CAB適性検査は難しすぎ?テスト形式・問題内容・対策法を紹介
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CAB適性検査は難しすぎ?テスト形式・問題内容・対策法を紹介
アンドエンジニア編集部
2023.08.20
この記事でわかること
CABは適性検査の1つで、コンピュータ職の採用時に活用されています
CABのテスト項目は基礎能力と性格を診断する5項目から成ります
事前に出題内容を学習し、SE能力を高めるための継続的学習をおすすめします

CAB適性検査とは?

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CAB適性検査とは、日本エス・エイチ・エル株式会社によって考案・運営されている適性検査です。CABとは「Computer Aptitude Battery」の略で、コンピュータ職適性診断テストを意味します。CAB適性検査の目的は、SEやプログラマーなどコンピュータ職を志望している学生の適性を測ることです。

【参考】:日本エス・エイチ・エルの商品

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CAB適性検査のテスト形式は?

CAB適性検査はペーパーテストであるマークシート形式と、Webテスト形式の2種類があります。

ペーパーテストであるマークシート形式はテスト時間が95分です。一方、Webテスト形式ではテスト時間が72分となります。Webテストでは設問あたりにかけられる時間が少ないことや、傾向として難易度の高い問題が出されることが分かっています。

四則演算、法則性、命令表、暗号、性格診断

CAB適性検査については、四則演算・法則性・命令表・暗号・性格診断の5項目から成り立っています。テストはマークシート形式・Webテスト形式でそれぞれ以下の設問が問われます。参考までに1問あたりにかけられる秒数も記載しています。

マークシート形式(全体で95分)

暗算     :10分で50問(1問あたり12秒) ・法則性    :15分で40問(1問あたり22.5秒) ・命令表    :20分で50問(1問あたり24秒) ・暗号     :20分で39問(1問あたり30.7秒) ・性格検査   :30分で68問(1問あたり26.4秒)

Webテスト形式(全体で72分)

暗算(四則逆算):9分で50問(1問あたり10.8秒) ・法則性    :12分で30問(1問あたり24秒) ・命令表    :15分で36問(1問あたり25秒) ・暗号     :16分で30問(1問あたり32秒) ・性格検査   :30分で68問(1問あたり26.4秒)

【参考】:日本エス・エイチ・エルの商品:Webテスト

それぞれどういう問題なのか

ここでは、具体的な各設問の分類について説明していきましょう。

「暗算」は基本的な四則演算の計算能力と、正確な計算が短時間で行えるかが問われます。なお、マークシート形式では順に計算する暗算問題が出されますが、Webテスト形式では計算途中の穴埋めを行う四則逆算問題となります。結果から処理を逆算しなければならず、より短時間の計算能力が求められます。

次に、「法則性」では4つの異なる図形から法則を見つける、パズル的な要素の能力が試されます。図形の要素はおよそ以下の分類で構成されています。

回転     :図形が一定の角度で回転するもの ・移動     :図形がマスの中で移動するもの ・交互移動   :図形が上下左右あるいは斜めに移動するもの ・増減     :図形の個数が増減するもの

「命令表」では図形群と命令表が提示され、その命令を実行することで最終的な図形がどのように変化するのかを図形群から解答します。命令記号は10種類あり、適切と思われる最終的な図形を選択する形式です。

「暗号」については、図形が変化する前後の変化の法則性から暗号の意味を解読します。変化のパターンは以下のようなものから類推します。

回転     :図形が回転するパターン ・      :色が反転するパターン ・大きさ    :図形が小さくなる、または大きくなるパターン ・図形の変化  :三角が丸になる、四角が丸になる等のパターン ・文字     :数字が増減する、並びが逆になる等のパターン ・増減     :図形や文字の個数が変化するパターン

最後に「性格診断」について説明します。性格診断はCAB適性検査固有というわけではなく、人間性を判断するものです。入社後の配属先決定等でも判断材料として用いられます。

CAB適性検査の狙いは?

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CAB適性検査は、SEやプログラマーなどコンピュータ職を志望している学生の適性を測ることが目的です。実際のコンピュータ職は知識を吸収し(インプット)、実務で成果を出すこと(アウトプット)が求められます。しかしながら、学生は知識がまだ不十分で実績もありません。

そのため、今後知識吸収が進んでいくのか、あるいは成果や実績が発揮できるのか、その可能性を適性検査から判断する必要があります。そこで、ここではSEに向いている人・向いていない人・SE能力を向上させる方法について解説します。

SEに向いている人

SEの職種はITの最新知識が深く求められます。そのため、ITスキルの吸収意欲が高い方が適性があると言えるでしょう。同様に、複数の仕事や急なトラブルへの対処が求められるため、臨機応変に対応でき、かつマルチタスクで処理できると理想的です。

また、うまくいかない場合の対応相談や仕様作成時の顧客応対には、コミュニケーション能力が求められます。したがって、IT知識吸収意欲・マルチタスクへの対応・コミュニケーション能力が総合的に高い方は、SEに向いています。

さらに、コツコツ物事を進める実践力を持った方、ストレス耐性が高い方は長くSEが続けられるでしょう。

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SEに向いていない人

SEに向かない人は、SEに向いている人の求められる事項が不足している人です。極端な例ですが、ITに興味がない・知識吸収欲が低い・型にはまった仕事しか対応できない・うまくコミュニケーションができない人は、他の適性を活かした仕事の方が良い結果が得られるでしょう。

とはいえ、チャレンジ精神が旺盛な方はどの分野でも成功を収める可能性が高いと言えます。

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SE能力を向上させる方法

SEの分類は、インフラの担当をするITスペシャリストや、ITシステムを設計するITアーキテクト、全体を管理するプロジェクトマネージャなど多岐に渡ります。そのため、最終的に求められる専門性に違いがありますが、概ね以下のポイントを押さえていきましょう。

具体的には、ITの最新知識を吸収する意欲を持つこと・プログラム開発に興味を持ち最低限のプログラムコードが記述できること・成果物をまとめるためにドキュメント作成能力を高めること・対人コミュニケーションを実践すること、などが挙げられます。

1人で能力開発が難しい場合は先輩や周りの経験者に指導してもらう(メンター制度)も有効です。

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CAB適性検査で高得点を取るメリット

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CAB適性検査で高得点を取ることには、実際どのようなメリットがあるのでしょうか。考えられる主なメリットは以下の3つです。

内定・採用率が上がる

CAB適性検査で高得点が取れれば、SEとしての適性があると判断されるため、当然SEを求めている企業からの内定や採用をもらえる確率はアップします。

CAB適性検査は面接官の主観に左右されないので、「緊張してしまい、面接でうまく受け答えができない」という方でも、「SEの適性あり」という検査結果を総合的に判断してもらえる可能性があります。

それでも、面接に不安がある方には、模擬面接や履歴書の添削などプロのサポートが受けられる転職エージェントの活用をおすすめします。

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SE職に対して自信が持てる

CAB適性検査はSEとして適性があるかどうかを判断するための指標でもあるので、高得点を取ったことでSEに向いていることが客観的に証明でき、今後働いていく上での自信に繋がります。

しかし、万が一CAB適性検査で高得点を取れなかったとしても、SEになることを諦める必要はありません。自分が苦手だと感じる分野を勉強し、実務経験を積み重ねることで、SEとして十分な能力を身につけられます。

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収入アップの足掛かりとなる

SEの年収は「マイナビエージェント 職種図鑑」での平均年収は431万円(※2023年5月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」からエンジニア/プログラマを参考にすると、平均年収592万円と分かりました。

国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、SEは一般平均年収と同等、あるいはやや高めであることが分かります。

CAB適性検査で高得点を取れば、SE職に自信がつく上に活躍の場を与えてもらえる機会が増えるかもしれません。さらに年収を上げるには、資格を取得するなどスキルアップを図る方法が効果的です。

【参考】:マイナビエージェント 職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁

CAB適性検査の対策法

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CABの適性検査はテストが難しすぎることでも知られています。テストには制限時間が設けられており、内容が難しすぎることで時間内に答えることができないケースもあります。

そのため、いきなり本番に挑むのではなく、事前にしっかりとした対策を練ることが重要です。ここからは、おすすめのCAB適性検査の対策法をご紹介します。

Webの対策サイトを活用する

CAB適性検査の対策は、何と言っても問題形式に慣れることです。市販されている問題集を購入したり、Webの対策サイトや無料アプリを活用したりしましょう。事前に問題を確認することで設問時間の感覚を掴むことができます。Webの対策サイトの一例として、以下のサイトをご紹介します。

「WEB TEST対策」

WEB-CABにも一部対応した模擬試験を受けられます。有料ですが、本番と同じ緊張感を体験できるので、事前に慣れておきたいという方にはおすすめです。

【参考】WEB TEST対策

おすすめのCAB対策本3選

ここでは、CAB対策としておすすめの参考書を3つご紹介します。素早く正確に解くコツやテクニックが解説されているので、初心者の方には特におすすめです。

1.「これが本当のCAB・GABだ! 2025年度版 【Web-CAB・IMAGES対応】」

種類が豊富なSHL社の採用テストの中でも、出題頻度の高いテストが紹介されています。実際の出題範囲や内容を忠実に再現しているため、本番さながらの対策が可能です。また、四則演算を解くコツが一覧になっていたり、問題を解くテクニックが掲載されていたり、1冊で対策・応用がしたい方におすすめです。

▪著者:SPIノートの会 ▪ページ数:376ページ ▪出版社:講談社 ▪発売日:2023/1/20

【参考】:これが本当のCAB・GABだ! 2025年度版 【Web-CAB・IMAGES対応】

2.「最新最強のCAB・GAB超速解法 ’25年版」

適性検査、CAB・GAB・C-CAB・C-GAB、IMAGESの対策ができる参考書です。知的能力テストの問題・解答から構成されており、問題数を実際のテストに近い形で再現しているため、本番までに徹底的に準備しておきたい人におすすめです。

また、出題パターンや攻略テクニックなども豊富で、難易度の高いWebCABにも対応しています。

▪著者:髙橋 二美夫 ▪ページ数:288ページ ▪出版社:成美堂出版 ▪発売日:2023/4/21

【参考】:最新最強のCAB・GAB超速解法 ’25年版

3.「2025年度版 CAB・GAB 完全対策」

実際の試験の難易度を、豊富な問題数で完全再現しています。対策が難しい性格検査の詳細解説も掲載されています。さらに、高得点を獲得するための必勝テク「カンタン攻略法」も紹介されており、超難解テストの解き方がよくわかる実践本です。

▪著者:就活ネットワーク ▪ページ数:246ページ ▪出版社:実務教育出版 ▪発売日:2022/12/20

【参考】:2025年度版 CAB・GAB 完全対策

CAB適性検査以外の適性検査はある?

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CAB適性検査は、コンピュータ職の適性を判断するために用いられる検査です。一方、コンピュータ職以外でも適性検査は活用されています。ここでは、CAB適性検査以外に一般的に用いられている適性検査について紹介していきます。

GAB、C-CAB、GAB Compact、玉手箱、SAB、OAB

CAB適性検査以外では、「GAB」がよく用いられています。GABは「Graduate Aptitude Battery」の略で、総合適性診断テストを意味します。

総合適性診断テストとは商社(総合・専門)・金融(証券・投資)・総合研究所など、高い知能を要する業界の総合職用の検査に活用されているテストです。GAB適性検査においてもマークシート形式とWebテスト形式があります。

そのほかには、検査項目に英語言語能力の検査を加えた「C-CAB」や、難易度を上げて試験時間を短縮した「GAB Compact」もあります。GABの出題形式は言語能力・計数能力・性格診断からなります。

言語能力検査はマークシート形式は8長文を15分、Webテスト形式は13長文を25分で解答する形式です。同様に、計数能力検査ではマークシート形式は20問を20分、Webテスト形式は35問を35分で解答します。

また、自宅受験型で英語のテスト項目を含む「玉手箱」、営業職適性テストの「SAB(Sales Aptitude Test Battery)」、事務職適性テストの「OAB(Office Automated Aptitude Test Battery)」もあります。

【参考】:日本エス・エイチ・エルの商品:Webテスト

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一般的に使われる他の適性検査は「SPI」

CABやGAB以外の適性検査で有名なものに「SPI」があります。SPIは「Synthetic Personality Inventory」の略で、総合適性検査を意味します。

SPIはリクルートの子会社である株式会社リクルートマネジメントソリューションズによって運営されており、日本初の総合適性検査として多くの企業や地方自治体で用いられています。

SPIのテスト方式は「テストセンター方式」「Webテスティング」「インハウスCBT」「ペーパーテスト方式」の4種類です。出題形式は「能力適性検査」「性格適性検査」の2種類で、就職採用時の適性判断に用いられます。

【参考】:リクルートマネジメントソリューションズ:適性検査「SPI」とは?

CAB適性検査を突破してIT職の扉を開けよう

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企業のコンピュータ職採用では、SEやプログラマーとしての潜在的な可能性を確認するためにCAB適性検査を活用しています。そのため、CAB適性検査で自身の潜在能力の高さを示す必要があります。事前準備によって結果に大きな差が出るため、いきなり適性検査を受けるのではなく、必要な準備を進めましょう。

CAB適性検査で高得点を取れば、希望のIT職に就ける可能性が高まります。SEとしての自信がつけば、さらなるキャリアアップを目指して転職を意識する方も多いでしょう。しかし、自分のスキルを活かせる企業を見つけるのは、なかなか難しいことですよね。

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