テクニカルサポートはきついって本当?
テクニカルサポートは、IT製品やサービスを利用する顧客や販売店の営業担当者などから技術的な問い合わせを受ける業務です。
製品でトラブルが発生した顧客などの対応を行うことも多くあることから、顧客対応がきつい仕事だという印象で見られることもあり、インターネットなどでは「テクニカルサポートはやめとけ」という声も聞かれます。実際に、テクニカルサポートエンジニアの仕事がきついというのは本当なのでしょうか。
幅広い知識で顧客や現場対応者をサポートできる
テクニカルサポートの業務では、確かに顧客対応が難しい場面もありますが、困っている顧客や営業担当者を幅広い知識でサポートし、自社の製品やサービスを活用することを助けることができる仕事でもあります。
自分が持つ知識を人のために役立てたいという気持ちでテクニカルサポートに従事する人も多く、顧客や顧客を受け持つ営業担当者から感謝の言葉を受けることもあります。
テクニカルサポートがきついかどうかを判断するには、きついと言われる理由と、やりがいやメリットの両方を知って、自分にとってどうかを考えてみる必要があります。
この記事は、テクニカルサポートに興味がある方のために、テクニカルサポートがきついと言われる理由を説明するとともに、テクニカルサポートの将来性やメリット、どのような人が向いているのかを解説します。テクニカルサポートの仕事について知り、興味が湧いたら、転職を考えてみるのもいいでしょう。
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テクニカルサポートがきついと言われる理由とは
テクニカルサポートは、技術的なサポートを行うために顧客と直接対話する仕事です。そのため、クレーム対応があることや、知識がなければついていけないことなどがきついと感じられるようです。以下で詳しく説明していきます。
クレーム対応をしなければならない時がある
テクニカルサポートは顧客と直接対応する仕事であるため、時にクレーム対応が発生することは避けられません。クレームの内容は、製品の故障で業務に支障が出たと怒られたり、製品の仕様に納得してもらえなかったりなど様々です。
電話やメールでの対応が主になる場合が多いため、最初は小さかった問題も、顧客との中で起こる言葉の行き違いや、情報の食い違いで大きなクレームに発展してしまうこともあります。
幅広く専門的な業務知識を求められる
テクニカルサポートエンジニアには、技術サポートする製品やサービスについて幅広い知識が求められます。また、関連するIT技術についての専門的な知識が求められることもあります。業務を始めても、覚えなければいけないことが多く、初めのうちは勉強が大変かもしれません。
技術サポートを求める顧客からの問い合わせは、対応マニュアルの範囲に収まらない難易度の高い内容を含むこともありますし、内容がサポート部門の対応範囲であるかどうかの判断が難しいこともあります。
しっかりとした知識を身に付けて、多様な問い合わせに回答する経験を積まなければ、十分な技術サポートを行うことは困難なため、継続的な勉強が欠かせない職種です。
夜勤・休日出勤や残業がある場合がある
テクニカルサポートの受付体制は企業によって様々です。平日の日中のみの受付もありますが、24時間365日受付を行なっているところもあります。
夜間や土日祝日も受付を行なっている場合は、シフト交代制での受付体制を取る場合が多く、夜勤や土日祝の出勤が定期的に回ってくることが、きついと言われる理由の1つです。
また、修理受付などのテクニカルサポートでは、多くの顧客に影響が及ぶような大規模な故障が発生した場合、復旧までサポート人員を増員するため残業や休日出勤を要請される場合もあります。このような不定期な勤務体制が続くとストレスがたまり、体力的にも精神的にも疲労して体調を崩す原因にもなりかねません。
テクニカルサポートで働くメリットとは
勤務体制や勉強が必要な点は大変なテクニカルサポートですが、メリットややりがいもたくさんあります。
困った人を自分の知識で助けるやりがいがある
いかに素晴らしい製品やサービスでも、それについて分からないことを教える役割の人がいなければ、たくさんの人に快適に使ってもらうことはできません。
テクニカルサポートは、製品やサービスを思う通りに使えずに困っている顧客や、顧客の代わりに問い合わせてくる営業担当者からの問い合わせに適切に回答して、自社の製品やサービスを快適に使ってもらう手助けをすることができます。
時には顧客から、サポートに対しての感謝の言葉をもらうこともあります。他のIT系エンジニアと比べて、顧客と直接接する機会が多いテクニカルサポートならではのメリットと言えるでしょう。
問題解決力やトラブルシューティングなどのスキルが高まる
テクニカルサポートは、顧客の困っている状況を把握して適切な解決策を提供します。そのためには、問題の要素を割り出して分析し、トラブルの根本的な原因が製品の仕様や故障なのか、それとも顧客の利用環境に問題があるのかなどを追求する必要があります。
そのため、テクニカルサポートで働くことで、IT関連の問題解決力やトラブルシューティング能力が身につきます。
業務知識が身につけば楽な部分もある
覚えることや勉強することが多いのがテクニカルサポートの大変な部分でもある一方、似たような問い合わせの傾向などもあり、ある程度の業務知識がしっかりと身につけば、簡単に回答できるケースも出てきます。
そうなれば、まだ経験したことがないケースについて勉強したり、周辺分野の勉強をしたりして自らの知識やスキルをさらに高め、次のサポートに当たるという、良い循環が生まれてきます。
テクニカルサポートで得た経験でキャリアアップを図れる
テクニカルサポートは担当する製品やサービスの豊富な知識を持っているだけでなく、その周辺のIT関連の知識も十分に備えている必要があります。例えば、ネットワーク機器のサポートであればネットワーク関連知識、ホスティングサービスのサポートであればWeb系全般の幅広い知識が必要です。
そのため、業務で培った知識や経験を活用して、将来的にネットワークエンジニアやプログラマー、システムエンジニアなど、関連する分野の他のIT系エンジニアに従事するというキャリアパスも考えられます。
自分の将来を考えて転職を検討する場合、経験豊富な転職エージェントに一度相談してみることをおすすめします。
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テクニカルサポートの将来性と収入
テクニカルサポートで働くことを考えた時、この先安定して働いていけるかどうかは気になるポイントでしょう。ここでは、テクニカルサポートの将来性や収入について解説します。また、近い職種であるヘルプデスクとの違いも説明します。
テクニカルサポートの将来性
近年は高性能なIT製品が次々と使われるようになってきていますが、便利で高機能な分、使い方や技術面も複雑化してきています。
そのため、IT製品の性能を十分発揮したり、トラブルに対処したりするために、テクニカルサポートの業務が必要不可欠です。
テクニカルサポートは、自社製品やサービスを顧客に提供する多くの企業で必要とされる業務です。顧客のサポートに役立てられるIT関連知識や顧客対応のスキルはどこに行っても需要があり、テクニカルサポートは将来性のある職種であると言えます。
テクニカルサポートの年収
テクニカルサポートの年収は「マイナビエージェント 職種図鑑」での平均年収は310万円、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種の顧客サポート/ヘルプデスクを参考にすると、平均年収390万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、テクニカルサポートは一般平均年収よりも、やや低めであることが分かります。
テクニカルサポートは取り扱う製品やサービスの専門性によって年収が異なります。年収を上げたい場合は、より高度な知識や専門性を身につけて、より年収の高いテクニカルサポートへ転職を検討するのも良いでしょう。
また、テクニカルサポートでの経験を生かして、他のIT系エンジニアにキャリアアップするのも1つの方法です。
【参考】:マイナビエージェント 職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
テクニカルサポートとヘルプデスクとの違い
テクニカルサポートに近い職種に、ヘルプデスクがあります。一般的には、ヘルプデスクは質問に回答すること、テクニカルサポートは問題を解決することが役割と位置付けられています。
例えば、製品やサービスについての質問全般を受け付けるのがヘルプデスクで、その中でも故障や機能的な問題が生じたので解決したい、という問い合わせはテクニカルサポートが担当することが多いです。
しかし、企業によってテクニカルサポートとヘルプデスクの業務内容の認識は異なりますので、転職する場合は事前にしっかりと確認しておくことが必要です。
テクニカルサポートに向いている人の特徴とは
ここでは、テクニカルサポートの業務に向いている人の特徴を説明します。自分がテクニカルサポートに向いているかどうかの判断材料として、当てはまっているかチェックしてみてください。
ITリテラシーが高い
テクニカルサポートで対応する内容は、担当する自社の製品だけでなくパソコンやOS、その他のハードウェアに関する知識が必要なものも多くあります。
そのため、パソコンの基本的な操作や、Windows・LinuxなどOSの知識など基本的なITリテラシーが高い人は、下地となる知識が十分にあることから、テクニカルサポートに向いています。
エンジニア経験がある
IT業界でエンジニア経験があり、プログラミングやネットワークなどについての知識やスキルを持っていれば、不具合や問題が発生した時の傾向や対処方法もある程度わかり、テクニカルサポートでもそのまま活用できるでしょう。
言葉によるコミュニケーションが得意
テクニカルサポートには問題解決のための高い技術力が求められると同時に、トラブルの原因を説明し、クレームを回避するトークを行うなど、顧客とのコミュニケーションも重要です。
そのため、人を説得して納得してもらうことを得意とするコミュニケーション力の高い人は、テクニカルサポートでその能力を存分に発揮することができるでしょう。
人を助けるのに喜びを感じる
テクニカルサポートエンジニアのやりがいと言えば、何と言っても困った顧客を助けられることです。
自らの知識と経験を活用して困った人を助けることに喜びを感じられる人は、業務知識の習得や勉強にも高いモチベーションで臨むことができ、テクニカルサポートにぴったりの人材と言えます。
テクニカルサポートのメリットとデメリットを自分で判断しよう
テクニカルサポートがきついと言われる理由や、テクニカルサポートの将来性・年収、メリットや向いている人について説明しました。自分にとって、メリットとデメリットのどちらが大きいか判断する材料になったのではないでしょうか。
しかし、もしもテクニカルサポートに興味が湧いて転職を考えても、1人で転職活動を行うのは大変なものです。今の仕事の合間に転職活動を行って、テクニカルサポートを募集している企業を探し、自らをアピールする材料を揃える必要があります。
そこでぜひご活用いただきたいのがマイナビIT エージェントです。
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