生成AIとは?従来のAIとの違い、概要や種類について詳しく解説
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生成AIとは?従来のAIとの違い、概要や種類について詳しく解説
アンドエンジニア編集部
2024.08.04
この記事でわかること
従来のAIは特定のタスクを実行するのに対し、生成AIは新たなものを創造することが主な役割
生成AIは深層学習や機械学習の技術であり、新しいデジタルコンテンツを自動的に生成する技術
生成AIには技術的課題、倫理的課題、社会的課題が残されており、それらの克服が必要

生成AIとは?

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生成AI(Generative AI)は、AI(人工知能)の中でも特に注目されている技術の1つです。深層学習や機械学習の手法により、テキストや画像、音楽やビデオなどのデジタルコンテンツを自動的に生成することができます。

生成AIは、あたかも人が作り出したかのような、創造的な成果物を生み出す能力を持っており、ビジネスからエンターテインメントまで幅広い分野で応用されています。

この記事では、生成AIの基本的な仕組みや種類、代表的なサービスについて詳しく解説します。

生成AIとAIの違い

生成AI(ジェネレーティブAI)と従来のAI(識別系AI)の違いは、主にその目的と機能にあります。

簡単に述べると、従来のAIは解析や判断といった、特定のタスクを実行するのに対し、生成AIは新たなものを創造することが主な役割です。

■ 生成AI 生成AIは、新しいコンテンツを生成する能力を持つAIです。テキスト、画像、音楽など、様々な形式のデジタルコンテンツを生成します。生成AIは深層学習や機械学習の手法を用いて、データのパターンや関係性を学習し、新しいデータを生み出します。

■ 従来のAI 従来のAIは、主にデータの分析や分類、予測等を行う識別系AIです。既存のデータを基にして、パターン認識や意思決定のサポートなどを行います。例えば、画像認識AIが物体を特定し、音声認識AIは話者を識別します。

【参考】:生成AIはじめの一歩~生成AIの入門的な使い方と注意点 | 総務省

生成AIの概要

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ここでは、生成AIの概要と題して、生成AIの仕組みと、生成AIがどのような分野で、どう活用されているのか等について紹介していきます。

生成AIの仕組み

生成AI(Generative AI)は、深層学習(ディープラーニング)や機械学習の技術を駆使して、テキスト、画像、音楽、ビデオなどの新しいコンテンツを自動で生成する技術です。この技術の基本的な仕組みは以下の通りです。

■ プロンプトの解析 生成AIは、まず与えられたプロンプト(指示)を解析します。プロンプトはユーザが生成AIに対して行う要求や質問のことです。これにより、生成AIは何を生成するべきかを理解します。

■ データの学習 次に、生成AIは入力されたデータを分析し、そのデータのパターンや特徴を学習します。これには大量のデータセットが使用され、AIはデータ内の関係性やパターンを見つけ出すことに重点を置きます。

■ 生成プロセス 学習したパターンや特徴に基づいて、生成AIは新しいデータを生成します。例えば、テキスト生成AIは、ユーザの質問に対する回答となるテキストを生成し、画像生成AIは新しい画像を作成します。音声や動画も同様です。

■ 生成対向ネットワーク(GANs) GANsは、生成器と識別器という二つのニューラルネットワークから構成されます。生成器は新しいデータを生成し、識別器はそのデータが本物か偽物かを判定します。このプロセスを繰り返すことで、生成器は本物に近いデータを生成できるように学習します。

■ 変分オートエンコーダー(VAEs) VAEsはデータを潜在空間にエンコードし、その空間から新しいデータをデコードすることで、元のデータに類似した新しいデータを生成します。特に画像生成において有効です。

生成AIはこれらの仕組みを駆使して、クリエイティブなコンテンツの生成やシミュレーション、データの補完など、様々な用途に利用されています。

AIを学習させる方法とは?機械学習やディープラーニングについて解説
プロンプトエンジニアリングとは?具体例や応用手法も徹底解説

生成AIの応用分野

生成AI(ジェネレーティブAI)は、多岐にわたる分野で活用されていますが、その主な応用分野は以下の通りです。他にも新たな分野が開拓され、ビジネス活用が急速に進んでいます。

■ コンテンツ生成 テキストや画像、音楽や動画などのクリエイティブなコンテンツの生成に広く利用されています。これにより、マーケティング資料、ブログ記事、ソーシャルメディア投稿などの自動作成が可能となります。

■ 医療分野 生成AIは、診断支援や治療計画の作成においても役立っています。例えば、医師が患者の症状やデータを基に最適な治療法を見つける手助けをします。

■ ゲーム開発 ゲーム内のシナリオやキャラクター、マップの自動生成に利用され、開発コストの削減とともに、多様なコンテンツを提供することができます。

■ 教育分野 カスタマイズされた学習教材の生成や、生徒の進捗に応じた個別指導の提供に生成AIが使われています。これにより、生徒たちの学習効果の向上が期待されています。

■ 金融分野 取引パターンの解析や予測、リスク管理のためのデータ生成に利用されています。これにより、投資判断の精度が向上し、リスクを最小限に抑えることができます。生成AIは、これらの分野以外にも多くの場面で革新をもたらし続けており、その応用範囲は今後も拡大することが予想されます。

生成AIの種類と特徴

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生成AIには様々な種類があり、それぞれ異なる特徴と用途があります。以下に主要な生成AIの種類とその特徴を紹介します。

テキスト生成AI

テキスト生成AIは、ユーザが入力したプロンプトに基づいて新しい文章を生成します。代表的なものとしては、OpenAIのChatGPTやGoogleのGemini、MicrosoftのCopilotなどが知られており、一部無料で利用可能なサービスもあります。

これらのAIは、自然言語処理技術を駆使して、質問への回答や文章の要約、キャッチコピーの作成などを行えます。

【参考】:ChatGPT|OpenAI 【参考】:Gemini|Google 【参考】:Microsoft Copilot | Microsoft AI

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画像生成AI

画像生成AIは、テキストの指示に基づいて新しい画像を生成します。代表的なサービスには、DALL·E 3やMidjourneyがあります。これらのAIは、ユーザが指定したテーマやスタイルに応じた画像を生成し、デザインや広告制作などに活用されています。

【参考】:DALL·E 3|OpenAI 【参考】:Midjourney

音声生成AI

音声生成AIは、テキストや音声データをもとに新しい音声を生成します。代表的なサービスには、MicrosoftのVALL-EやAmazonのPollyがあります。これらのAIは、ナレーションの作成や音声アシスタントの開発に利用されています。

【参考】:VALL-E|Microsoft 【参考】:Amazon Polly | AWS

動画生成AI

動画生成AIは、テキストや画像データをもとに新しい動画を生成します。代表的なサービスには、Runway Gen-2やSynthesiaがあります。これらのAIは、プロモーションビデオや教育コンテンツの制作に活用されています。

【参考】:AI Video Generator - Create AI Video in Minutes - Free Trial

代表的な生成AIサービス

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ここでは、各分野で代表的な生成AIサービスをいくつか紹介します。単独で利用されるサービスもありますが、複数の生成AIサービスを組み合わせて、多機能な生成AIとして提供されるケースも少なくありません。

ChatGPT

ChatGPTは、OpenAIが開発したテキスト生成AIで、自然な対話が可能です。ブログ記事の作成や質問への回答、アイデアの提案など、多岐にわたる用途で利用されています。ChatGPTはGPT3.5、GPT-4という大規模言語モデルを基盤としており、高い精度でテキストを生成します。

【参考】:ChatGPT|OpenAI

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OpenAIのGPT-4とは?ChatGPTの進化版について解説!

DALL·E 3

DALL·E 3は、OpenAIが開発した画像生成AIです。テキストの指示に基づいて高品質な画像を生成します。広告やデザイン、アートの分野で広く活用されており、ユーザのクリエイティブな要求に応えることができます。

【参考】:DALL·E 3|OpenAI

VALL-E

VALL-Eは、Microsoftが開発した音声生成AIです。特定の人物の声を模倣して新しい音声を生成します。ナレーションや音声アシスタントの開発に利用されており、自然な音声合成が可能です。

【参考】:VALL-E|Microsoft

Runway Gen-2

Runway Gen-2は、動画生成AIで、テキストや画像をもとに新しい動画を生成します。プロモーションビデオや教育コンテンツの制作に活用されており、高品質な動画を短時間で生成することができます。

【参考】:Gen-2 by Runway

生成AIの今後の展望と課題

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生成AIは急速に進化しており、今後も様々な分野での活用が期待されています。しかし、多くのメリットがある反面、いくつかの問題点や課題、デメリットも存在します。

技術的な課題

生成AIはまだ発展途上の技術であり、生成されたコンテンツの品質や精度には限界があります。特に、テキスト生成AIでは誤情報や不適切な内容が生成されるリスクがあり、例えば、SNSでの偽情報拡散や不適切なコメントの生成が問題となっています。

これを防ぐためには、結果を過信せずにファクトチェックを行うこと、AIの学習データの質を向上させることが重要です。

倫理的な課題

生成AIはまだ発展途上の技術であり、生成されたコンテンツの品質や精度には限界があります。特に、テキスト生成AIでは、誤情報や不適切な内容が生成されるリスクがあります。例えば、SNSでの偽情報拡散や不適切なコメントの生成が問題となっています。

これらの問題に対処するためには、適切な規制やガイドラインの整備が必要です。また、プライバシー侵害や人権に対する影響も考慮する必要があります。

社会的な課題

生成AIの普及により、アーティストやイラストレーターなどのクリエイティブな職業に従事する人への影響も懸念されています。AIが人間の仕事を代替することで、雇用の問題が生じる可能性があります。これに対しては、AIと人間が共存できるような新しい働き方の模索が求められます。

【参考】:総務省|令和5年版 情報通信白書|生成AIを巡る議論 | 総務省

生成AIの活用を進めていこう

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ここまで、生成AIについて概要や種類、特徴、代表的な生成AIサービス、生成AIの今後について解説しました。すでに生成AIはあらゆるビジネスの現場で活用され、企業や組織の生産性向上、サービス向上に貢献しています。

生成AIは様々な課題を克服しながら、さらなる広がりと定着が期待されています。生成AIの導入や活用は、今後各分野の存亡に関わる重要なファクターとなる可能性がありますので、生成AIの活用をぜひ目指しましょう。

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