Webエンジニアとは
ここでは、Webエンジニアの概要について説明します。以下で主な仕事内容、Web系とSIer系との違い、年収について詳しく解説します。
WebエンジニアはWebサイトやアプリを開発する
Webエンジニアとは、わかりやすく言うとWebサイトやアプリを開発する職種のことです。例えばAmazonや楽天などのECサイト、TwitterやインスタグラムなどのSNSを開発します。開発にはJavaScriptやPythonなどのプログラミング言語を利用します。
フロントエンドとバックエンドに大別される
Webエンジニアは、フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアに大別されます。フロントエンドとは、ユーザーが実際に目にする側のことで、Webサイトなどのレイアウトや動的な処理を行っています。使用される言語は、HTML、CSS、JavaScriptなどです。
一方、バックエンドとは、ユーザーが実際に目にすることのできない側のことで、入力されたデータの処理やデータベースへの格納などを行っています。使用される言語は、PHPやPythonなどです。
つまり、フロントエンドエンジニアがサイトの表側の開発を担当し、バックエンドエンジニアがサイトの裏側の開発を担当しています。
Webエンジニアに似た名前の職種にWebプログラマーがあります。Webエンジニアとの違いは、Webプログラマーは、Web開発においてプログラミングに特化している点です。そのため、広義ではWebエンジニアに含まれます。
Web系とSIer系との違い
Webエンジニアを含むITエンジニアは、在籍する企業の商取引形態に応じてWeb系とSIer(エスアイヤー)系に大きく分かれます。
SIer系企業は、企業や官公庁から自社で使うシステムの作成などを依頼され、依頼されたシステムを開発する企業です。なお、SIerとは、システムインテグレータ(Systems Integrator)の略です。
一方、Web系企業は、自社で考えたサービスを開発し、開発したサービスを他社へ提供する企業です。
SIer系の特徴として、クライアントの納期に合わせて開発を進める必要があるため、スケジュールがタイトになることがあります。しかし、研修制度が充実している企業や未経験でも採用している企業もあり、IT企業未経験者でも転職できる可能性があります。
Web系かSIer系かで悩む場合や、自分に合った企業探しをする際には、転職エージェントを利用して、一度相談してみることをおすすめします。
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Webエンジニアの年収
Webエンジニアに含まれるフロントエンドエンジニアの年収は「マイナビエージェント職業別年収ランキング/職種図鑑」での平均年収は385万円(※2023年2月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のエンジニア/プログラマを参考にすると、平均年収592万円と分かりました。
国税庁2020年発表の民間給与実態統計調査における民間企業平均年収は433万円なので、Webエンジニアは一般平均年収よりも、やや低めであることが分かります。
年収を上げるには、マネジメントスキルを身に付けてプロジェクトマネージャーといった管理職にキャリアアップする方法や、資格を取得して自身の市場価値を高め、より条件の良い企業へ転職するなどの方法があります。
【参考】:マイナビエージェント職業別年収ランキング/職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】 2015年〜2016年末までの間にマイナビエージェントにご登録頂いた20代・30代の方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
Webエンジニアの仕事内容
ここでは、Webエンジニアの具体的な仕事内容を解説します。各開発工程でWebエンジニアがどのような働きをするのか、詳しく解説します。
要件定義
ユーザーからのヒアリングを基にどんなサービスが必要とされているかを分析しつつ、開発するサービスについて自社で話し合います。Webエンジニアは他の人からの要望に対し、それが実現可能かどうかを考えつつ、自身でも積極的にアイデアを出します。
また、ユーザーのターゲット層やサービスのコンセプト、開発にかかる工数などの決定も行います。
設計
開発内容が固まったら、具体的にどう開発するか設計を行います。まず、サービスに必要なサーバやデータベースなどを考え、それを基にどんなプログラムが必要かを決定します。
Web系の場合、システムエンジニアとプログラマーで明確に役割が分担されていないこともあり、開発メンバー全員が設計に関わることもあります。設計内容は設計書や仕様書にまとめます。
開発
設計が終わったら、開発に取り掛かります。設計書の内容を基にプログラムを開発します。開発では、サイトの動作が重くならないようにアルゴリズムの効率などを意識しながら開発する必要があります。
開発作業は主に、フロントエンドとバックエンドに分かれます。なお、Webデザイナーなどとも連携して作業を進める必要もあるでしょう。ある程度プログラムが完成したら、プロジェクトメンバー全員に共有し、想定通りにプログラムされているかを確認します。
テスト
開発終了後はテスト作業を行います。プログラムがユーザから見て問題なく動いているかどうかを確認します。不具合などが見つかれば修正を行います。テスト作業も、Web系の場合開発メンバー全員が行うことが多いです。
テストが完了したらサービスをリリースし、ユーザの反応を待ちます。ユーザーから「こうして欲しい」という要望があれば、その後の改良や他のサービスを開発するときに活かします。これらが、Web開発の一通りの流れとなります。
Webエンジニアに必要なスキル
ここでは、Webエンジニアに必要なスキルをまとめました。必要なスキルには、Web開発で使用するプログラミング言語、データベース、インフラ、コミュニケーションスキル、トレンドに関する知識があります。以下で詳しく解説します。
Web開発プログラミング言語の知識
プログラミング言語の知識は必須です。Web開発においては、主にスクリプト言語(可読性が高く比較的書きやすい言語の総称)を使用します。
フロントエンドの場合、JavaScriptを使うことが多く、バックエンドの場合、PHPやPython、Rubyを使うことが多いです。また、モバイル開発の場合、SwiftやKotlinなどの言語がよく使われています。
入社前の段階で、これらの言語のスキルがある程度身についていることが求められることもあります。
データベースの知識
MySQLなどのデータベースを扱う技術も求められます。データベースに新しいデータを格納したり、データを変更したりといった作業をスムーズに行えることが重要です。
特に大規模なサービスでは莫大なデータを扱う必要があり、データベースに関する知識がより求められるでしょう。
インフラの知識
サーバやネットワークなどのインフラ系の知識も必要です。サービスを運営するためにどんなサーバーが必要で、ネット環境はどうすればよいかなどを理解する必要があるでしょう。また、AWSやMicrosoft Azureといったクラウドサーバーに関する知識も求められます。
【参考】:アマゾン ウェブ サービス(AWS クラウド)- ホーム 【参考】:クラウド コンピューティング サービス | Microsoft Azure
コミュニケーションスキル
Webエンジニアは、WebデザイナーやWebディレクターと話し合う機会が多く、コミュニケーションスキルが求められます。作りたいサービス内容に齟齬が生じないよう、開発中に随時確認を取る必要があるでしょう。
コミュニケーションスキルが欠けていると、他部署と上手く連携が取れず、サービスの質低下や納期を守れないことに繋がります。
トレンドに関する知識
Webエンジニアにはトレンドに関する知識も求められます。例えば現在流行っているSNSなど、世間ではどんなサービスが多く利用されているかを把握していることが大切です。
Web系企業は、クライアントに依頼を受けて開発するのではなく、自分達でサービス内容を考えます。そのためWebエンジニアもトレンドを理解し、どんなサービスが世間に受け入れられるのかを知る必要があります。
Webエンジニアに向いている人の特徴
Webエンジニアの仕事内容に適性のある人の特徴をいくつかご紹介します。ただし、根底にあるプログラミングやWebサービスを面白いと感じ、好きであるという気持ちが一番大切かもしれません。
トライアンドエラーを行える
プログラミングは、コードを書き、エラーが発生すれば原因を探って修正するという作業の積み重ねになります。地道な作業かもしれませんが、その過程を「きつい」と思わず、トライアンドエラーを積極的に行える人に向いていると言えます。
常にキャッチアップを行える
Web関連のテクノロジーは進歩速度が早く、新しいサービスやツールが次々に発表されるため、Webエンジニアとして最新技術やトレンドを常にキャッチアップし続けることが望まれます。
そのため、プログラミング言語やサーバー、データベースなどの知識も含め、新しいものを自ら率先して獲得できる人に向いていると言えます。
コミュニケーション能力がある
エンジニアやプログラマーと聞くと、一人で黙々と作業を行うことをイメージする方もいらっしゃるかもしれませんが、Web開発はチームで役割分担を決めてスケジュールに沿って作業を行います。
そのため、WebデザイナーやWebディレクターなどとの連絡は欠かせません。報連相だけでなく、成果物に対するイメージの共有などの意思疎通が重要なため、周囲とのコミュニケーションが無理なく取れ、チームで成果を上げたいという人に向いていると言えます。
自分の適性は、案外自分では分からないこともあるでしょう。そういった場合には、家族や友人など自分の人柄を理解してくれている方や、転職エージェントなどエンジニア職に精通するプロに相談することで、何か気づきがあるかもしれません。
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Webエンジニアになるには
IT業界未経験の方でも、努力次第でWebエンジニアに転職することは可能です。ここでは、Webエンジニアになるための具体的な方法について解説します。
新卒でWebエンジニアに就職する
大学生の場合、企業によっては新卒入社でWebエンジニアを募集しているところもあります。ただし、新卒で入社する場合でも、ある程度プログラミングスキルが身に付いていることが大切です。
なお、企業によっては倍率が高くなるところもあるため、複数社に応募することも検討しましょう。学生の方でWebエンジニアに興味がある場合は、学生のうちにプログラミングスキルをある程度身に付けることをおすすめします。
SIer系企業で経験を積む
SIer系企業で経験を積んでから、Web系企業に転職することも可能です。IT業界未経験者がIT企業に転職する場合、IT業界未経験者でも採用している企業を見つける必要がありますが、SIer系の中にはIT業界未経験者を採用している企業もあります。
また、SIer系は研修制度が充実している企業もあり、1からプログラミングスキルなどを身に付けられるでしょう。ある程度SIer系でスキルを積んだら、Web系への転職も可能です。
プログラミングスクールに通う
プログラミングスクールに通うのもおすすめです。プログラミングスクールでは、講師が1からプログラミングを教えてくれます。分からないところも丁寧に教えてくれるので、ITの知識がない方でも安心です。なお、プログラミングスクールは料金がかかるため予算等をよく検討してください。
Webエンジニアは将来性が高くおすすめの仕事
本記事ではWebエンジニアについて解説しました。現在エンジニア自体が人手不足と言われており、更にECサイトやSNSの利用者が年々増えているため、ECサイトやSNSを開発・改良するWebエンジニアは需要が高いと言えるでしょう。
その状況に加えて、オンラインのプログラミングスクールやノーコードでの開発ツールの登場により言語の学習ハードルが下がっているため、未経験からでも参入がしやすくなっています。
Webエンジニアを目指す場合は、SIer系企業から転職を目指したり、プログラミングスクールに通ったりするのがおすすめです。なおIT業界未経験の方であれば、数多くの企業の中からIT業界未経験者でも採用している企業を見つける必要があります。
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