Windows11は不具合だらけ?
2021年10月にWindows11が登場してから数年あまりが経過しましたが、「Windows11はバグだらけ」や「更新プログラムを適用するとバグが起きた」などの意見が挙げられています。不具合の多さにより、未だにWindows10からのアップグレードをためらう人もいるようです。
この記事では、Windows11の不具合報告を元に、発生した主な不具合の状況や対策などについて解説します。Windows11へのアップグレードをためらっている方、Windows11のアップデートを保留している方はぜひ参考にしてください。
【参考】:Windows のリリースの正常性 | Microsoft Learn
Windows11で報告されている主な不具合
Windows11では2022年9月21日に、大型アップデートとして22H2をリリースしていますが、未だに一部のユーザでは完全解決していない不具合が報告されています。また、2023年11月1日より提供が開始された23H2でもいくつかの不具合が報告されています。
執筆時点(2024年5月)で判明しているWindows11の主な不具合について、その現象と原因、対策等について紹介します。
Microsoft Copilotがインストール済アプリに表示される
2024年3月28日以降リリースのEdgeブラウザ、バージョン123.0.2420.65にアップデートすると、新しいAIアシスタントのMicrosoft Copilotが、正しくインストールされていないにもかかわらず、設定メニュー上では[インストール済みアプリ]に表示されるという不具合が一部で起きてます。
この問題は、2024年4月26日にリリースのEdgeブラウザー更新プログラムで解決されています。
【参考】:Windows 11、バージョン 22H2 の既知の問題と通知 | Microsoft Learn
VPN接続が失敗する
2024年4月のセキュリティ更新プログラム(KB5036893)、または2024年4月のセキュリティ以外の更新プログラムをインストールすると、「VPNトンネルの試行に失敗したため、リモート接続を確立できませんでした」といったエラーメッセージが表示され、VPN接続が失敗するケースが報告されています。
Microsoftのステータスとしては「確認中」となっており、今後のリリースで更新プログラムを提供するとしています。対策としては、復元ポイントを利用して、システムの復旧を試みる方法がおすすめです。
復元ポイントを利用してシステムの復元を行うには、スタートメニューの右クリックから設定メニューを開きます。システム→バージョン情報→システムの保護と進み、システムのプロパティ画面で、[システムの復元]ボタンをクリックします。
復元ポイントがいくつか表示されますので、任意のポイントを指定し、パソコンを再起動します。
【参考】:2024 年 4 月 9 日 — KB5036893 (OS ビルド 22621.3447 および 22631.3447) |Microsoft サポート 【参考】:Windows 11、バージョン 23H2 の既知の問題と通知 | Microsoft Learn
漢字変換がおかしくなる
2023年7月21日リリースのWindows11 insider preview KB5028256を適用すると、日本語IMEに不具合が起きるという問題が発生しました。解決方法としては、設定を「以前のバージョンのIMEを使用する」にすることで回避できる可能性があります。
タスクバーの検索ボックスに「ime」と入力します。検索結果から「日本語IMEの設定」を選び、「全般」を選択し、互換性の下にある「以前のバージョンのMicrosoft IMEを使う」のトグルスイッチをオンにします。これで、KBS028256によってインストールされたIMEが以前のバージョンに戻ります。
【参考】:(KB5028256)及び(KB5028251)の更新後、キーボード入力の不具合が発生する|Microsoft コミュニティ
メモリリークが発生する
Windows11ではメモリリークの発生が報告されています。メモリリークとは使用していないメモリを開放せず、メモリを確保し続けてしまう現象を指し、バグの1種です。
Leakとは「漏れ出す」の意味であり、メモリリークが発生するとメモリが不足してアプリケーションの動作が不安定になったり、クラッシュやフリーズを引き起こしたりすることがあります。メモリリークはさまざまな要素が絡み合い、容易に原因の特定化ができない難しさがあります。
メモリリークの原因となっているアプリなどを停止したり、Windowsの再起動を行うことで、メモリリークによる不具合を抑えることはできます。また、メモリリークを解消する更新プログラムを適用するといった対応も必要です。
■ Windows11でメモリ使用状況を確認する方法 タスクバーからタスクマネージャーを起動します。タスクバーにタスクマネージャーが見当たらない場合は、タスクバーの検索窓に「タスク」と入力し、検索結果からタスクマネージャーを選択します。Windows11では、アイドル状態でも約2.5GBのメモリが使用されています。
メモリ使用率が高い場合は、不要なスタートアップアプリやサービスを無効化したり、PCを再起動したりすることで改善できる場合があります。
また、パフォーマンスモニターを使用してユーザーモード メモリ リークを検出することもできます。
【参考】:メモリ リークの検出 - Windows drivers | Microsoft Learn 【参考】:パフォーマンス モニターを使用してユーザー モード メモリ リークを検出する - Windows drivers | Microsoft Learn 【参考】:Windows 10および 11 でドキュメントを印刷するときにメモリ リークが発生する - Application Developer | Microsoft Learn
Windows11はバグが多くてアップデートしない方がいい?
Windows11には確かにいくつかのバグや不具合が報告されていますが、深刻な問題がすべての人にとって発生するわけではありません。それは、人によってパソコンやネットワーク、周辺機器やインストールされているプログラムが異なるからです。
また、多くの問題はアップデートで徐々に修正されています。更新プログラムをダウンロードすべきか迷う方も少なくないでしょう。アップデートの適用について、一概に判断はできませんが、次のような基準で判断してみるといいでしょう。
アップデートの判断基準
アップデートにはこれまでの不具合が解消されたり、新たな機能が追加されたりといったメリットがある反面、新たな不具合の発生というリスクがあります。そこでアップデート実施の是非を判断する際には、以下の点を考慮しましょう
1.パソコンの利用状況 仕事や重要な作業にパソコンを頻繁に使用している場合は、アップデートを控えた方が無難でしょう。プライベート用で時間に余裕がある場合は、アップデートを試してみるのも良いでしょう。
2.パソコンのスペック Windows11の動作要件を満たしているかどうか確認してください。スペックが要件を満たしていなかったり、ギリギリだったりする場合には、不具合が発生する可能性が高くなります。
3.情報収集をする アップデート前に最新の情報を収集して、どのようなバグや不具合が報告されているのかを確認しましょう。バグや不具合が軽微であり、影響が少ないと判断できる場合は試してみる価値はあります。
4.バックアップは取る アップデートを実施する際には最悪の事態に備え、必ず重要なファイルなどのバックアップを取っておきましょう。
5.その他 Microsoftは、Windows11のバグや不具合を修正するアップデートを定期的にリリースしており、公式サイトでも不具合の対応状況を一覧で公開しています。最新の情報を確認し、必要に応じてアップデートを適用しましょう。
問題が発生した場合は、Microsoftのサポートページやコミュニティフォーラムなどで情報収集したり、専門家に相談したりすることができます。
Windows10のサポート期限到来に備えよう
ここまでWindows11に関する不具合について、事例を交えながら解説しました。アップデートはメリットとデメリットが必ずあるため、合理的な判断を行い、適切にアップデートを行うことをおすすめします。
Windows11は不具合が多いということで、Windows10の利用を続けている方もいます。しかし、Microsoftの計画によれば、2025年10月にはWindows10のサポートが終了します。その後はさまざまなリスクが生じるため、継続してWindows10を使い続けるのは難しいでしょう。
現在利用しているパソコンがアップグレード可能な要件を満たしていればアップグレードを、そうでない場合には2025年10月までにはパソコンを買い替える必要があると考えましょう。
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