制御系エンジニアとは?需要がありキャリアパスが充実している理由
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制御系エンジニアとは?需要がありキャリアパスが充実している理由
アンドエンジニア編集部
2023.05.11
この記事でわかること
制御系エンジニアとは、制御に用いる組み込みコンピュータを要件に合わせて設計・開発・導入するエンジニアのこと
制御システムは機械システムや電子機器などに広く導入され、制御系エンジニアの需要も増えている
制御系エンジニアのキャリアパスにはプログラマー・プロジェクトマネージャーなどがある

制御系エンジニアとは?

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制御系エンジニアとは、制御に用いる組み込みコンピュータの設計・開発・導入を担当するエンジニアのことです。ここでは、制御系エンジニアの仕事内容・ 組み込み系エンジニアとの違いについて説明します。

制御系エンジニアの実際の仕事は?

制御系エンジニアの実際の作業は、まず顧客からの要望をヒアリングし、システム要件として定義します。その後、要件を満たすための設計やソフトウェア機能の開発、およびテスト・導入を行います。

要件定義では、制御に必要なレスポンス時間や、許容できる時間等を定めます。レスポンス時間といった処理の速さに関しては、リアルタイム製の高いOSを選択することが大切です。

制御系エンジニアには、顧客からの要求を適切に把握するための高い専門知識に加えて、顧客から要求を正確に聞き出すコミュニケーション能力も求められます。特に最初の工程であるシステム要件の正確性が重要です。システム要件が不正確である場合、基本設計や詳細設計に顧客の要望を正確に反映できない恐れがあります。

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組み込み系エンジニアと制御系エンジニアの違いは?

組み込み系エンジニアと制御系エンジニアはともにエンジニアですので、同じような能力が期待される場合が多いです。それでは違いはどこにあるのでしょうか。

組み込み系エンジニアの役割は、機器やシステムが動作する仕組みを作ることです。一方制御系エンジニアの役割は、機器やシステムが正しい動作をするための制御機能を作ることにあります。

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制御系エンジニアは適切な制御ロジックの実装や、モニターコントロールする機能などに関しての専門性が求められます。実際の開発現場では、組み込み系エンジニアと制御系エンジニアは緊密に連携することが求められ、同一のエンジニアが両方の役割を持つこともあります。

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制御系エンジニアの開発環境・実装内容・資格は?

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制御系エンジニアに求められるスキルには、ハードウェアやOSに関するスキルなどがあります。そのため、組み込みシステム用に用いられるOSやプログラミング言語の理解が必要です。

また、IoT機器に実装されている各種センサー群についての知識も必要で、自動制御プログラミングのスキルが必要になることもあります。

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制御系エンジニアが用いる開発環境は?

制御系エンジニアは制御ロジックを開発するため、使用するプログラミング言語は性能を重視します。例えば、ハードウェア性能を発揮させるためにアセンブリ言語を用いることもあります。また、高水準言語のC言語やC++を利用することもあります。

開発するモジュールは制御ロジックのため、センター入力値により論理制御モジュールを通じてフィードバックデータを出力したり、主操作部分へ通知したりします。そのため、ハードウェア開発とソフトウェア開発を並行実施する際は、センサーデータを使った疑似環境やシミュレータを用いて開発することもあります。

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制御システムの具体的な実装内容は?

制御システムの具体的な実装は、マイクロコントローラと接点入力やデジタル信号処理(DSP)を接続し、スイッチ入力の値から論理関数の演算結果を返すフィードバックループを設定することが多いです。

または、標準的な処理をプログラマブルロジックコントローラ(PLC)で構築し、論理制御する仕組みをとることもあります。

制御系エンジニアは、制御処理の要件にしたがってプログラミングを行い、動作が安定的に行われるようにテスト・調整も担当します。

制御系エンジニアに有効な資格は?

制御系エンジニアにおすすめの資格は、一般社団法人組込みシステム技術協会の組込みソフトウェア技術者試験(ETEC)です。組み込みエンジニア向け技術者試験ですが、制御系エンジニアの資格としてもカバーされています。

また、情報処理推進機構(IPA)のエンベデッドシステムスペシャリスト試験も、組み込みシステムの要件が求められます。こちらも制御系エンジニアにおすすめの資格です。

【参考】:一般社団法人組込みシステム技術協会 組込みソフトウェア技術者試験(ETEC) 【参考】:情報処理推進機構(IPA) エンベデッドシステムスペシャリスト試験

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制御システムの活用用途と市場性は?

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これまでも制御機能を搭載した機器は多数ありましたが、IoT(Internet of Things)により制御情報をインターネット経由で共有したり、AI分析して活用したりすることが急増しています。そのため電気機器の制御はもちろん、従来の機械的な機構を持つ機器にも、電子制御の仕組みが搭載され始めています。

これによりデータ入力機器となるセンサーも高度化され、位置情報を用いた移動制御や姿勢制御のニーズが高まっています。ここでは 制御システムの具体的な活用用途と市場性について紹介します。

制御システムの活用用途は?

制御システムは、電気系システム機器から機械系システム機器まで実装の幅が広がっています。制御系エンジニアが活躍するのは、主に電子制御を必要とする機器の分野です。具体的には、機械の動作に関する速度・距離・角度・加速度の制御や、電子機器の動作の安定化等を目指します。

通信機器の制御システムには、プロトコル制御や帯域割り当ての制御等があります。また、通信の高速化により機器の遠隔操作を可能にしたものや、音声操作・音声リモコン等の生活環境を豊かにするものまで制御システムの活用方法は多岐に渡ります。

さらに近年増えているドローンは、機器自体の姿勢制御や移動制御、音声認識・画像認識のコントロールまで、さまざまな技術装備がなされています。

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制御システムの市場性は?

現在5Gによる高速通信とIoT(モノのインターネットへの接続)市場が拡大しています。同様にロボット市場も拡大しており、おもちゃとしてのロボット・見守りロボット・警備ロボット・工場で使われる作業ロボットなど多くの種類があります。

また、今後は介護ロボットの需要が見込まれており、遠隔診療といった新しい領域でロボットが活躍するでしょう。このように、5G・IoT・ロボットなどの普及に伴い、制御システムもさまざまな場面で活用されると予想されます。

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特に、ロボットを制御する際は安全性を重視する必要があります。そのため、ロボット制御に関する制御エンジニアのニーズはさらに高まるでしょう。

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制御系エンジニアの仕事の特徴

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制御系エンジニアの仕事内容や手がける制御システムの活用用途などがわかったところで、制御系エンジニアならではの仕事の性質・特徴について解説します。

人によってメリットにもデメリットにもなり得るので、他のエンジニア職などとも比較しながら、適性の有無などを考える際に参考にしてください。

手掛けた製品が世の中で広く使われる

制御系エンジニアの仕事の大きな特徴として、手掛けたシステムが搭載された製品が広く世の中で使われることが挙げられます。使われる分野はさまざまですが、商品として売られ、一般の消費者が実際に手に取ることも多いです。

担当した製品が実際に動き、人々の役に立っているところを直接目にする機会があるというのは、大きな魅力です。

一方で、世の中で広く使われるものだからこそ、設計ミスなどが許されないという緊張感もあります。その責任の重さやプレッシャーをむしろやりがいとして感じられる人は、モチベーションの高い制御系エンジニアとして活躍できるでしょう。

最先端の技術に触れられる

制御系エンジニアが開発するシステムは、まだこの世に存在していない全く新しいものであることが多いです。時代の最先端を行く製品を作り上げるため、IT業界の中でもいち早く最先端分野に携われる職種と言えるでしょう。

最新技術は日々更新され、移り変わりも速いため常に学び続ける姿勢が必要ですが、その分自身の成長につながりますし、技術の進歩や活用分野の拡大が続いているため将来性の高い職種とも言えます。

開発の難しさもある

制御系エンジニアが開発するシステムはハードウェアに搭載されて製品となりますが、搭載されるハードウェアが存在していない段階からシステムなどソフトウェアの開発を行わなければならないこともあります。双方の開発が同時に進む形です。

ハードウェアの仕様が途中で当初予定されていたものから変わったり、クライアントとの認識の祖語が生じていたり、ソフトウェア以外のチームと進捗が合わなかったりしてソフトウェア開発に影響が出る場合があります。

そうした状況に対応するためには、感覚ではなく論理的に筋道を立てて考える論理的思考力が必須です。また、そのような難しい局面でも仲間と手を取り合って突き進んでいくためには、コミュニケーションも重要な要素になってきます。

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制御系エンジニアの年収とキャリアパスは?

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制御システムが活用される領域が拡大することによって、制御系エンジニアの需要が高まっています。ここでは、制御系エンジニアの年収と今後のキャリアパスについて紹介します。

制御系エンジニアの年収は?

システムエンジニア(制御・組み込み)の年収は「マイナビエージェント職業別年収ランキング/職種図鑑」での平均年収は455万円(※2023年2月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のSE・プログラマ(組み込みソフトウェアの開発・実装)を参考にすると、平均年収603万円と分かりました。

国税庁2020年発表の民間給与実態統計調査における民間企業平均年収は433万円なので、制御系エンジニアは一般平均年収よりも、やや高めであることが分かります。

制御系エンジニアに求められる知識やスキルは幅広く、その仕事はIT技術の発展により年々高度化しています。そのため、他のエンジニア職種と比べても比較的高い年収が得られると考えられます。IoTなどの普及による需要の伸びもその要因でしょう。

スキルアップや経験を積むことによって、さらに高い年収を得ることも可能です。年収アップの足掛かりとしては資格の取得も有効です。

【参考】:マイナビエージェント職業別年収ランキング/職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2019年12月~2020年5月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁

制御系エンジニアのキャリアパスは?

制御系エンジニアは要件定義から基本設計・詳細設計・開発・テスト・導入といった開発に関する一連の作業を担当します。開発の上流工程・下流工程どちらも担当するため、幅広い経験とスキルが身に付くでしょう。

そのため、制御系エンジニアのキャリアパスにはさまざまな職種があります。例えば、開発の上流工程を担当するシステムエンジニア、プログラミングスキルを活かしたプログラマーなどです。さらにマネジメントスキルを持っていれば、プロジェクトマネージャーを目指すこともできます。

また、制御系エンジニアとしてスキルを高め専門家として独立することも可能です。特に高い専門性が求められるロボット制御は、ロボット市場の拡大に伴い活躍の場が広がるでしょう。

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制御系エンジニアになってキャリアを充実させるには

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電子機器・機械システムに加え、IoTやロボットといった新しい分野に制御システムが導入されるようになり、制御システムの活用の場が広がっています。制御システムの需要拡大に伴い、制御系エンジニアの需要も高まるでしょう。

また、制御系エンジニアとして経験と実績を積んだあと、システムエンジニア・プログラマー・プロジェクトマネージャーなどほかの職種にキャリアチェンジすることも可能です。重要性が高くキャリアパスが充実している制御系エンジニアは、魅力的な職種と言えるでしょう。

しかし、IT未経験の方が制御系エンジニアを目指す場合、自分に合っている業界はどこか、具体的な仕事内容や待遇の良し悪しなどわからないことが多いでしょう。

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