Seleniumのインストール概要
Seleniumは、ウェブブラウザのインスタンスをリモートで制御する自動化ツールです。Seleniumは、大手企業のウェブブラウザ・ベースのアプリケーションテストでも多数利用されています。WindowsやmacOS、Linuxに対応し、主要ブラウザがカバーされます。
Seleniumのインストールに必要なモジュールは、公式ダウンロードサイトに掲載されています。また、ドキュメントは日本語が用意されていますので、手順に従ってインストールを進めていきます。
【参考】:Selenium Downloads 【参考】:Selenium 【参考】:Selenium Doc ブラウザ自動化プロジェクト
Seleniumをインストールしてみる
ここではよく利用されている、プログラミング言語Pythonを想定して解説していきます。Seleniumはプログラミング言語との組み合わせでインストール手順が異なります。上記以外のプログラミング言語の詳細については、公式サイトをご確認ください。
【参考】:Seleniumライブラリのインストール
Python向けSeleniumライブラリのインストール
Seleniumライブラリには、Seleniumソフトウェアが一式含まれます。最新のselenium 4.7.2では、Python 3.7以降が対応します。あらかじめ対象バージョンのPythonをインストールしておきます。
【参考】:Seleniumライブラリのインストール 【参考】:PyPi Selenium 【参考】:Python Download
すでにPythonがインストールされている環境では、”pip”コマンドが利用できます。Seleniumライブラリの新規インストールは次のコマンドを実行します。
pip install selenium
インストール済みバージョンをアップデートする場合は、次のようにコマンドを実行します。
pip install -U selenium
“pip”コマンドを使用しない場合には、setup.pyを用いて”python setup.py install”などのように手動でダウンロードし、インストールする方法もあります。
Seleniumがインストールできない場合
”pip”を実行時にエラーとなり、インストールできない場合もまれに報告されています。原因としては、職場のプロキシー設定や、管理者権限付与がさせていないなどの問題が挙げられます。自宅では問題なくとも職場の開発環境でインストールできない場合は、上記ポイントをご確認ください。
他のプログラミング言語向けSeleniumライブラリのインストール
Seleniumライブラリのインストール方法ですが、公式サイト「Seleniumライブラリのインストール」の「Requirements by language」に掲載されています。
Pythonに加えて、公式サイトでは利用頻度の高いJavaやRuby、C#・JavaScript・Kotlinについても情報が掲載されています。具体的な操作手順についても紹介されています。詳細は、公式サイトをご確認ください。
【参考】:Seleniumライブラリのインストール
ブラウザドライバーのインストール
Seleniumでは、ChromeやFirefox、Edge・Safari などの主要なブラウザをサポートしています。WebDriverがブラウザ側のドライバーを呼び出して使用します。
ブラウザドライバー自体は、それぞれのベンダーから提供されています。SeleniumではSelenium Managerベータ版の提供を始めており、Chrome・Firefox・EdgeのドライバーがPATHに登録されていない場合は、必要な設定を行うことが可能です。
【参考】:ブラウザのドライバーをインストールする 【参考】:Introducing Selenium Manager
Pythonの使い方とブラウザドライバーのインストール概要
Pythonの使い方ですが、簡単にまとめるとブラウザドライバーのimportは次のように行います。ここでは、Chromeのブラウザドライバーを使用した例を取り上げます。
from selenium import webdriver
driver = webdriver.Chrome('ドライバーのPATH')
この前段階として、使用するブラウザに応じたブラウザドライバーのインストールが必要です。ブラウザドライバーのインストール方法ですが、設定作業にはいくつかの方法があります。
Python向けChromeブラウザドライバーを手動でインストールする
ブラウザドライバーには、手動でインストールしPATHを設定する方法や、プログラムから直接格納場所(PATH)を指定する方法があります。ここではChromeブラウザドライバーを手動でインストールしていきます。
Chromeの場合は、Googleが提供しています。公式ダウンロードサイトからお使いのバージョン向けのドライバーをダウンロードし、保存します。この例では、バージョン109用モジュールを使用します。Windows・macOS・Linux版がそれぞれ公開されています。
ダウンロードが完了したら、zipファイルを展開し、PATHを設定します。Windowsの場合は、”chromedriver.exe”を”C:\WebDriver\bin”など任意のフォルダに格納し、PATHを設定しておきます。フォルダは適宜作成してください。
C:\Users\ユーザー名> copy Downloads\chromedriver.exe C:\WebDriver\bin
C:\Users\ユーザー名> setx PATH "%PATH%;C:\WebDriver\bin”
成功: 指定した値は保存されました。
C:\Users\ユーザー名> "
続いて以下のようにブラウザドライバーを起動して、エラーなく動作すれば正常です。
C:\Users\ユーザー名> chromedriver
Starting ChromeDriver 109.0.5414.74
e7c5703604daa9cc128ccf5a5d3e993513758913-refs/branch-heads/5414@{#1172}) on port 9515
Only local connections are allowed.
Please see https://chromedriver.chromium.org/security-considerations for suggestions on keeping ChromeDriver safe.
ChromeDriver was started successfully.
上記手順でインストールとセットアップは完了です。
Pythonからの使用方法は次の通りです。
from selenium.webdriver.chrome.service import Service
from selenium import webdriver
service = Service(executable_path="C:\WebDriver\bin\chromedriver.exe")
driver = webdriver.Chrome(service=service)
これよりセッションを開始することができますので、必要なブラウザのテストを行います。セッションは、”driver.quit()”を発行するまで維持されます。
Chrom以外のブラウザドライバーですが、Safariでは標準搭載されています。FirefoxやEdgeのダウンロード先は以下の通りです。必要に応じてご確認ください。
【参考】:Firefox geckodriver 【参考】:Microsoft Edge WebDriver
Python用のWebdriver Manager概要
Python用のWebdriver Managerでは、ChromeDriverやGeckoDriver、IEDriver・OperaDriver・EdgeChromiumDriverがサポートされており、導入手順を簡略化できます。
こちらは自動化の追加ソフトウェアであり、必ず必要というわけではありませんが、参考情報としてお伝えします。インストールは次のように行います。
pip install webdriver-manager
Chromeを使用する場合では、Webdriver Managerがインストールされた環境で、次のようにドライバーをロードします。
from selenium import webdriver
from selenium.webdriver.chrome.service import Service as ChromeService
from webdriver_manager.chrome import ChromeDriverManager
driver = webdriver.Chrome(service=ChromeService(ChromeDriverManager().install()))
【参考】:Webdriver Manager for Python
他のプログラミング言語でブラウザドライバーを使用する
ブラウザドライバーのインストールや使用方法については、公式サイト「ブラウザのドライバーをインストールする」の「ドライバー管理ソフトウェア」に掲載されています。
作業の流れは同一ですが、使用する際に実際のプログラミング言語ごとの指定方法に違いがあります。WebDriver Managerを利用する場合も、言語ごとに違いがあります。詳細情報は、公式サイトをご確認ください。
【参考】:ブラウザのドライバーをインストールする
Seleniumのインストール後は実際にテストや評価に活用しましょう
Seleniumは、ブラウザベースアプリのテストに用いられ、著名な企業の多くが採用しています。多くのプログラミング言語を用い、同時に主要なブラウザアクセスを24時間実施し、ユーザーインターフェースのテストを効率的に行うことができます。
インストールが完了したら、実際にリモート制御を実施し、複雑化が進むウェブサイトの品質を高めましょう。
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