ITコーディネータとITパスポートの違いとは?資格を生かす方法を解説
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ITコーディネータとITパスポートの違いとは?資格を生かす方法を解説
アンドエンジニア編集部
2023.07.25
この記事でわかること
ITコーディネータ試験とITパスポート試験の概要や難易度について
ITコーディネータ資格とITパスポート資格のそれぞれの取得メリット、デメリットについて
ITコーディネータ資格とITパスポート資格の受験をおすすめしたい人について

ITコーディネータとITパスポートの違い

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キャリアチェンジでIT系の企業への転職を検討する際に、多くの人がスキル証明としてIT系の資格取得を検討します。ITの名を冠する資格にはITパスポート、ITストラテジスト、ITコーディネータなど様々あり、どれを受験すべきか迷います。

ここでは、ITコーディネータとITパスポート試験の違いを解説し、どちらを受験すべきか、資格取得後にどのようにしてキャリアチェンジを実現するかについて見ていきます。特にIT業界未経験の方がIT業界へのキャリアチェンジを検討する方に向けて役立つ情報を提供しますので、ぜひ参考にしてみてください。

ITパスポート試験とは

IT社会が到来し、ITはすべてのビジネスにおいても必要不可欠なツールとなっています。そんなITを利活用する全ての社会人が備えておく必要がある、ITに関する基礎的な知識やスキルを問うのが国家試験であるITパスポートです。

ITパスポートはITエンジニアを目指す人以外にも広く推奨される試験であり、これまでに累計受験者は174万人を超えています。

【参考】:ITパスポート試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

ITパスポートとはどんな資格?メリットや難易度、合格率を解説!

ITパスポート試験の難易度

ITパスポートは、ITの利用における基礎的な知識を有することが証明される国家資格です。 情報処理推進機構(IPA)が主催する情報処理技術者試験の中で、難易度は最も易しい「レベル1」に位置づけられています。

合格率は例年50%前後ですが、出題範囲を一通り勉強し、過去問を中心に反復学習しておけば、合格は難しくはありません。

【参考】:【ITパスポート試験】過去問題(問題冊子・解答例)

ITパスポートの難易度は?合格率やおすすめの学習方法について解説

ITコーディネータ試験とは

ITコーディネータ資格(ITC)は、経済産業省主導の国家プロジェクトの一環として、2001年に設けられた資格の1つで、ITコーディネータ協会(特定非営利活動法人)がその運営を担っています。

ITコーディネータはどちらかと言えば、経営側の視点に立って経営とITの融合を図り、経営に役立つITサービスの活用と推進、その支援を行うプロフェッショナルです。DX時代を迎えて、ITコーディネータはその推進の核となってITサービスの利活用に向けた役割を担っていきます。

ITコーディネータ試験は、ITコーディネータとしてのスキルや知識を認定する試験です。他に似た資格として、ITストラテジスト試験がありますが、ITストラテジストは経済産業省認定の国家資格、ITコーディネータは経済産業省推進の民間資格という違いがあります。

【参考】:ITC資格取得サイト(特定非営利活動法人ITコーディネータ協会) 【参考】:ITストラテジスト試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構)

ITコーディネータ試験とは?概要やメリット、活躍分野などを紹介

ITコーディネータ試験の難易度

主催するITコーディネータ協会は合格ラインを公表していませんが、合格率は60%程度で、ITや経営関係の経験がある人であれば、比較的解きやすい問題が出題されます。一方、いずれの経験もない方は、しっかり受験勉強をしておかないと正答するのは難しいでしょう。

【参考】:ガイドライン・制度資料 - ITコーディネータ協会(ITCA) 【参考】:合格者数及び合格率発表 - ITコーディネータ協会(ITCA))

ITコーディネータの難易度は?合格率や概要、取得のメリットも解説
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ITパスポート資格のメリットとデメリット

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ITパスポート資格を取得すると、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?それぞれ見て行きましょう。

ITパスポートのデメリット

ITパスポート資格の取得には以下に挙げるデメリットがあります。受験される方は以下のデメリットに納得した上で受験されることをおすすめします。

▮ IT技術者としてのスキル証明になりにくい ITパスポート試験はあくまでもITの基本知識を証明するものであり、専門性は問われません。そのため、役に立たないという声も一部にはありますが、ITエンジニアへのステップアップの第一歩として考えるとおすすめの資格と言えます。

▮ 受験後の反省が難しい ITパスポート試験は、基礎的な知識が問われるとはいえ、出題範囲ごとの評点しかフィードバックされないため、個別の問題についてどこを間違えたのかが分かりません。そのため、復習がしづらく、自身の強みや弱みの分析ができないのは難点といえるかもしれません。

ITパスポートのメリット

続いてITパスポート資格を取得することによるメリットを見ていきましょう。メリットは大きく分けて次の3つです。

▮ 上位資格への足掛かりになる ITパスポートは非常にベーシックな資格試験であり、ITの基礎知識が求められますが、資格取得によって数あるIT系の資格取得に向けた足掛かりになります。まだIT系資格を持っていない人は、最初に挑戦する資格としてITパスポートを目標にすると良いでしょう。

▮ ITコーディネータ試験の一部免除特典がある ITパスポート試験で750点以上の得点があると、ITコーディネータ試験の一部免除が適用される「専門スキル特別認定試験」の受験が可能です。

「専門スキル特別認定試験」は公認会計士や中小企業診断士などの専門資格を有する人向けの優遇試験で、出題数が100問から60問、試験時間は120分から60分、受験料は19,800円から9,900円に減額されるなどのメリットが多数あります。

▮ 国家資格であり知名度が高い ITパスポートはITの基礎知識を問う試験のため難易度が比較的低く、取得しやすい資格ですが、国家資格であることから知名度は高く、就職や転職ではITの基礎知識を有する証明として、履歴書に保有資格として記載できます。

ITパスポートを取得するメリットとは?必要性や難易度も解説

ITパスポート取得者の年収

ITパスポートを取得した後に資格を活用できる職種として、プログラマーやシステムエンジニアなどが想定されます。ここではシステムエンジニアの年収を見てみましょう。

「マイナビエージェント 職種図鑑」によるとシステムエンジニアの平均年収は431万円(※2023年6月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のSE・プログラマ(ソフトウェア製品の開発・実装)を参考にすると、平均年収は568万円と分かりました。

国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円ですので、システムエンジニアは一般平均年収と比較して、やや高めの年収を目指せることが分かります。

システムエンジニアは様々なIT職種へのキャリアパスがあります。ITパスポートをキャリアアップのための1ステップとして捉え、さらに上位資格へチャレンジしていくことで、スキルアップはもちろんのこと、年収アップも目指せます。

【参考】:マイナビエージェント職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁

ITコーディネータ資格のメリットとデメリット

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ITコーディネータ資格を取得すると、どのようなメリット、デメリットがあるのかについて確認しておきましょう。

ITコーディネータのデメリット

ITコーディネータ資格の取得は決して簡単なことではありませんが、初めにデメリットを見てみましょう。挑戦される場合には、以下のデメリットに納得した上で受験されることをおすすめします。

▮ 資格取得や維持にかかるコストが掛かる ITコーディネータは民間資格であることから、国家資格と比べて資格取得や資格の維持にかかる費用が高めです。資格の取得には約25万円が掛かり、資格取得後の更新費用が毎年2万円、資格取得から3年以内に受講するフォローアップ研修では約9万円が必要です。

▮ 業務独占資格ではない ITコーディネータ資格を取得したからといって、公認会計士資格のように特定の業務を行えるという法令の定めがありません。そのため、人脈を作り、自ら営業活動を行うなどしてITコンサルタントなどを目指すことになります。

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ITコーディネータのメリット

次にITコーディネータ資格を取得することによるメリットを見ていきましょう。主なメリットを3つ挙げます。

▮ DX推進に欠かせない人材になれる 経済産業省が提唱するDX推進のタイムリミットが2025年と迫ってきました。このDX推進においては「経営とITの融合、ITの利活用」が大きな鍵となっており、まさしくITコーディネータにその役割が期待されています。

そのためITコーディネータはDX推進に欠かせない人材となり、今後さらに需要が増大していくと考えられます。

▮ 活躍範囲が広い 今や情報システムは企業経営にとって欠かせない重要な資源です。しかし、ITと一体化した経営戦略の企画立案は従来のシステム部門だけでは難しく、また経営企画部門でもハードルは高いのです。そうした状況の中、経営視点に立ってIT戦略の企画立案を行えるITコーディネータは、企業内においても活躍が期待されています。

▮ ITコンサルタントの近道 ITエンジニアの多くがキャリアパスの最終目標として設定する職種にITコンサルタントがありますが、ITコンサルタントにおすすめする資格として、プロジェクトマネージャ(PM)やITストラテジスト(ST)と並び、ITコーディネータが位置づけられています。

ITコーディネータ資格取得者の年収

ITコーディネータ資格を生かせる職種としてITコンサルタントが挙げられます。そこでITコンサルタントの年収を見てみましょう。

「マイナビエージェント職種図鑑」によればITコンサルタントの平均年収は512万円(※2023年6月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」からコンサルタントの年収を見ると、平均年収928万円と分かりました。

国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、ITコンサルタントは一般平均年収よりも、やや高いことが分かります。

また、ITコーディネータ試験には中小企業診断士や公認会計士、税理士の方などが優遇される「専門スキル特別認定試験」コースがあります。このような専門職の方がITスキルを有することで、年収は本業の収入に上乗せされ、さらなる高収入が予想されます。

【参考】:マイナビエージェント職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁

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どちらの資格試験に挑戦すべきか

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各資格の概要や違いは理解できたと思いますが、では、どちらの資格取得を目指すのか、決め兼ねてしまうかもしれません。ここでは、それぞれの資格試験の受験をおすすめする人について解説します。

ITパスポートの受験をおすすめする人

ITパスポートの受験をおすすめしたい人は、ITパスポートの取得によって何らかのメリットを得る人です。次に挙げる人がその該当者です。

1.IT知識が不足し、ITを利活用した業務の遂行に限界を感じる人 2.キャリアチェンジしたいが、ITに関する知識が不足していると感じる 3.ITパスポートに資格手当が付与される職場にいる人 4.DX推進部門への異動を希望している人 5.IT経験がないのにIT系部門のマネージャーを担当する人

以上に挙げた人はITパスポートの取得をおすすめしますが、既にITコンサルタントやシニアエンジニアの立場にある専門家はTパスポートの資格取得で得るものはあまりないでしょう。

ITコーディネータの受験をおすすめする人

ビジネスにおけるIT化やDX化の必要性は引き続き高いと予想されますが、これらを推進できる人材が不足しています。そのため、経営とITに詳しく、DX推進を担えるITコーディネータは企業で最も必要とされる人材です。

そこで、ITコーディネータ試験をおすすめしたい人は、以下に挙げるような人です。

1.ITの利活用による課題解決に関心が高い人 2.ITに強い経営者を目指す人 3.エンジニアやプログラマーからキャリアアップを目指す人 4.非IT系からITコンサルタントへのキャリアチェンジを目指す人 5.ITや経営の知識を活かして独立・開業を検討中の人 6.専門スキル特別認定制度の対象資格を保有する人

目指す資格が定まったら

ITパスポートを取得してプログラマーやシステムエンジニアを目指すのか、ITコーディネータ資格を取得してITコンサルタントを目指すのか、方向が定まったら目標に向かって行動を起こしましょう。しかし、自分で立てたキャリアプランに実現性があるのか不安は残ります。

そんな時には有力な転職エージェントに相談することをおすすめします。転職エージェントは単なる転職だけではなく、キャリアプランの実現に向けて様々なアドバイスをしてくれます。あなたの夢を実現させるアシストをしてくれます。

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キャリアチェンジを成功させよう

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本記事では「ITコーディネータとITパスポートの違い」をテーマに、主に未経験の方に向けて、それぞれの資格を生かしてキャリアチェンジを目指すメリットやデメリット、どちらの資格を取得すべきか、それぞれの資格取得に向いている人などについて解説してきました。

特にIT業界未経験の方が、キャリアチェンジをして自分の目標や夢を実現させるには、自分自身を育てて成長させてくれ、活躍の場を与えてくれる企業を見つけ出さなければなりません。

現職の仕事を続けながら、資格試験に挑戦し、さらには自分と相性の良い企業を探し出すのはハードルが高いでしょう、さらには面接対策や試験対策まで独力で行うのは限界があります。

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