
情報処理安全確保支援士試験の対策には参考書がマスト

情報処理安全確保支援士試験は、セキュリティリスクへの対応から年々ニーズが高まっています。IT系の資格では人気ランキング上位の試験ですが、難易度が高く試験合格にはしっかりとした準備が必要です。
勉強法はさまざまありますが、受験者が欠かさず取り組んでいるのが参考書を活用した勉強です。まずは、情報処理安全確保支援士試験の基本情報と勉強法について簡単に確認していきましょう。



情報処理安全確保支援士試験の概要
情報処理安全確保支援士試験(略称SC)は、IPA(情報処理推進機構)が実施する国家試験です。情報セキュリティに関する知識・技能が評価されます。試験合格者は、所定の登録手続きを行うことで、国家資格「情報処理安全確保支援士(登録セキスぺ)」の資格を得ることができます。
試験は筆記式で行われ、春期(4月)と秋期(10月)の年2回実施されます。令和6年度(2024年度)の申し込み手続きは終了していますので、令和7年度の実施に向けて準備しましょう。例年通りであれば、令和7年の春期試験は、年明けから申込み受付が開始される予定です。
【参考】:IPA 情報処理安全確保支援士試験 【参考】:IPA デジタル人材の育成 情報処理安全確保支援士(登録セキスペ) 【参考】:IPA 試験情報 受験申込み スケジュール、手数料など




情報処理安全確保支援士試験の試験構成
情報処理安全確保支援士試験は、セキュリティエンジニアやセキュリティコンサルタント向けの国家試験です。年々高まるサイバーセキュリティリスクを分析・評価するための知識・技能を測定します。
試験は、「午前Ⅰ」「午前Ⅱ」「午後」の3つの区分で構成されています。午前Ⅰ、午前Ⅱは四肢択一の多肢選択式で、主にITの基礎・応用知識やセキュリティの専門知識が出題されます。午後は記述式で、150分間で4問中2問を解答します。
合格基準はそれぞれの区分で100点満点中60点です。なお、午前Ⅰ試験については、過去2年間に同じくIPAが実施している「応用情報技術者試験」や他の高度試験に合格している方は免除されます。
【参考】:IPA 情報処理安全確保支援士試験 【参考】:IPA 試験要綱・シラバスについて
情報処理安全確保支援士試験の出題範囲や過去問題
IPAは、試験の出題範囲や過去に出題した問題を公開していますので、これらを確認して必要な準備を行うことができます。
情報処理安全確保支援士試験の午前試験では、データベース・ネットワーク・セキュリティに関する技術要素、システム開発技術やソフトウェア開発管理技術といった開発技術、そしてサービスマネジメントやシステム監査などについて出題されます。
午後試験では、以下の4つが出題範囲として明示されています。記述式、かつ「共通キャリア・スキルフレームワーク」のレベル4と最高難度に相当しますので、過去問なども活用しながら時間をかけてしっかりと対策すべきであると言えるでしょう。
・情報セキュリティマネジメントの推進又は支援に関すること ・情報システムの企画・設計・開発・運用におけるセキュリティ確保の推進又は支援に関すること ・情報及び情報システムの利用におけるセキュリティ対策の適用の推進又は支援に関すること ・情報セキュリティインシデント管理の推進又は支援に関すること
【参考】:IPA 試験要綱・シラバスについて 【参考】:IPA 試験情報 過去問題
情報処理安全確保支援士試験の勉強法
情報処理安全確保支援士試験に向けた勉強法は、他の試験区分同様に試験対策セミナーの受講や通信教育、参考書を用いた学習、模擬試験の受験などがあります。
初めて受験する場合は、まず通信講座や試験範囲全体をカバーしているような参考書で基本を押さえ、その後より重点的に対策できる参考書で学習を進める方が多いようです。
最近では、PDFファイルをダウンロードできる参考書もありますので、通勤や通学の際にも勉強しやすくなっています。すきま時間を有効活用し、合格を目指しましょう。
情報処理安全確保支援士試験のおすすめ参考書10選

情報処理安全確保支援士試験の参考書は、試験区分全体をカバーする参考書から午後の試験対策に特化したものや過去問集などもあります。受験者によっては、前提となる基礎知識を学べる参考書が必要です。試験の全体像を理解したら、応用力を高めるとともに、過去問題集を活用して理解を深めるのが良いでしょう。
ここからは、具体的なおすすめ参考書を解説していきます。
2025年度版 ALL IN ONE パーフェクトマスター 情報処理安全確保支援士
本書は、午前Ⅱ試験および午後試験の2つの試験の対策ができるテキスト・問題集です。特に午後試験について、知識を駆使して問題文や図表(事例)を読み解くことで、問題文に書かかれていない「隠された情報・背景」に気づき、正解を導き出すというテクニックで対策を行うのが本書ならでは特色です。
▪著者:TAC株式会社(情報処理講座) ▪ページ数:620ページ ▪出版社:TAC出版 ▪発売日:2024/08/20
【参考】:2025年度版 ALL IN ONE パーフェクトマスター 情報処理安全確保支援士
徹底攻略 情報処理安全確保支援士教科書 令和7年度
本書は、「解説を読む→問題を解く」のサイクルを積み重ねるアジャイル式学習法を採用した1冊です。著者は現役講師でもあり、効率的に合格力が身に付くよう工夫されています。全文PDFと過去問解説PDFを14回分ダウンロードでき、さらに単語帳Webアプリも利用できるなど、特典も充実しています。
▪著者:瀬戸 美月、齋藤 健一 ▪ページ数:776ページ ▪出版社:インプレスブックス ▪発売日:2024/09/30
【参考】:徹底攻略 情報処理安全確保支援士教科書 令和7年度
情報処理教科書 情報処理安全確保支援士 2025年版
通称「上原本」とも呼ばれる本書はとにかく情報量が多く、丁寧に詳しく解説することに力点をおいています。過去の過去の試験傾向と最新傾向を徹底分析し、合格に必要な知識をわかりやすく解説しています。演習問題は少なめですが、旧試験を含めた過去21回分の過去問解説をWebダウンロードし、利用することができます。
▪著者:上原 孝之 ▪ページ数:880ページ ▪出版社:翔泳社 ▪発売日:2024/11/20
【参考】:情報処理教科書 情報処理安全確保支援士 2025年版
情報処理教科書 情報処理安全確保支援士 2023年版
本書はとにかく情報量が多く、詳しく解説することに力点をおいています。過去の試験問題の傾向から厳選した内容を掲載しており、合格に求められる知識を学びます。演習問題は少なめですが、過去17回分の過去問題の解説をウェブからダウンロードし、利用することができます。
▪著者:上原 孝之 ▪ページ数:808ページ ▪出版社:翔泳社 ▪発売日:2022/11/21 【参考】:情報処理教科書 情報処理安全確保支援士 2023年版
支援士R5 春期・秋期-情報処理安全確保支援士の最も詳しい過去問解説
本書は、午後試験の過去問解説に特化した解説書です。問題文で取り上げられている技術や知識とともに、答えを導き出すための思考プロセスや記述の組み立て方が丁寧に解説されています。年度ごとに出版されていますので、他の年度の解説も見たい方はぜひ活用してみましょう。
▪著者:左門至峰、平田賀一、藤田政博 ▪ページ数:288ページ ▪出版社:技術評論社 ▪発売日:2024/03/04
【参考】:支援士R5 春期・秋期-情報処理安全確保支援士の最も詳しい過去問解説
令和07年 【春期】【秋期】情報処理安全確保支援士 合格教本
本書は、ある程度基本を理解している方がさらに知識を深めるための参考テキストです。最新の試験動向や近年話題のテーマを網羅しており、この1冊で午前試験から午後試験まで一貫した対策ができます。問題演習が充実しているのも特徴で、Webアプリでは午前Ⅰ、午前Ⅱの試験問題演習をそれぞれ30回分収録しています。
▪著者:岡嶋 裕史 ▪ページ数:752ページ ▪出版社:技術評論社
▪発売日:2024/11/25
2025年度版 ALL IN ONE パーフェクトマスター 共通午前Ⅰ
本書は、情報処理技術者試験の共通試験である午前Ⅰ試験に特化したテキスト・問題集です。最小時間で最大効果をあげられるような構成になっていて、午前Ⅰ対策に時間をかけたくないという方にぴったりです。すでに基本情報技術者試験に合格している方などは、復習を兼ねて利用すると効果的です。
▪著者:TAC株式会社(情報処理講座) ▪ページ数:480ページ ▪出版社:TAC出版 ▪発売日:2024/08/20
【参考】:2025年度版 ALL IN ONE パーフェクトマスター 共通午前Ⅰ
情報処理教科書 高度試験午前Ⅰ・Ⅱ 2025年版
本書は、午前Ⅰ、午前Ⅱの試験問題に特化した解説テキストです。過去問題を徹底分析し、再出題の可能性が高い問題を中心に解説しています。特典で提供されるWebアプリでは全500問に対応しており、知識を確実なものにしてくれるでしょう。
▪著者:松原 敬二 ▪ページ数:664ページ ▪出版社:翔泳社 ▪発売日:2024/09/25
マルウエアの教科書 増補改訂版
情報処理安全確保支援士試験では、マルウェアに関する問題も頻出します。そのため、専門書で知識を深める方法も有効です。本書は、マルウェア全般からランサムウェア、生成AI悪用まで、サイバー攻撃に関する幅広い領域をカバーした1冊です。増補改訂版では、ランサムウェア関連の情報がさらに充実しています。
▪著者:吉川 孝志 ▪ページ数:544ページ ▪出版社:日経BP ▪発売日:2023/08/21
【参考】:マルウエアの教科書 増補改訂版
セキュリティ技術の教科書 第3版
こちらも情報処理安全確保支援士試験の対策におすすめの専門書です。情報処理安全確保支援士試験対策セミナーなどを担当し、受講生からも好評を得ている著者によるもので、演習問題も充実しているので試験対策に向いています。まずはセキュリティ技術の基本を押さえたい、という方に最適です。
▪著者:長嶋 仁 ▪ページ数:501ページ ▪出版社:アイテック ▪発売日:2023/03/08
【参考】:セキュリティ技術の教科書 第3版]
自分に合う参考書で情報処理安全確保支援士試験合格を目指そう

情報処理安全確保支援士試験は、情報処理技術者試験の中でも難易度が高い試験の1つです。合格するためには、しっかりと試験対策を行うことが重要で、その方法として特におすすめなのが参考書を使った学習です。
情報処理技術者試験向けの参考書は数多くあり、学習者のレベルや対策したい試験区分によって選ぶべき書籍は変わってきます。自身の学習進捗に合わせて参考書を選び、合格を目指しましょう。
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