Geminiとは?
「Gemini」はGoogleが開発・提供する会話型AIチャット及び、生成AI全般を指すブランド名です。Geminiは、2023年2月にGoogle AIが発表した、会話型AIチャット「Bard」から生成AI全般を指すブランド名として生まれ変わりました。
従来の「大規模言語モデル」という名称に加え、対話型AIチャット、Google Workspaceなどの業務ツール、Android向けアプリなどでも同ブランドが用いられています。この記事では、Geminiの概要、メリットやデメリット、使い方について解説をしていきます。
生成AIを利用したい方、すでにChatGPTを利用している方、ぜひ参考にしてください。
【参考】:Gemini と話してアイデアを広げよう | Google
Geminiの概要
Geminiは、2023年2月にGoogle AIが発表した会話型AIチャット「Bard」の後継であり、Google AIが開発したマルチモーダル生成AIモデルです。ここでは、Geminiの特徴や種類、料金やメリット・デメリットについて見ていきましょう。
Geminiの特徴
Geminiはさまざまな種類の情報(テキスト、画像、音声、動画など)をデータ処理し、高度な機能を果たすことができるマルチモーダル生成AIであるのが大きな特徴です。Geminiは何ができるのかについて挙げてみましょう。
▪テキスト生成 文章や詩、コード、台本、音楽作品、メール、手紙など、あたかも人が作成したかのように、さまざまな形式のテキストを生成できます。
▪画像生成 与えられたテキストの説明を理解し、その指示者の意図に合わせて画像の生成をすることができます。
▪翻訳 高い精度で100以上の言語間の翻訳ができ、動画などのマルチモーダルデータの翻訳にも対応しています。
▪コード生成 PythonやJava、C++、Goなど、さまざまなプログラミング言語を理解し、コード生成からコードレビュー、デバッグからテストデータの生成まで実行することができます。
▪質問応答 自然言語を理解し、複雑な論理まで理解して、推論を行うことができます。またあらゆる分野の知識を蓄積しており、さまざまな質問に迅速に回答することができます。
Geminiの種類
GeminiはGoogle AIが開発した大規模言語モデルですが、種類によって性能や用途が異なり、現在は以下の3種類が提供されています。(2024年5月時点)
▪Gemini Nano スマートフォンなどのモバイルデバイス向けに最適化されたモデルです。処理速度が速く、軽量で低遅延な動作が特徴です。用途としてはスマートフォンアプリやチャットボットなどのモバイルアプリケーションです。
▪Gemini Pro 幅広いタスクに対応する汎用性の高いモデルです。高精度な文章生成や翻訳、コード生成などの機能が備わっています。Webサイトやドキュメントの生成、翻訳、要約、コード生成などに利用します。
▪Gemini Ultra 最も高性能なモデルで、複雑なタスクや大規模なデータ処理にも対応できます。研究開発や高度な分析などに利用されています。研究開発、高度な分析や大規模なデータ処理に向いています。
Geminiの料金プラン
Geminiの利用料金は、以下の2つのプランがあります。生成AIを試してみたい方、日常生活で利用する予定の方は無料プランをおすすめします。ビジネスや研究開発分野での利用は有料プランがおすすめです。
▪無料プラン 無料プランでは、コード生成や翻訳、要約、質問応答などの基本的な機能を利用することができます。ただし、無料プランには利用回数の制限(月間500回まで)、ストレージ容量の制限があります。
利用できるストレージの容量は基本的にゼロですが、生成したテキストやコードを一時的に保存しておくことはできます。
▪有料プラン 有料プラン(Gemini Advanced:月額2,900円)では、無料プランの機能に加えてAPI連携機能を利用できます。他に、優先処理により無料版よりも待ち時間が短くなります。他、商用利用や大規模データの処理、Google Workspaceのワークフロー連携などが利用できます。
また、2ヶ月の無料トライアルが付いており、課金される前にさまざまな機能を試すことができます。
Geminiのメリットとデメリット
Geminiのデメリット概要に続いて、Geminiのメリットとデメリットについて見てみましょう。利用する際には、メリットとデメリットをよく理解した上で利用することをおすすめします。
Geminiのメリット
Geminiのメリットとしては、高精度と汎用性、機能の豊富さ、分かりやすいインターフェースなど、主に3つのメリットがあります。1つずつ見ていきましょう。
▪高精度と汎用性 Google AIによって開発された大規模言語モデルであるGeminiは、高い精度と汎用性を誇っています。文章生成や翻訳、要約、質問応答などのさまざまなタスクをスムーズに、高い精度でこなすことができます。
▪豊富な機能 Geminiは文章生成や翻訳、要約、質問応答、コード生成、画像生成などの豊富な機能を備えており、一部利用回数やストレージ容量の制限はあるものの、ほとんど無料で利用することが可能です。
▪分かりやすいインターフェース Geminiはシンプルで分かりやすく、使いやすいインターフェースを備えています。ブラウザ上で直感的に利用することができます。
Geminiのデメリット
Geminiには優れたメリットがある反面、以下に挙げるようなデメリットもあります。利用する際はデメリットもあらかじめ認識しておくことが大切です。
▪日本語対応が十分ではない Geminiは日本語対応が不十分であり、まだ一部には英文表記があります。そのため、使いにくいと感じる人がいるかもしれません。
▪有料プランの料金が高い Geminiの有料プランの料金は2,700円/月と、他のAIサービスと比べて高いと感じるかもしれません。いきなり有料プランを購入せず、無料プランを試してから判断すると良いでしょう。
▪開発途上 Geminiはまだ開発途上で評価中です。画像生成機能は問題が生じたため、一時休止中です。(2024年5月時点)今後、機能や性能の変更があると考えられます。
Geminiの始め方と利用制限
GeminiはGoogleアカウントを使って無料版の利用が可能です。(2024年5月現在)実際に試してみましょう。ただし、一部利用制限がありますので、注意して始めてみましょう。
Google Geminiの始め方
Geminiの始め方は大変シンプルであり、Googleアカウントを保有している人は、ログインしてすぐに始めることができます。以下に利用するまでの手順を紹介します。
Google Geminiの公式サイトにアクセスし、Googleアカウントでログインします。
ログイン画面が表示されたら、「メールアドレスまたは電話番号」欄にGoogleアカウント(Gmailアカウント)を入力し、[次へ]をクリックします。Googleアカウントがない方は、「アカウント作成」をクリックして新規アカウントを登録することができます。
初めて利用する方は、利用規約への同意を求められます。
Geminiのチャット画面が表示されたら、プロンプトに質問や依頼事項を入力するだけで、ただちに利用できます。ただし、現在(2024年5月)では、画像生成機能は人種や性別に対する偏見を助長する問題があったとして、Googleが停止措置を取っていますので利用できません。
プロンプトに実際に質問を入力してみましょう。ここでは、「Geminiの無料利用は何か制限がある?」と質問してみました。1ヶ月当りの使用回数に500回の制限があることが分かりました。また1回のタスクの実行時間は30分までです。
設定メニュー(画面左のサイドメニュー下)では、拡張機能の設定ができます。拡張機能には「Googel Workplace」、「Googleフライト」、「Googleホテル」、「Google MAP」、「YouTube」があり、オン・オフボタンの設定で、拡張機能の有効化、無効化が可能です。
「Googel Workplace」は、クラウド型のオフィススイートで、組織での情報共有や共同作業などが効率化されます。
【参考】:ビジネスアプリとコラボレーションツール | Google Workspace
Geminiの利用年齢制限
Geminiの利用には年齢制限があり、基本的には13歳以上である必要があります。ただし、欧州経済領域(EEA)、カナダ、スイス、または英国に在住の場合には、Gemini ウェブアプリの利用は18歳以上である必要があります。
また、Gemini APIの利用は18歳以上である必要があります。さらに、画像生成機能については、18歳未満のユーザは利用できません。
【参考】:Gemini ウェブアプリを使用する | Gemini アプリ ヘルプ
Geminiで仕事の効率を高めよう
ここまでGoogleのマルチモーダル生成AIであるGeminiの概要、メリットとデメリット、始め方について紹介しました。GeminiはMicrosoftのCopilotと似た位置づけにありますが、Copilotに負けず劣らずの素晴らしい性能を発揮しています。
また、Google Workspaceの利用者であればさまざまな相乗効果も期待できます。開発者であれば、API連携機能を利用して、アプリ開発に活かせるでしょう。無料で利用ができますので、活用策を検討するためにも、ぜひ試してみましょう。
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