないと、システム設計やプログラミングを行えません。論理的思考力は、ITエンジニアにとっての基礎力と言えます。
論理的思考力を鍛えるには、日頃から論理的に話す癖を身につける必要があるでしょう。また、日常の疑問に対し「なぜ?」と深堀りして考えることで論理的思考力が磨かれます。こうした方法で、ITエンジニアとして必須の能力を身につけましょう。
集中力が高い
最後にWebエンジニアに必要となるのが、集中力です。1日中パソコンの前で作業するのは、かなりの集中力を要します。また、集中力がないとミスに繋がる恐れもあります。プログラムのソースコードは、1文字でも間違えると正しく動かないため、高い集中力が必要です。
Webエンジニアの魅力
「Webエンジニアがきついと言われる理由」では、Webエンジニアのデメリットとして捉えられてしまいそうな要素も多かったですが、Webエンジニアにはメリットや魅力もたくさんありますので、その一部をご紹介します。
「Webエンジニアに向いている人」の特徴に現時点で当てはまっていなくても、努力でカバーできる部分は多いです。Webエンジニアに魅力を感じる人は、ぜひ目指してみてください。
Webエンジニアは将来性が高い
Webエンジニアが担当するWeb開発は需要が高く、今後もさらに需要が高まると予想されます。理由としては、どの業界・業種においても、自社ホームページの作成やECサイトの運営などといった業務があるからです。
また、近年ではIoTやAIの分野でもWebエンジニアのスキルが求められており、市場価値が高い職種であると言えます。なお、担当する分野や求められる技術などは変化が激しいため、常に新しい知識を身に付ける努力が必要です。
IT人材が各企業で不足しているため、特に高いスキルを持ったWebエンジニアは需要が高いです。さらにスキルアップを目指すことで、よりよい条件での転職や上位職へのキャリアアップなどが期待できます。
Web業界未経験でも採用されやすい
Webエンジニアの需要の高さは述べたとおりです。このような観点から、企業はたとえWeb業界の経験がない人でも、スキルさえあれば積極的に採用をします。後でも紹介しますが、事前にある程度スキルを身に付けてポートフォリオなどを作成することで、即戦力として自分をアピールすることができます。
また、Webエンジニアはスキルによって収入も大きく変わることが特徴です。未経験からWeb業界に入っても、着実にスキルアップすることで大幅な収入アップも実現できるでしょう。
柔軟な働き方を実現しやすい
昨今はどの業界でもリモートワークが増えてきていますが、WebエンジニアはITエンジニアの中でもリモートワークがしやすい職種です。また、比較的新しい企業や積極的に働き方改革を行う企業では個人のライフスタイルに合わせた柔軟な働き方を推奨しているところが多いです。
もちろん十分なスキルを持っていることが前提ですが、働き方の選択肢が幅広く、ライフスタイルの変化にも合わせられる点は大きな魅力です。
Web系企業に転職する前にやるべきこと
Web系企業に転職する前に、行った方が良いことを紹介します。これらを行うことで、ミスマッチな企業に入社したり、ブラックなWeb系企業に入社したりすることを防ぐことに繋がります。
転職の際は事前準備が肝心です。Webエンジニアへの転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
会社の評判をチェックする
Web系企業に転職する前に、入社したい会社の評判をチェックしましょう。Web系企業の中には、いわゆるブラック企業も含まれていることがあります。会社の評判を確認することで、残業時間・福利厚生・休日出勤・社風などが分かり、ブラック企業への入社を防ぐことが可能です。
Web系企業の方はWebに慣れ親しんでいる分、企業の口コミサイトに口コミを投稿していることも多くあります。企業の口コミサイトなどを事前に確認しましょう。
SIer業界も視野に入れる
Web系企業に転職する前に、SIer業界についても調べてみると良いです。同じエンジニアであっても、SIer系の方が向いているケースもあります。SIer系の場合、アジャイル開発を採用するケースが少なく、開発作業が予定通り進む場合もあります。
一方で、クライアントの要望通りに開発しないといけないことが多く、やりがいを感じにくい人もいます。
Web系とSIer系、どちらが良いかは人によって異なるため、両方の特徴を理解して自分がどちらに向いているのか判断しましょう。
自分でアプリやサイトを作ってみる
Web系企業に転職する前に、自分でアプリやサイトを作ってみることをおすすめします。自分でサービスを作ることで、プログラミング能力がアップし、転職後も即戦力として活躍しやすくなります。また、自分が本当にプログラミングが好きかどうかを判断できます。
Webエンジニアはプログラミングが好きでないと続けるのは難しいため、1度サービスを1から作り、自分が本当にWebエンジニアに向いているかどうかを確認しましょう。
また、アプリやサイトを作った後は、ポートフォリオとして転職時に企業に提出することも可能です。ポートフォリオを提出すれば、企業に開発意欲をアピールすることができます。
Web系企業の中には、開発に対する熱意を重視して採用している企業もあり、ポートフォリオを提出することがプラスに働きます。こういった理由から、自分でアプリやサイトを作ることにはいくつかメリットがあると言えます。
Webエンジニアの特徴を知り、自分に合った働き方を
本記事では、Webエンジニアがきついと言われる理由について解説しました。なぜWebエンジニアはきついと言われるのか、Webエンジニアに向いているのはどんなタイプか、お分かり頂けたかと思います。
Webエンジニアは労働時間が長い場合もあり、きついと思う方もいるでしょう。しかし、プログラミングが好きで集中力や論理的思考力に長けている人なら、能力を活かせる環境であると言えます。
また、Webエンジニアは将来性も期待できる職種です。転職する場合は、自分の経験や実績、希望する業務内容などを考慮して企業を選ぶことが大切です。しかし、数多くの企業から自分にあった企業を探すのは、難しいこともあるでしょう。
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