情報処理安全確保支援士は登録や更新が必要?費用や講習について解説
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情報処理安全確保支援士は登録や更新が必要?費用や講習について解説
資格・スキル
アンドエンジニア編集部
2022.05.19
この記事でわかること
情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)は「更新制」であり、その資格の維持には更新が必須となる
情報処理安全確保支援士は3年更新だが、その3年間の間に有料のオンライン講習3回、実践講習1回の受講義務がある
情報処理安全確保支援士は更新に掛かる費用が大きいのが難点だが、登録・更新によるビジネスメリットは大きい

情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)の資格維持には更新が必須

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日本に数ある情報系資格の中で、国家資格である情報処理安全確保支援士(通称:登録セキスペ)は、日本で初めての「士業」となる資格です。士業としては、弁護士・弁理士・司法書士などがよく知られています。

情報処理安全確保支援士試験に通ったからといって、情報処理安全確保支援士(通称登録セキスペ)を名乗ることはできません。その名称を使う場合は履歴書などに「情報処理安全確保支援士試験合格」と書く程度です。

情報処理安全確保支援士を名乗るためには、情報処理安全確保支援士試験の合格後に登録申請が必要であり、さらに3年ごとの更新申請をしなければなりません。もちろん「更新しない」という選択肢もありますが、更新をしないと情報処理安全確保支援士の資格は失効します。

この記事では、この登録セキスペの登録・更新に関する手続き・費用・メリット・デメリットについて解説をします。

情報処理安全確保支援士とは

情報処理安全確保支援士試験(SC)とは、サイバーセキュリティ分野における国家資格のことで、IPA(独立行政法人の情報処理推進機構)が試験の実施および有資格者登録簿の管理、講習の実施などを所管しています。平成29年(2017年)から資格認定がスタートしました。

情報処理安全確保支援士試験は、同じくIPAが主催しており、2016年に認定が終了した情報セキュリティスペシャリスト試験の後継試験にあたります。情報セキュリティスペシャリスト有資格者は、経過措置として2018年8月19日までの申請により、情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)として認定されています。

【参考】:情報処理安全確保支援士試験(SC)

情報処理安全確保支援士とは?将来性・難易度・勉強時間などを解説!

登録の更新制導入の目的

2020年5月に改正情報処理促進法が施行されましたが、これを受けて情報処理安全確保支援士の登録について「更新制」が導入されました。更新制の目的ですが、サイバーセキュリティ対策に求められる知識や技能が常に最新であること、および情報処理安全確保支援士の欠格事由に該当しているか否かを定期的に確認する意味があります。

この更新制によって、情報処理安全確保支援士制度の信頼性向上を目指すというのが趣旨です。

情報処理安全確保支援士の更新制度の概要と期限

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情報処理安全確保支援士は試験に受かっただけでは「支援士」を名乗ることはできません。「情報処理安全確保支援士試験合格」と履歴書に書いたり、名刺に入れたりすることまではできますが、弁護士や税理士のように「士業」を名乗るには、試験に合格する以外に登録が必要です。

この登録日は、4月1日(申請の受付期限:2月15日)と10月1日(申請の受付期限:8月15日)の年2回です。

また、支援士の登録維持には年1回のオンライン講義と、3年に1回の実践講習の受講義務があります。新型感染症の観点より、実践講習はリモートで行われることになりました。講習は約7時間、Web会議ツールを利用したグループ討議です。費用などは後述しますが、かなりの費用が掛かるため、情報処理安全確保支援士試験の大きなハードルになっているとの声もあります。

【参考】:IPAが行う実践講習について

登録の更新制導入の概要

情報処理安全確保支援士における登録制度の更新制は、以下のようになっています。

▪有効期限は登録日(年2回4月1日と10月1日)または更新日から起算して3年です。

▪登録および更新の申請は、登録日・更新期日の60日前までに行う必要があります。

▪登録更新申請を行うには、決められた講習を全て修了する必要があります。

情報処理安全確保支援士は登録資格で、「士業」を名乗るには登録申請が必要です。試験日が4月と10月にあることを考えると、例えば2021年の秋期試験を受験する人を例にすると、次のような流れになります。

例) 1.2021年10月10日(日) 情報処理安全確保支援士試験受験 2.2021年12月未頃    情報処理安全確保支援士の合格証書発送 3.2022年1月31日(月) 情報処理安全確保支援士登録申請締め切り 4.2022年4月1日(金)  登録証発行(到着)

【参考】:更新について

情報処理安全確保支援士試験合格後の登録期限は?

情報処理安全確保支援士試験合格者はいつでも登録申請はできますが、合格日から3年以上経過した人は、登録日から1年以内にオンライン講習と集合研修の両方を受講する義務があります。これを怠ると欠格となり、資格は剥奪され、更新もできなくなります。

情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)の資格維持に掛かる費用

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情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)の資格維持には、それなりの費用が掛かります。そこを理解せずに受験すると、後悔するかも知れません。資格を仕事に生かして収入増を考えている方は、登録・資格維持の費用をあらかじめ想定して用意しておきましょう。

登録申請費用は20,000円

情報処理安全確保支援士試験に合格した後、情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)の資格を得るには、登録申請が必要です。この際に以下の費用が掛かります。

1.登録免許税の収入印紙・・・9,000円

2.登録手数料・・・10,700円

3.住民票写し取得費用・・・300円

つまり、登録申請をするのに必要な費用は合計で20,000 円です。ちなみに、更新時にはこの費用は掛かりません。

【参考】:登録の手引き

講習受講費用は3年間で140,000円

情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)の更新申請には、1年ごとのオンライン講習の受講、3年に1度の集合講習の受講が義務づけられています。さらに、受講するだけではなく、確認テストを受けて全問正解をし、講習終了となる必要があります。費用については以下の通りです。

▪1年ごとに受講する共通講習(オンライン) ・・・ 60,000円(20,000円×3回)

▪3年に1回受講する実践講習    ・・・ 80,000円~

3年間合計 140,000円~

※ オンライン講習は集合講習を受ける年にも受講しなければなりません。

ちなみに、オンライン講習はIPAが主催する所定の講習です。実践講習は「IPA主催の実践講習」または「民間事業者等の特定講習」のいずれかを選択できます。民間事業者の特定講習は数10万円のコースなどもあり、IPA主催の実践講習の方が安いです。

【参考】:民間事業者等の特定講習

情報安全確保支援士の登録・更新のメリット

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ここまで情報安全確保支援士の基本情報や概要について説明してきました。一部には、資格取得は「意味ない」という意見もあります。具体的にどのようなメリットがあるのかを確認しておきましょう。

情報処理安全確保支援士は意味ない?メリット・デメリットも解説

士業としてビジネスに生かせる

弁護士や税理士などと同様に、「情報処理安全確保支援士」の資格名称を正式に「士業」として使用することを認められます。名刺・書類・ビジネス関係の印刷物・広告・看板などでアピールできるため、ビジネス面でメリットを得られます。ちなみに、登録セキスペになると、希望者は申請により手数料2,970円でバッジを貸与されます。

セキュリティスペシャリストの証

サイバーセキュリティのスペシャリストである公的な証となり、引っ張りだこになることは間違いありません。企業によっては、情報安全確保支援士に対して資格手当や特別手当を支給するところもあります。また就職や転職の際にも有利でしょう。

公的資格試験の一部免除

支援士は弁理士、中小企業診断士などの国家資格試験一部免除の特典が与えられます。その他に警視庁関係では、サイバー犯罪捜査官(警部補)の受験資格の1つにもなっています。

情報安全確保支援士の登録・更新のデメリット

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情報安全確保支援士の登録・更新のメリットを挙げましたが、デメリットもあります。せっかく支援士試験に合格しながら、デメリットが大きいと感じて登録をあきらめた人もいます。支援士試験のデメリットを理解した上でチャレンジしましょう。

資格維持費用が高い

先ほども資格維持費用については紹介しましたが、登録セキスペの登録・更新費用、合わせて約16万円を個人で負担するには高すぎるという声があるのは事実です。もちろん、それ以上のメリット(リターン)は期待できますが、自らにその支払能力があることを確認しておく必要があります。

罰則付きの法的義務がある

これは意外に見逃しがちですが、登録セキスペは法的な義務を新たに負うことになります。「秘密保持義務」「信用失墜行為の禁止」「毎年の講習受講義務」などの法的義務です。

これらに違反すると資格喪失となるばかりか、秘密保持義務違反は懲役又は罰金刑、支援士詐称は30万円以下の罰金刑と、厳しい罰則が待ち受けます。普通に生活していれば問題はないですが、それだけ情報処理安全確保支援士は重みのある資格だという事を理解しておきましょう。

情報安全確保支援士の登録および更新手続き

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続いて、情報安全確保支援士への登録、更新にはどのような手続きが必要なのかについて見てみましょう。ペーパレスではなく紙ベースの提出書類が多く、煩雑なので記入漏れやミスがないよう気を付けましょう。

登録手続きの必要書類

登録手続きの際にIPAに提出しなければならない書類は以下の通りですが、詳細はIPAの「申請書類一覧(新規登録申請)」で確認し、ダウンロード後にそれぞれ記入して簡易書留で郵送します。

【参考】:申請書類一覧(新規登録申請)

▪1.登録申請書・現状調査票(各2枚ずつ)

(Wordファイルに入力、登録免許税の収入印紙(9,000円)・登録手数料(10,700円)の振込を証明する書類が必要)

▪2.誓約書(1枚)

▪3.安全確保支援士試験の合格証書コピー又は原本(1枚)

▪4.住民票の写し(1枚)

▪5.登録事項等公開届出書(1枚)

▪6.登録申請チェックリスト(1枚)

▪7.返信用の封筒(1部)※登録手数料の領収書が必要な場合にのみ必要

登録手続きの詳細は、以下を参照してください。

【参考】:情報処理安全確保支援士登録の手引き

更新手続きが郵送からオンライン化に変更された

2021年11月15日より、情報安全確保支援士の更新手続きが郵送による申請からオンラインでの申請が可能となりました。手続きの手順としては、情報処理安全確保支援士ポータルサイトへログインした後にWeb上で更新の申請を行います。詳細はIPAのサイトよりご確認ください。

【参考】:登録セキスペの方々へ/更新手続きのオンライン化のお知らせ

【参考】:情報処理安全確保支援士ログインページ

更新手続きの必要書類(郵送の場合)

3年に1度の更新時に必要な書類は、基本的に3種類だけで済むため、手数料も掛からず非常にシンプルです。提出書類は同じくIPAの申請書類一覧(更新申請)で確認し、ダウンロード後にそれぞれ記入して簡易書留で郵送します。

▪1.更新申請書

▪2.誓約書

▪3.登録更新申請チェックリスト

▪4.登録証の原本(返却)

▪5. 連絡先等変更届出書 (※連絡先の変更がある人のみ)

登録証を紛失すると更新手続きができません。再発行にも時間が掛かるため、登録証はしっかり保管しておきましょう。

情報安全確保支援士の適職や将来性

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情報安全確保支援士資格は登録や更新することで、士業としてのメリットを得られることは理解されたと思います。では、正式に情報安全確保支援士(登録セキスペ)として登録されると、どのような仕事に就けるのでしょうか。

情報安全確保支援士の適職3選

登録セキスペはまだ知名度が高いとは言えませんが、情報セキュリティスペシャリストの後継資格として、以下の職種が適していると考えられます。いずれの職種も資格だけでは就くことは難しいため、実務経験をある程度積んでいることが求められます。

・セキュリティアナリスト

主にサイバー攻撃の予防、攻撃パターンの分析、攻撃時の対処などを行います。

・セキュリティコンサルタント

企業や組織に対してセキュリティ専門家の立場から、コンサルティングを行います。

・セキュリティアーキテクト

企業や組織の委託を受けて現状調査分析を行って情報セキュリティ方針立案や、セキュリティシステムの構築を主導します。

この他にも、民間企業や官公庁関係でサイバーセキュリティ対策の仕事に就く人もいます。

情報処理安全確保支援士の年収や疑問点、適する職業などを徹底調査!

情報安全確保支援士の将来性

近年では数多くの企業がセキュリティ対策を重視しており、大企業だけでなく中小企業でもさまざまなセキュリティ対策を実施しています。ネットワーク化が進むことで業務の効率化が著しい一方、サイバー攻撃の件数は増加傾向にあります。今後もセキュリティに関するスキルを保有する人材の需要が高まるでしょう。

このことにより、情報処理安全確保支援士の将来性は高いことが分かりますが、資格取得後も常に新しい知識をアップデートする姿勢が重要です。ネットワーク社会を守る仕事にはまだまだ無限の可能性があります。試験の合格を目指すだけではなく、合格後に登録・更新を行い、しっかりとした将来計画を立てて、目標に向かってください。

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