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AIができることとは?活用事例やできないことも併せて紹介
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AIができることとは?活用事例やできないことも併せて紹介

アンドエンジニア編集部
2024.11.27
この記事でわかること
AIができること、できないことを正しく理解し、AIの開発や活用に生かすことが大切
AIには大別すると「特化型AI」と「汎用型AI」がある
AIができることには、音声や画像認識、自然言語処理、異常検知、機械制御、未来予測がある

AIができること

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AIは人間を超える存在になるという見方があります。2045年にはシンギュラリティが訪れ、人間の仕事の多くはAIに代替されるという意見もあります。しかし、AIは万能ではありません。AIには「できること」「できないこと」があります。

もちろん、AI技術の発展により、AIができることは増えていますが、元々AIには苦手な領域があります。そういったことを正しく理解して、AIの開発や活用を考えていくべきでしょう。この記事では、AIができること、できないことにフォーカスして解説していきます。

AIエンジニアを目指す方、AIのビジネス活用を検討されている方の参考になれば幸いです。

そもそもAIとは

AIとは、Artificial Intelligenceの略語で、人工知能と訳されています。AIは人の知的能力を模倣した技術を意味し、 データを分析して推論したり、判断を行ったり、最適化の提案、課題の定義や解決を行ったり、自ら学習を行ったりできます。

AIには機械学習が必須ですが、機械学習とは人が行う「学習」と同様の仕組みをコンピュータで実現します。機械学習では、読み取ったデータから見出したパターンやルールなどを新たなデータに当てはめ、データの識別や、未来予測を行うことができます。

機械学習の1つの手法であるディープラーニングでは、人の脳の神経回路構造を模した数理モデルであるニューラルネットワークを利用して、人間が学習しているのと同じようにコンピュータが学習を行います。

今さら聞けない人工知能(AI)の基礎知識|AI開発の基本を解説!
エンジニアなら知っておくべき!機械学習とディープラーニングの違いとは?

AIを機能で分けると2つの種類がある

AIの種類は、機能的な視点から「特化型AI」と「汎用型AI」の2つに分かれます。ここでは、特化型AIと汎用型AIの違いについて解説します。

【参考】:人工知能技術戦略会議( 第6 回)|内閣府

■ 汎用型AI(AGI)とは 汎用型AIとは、AGI(Artificial General Intelligence)とも呼ばれ、特化型AIのように役割が限定されておらず、同時に様々な役割を担えるAIシステムです。人と同じような思考回路を持ち、自ら判断することができるAIです。

AIの概念が登場した頃は、AGIの実現は困難だという意見が多勢でしたが、ディープラーニング技術の登場によって、その実現性が一気に高まっています。今話題のChatGPTきはAGIの先駆け的な存在ですが、まだ現段階では優れた学習能力と自然言語処理能力を持つソフトのレベルに留まっています。

■ 特化型AI(ANI)とは 私たちが普段AIと呼んでいるのは特化型AIという種類です。ANI(Artificial Narrow Intelligence)とも呼ばれ、ある特定の分野や領域に特化したAIのことです。特化型AIは最初から役割が決められており、限定された範囲内で動作したり、処理を行ったりするシステムのことを意味します。

特化型AIの例としては、1人1人の顔を見分けて防犯に活かす顔認識システム、ヘルプデスクなどで活用されているチャットボット、自動車の自動運転システムなどがあります。このように、特定のタスクでは人間を上回るパフォーマンスを発揮しますが、感性や思考といった面では人間を超えることはできていません。

AIにできることは何か?

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AIは既に様々な分野に導入され、成果をあげています。ここではAIができること、得意なことについて一覧で紹介していきます。

音声認識(Speech Recognition)

音声認識とはAIが人の言葉を音声として認識し、さらにテキスト化する技術のことです。単にテキスト入力の代替というだけではなく、AIが人の言葉を理解することで、コンピュータと人との会話を実現することができます。

音声によって動作するスマートスピーカー、コールセンターに導入されているボイスアシスタントなどがあり、すでに実用化されている機能です。

画像認識(Image Recognition)

画像認識とは、画像として映っている人、モノ、景色などを認識する技術のことです。画像に映っているものが何であるのかを解析します。

画像認識はパターン認識技術の1種であり、最近ではディープラーニング(深層学習)によって、さらにその精度が向上しています。セキュリティシステムでの活用や、性別や年齢判別などのマーケティング領域でも活用が進んでいます。

自然言語処理(NLP)

自然言語処理(NLP)は、人が日常的に使用している自然言語をコンピュータに認識させ、処理させるための一連の技術のことです。コンピュータに「言葉」を教える分野であるともいわれています。

最近では高精度な翻訳ツール「DeepL」が登場したことや、Googleの検索エンジン精度が向上したことで、コンピュータが長文の文章でも正確に処理ができるようになっています。ChatGPTやスマホの音声アシスタント機能にはまさに、この自然言語処理技術が使われています。

自然言語処理とは?注目される理由やできることをわかりやすく解説

機械制御

工場などでは昔から機械による制御が行われていましたが、近年は自動車、センサーなどの制御に「機械制御AI」が活用されることで、AIがデータを学習しながら、より最適な制御を行うことができるようになっています。

AIは単に決められた制御を行うだけではなく、制御を繰り返し行いながら、そこから得られたデータを用いて学習を続け、時間とともにより高精度な制御が実現されるようになっていきます。

異常検知

異常検知は製造・生産などの現場で、機械や設備などを監視し、停止や故障の前に何らかの異常を検知して、トラブルの発生前に警告を発したり、予防保守を促したりします。

これまでは異常検知は人の目視や経験、勘に頼っているケースが多くありましたが、積み上げられた故障データ、稼働データなどを機械学習することで、AIによる異常検知を実現しています。これによって、有人監視を減らし人の負荷を減らすとともに、故障率の低減にも役立っています。

未来予測

AIの未来予測とは、収集した大量の過去データを解析し、そこから予測することで予測制度を高める技術です。「ビッグデータ解析」とも呼ばれ、近年様々な分野で注目を浴びています。AIの未来予測では、製品の需要予測、売上予測などで実際に活用されています。

天気予報の精度が上がっているのも、AIの未来予測技術が用いられているからです。このAIによる未来予測はあらゆる分野で導入が始まっており、例えば高速道路の渋滞予測や感染症の感染予測など、私たちが日頃目にしているものも少なくありません。

AIの活用事例

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AIは既に私たちの身の回りでも活用されており、私たち自身も既にAIを用いたサービスや製品を利用しています。ここではAIの活用事例について一部紹介します。意外な活用方法、面白い活用策をぜひ確認してみてください。

【参考】:自治体におけるAI活用・導入ガイドブック|総務省 【参考】:中小企業のAI活用促進について|経済産業省

音声入力により看護記録の入力効率化

聖マリアンナ医科大学病院では、看護師による看護記録の入力をタイピングから音声入力に切り替えました。その結果、記録スピードは約4.5倍に向上し、時間外労働は半減、患者に対する直接ケア時間が4.6%増えたという成果に繋がっています。

【参考】:ICT や IoT 等を活用した働き方 P12~17|厚生労働省

AI活用による住民サービスの充実

岡山県和気町では住民からの相談、問い合わせに対する各担当職員による直接応対に加え、チャットボットを用いて、24時間いつでも、どこからでも問い合わせに対応する体制を構築しました。

その結果、問い合わせ担当窓口ごとに分かれていた情報を一元化し、利用者が簡単に必要な情報を入手することができるようになり、住民サービスの向上にもつながっています。

【参考】:地方自治体におけるAI・ロボティクスの活用事例  P4|総務省

AIによる製品の需要予測

AIはDX推進の一環として導入されるケースが少なくありませんが、不二家では赤字事業の洋菓子部門から、需要予測にAIを活用しています。

AIによって商品ごとの需要予測の精度を高め、欠品による売上損失を減らし、また過剰製造による廃棄ロスを減らして、売上や利益を向上させるとともに、従業員のモチベーションアップなどの副次効果も得られています。

【参考】:きっかけはAI導入、不二家など3社の事例から学ぶDX戦略の極意とは?|マイナビニュース

DX推進が捗らない企業が、喉から手が出るくらいに欲しいIТ人材とは

AIができないこと

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ここまでAIができることや活用事例を挙げてきましたが、AIは決して万能ではありません。AIのできないこと、苦手なことを理解した上で、AIの有効活用を図っていくことが重要です。

人の感情を理解する

人間は相手の表情、目の動き、声のトーンなどから相手の感情を理解することができます。一方、AIはあくまでも人の言葉をテキストとして認識するため、感情や心理を読み取ることは苦手です。

AIの学習能力を高めることで、ある程度人の感情を理解できるようになるかもしれませんが、感情の理解という面では人間には及びません。しかし、最新のAI技術を駆使して「感情認識AI」が研究開発されています。これが実用化されれば、さらにAIと人とのコミュニケーションが円滑化するでしょう。

【参考】:道徳感情数理工学|東京大学

ゼロから創造すること

基本的にAIは膨大なデータを学習することで、それらのデータから導き出したパターンや結論などから行動します。従って、AIがレポートをまとめたり、ブログや小説を書いたりできるのは、あくまでも膨大な学習の結果であり、現状はゼロから何かを編み出すことはできません。

AIにできること、できないことを正しく認識しよう

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この記事では、AIにできること・できないことを中心に、AIの活用事例も交えてAIとは何かを解説しました。AIを有効に活用するためには、まずAI技術、AIの持つ特性に関する理解を深め、AIを開発したり、活用することが大切です。

世の中では大変な勢いでAIの導入や活用が行われています。AIには大きな需要があり、豊かなマーケットがあります。AIにできることとできないことを正しく理解したうえで、自身の成長や自社の課題解決につなげていきましょう。

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【関連情報】「【シンギュラリティとは】AI進化にどう対応!? 悲観よりAIに触れるのが得策|CANVAS」
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