プログラミング言語は将来性で選ぶ
これからITエンジニアを目指す皆さんの中には、どのプログラミング言語を学ぶべきか悩まれている方も少なくないでしょう。人気で選ぶのか、学びやすさで選ぶのか、求人の多さで選ぶのか、はたまたトレンドで選ぶのか迷う方も多いでしょう。
この記事では、主に将来性の観点からおすすめのプログラミング言語を紹介していきます。これから学ぶプログラミング言語選びの参考にして頂ければ幸いです。
プログラミングを学ぶ必要性
プログラミングを学ぶと、何ができるのか、どんな良いことがあるのかについて確認しておきましょう。
プログラミングを学ぶとできるようになること
エンジニアを目指す皆さんは、何のためにプログラミングを学ぶのでしょうか?ここで、プログラミングスキルを身に付けると、何ができるのかについて確認しておきましょう。
プログラミングはコンピュータが行う処理に対する指示書 (プログラム)を作成することです。この指示の組み合わせによって、ソフトウェアやアプリケーションが作成されます。ではプログラミング言語を覚え、プログラミングスキルを身に付けると、何ができるのか、一例を挙げてみます。
▪Webサイトの制作
▪スマホやパソコンのアプリケーション開発
▪ゲームソフトの開発
▪AIの開発
▪スマートスピーカーなどのIoT機器の制御ソフト開発
▪事務作業の効率化や自動化
このようにプログラミングによって、私たちが日常的に利用しているものや、仕事で利用するさまざまなソフトの作成ができるのです。
プログラミングを学ぶメリット
では、プログラミングを学ぶことで私たちはどんなメリットを得られるのでしょうか?以下列挙してみます。
▪全体的にITエンジニアが不足しており、プログラミングができると仕事に就きやすい
▪プログラマー、システムエンジニア、AIエンジニアなど、エンジニア職の選択肢が広がる
▪プログラミングスキルが高まると年収がアップしやすくなる
▪リモートワークなど、時間や場所に縛られない働き方ができる
▪フリーランスや起業など、さまざまな働き方を選べる
▪エンジニアに必要な論理的思考力が身に付く
▪AIやIoT、ビッグデータなど時代の最先端の仕事ができる
▪自分のアイデアをアプリとして形にできる
以上8つのメリットを挙げてみましたので、自身の考えに近いメリットを追求してみましょう。
どのプログラミング言語を学べばよいのか
プログラミングを学ぶ必要性については理解できたでしょうか。では、数あるプログラミング言語から、どのような目的で、どのような基準で習得する言語を選べば良いのでしょうか?
プログラミング言語選びは将来設計から
ITエンジニアを目指すには、プログラマーから入る方が少なくありません。とはいえ、プログラミング言語は200種類近くあり、どの言語から習得するのか迷うところです。習得したプログラミング言語によってある程度仕事が決まるからです。
プログラミング言語はそれぞれ、向き不向きがありますので、将来自分は何をしたいのか、どんなエンジニアになりたいのか、将来設計をしっかり行った上で学ぶプログラミング言語を選ぶことが重要です。
▪どんなソフトやアプリを作りたいのか?
▪どんな仕事に就きたいのか?
▪需要や将来性が高いプログラミング言語はどれか?
▪学びやすいプログラミング言語はどれか?
といった視点から、自身の考えや希望に最も合ったプログラミング言語を選ぶべきでしょう。
また、選んだプログラミング言語の人気度、シェア率、求人の多さなど、客観的な情報も把握してから、最終的に判断すると良いでしょう。
プログラミング言語を選ぶ基準
学ぶプログラミング言語を選ぶ上で、基準となりそうなものをピックアップしてみました。迷った時には以下のような基準から選択してみると良いでしょう。
求人数で選ぶ
求人サイトで、職種や希望年収、プログラミング言語などで求人情報を検索し、求人数が多ければ、それだけ需要が多いことが分かります。ここでは、転職エージェントの「マイナビAGENT」※の求人検索を利用して、プログラミング言語ごとに求人検索を行ってみました。
その結果、求人数の多いプログラミング言語の順番は以下の通りとなりました。
順位 言語 総求人数 構成比
1 C/C++ 13814 45.4% 2 Java 5954 19.6% 3 Python 2445 8.0% 4 PHP 2215 7.3% 5 JavaScript 1876 6.2% 6 Ruby 1372 4.5% 7 Go 1237 4.1% 8 CSS 837 2.8% 9 Swift 678 2.2% 30428 100.0%
汎用性の高いC言語系、Javaの求人が多く、次いでPyhonの求人が多いことが分かります。
【参考】:※Python「SE・システムエンジニア(IT/通信/インターネット) 求人一覧|マイナビAGENT
人気で選ぶ
プログラミング言語ランキングで知られている米国RedMonkの調査結果(2022.3.28)※によると、順位は次のようになっています。こちらは米国の調査ですが、日本のプログラミング言語の人気は米国に少し遅れて追随する傾向がありますので、参考になるでしょう。
順位 言語
1 JavaScript
2 Python
3 Java
4 PHP
5 C#
5 CSS
7 C++
8 TypeScript
9 Ruby
10 C
11 Swift
12 R
C言語系は分けてありますので、C言語として括ると上位になるでしょう。
【参考】:※The RedMonk Programming Language Rankings: January 2022
年収で選ぶ
プログラミング言語は需要と供給の関係によって年収が変わる可能性があります。人気の高いプログラミング言語は、需要に対して供給が追い付いていない可能性が高いと考えられますので、Pythonなどは今後、年収が上がる可能性が高いでしょう。
自身の興味が深いプログラミング言語の年収は、求人サイトで個別に見ていくとその年収が分かってくるでしょう。
将来性が高いと考えられるプログラミング言語5選
プログラミング言語の将来性は、今後伸びると考えられる分野と、プログラミング言語の人気などから総合的に判断することになります。以下に将来性が高いプログラミング言語を紹介します。
Python
Pythonは将来性が高いと思われるAI分野(人工知能)の開発でよく使われています。またWebアプリケーションのバックエンド開発、ゲームの開発にも使われる汎用性の高さに加え、自然言語に近いシンプルな構文を持ち、学びやすい点も人気の理由です。
また、Pythonはライブラリが豊富で、それらを活用することでプログラミングが容易に行え、生産性が高いという特徴があります。こうした点から、将来性が高く期待できるプログラミング言語と言えます。
JavaScript
「JavaScript」は、Webページに動きを与えるプログラミング言語の1つで、Web系の開発では必須となるポピュラーなプログラミング言語です。学習のハードルは低く、プラウザ上でプログラムを実行でき、初心者にも学びやすい言語です。
近年は企業内のシステムもWeb系で開発されることが増えており、今後も高い需要が期待できます。
Java
非常に汎用性の高いオブジェクト指向言語で、大規模システムを始め、あらゆるプラットフォーム環境で利用されています。
Javaはデスクトップ向けのアプリから、Webサービス、組み込み家電、IoT機器、スマホから金融機関の基幹システムまで、さまざまな場所で採用されており、今後も高い需要が見込まれています。
C#
C#はWindows の .NET Framework 上で開発・実行されます。C#は、業務用アプリやスマホアプリ開発など、幅広く採用されているプログラミング言語で、WindowsやLinux以外に、「Visual Studio for Mac」※ を使用すればMacOS上での開発も可能です。
他言語と比較すると難易度は高めとされていますが、C系言語の中では比較的学びやすい言語です。
【参考】:※Visual Studio for Mac|公式サイト
PHP
Webアプリのサーバーサイドの開発でよく使われるスクリプト言語です。Webページの制作で人気のWordPressや多くのCMSもPHPで開発されています。シンプルな構文で習得しやすいのが特徴です。
またPHPにはLaravelという強力なフレームワークがあり、Webアプリケーションの作成が容易な点も人気の理由です。
【参考】:WordPress|公式サイト
【参考】:The PHP Framework for Web Artisans|Larabel 公式サイト
習得する言語は将来性も考慮して選択しよう
この記事では、ITエンジニアとして学ぶべきプログラム言語は何か、将来性のある言語はどれかという視点で考察をしました。将来活躍できるエンジニアを目指す上では、プログラミングスキルという視点から、ここで紹介した将来性のあるプログラミング言語を習得するとよいでしょう。
可能であれば紹介した言語の中から2言語以上を習得しておくと大変有利です。例えば、JavaとPython、C++とPHPなど複数の言語スキルを身に付けておくと、より多くの仕事に携われるようになり、年収アップも見込めます。
しっかりとしたキャリアパスを描き、計画的にプログラミング言語の習得に努めてみることをおすすめします。
編集部オススメコンテンツ
アンドエンジニアへの取材依頼、情報提供などはこちらから