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SAP認定コンサルタント試験とは?取得で転職に有利になる資格を解説
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SAP認定コンサルタント試験とは?取得で転職に有利になる資格を解説

アンドエンジニア編集部
2025.01.14
この記事でわかること
SAP認定コンサルタント試験に合格することで、SAPシステムに関する知識と技術を公式に証明できる
SAP認定コンサルタント試験には3つのレベルがあり、さらに大きく3つのカテゴリーに分かれる
SAP認定コンサルタント試験はSAPプロジェクトに関わり、実務経験を積んでから受験すると良い

SAP認定コンサルタント試験とは?

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SAP認定コンサルタント資格は、SAP社が提供する認定試験の合格者に与えられる資格で、SAPシステムに関する知識と技術を公式に証明します。資格取得は、SAPプロジェクトで信頼を得られる以外に、転職における優位性を確保し、転職活動を有利に進められます。

SAP認定コンサルタント試験は、オンライン学習や情報収集が容易であるため、誰でも独学での取得が可能です。この記事では、SAP認定コンサルタント試験の概要と、転職に有利な資格取得に関する必要な情報を解説します。

【参考】:SAP 認定を取得する準備はできていますか?|SAP認定資格 【参考】:Browse SAP Certifications

SAP認定コンサルタントの役割

SAP認定コンサルタントは、企業の業務プロセスを改善し、業務を効率化するために、SAPシステムの導入やカスタマイズ、運用を支援する専門家です。SAP認定コンサルタントの主な役割としては、次のようなものが挙げられます。

1.業務分析 各部署で行われている業務内容、使用しているシステム、抱えている課題などを洗い出します。次に業務の流れの中で、非効率な部分や、改善の余地がある部分を特定し、業務プロセスを効率化するための具体的な改善策を提案します。

2.要件定義 企業のニーズを基に、SAPシステムに求められる機能を具体的に定義します。続いてシステムに実装すべき機能を明確にします。他に、非機能要件として、システムのパフォーマンス、セキュリティ、拡張性など、機能以外の要件を定義します。

3.システム設計 要件定義に基づき、最適なSAPシステムの設計を行います。具体的には、SAPの各モジュール(ERP、CRM、SCMなど)から、必要な機能をカバーするモジュールを選択します。またデータベースの構造を設計し、データの連携方法を決定します。他に、画面設計、ワークフロー設計を行います。

4.システム導入 設計されたシステムを実際に導入し、設定を行います。具体的には、SAPシステムのインストール、既存システムから、顧客情報や製品情報などのマスタデータを移行します。また、SAPの標準機能では対応できない部分をカスタマイズし、テスト用の環境を構築し、テストを実施・評価します。

5.教育・運用サポート ユーザーに対するシステムの使い方を教育します。また操作等に関するマニュアル作成、マニュアルに基づく操作方法の指導、ヘルプデスク対応、システム導入後の運用をサポートします。

以上のように、SAP認定コンサルタントは、SAPに関わるシステム化計画から導入までを、それぞれの専門家が分担し、プロジェクトの成功に繋げます。

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SAP認定コンサルタント試験のレベルと種類

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SAP認定コンサルタント試験には3段階のレベルがあり、さらにSAPシステムの各分野に対応した複数の種類があります。SAP認定コンサルタント試験のレベルと種類について見てみましょう。

レベル

SAP認定コンサルタント試験は、その難易度や専門性によっていくつかのレベルに分けられています。一般的に、以下の3つのレベルが挙げられます。

【参考】:Browse SAP Certifications

■ Associate認定資格 SAPに関する基本的な知識とスキルを証明します。SAPのソリューション(例えば、SAP S/4HANA Finance、SAP SuccessFactorsなど)に関する知識を習得しているなど、SAPに関する基本的な知識やスキルが問われます。

■ Specialist認定資格 SAPに関する、より高度な知識と実践スキルを有している証明となります。Associate認定資格に加え、各モジュールに関する具体的スキルや知識を用いて、実際の案件で活躍する機会が増えるでしょう。

■ Professional認定資格 SAPに関する最も高度な知識と専門的なスキルを証明します。実プロジェクトの経験や、実際の業務プロセスに関する知識などが問われます。プロフェッショナル資格の取得により、SAPコンサルタントとして活躍する機会が増えるでしょう。

分類

SAP認定コンサルタント資格は、SAPが提供する多様なモジュールや技術に対応しており、2024年12月現在は資格は91種類あります。その中で大きく分けて、以下の3つのカテゴリに分類されています。

【参考】:Browse SAP Certifications

■ デベロップメントコンサルタント 主にプログラマーやシステムエンジニア向けの資格です。主な業務としては、要件定義、システム設計、カスタマイズテスト、ユーザー教育などがあります。

■ アプリケーションコンサルタント 主に業務系システムに関する知見を有するSAPコンサルタント向けの資格です。主に担う業務としては、カスタムレポート開発、インタフェース開発、ワークフロー開発などがあります。

■ テクノロジーコンサルタント 主にインフラエンジニアを対象とした資格であり、担う業務としては、システムインフラストラクチャ設計、データベース管理、システムパフォーマンスチューニングなどがあります。

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試験の実施概要

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まずはSAP認定コンサルタント試験の概要について確認しておきましょう。

▪受験資格:受験者に関する制限なし、受験許可はSAP独自で判断 ▪受験申込:随時受付 ▪受験日程:随時実施 ▪受験方式:CBT方式(自宅などからオンライン受験、監督付き) ▪受験費用:試験の種類やレベル、受験回数、認定期間によって異なる      一般的には試験費用は1回当り数万円~10数万円、他に教材費、トレーニング費用が必要 ▪合格発表:試験終了後ただちに確認が可能で、合格するとSAPから認定バッチ発行

【参考】:SAP 認定を取得する準備はできていますか?

CBT試験とは?概要やメリット、採用されている資格一覧を紹介!

試験の申し込み方法

試験の概要は分かりましたが、受験の申し込みはどのようにすれば良いのでしょうか?以下に基本的な流れを紹介しますが、SAPは受験方法を変更することがありますので、最新の情報は公式サイトで確認しましょう。

■ 取得したい認定資格を選択する 自分のレベルや役割、スキル レベル、SAPの専門知識、言語などから、自分が目指す認定資格を見つけます。以下のサイトのSAP認定資格一覧から、「レベル」、「役割」、「言語」を選択して、対象資格を絞り込みます。

【参考】:Browse SAP Certifications

■ SAP公式サイトで申し込む また、受験に当たっては、アカウントとパスワードの設定が必須です。受験したい試験が決まった方は、「SAP certification」でsubscriptionを購入します。このsubscriptionは認定資格や受験回数、為替相場によって料金は変動します。

■ SAP Certification Hubで受験する 試験のスケジュールを設定し、SAP Certification Hubでオンライン受験します。オンライン受験ではWebカメラ、マイク、ヘッドセットが必須です。またインターネット環境が整い、落ち着いて受験できる場所が必要です。

■ 認定資格を維持する SAP認定コンサルタント資格の維持には、「SAP Learning Hub」のサブスクリプションが必要となります。

この機能を有効にしないアカウントの認定資格は2025年3月31日で失効しますので注意が必要です。

【参考】:SAP Learning Hub

難易度や合格率

SAP認定コンサルタント資格は難易度が高く、 合格ラインは6割〜7割程度と言われていますが、専門性が高いため座学だけでは資格取得は厳しいでしょう。試験の合格率は公表されていませんが、受験者の評価によると、他のIT関連資格と比較して、決して易しくはないという声が大半です。

現実的には、IT企業やコンサルファームなどでSAPのプロジェクトに関わり、実務面の経験を積んでから受験することをおすすめします。

合格に必要な勉強時間

SAP認定コンサルタント資格の合格に必要な勉強時間は、前提知識や経験の程度によって異なります。SAP製品に精通している場合は1〜2ヶ月、一般的には数か月程度の集中的な学習が必要です。専門性が高いため、座学だけではなく、実務でプロジェクト経験を積み上げてから資格取得に臨みましょう。

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SAP認定コンサルタント資格を取得するメリット

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SAP認定コンサルタント試験に合格することで得られるメリットは多岐にわたります。以下に主要なメリットを紹介します。

キャリアアップ

SAP認定資格を取得することで、キャリアアップの道が開かれます。専門性の高いスキルを持つことが証明されるため、プロジェクトリーダーやマネージャーとしてのポジションへの昇進が期待できます。

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専門性の証明

SAP認定資格は、SAPシステムに関する専門知識を持つことを公式に証明するものです。これにより、社内外からの信頼を得ることができ、SAPプロジェクトへの参画など、活躍の機会が広がる可能性が高まります。

就職・転職時の優位性

就職や転職の際に、SAP認定資格を持つことは大きなアドバンテージとなります。企業は、専門性の高い人材を求めており、SAP認定資格はその証明となり、特にコンサルファームやSIerなど、SAP ERPの導入に関わる企業への転職では優位性を確保できます。

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収入アップの可能性

SAP認定資格を取得することで、収入アップの可能性が高まります。SAPに関する高い専門性とスキルを持つことで、資格手当の支給や上位職への登用などによって、より高い報酬を得る可能性が広がります。

スキルアップ

SAP認定試験を通じて、SAPシステムに関する深い知識を習得でき、最新技術へのキャッチアップも容易になり、業務における問題解決能力が向上します。また、よりレベルの高いSAP認定資格を取得し、実務経験を積むことでキャリアアップの可能性も高まります。

SAP認定コンサルタント試験合格者の年収

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SAP認定コンサルタント資格を活かせる仕事として、SAPを扱うコンサルファームなどでのコンサルタントがあります。

「マイナビエージェント職種図鑑」によると、ITコンサルタントの平均年収は512万円(※2024年12月執筆時点)です。経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」では、コンサルタントの平均年収は928万円でした。

また、国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円ですので、ITコンサルタントは国内の平均年収よりも高いと言えます。

システムエンジニアとして活躍中の方は、SAP認定コンサルタント資格の取得で、高年収が期待できるコンサルファームへの転職が視野に入るので、さらに活躍したい方はぜひ資格取得にチャレンジしましょう。

【参考】:マイナビエージェント職種図鑑/ITコンサルタント ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁

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ITコンサルタントにおすすめの資格7選!年収や将来性も解説

SAP認定コンサルタント試験の対策

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SAP認定コンサルタント資格試験の対策は、様々な勉強手段があり、選択に困るほどですが、以下に挙げる「SAP Learning Hub」の利用、オンライン学習で定評のあるUdemyのSAP ERPコースをおすすめします。

他、初学者の方には、おすすめの参考書や問題集で一通り学習してから、「SAP Learning Hub」を活用する方法もあります。経験やスキルを勘案して、選択することをおすすめします。

SAP公式「SAP Learning Hub」

SAP Learning Hubは、SAP製品やソリューションに関する幅広い学習コンテンツを提供する、クラウドベースの学習プラットフォームです。

動画、インタラクティブな演習、シミュレーション、テキストベースの教材など、多様な形式のコンテンツが用意されており、学習者のニーズに合わせて自由に学習を進めることができます。

費用は20万円前後と決して安くはありませんが、年間4回のSAP認定試験の受験料も含まれており、資格取得者の多くの方が選択しています。

【参考】:Start your SAP Learning Now

UdemyのSAP ERP Essential Training

UdemyのSAP ERP Essential Trainingは、SAP ERPの基本的な概念や機能を体系的に学ぶことができるオンラインの学習コースです。初心者の方でSAP ERPを学びたい方や、SAPの基本的な知識を習得したい方におすすめです。

モジュール構成、マスターデータ、トランザクション、レポート作成など、SAP ERPの基本的な機能を網羅的に学習できます。

【参考】:SAPコース: オンラインSAPトレーニング(初心者から上級者まで) | Udemy

Udemyとは?オンライン学習の特徴や料金、学び放題について解説

その他おすすめの参考書や問題集

限られた時間で独学での合格を目指すには、定評のある教材や問題集を活用する方法があります。ここではおすすめの参考書、問題集やオンライン学習サイトを紹介します。

■ 世界一わかりやすいSAPの教科書 入門編 初心者にも理解しやすいように構成された入門書で、SAPの基本的な概念から実践的な応用まで幅広くカバーしています。

具体例や図解が豊富で、初めてSAPに触れる人でもスムーズに学習が進められるよう工夫されています。実務に役立つ知識を効率的に習得でき、SAPの導入や運用に必要なスキルを基礎からしっかりと身につけられます。

▪著者:とく(著) ▪ページ数:240ページ ▪出版社:秀和システム ▪発売日:2021年8月27日

【参考】:世界一わかりやすいSAPの教科書 入門編

■ SAP担当者として活躍するための ERP入門 ERPシステムの基本概念から実務での活用までを幅広くカバーした入門書です。特にSAPの導入や運用に焦点を当て、実際の業務シナリオを通じて、理論と実践を結びつける方法を詳しく解説しています。具体的な事例や図解が豊富で、初めてERPシステムに触れる方でも理解しやすい構成となっています。

また、最新の技術動向やトレンドに関する情報も取り上げており、現場で即戦力となる知識を提供します。SAPに関連するキャリアを目指す方や、現場でのスキルアップを図りたい方にとって非常に役立つ1冊です。

▪著者:久米 正通、村上 均、アレグス株式会社(監修) ▪ページ数:268ページ ▪出版社:秀和システム ▪発売日:2024年3月1日

【参考】:SAP担当者として活躍するためのERP入門

■ SAP担当者として活躍するための FI/CO入門 SAPの財務会計(FI)および管理会計(CO)モジュールに特化した入門書です。財務データの管理やコスト管理の基礎から応用まで、実務に即した内容を幅広くカバーしています。具体的な操作手順や事例を通じて、SAPシステムの効果的な活用方法を学べます。

初心者でも理解しやすいように構成されており、実務での即戦力となる知識を提供します。FI/COのスキルを磨き、企業の財務管理に貢献したい方に最適の1冊です。

▪著者:村上 均、アレグス株式会社(監修) ▪ページ数:340ページ ▪出版社:秀和システム ▪発売日:2024年6月28日

【参考】:SAP担当者として活躍するための FI/CO入門

SAP認定コンサルタント資格を活かしてさらなる活躍を

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ここまで、SAP認定コンサルタント資格の取得について、試験の概要、難易度や受験方法、資格取得のメリット、試験対策などについて解説しました。SAP ERPは名だたる企業が採用しており、このコンサルタント資格を得ることで、転職における強力なスキル証明となります。

とはいえ、SAP認定コンサルタント資格取得者を必要とするコンサルファームやSIer、一般企業への転職には、資格取得以外にも様々な条件やハードルをクリアしなければなりません。また、膨大なエンジニアの求人情報から、自分に最適な企業を見つけ出し、転職準備を進めるのは難しいでしょう。

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