ディープラーニングとニューラルネットワークの違いが分からない?わかりやすく解説
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ディープラーニングとニューラルネットワークの違いが分からない?わかりやすく解説
アンドエンジニア編集部
2023.08.31
この記事でわかること
AIの三大分類と呼ばれるAI、機械学習、ディープラーニングの関係
ニューラルネットワークとディープラーニングとの違い
ディープラーニングやニューラルネットワークを学ぶためのおすすめの書籍

ニューラルネットワークとディープラーニング

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ディープラーニング(深層学習)が機械学習の1種であることは分かっていても、ディープラーニングとニューラルネットワークは何が違うのか、分かりづらいという方がいるかもしれません。

この記事では、ニューラルネットワークとディープラーニングとの違いをテーマに、改めてAI(人工知能)に関する基本を確認していきます。まず初めに、AI、機械学習、ディープラーニング(深層学習)の関係と、それぞれの概要を改めて確認しておきましょう。

AI(人工知能)とは

今や一般用語となったAIですが、AIの明確な定義は定まっていません。AIは「Artificial Intelligence」(人工知能)の略語で、人工的に人間の知覚や知性を再現したものがAIです。

一般社団法人の「 人工知能学会」では、「AIは知的な機械、特に知的なコンピュータプログラムを作る科学と技術である」と紹介しています。そして、今話題の生成AI、ChatGPTはまさしく典型的なAIの1つと言ってよいでしょう。

【参考】:一般社団法人「 人工知能学会」

今さら聞けない人工知能(AI)の基礎知識|AI開発の基本を解説!
ChatGPTとは?今話題のAIチャットボットの概要や仕組みを解説!

AIの三大分類とは

最初にAI(人工知能)と機械学習、ディープラーニングの関係を確認しておきましょう。AIの構成要素として機械学習がありますが、その機械学習の1手法としてディプラーニングが存在しています。

それらの関係性を図式化すると、『AI>機械学習>ディープラーニング』という関係になり、これらをまとめて「AIの三大分類」と言われています。

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機械学習とは

機械学習とは、まさに機械(コンピュータ)自身が反復学習して、読み込んだデータから、データの背景にあるパターンやルールを見出す方法のことです。英語ではMachine Learningと呼びます。

ポイントは機械が単に丸暗記するのではなく、ある事象から特徴をつかむ点です。機械学習では特徴から法則を見出し、見出した法則から予測や判断を行います。機械学習には「教師あり学習」と「教師なし学習」、「強化学習」の3種類があります。

ディープラーニング(深層学習) とは

ディープラーニングは深層学習とも呼ばれ、機械学習の1つの手法です。ディープラーニングではデータからルールやパターンを学習する際に、多層的な構造で捉えてデータの複雑さに対応し、データの分析精度を向上させます。

例えば、ディープラーニングが活用される画像認識では、画像を構成する要素、すなわち形や色以外に、明暗や色相といった要素から多くの特徴を数値化し、入力した画像の特徴を中間層として構造化し、画像が何の画像なのかを判断します。顔認証、音声認識、自然言語処理などはディープラーニング技術を用いています。

ディープラーニングとは?機械学習との違いもわかりやすく解説
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ディープラーニングとニューラルネットワークの違い

ここまで、AIとその構成要素である機械学習、さらには機械学習の1つの手法であるディープラーニングについて、おさらいをしました。しかし、AIを語る上で忘れてはならない「ニューラルネットワーク」があります。

ニューラルネットワークは機械学習において欠かせないアルゴリズムの1つであり、そのニューラルネットワークを応用したものがディープラーニングです。

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ディープラーニングとニューラルネットワークの関係

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機械学習について学び始めると、必ず登場するディープラーニング、そのディープラーニングを行う上で外せないのがニューラルネットワークです。

では、ディープラーニングとニューラルネットワークはどのような関係なのかを見ていきましょう。

機械学習とニューラルネットワーク

機械学習のアルゴリズムとして用いられるニューラルネットワークは、人間の脳に似た働きをコンピュータ上で再現したものです。人間の脳には大量の神経細胞(ニューロン)が存在し、ニューロンに電気信号を伝達をすることによって情報が処理されます。

この伝達を数理モデルにし、複数を組み合わせてニューラルネットワークが形成されます。ニューラルネットワークを例えるなら脳であり、神経細胞に当たるものを「パーセプトロン」と言います。

当初、パーセプトロンは入力をもとに出力するという単純なモデルで、線形分類しかできませんでした。

そこで、入力層と出力層の間に隠れ層(中間層)という関数を追加し、非線形分類を可能にした多層パーセプトロンが生まれ、現在のニューラルネットワークの基本モデルとなっています。

■ DNNとは 従来のニューラルネットワークの概念では、入力層・隠れ層(中間層)・出力層は各1層の3層で構成されていましたが、ディープラーニングに対応した4層以上に層を深くしたものをディープニューラルネットワーク:DNN(Deep Neural Network)と言い、より複雑な情報処理が行えるようになっています。

深層学習(ディープラーニング)

ディープラーニングは、一言で表すと、ニューラルネットワークの隠れ層(中間層)を増やしたものだと言えます。関数でもある隠れ層(中間層)を増やすと、より複雑な関数を表現することが可能になり、より複雑な処理ができるようになります。

このように層が多くなり、層が深くなるという意味で、深層学習・ディープラーニングと称されるのです。

ディープラーニングでは、ニューラルネットワークによって脳の動きに近づけることで、機械学習ではデータの特徴を人間が判断していたものを、ディープラーニングではコンピュータが判断するようになりました。

こうして、ディーブラーニングによる画像認識は、自動運転や防犯カメラなどに応用され、自然言語処理は翻訳やチャットボットに応用され、また音声認識は文字起こしに使われているのです。

■ CNNとは CNN(convolutional neural network)はニューラルネットワークの種類の1つで、畳み込みニューラルネットワークとも呼ばれています。ディープラーニングのやり方の1つであり、いくつもの深い層を持ち、主に画像認識分野で成果を上げています。

■ RNNとは RNN(Recurrent Neural Network)もニューラルネットワークの1種で、回帰型ニューラルネットワークとも呼ばれます。CNNとの違いは、RNNはテキストの自動生成が特徴で、CNNと組み合わせて、解析した画像に説明文を自動的に付加するような利用方法があります。

ディープラーニングやニューラルネットワークを学ぶのにおすすめの書籍

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ディープラーニングは機械学習の1つであり、さまざまなアルゴリズムを用いて学習を行う手法であることが分かりました。ここではディープラーニングやニューラルネットワークについて、もう少し掘り下げて、体系的に学びたいという方に、おすすめの書籍を紹介していきます。

ディープラーニングを支える技術 ——「正解」を導くメカニズム[技術基礎] 

初学者の方を対象にした、ディープラーニングに関する技術解説書です。本書では、ディープラーニングの現在に焦点を当てて、機械学習の基本からディープラーニングの仕組み、技術的基礎、数学的知識まで広範囲に解説しています。

▪著者: 近藤 容司郎、藤川 千種、佐々木 歩惟 、松橋 龍貴 ▪出版社:技術評論社 ▪ページ数:304ページ ▪出版日: 2022年1月8日

【参考】:ディープラーニングを支える技術 ——「正解」を導くメカニズム[技術基礎]

AIを勉強するのに数学は必要?どこまでの範囲が必要か解説

Pythonによるディープラーニング (Compass Booksシリーズ)

Pythonで書かれたディープラーニングのAPI、Kerasの開発者であるFrançois Cholletが書いた本がベースの書籍です。数学などの専門的知識を必要とせず、ディープラーニングの手軽な実装が可能になります。初学者から経験者まで幅広くカバーする優れた参考書としておすすめします。

▪著者: François Chollet、巣籠悠輔 (その他)、株式会社クイープ (翻訳) ▪出版社:マイナビ出版 ▪ページ数:496ページ ▪出版日: 2022年3月23日

【参考】: Pythonによるディープラーニング (Compass Booksシリーズ)

Pythonと機械学習を学んでAI時代に対応できるエンジニアに

ニューラルネットワークとディープラーニング (データサイエンス大系)

ディープラーニングとニューラルネットワークを同時に学べる教科書の日本語翻訳版です。幅広い技術の設計思想や応用例が丁寧に解説され、ディープラーニングとニューラルネットワークの全体像を掴むのに最適な書籍としておすすめします。

▪著者: Charu C. Aggarwal、竹村 彰通 (監修)、今泉 允聡 (監修, 翻訳)、その他 ▪出版社:学術図書出版社 ▪ページ数:520ページ ▪出版日: 2022年3月30日

【参考】:ニューラルネットワークとディープラーニング (データサイエンス大系)

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ディープラーニングに強いAIエンジニアを目指して

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ここまで、ニューラルネットワークとディープラーニングとの違いをテーマに、AIと機械学習、ディープラーニングとの関係や、それらを学ぶのに適した書籍を紹介しました。ニューラルネットワークは人間の脳に相当し、神経細胞に相当するものがパーセプトロンであることも学びました。

顔認証、音声認識、自然言語処理などAIに欠かせない技術はディープラーニングによって成り立っており、ディープラーニングはニューラルネットワークによって進化してきました。

これからもAIは発展を続け、大きく私たちの生活や仕事を変えていくでしょう。この記事でニューラルネットワークとディープラーニングに興味が湧いたら、紹介した書籍を参考に知識を深めましょう。

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